高低差4,000mの特殊な世界!
立山黒部ジオパーク1泊2日親子旅
3,000m級の雄大な山々が連なる富山県の立山連峰。
山頂に降り積もった雪は、春になれば雪解け水となって大地を巡り、やがては最深部1,300mの富山湾へと流れ込みます。
高低差4,000mにもおよぶ地形は世界的にもめずらしく、大自然が広がるフィールドには新しい発見がいっぱいなんです!
今回は、そんな「立山黒部ジオパーク」の魅力をまるごと体験できる1泊2日の滞在型ツアーに、都内在住の栗原さん親子(ママ&かりんちゃん12歳)が参加。
立山町と富山市の山・川・海を巡り、さまざまなプログラムを体験した様子を各スポットの魅力とあわせてレポートします。
※撮影時のみマスクをはずしています
【撮影】能勢太郎
【1日目:立山町巡り】まずは「立山カルデラ砂防博物館」へ
「立山カルデラ砂防博物館」は、立山黒部アルペンルートの入り口となる富山地方鉄道立山線、立山ケーブルカー「立山駅」に隣接する博物館です。
スペイン語で「大鍋」を意味する「カルデラ」とは、火山の噴火でできた巨大な窪地のこと。
博物館の館内では、立山火山の崩壊と侵食によって形成された立山カルデラと、土砂災害を防ぐために行われてきた砂防事業について展示しています。ツアーでは解説員が同行し、詳しく解説してくれます。
好奇心を育む体験がいっぱい!
博物館2階にある「立山カルデラ展示室」には、見て、触れて、体験しながら学べる展示がたくさんあります。
立山カルデラで見られる3種類の木の輪切りを持って重さを比べてみたり、「土石流・雪崩・火砕流のどれが一番早く流れるかな?」とクイズを出し合いながら実験してみたり、親子で楽しめる仕掛けがいっぱい!
無料スペースには本物のトロッコ列車も
館内には、無料で見学できる「SABO展示室」もあります。こちらには本物のトロッコ列車が展示されていて、鉄道好きな子供には特におすすめです。
見学後は、「カルデラの成り立ちや歴史を学ぶことで、さらに立山の魅力を知ることができました」とママ。子供も大人も知的好奇心が満たされる、貴重なひと時となりました。
■立山カルデラ砂防博物館
所在地:富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ坂68
営業時間:9:30〜17:00(変動あり)
定休日:月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(土・日曜の場合は開館)※ほか臨時休あり
料金:大人400円/大学生以下無料
お昼は山菜たっぷりの郷土料理に舌鼓
お待ちかねのお昼ごはんは、「立山芦峅(あしくら)ふるさと交流館」内にある「まんだら食堂」へ。
こちらの名物は、うどやわらびなど、地元で採れた山菜をふんだんに使った「あしくら御膳」です。
よもぎともち米を練り上げて焼いた「焼きつけ」や、精進料理から生まれた「つぼ煮」は、立山町内の芦峅寺(あしくらじ)地区で江戸時代から食べられているという昔ながらの郷土料理です。
地元のお母さんたちが心を込めて手作りした料理は、どれも滋味溢れるものばかり。都会では味わうことのできない逸品揃いです。
なかでも、かりんちゃんのお気に入りは、ススタケという細長いタケノコを使った炊き込みご飯! 2杯目もパクパクと美味しそうに食べていました。
ご飯は無料でおかわりができます♪
■まんだら食堂
所在地:富山県中新川郡立山町芦峅寺55-1
営業時間:11:00〜15:00
定休日:月・火曜
常願寺川の砂防施設を見学
大満足のランチを終えて、午後最初に向かったのは常願寺(じょうがんじ)川。
源流となる立山連峰から河口の富山湾へ、わずか56kmの距離で約3,000mもの標高差を流れ落ちる急流河川は、世界でも有数の勾配を誇るといわれています。
常願寺川では、午前中に博物館で学んだばかりの砂防施設を見学。実際の施設を目にすることで、美しくも厳しい自然と、そこで暮らす人々の知恵について、さらに理解が深まります。
農業体験で豊かな自然の恵みを体感
続いて訪れたのは、岩峅寺(いわくらじ)地区にある広大な畑。
この地区は、3,000m級の北アルプスから流れ出る急流河川が作った扇状地で、豊かな水と肥沃な土地に恵まれており、農業が盛んです。農業体験を通じて、扇状地の利水と恵みをさらに体感していきます。
こちらの畑では、地元農家さん協力のもと、四季折々の収穫体験や豊富な地下水を活かした井戸汲み体験、薪割り体験などを行うことができます。
この日は、旬の大根や白菜の収穫体験にチャレンジ!
すくすく育った大根の収穫は、まるで絵本の「大きなかぶ」のようにひと苦労。でもそのぶん、土の中から大きな大根を引っこ抜いた時には、かりんちゃんとママの大きな歓声が上がりました。
立山連峰の清らかな雪解け水と、肥沃な大地で育まれる野菜は、元気いっぱいの自然の味がします。
農業体験で体を動かしたあとは、とれたての野菜を使った夕食を堪能しました。その後、富山市内へ移動し、ツアー1日目は終了です。
【2日目:富山市巡り】富山湾の水橋漁港へGO!
2日目は早朝からスタート!
富山市内から車を走らせること約30分、富山湾に面した「水橋(みずはし)漁港」へ向かいます。
ツアー1日目の北アルプスの山並みとは打って変わって、目の前に広がる海景色もまた爽快。澄み切った早朝の空気を吸い込むと、潮の香りで満たされます。
「水橋漁港では、富山名物のホタルイカをはじめ、定置網漁が盛んなんですよ」と漁師さん。
お天気の良い日には、現役漁師の船に乗って海へ繰り出し、定置網漁の様子を見学することができます。取材当日はあいにくのお天気で見学が叶いませんでしたが、代わりに漁港施設を見学!
漁師さんから定置網漁について教えてもらいながら、一般のお客さんは入ることができない施設の中で、巨大な冷蔵施設や生簀(いけす)などを案内していただきました。
個人旅行では体験できない、ツアーならではの特別な思い出ができました。
■水橋漁港
所在地:富山県富山市水橋
地元漁師さんが営む食堂で海鮮三昧の豪華な朝食♪
水橋漁港にある「水橋食堂 漁夫」は、富山湾で獲れた新鮮な魚が味わえる食堂です。
今回のツアーでは特別に、富山が誇るブランド魚「ひみ寒ぶり」の解体ショーが実施されました!
丸々一本の大きなブリが、手際よくあっという間に捌かれていく様子に、かりんちゃんもママも思わず目を丸くしています。
そしてテーブルに運ばれてきたのは、旬のお刺身たっぷりの豪華な朝食。この日は、「ひみ寒ぶり」をはじめ、マダイや甘エビ、焼き霜造りのサワラや昆布締めのスズキなど、「どれもとっても美味しそう!」と大感激の様子。
〆には、お刺身をご飯に乗せ、熱々の特製だしをかけてお茶漬け風に。漁港にある食堂らしい豪華な朝食を楽しみました。
■水橋食堂 漁夫
所在地:富山県富山市水橋辻ヶ堂40-22
営業時間:11:00〜15:00
定休日:月・火曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
1泊2日で立山黒部ジオパークをたっぷり満喫!
立山連峰の山から富山湾の海へ、「立山黒部ジオパーク」を巡る滞在型親子ツアーは、充実の2日間となりました。
ツアーに参加したことで、「農業や漁業など、いろんな体験ができて面白かった!」とかりんちゃん。「今まで知らなかった学びや体験を通じて、またこの地を訪れたくなりました」と、ママも大満足のようです。
ツアーでは季節によってさまざまな体験を行っています。
親子で富山の新しい魅力を発見する旅にでかけてみましょう!
記事を書いた人
渡邊真由子
関西を拠点に、日本全国どこへでも。旅行やグルメ系を中心に、幅広いジャンルのライターとして活動しています。趣味はライブ&フェス参戦や温泉めぐりなど。休日は愛犬も一緒に、家族でおでかけするのが何よりの楽しみです。
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