映画のロケ地としても話題
日本近代建築史に残る貴重な旧邸宅

福岡県北九州市にある「旧安川邸」は、“工業都市・北九州”の基礎を築いた企業家・安川敬一郎氏の旧邸宅で、1912年（明治45年）に建設された建物です。

2022年4月から常時公開となり、親しみやすい学びスポットになりました。敷地内に喫茶もオープンし、美しい庭園を眺めながら、親子でゆっくり過ごすこともできます。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

指定有形文化財に指定されている歴史ある豪邸

旧安川邸入り口

明治、大正末期、昭和の各時代に建築された建物が残る「旧安川邸」。日本の近代建築史に残る重要な住宅建築であることから、北九州市の指定有形文化財に指定されています。

常設公開が始まったことで、いま注目を集めている北九州市の観光スポットのひとつです。

【本館】まずは和洋折衷の装飾が施された応接室へ

応接室の窓からは中庭が見える

1938年（昭和13年）竣工の「本館棟」には、入ってすぐのところに客人との面会のために建築された応接室があります。

天井は市松模様の和風ですが、暖炉やフローリング、おしゃれな雪の結晶がデザインされた擦りガラスなど洋風の装飾も施され、和洋折衷のモダンな作りが取り入れられています。

普段目にすることのない昔の電話機なども置かれており、子供の興味をかきたててくれます。

【洋館】映画のロケ地としても話題

南側の外観

1927年（昭和2年）竣工の「洋館」は、前年まで続いていた大正時代を感じさせる、当時のデザインが特徴的。テレビドラマや映画などで使用されたことがある風情あふれる建物です。

洋館内には立ち入りができないため、外からの見学となります。

【大座敷棟】庭園やカフェスペースを併設

襖や畳を取ると、能や狂言などの舞台に転用できる造りになっています

1912年（明治45年）に、現在の若松区から移築された「大座敷棟」は、旧安川邸でもっとも古い建物。

15畳と10畳の二間からなる大座敷の一角には、喫茶スペースがあり、広々とした空間で喫茶を楽しむことができます。

また、敷地内には2つの庭園と中庭があり、大座敷からは綺麗に手入れされた「大座敷前庭園」を見渡すことができますよ。

美しい芝生が広がる大座敷前庭園

美しく手入れされた緑まぶしい庭園

広々とした美しい芝生をはじめ、滝や流れなどもあり、流れる水の音が心地よく聞こえてきます。

春はツツジ、初夏は新緑、晩秋は紅葉が咲き誇ります。

庭園を眺めながめながらいただく喫茶スペース

「大座敷棟」に馴染んだ造りになっている

大座敷の一角にある「茶論Salon du JAPON MAEDA」（サロンデュジャポンマエダ）は、老舗の日本茶専門店「前田園茶店」が営むカフェで、和菓子と煎茶が味わえる「お煎茶セット」などが堪能できます。

「お煎茶セット」（1,100円〜）。八女産の茶葉を使用した番茶と、季節の和菓子が味わえます

大座敷前庭園を見渡せるよう、窓際に席が設けられています。親子で並んで座り、美しい景色を望みながら至福の時間を過ごしてみましょう。

抹茶や抹茶碗なども販売しており、お土産選びも楽しめます。

記事を書いた人

飯田佐智（Clay）

小学生の娘と金魚2匹と暮らすママライター。旅行、おでかけ、グルメを中心に執筆。趣味はインスタで美味しそうなレシピ（おつまみ♪）を見つけて作ること。海外ドラマが大好きで今まで観た作品は数知れず。