ゴンドラに乗って夏の栂池自然園へ<br/>高山植物や貴重な生き物に出会う旅
更新日2022年07月08日/公開日2022年06月23日

ゴンドラに乗って夏の栂池自然園へ
高山植物や貴重な生き物に出会う旅

体験する
自然とふれあう

「栂池自然園」は、新潟県、富山県、長野県、岐阜県の4つの県に広がる「中部山岳国立公園」の中にある約100ヘクタールもの広大な敷地の高層湿原です。

ゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いだ先にある標高1900mの自然の宝庫には、普段体験できない自然体験がいっぱい! 夏休みに合わせて開催される自然プログラムもあり、夏の家族旅行にもぴったりです。

夏の栂池自然園の見どころと、魅力的な自然プログラムをたっぷりご紹介します。

標高1900mの大自然に感動!グリーンシーズンを満喫しよう!


「栂池自然園」は国内でも有数の高層湿原で、さまざまな動植物が息づいている自然の宝庫。周囲には「白馬岳(しろうまだけ)」、「杓子岳(しゃくたけ)」、「白馬鑓ヶ岳(しろうまやりがたけ)」の雄大な「白馬三山(しろうまさんざん)」が望めます。

また、展望湿原からは日本三大大雪渓の1つ「白馬大雪渓」が見渡せ、夏でも雪がそのまま残っている雪渓を楽しめます。

そんな「栂池自然園」では6月中旬ごろからミズバショウが見頃になります。平地で夏を迎える頃に、「栂池自然園」ではようやく本格的な春を迎えるんですね。

この時期は数百種類にも及ぶ高山植物が咲き誇り、さまざまな生き物たちが生き生きと活動する様子を観察することができます。

一方、9月になると「栂池自然園」には、一足早く秋が訪れます。

10月初旬になると北アルプスでは早くも初冠雪が観測されます。うっすら白くなった山々の頂上の景色と、中腹を彩る紅葉そして山麓の緑が合わさる3色が見事な「三段紅葉」を見ることができますよ。

栂池自然園で出会える貴重な動植物の数々を探してみよう!

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ

「栂池自然園」には、園内を1周する約5.5kmの遊歩道が整備されています。

1周を歩くと約3時間30分~4時間ほど。体力に自信のない方や年齢が小さな子供と一緒の場合は、ビジターセンター寄りの「みずばしょう湿原」や「わたすげ湿原」のみを巡るコースがおすすめです。

なかでも、一番手前の「みずばしょう湿原」はバリアフリーの木道が整備されているため、ベビーカーでも散策できるようになっています。

チェックしておきたい高山植物

「栂池自然園」では、数百種類にも及ぶ高山植物が見られるとも言われています。そのなかでも注目したいのは、ミズバショウとサンカヨウです。

本州でいちばん遅く咲くミズバショウ

ミズバショウ
ミズバショウ

ミズバショウは、さまざまな山地の湿原でも見ることができる植物ですが、ここ「栂池自然園」で見られるミズバショウは、本州でも最も遅咲きのミズバショウとも言われています。

数十万株のミズバショウが咲き誇る様子はまさに、圧巻の景色! 白馬の美しい山並みと合わさり、春ならではの絶景を堪能できます。

まるでガラスの花びら! サンカヨウ

サンカヨウ
サンカヨウ

もう一つの注目の花はサンカヨウ。この花を知っている人はあまり多くないかもしれませんが、それもそのはず。サンカヨウは、ごく限られた地域でしか見ることができない希少な高山植物なんです。

サンカヨウは、「栂池自然園」では、6月~7月に花のシーズンを迎えます。直径2cmほどの小さな花ですが、その特徴は花の色。

通常は真っ白な花びらなのですが、雨に濡れたり、朝露に濡れたりして、水分を含むと花びらが透明になる不思議な性質を持っています。さらに、不思議なことに、乾くとまた白い花びらに戻ります。

ガラスのような花の姿に魅了される人も多く、サンカヨウを探しながら、散策を楽しむ人もいるのだそうです。

■栂池自然園で出会える高山植物
6月:ミズバショウ、シラネアオイ、リュウキンカなど
7月:クルマユリ、ヒオウギアヤメ、ニッコウキスゲなど
8月:ウメバチソウ、ヨツバヒヨドリ、ベニバナイチゴなど
9月:ノコンギク、ハンゴンソウなど
10月:ゴマナ、アケボノソウなど

普段見られない昆虫もいっぱい!

アサギマダラ
アサギマダラ

「栂池自然園」では、珍しい昆虫に出会えるチャンスも! 1000km以上も旅をすると言われている渡り鳥ならぬ、「渡り蝶」のアサギマダラをはじめ、北海道以外では山地でしか見られない、「キベリタテハ」や「エルタテハ」と言った蝶も観察できます。

また、秋の訪れを告げる昆虫でもあるトンボも、「栂池自然園」なら真夏に出会えます。赤とんぼとしてなじみのある「アキアカネ」をはじめ、顔が白いのが特徴の「カオジロトンボ」や、体調が10cm弱の大型の個体もいる「ルリボシヤンマ」なども見られますよ。

森林限界付近に生息する珍しい野鳥も!

ウソ
ウソ

「栂池自然園」では、多くの野鳥も観察できます。国内のさまざまな場所で見られ、親しみのあるウグイスをはじめ、「日本書紀」にも登場し、古くから日本に生息しているキセキレイも観察できます。

そのなかでもぜひ探してほしいのが、「森林限界」付近でしか見られない野鳥たち。

森林限界とは、背の高い木々が育たなくなる限界の標高のこと。森林限界の標高では、周囲の木々が針葉樹林から低木に変わり、急に視界が開けてきます。

緯度や気候などによっても森林限界は変わりますが、一般的に国内では1500m~2500mくらいが森林限界と言われています。そのため、標高1900mにある「栂池自然園」では森林限界付近でしか見られない野鳥たちが観察できるんです。

「栂池自然園」では、スズメより一回り大きくオスは赤いほっぺが特徴のウソや、夏の高山でよく見られるカヤクグリといった鳥たちに出会えますよ。

出会えたら、ラッキー! 貴重なかわいい動物たち

オコジョ
オコジョ

絶滅危惧種でもあり、長野県の天然記念物にも指定されているオコジョは、山岳地帯に生息する動物。すばしっこく、見つけてもすぐにいなくなってしまうオコジョですが、そのかわいらしい見た目が人気です。

また、国指定の特別天然記念物に指定されているカモシカも生息しています。どちらも、生息数が大変少ない貴重な動物です。近づいたりせずにそっと見守りましょう。

五感を刺激しながら、大自然を感じられるプログラムも!

「栂池自然園」では大自然をより身近に感じ、満喫できるプログラム「MIKKETA!(ミッケタ!)」が開催されています。このプログラムは、五感を使いながら動植物について楽しく学べる内容になっています。

高山植物や生き物たちの特徴を、専属ガイドが初心者でもわかりやすく案内してくれるので、理解が深まりさらに充実した時間が過ごせますよ。

■MIKKETA!ガイドプログラム
開催期間:2022年7月16日(土)~9月25日(日)
開催時間:10:00~/13:00~ 1日2回開催
料金:無料
定員:20人/回 
※予約不要の先着順
所要時間:約60分(途中解散可)

子供達が遊びながら自然を学べる

そのほかにも、小さな子供達がより自然に関心を持てるように、企画されたプログラムもいくつか用意されています。

用意されているのは、自然園をパトロールするレンジャーになりきって、指定されたスポットで写真撮影をして、レポートを提出する「レンジャーパトロール」や、チケットセンターで配布されたマップを頼りに謎を解きながら宝物を手に入れる「トレジャーハンティング」など、子供達の好奇心を刺激するプログラム。

また、雨の日でも楽しめるプログラムもありますよ。

■自然を守るレンジャーになろう!レンジャーパトロール
開催期間:2022年7月16日(土)~9月25日(日)
料金:1,000円
対象:小学生以下
所要時間:約30分

■トレジャーハンティング
開催期間:2022年7月16日(土)~9月25日(日)
料金:無料
※つがいけロープウェイ小児乗車券購入者限定
対象:小学生以下

■パーラービーズ体験
参加費:500円
対象:小学生以下

標高が高い「栂池自然園」では、真夏でも過ごしやすく、屋外のアクティビティも快適に楽しめます。

夏休みには、貴重な動植物との出会いや絶景を堪能しに、家族で「栂池自然園」へお出かけしてみませんか。

■栂池自然園
営業期間:2022年6月11日(土)~10月23日(日)

公式サイト

■つがいけロープウェイ
営業期間:2022年6月11日(土)~10月23日(日)
営業時間:8:30~16:20(繁忙期は早朝・延長営業あり)
料金:
大人 3,700円
子供(小学生):2,100円
(ゴンドラ&ロープウェイ+栂池自然園入園料込み)

公式サイト

記事を書いた人

大縄典子

いこーよとりっぷ編集部/転勤族の夫を持ち様々な土地に縁がある、大学生の息子、高校生の娘がいるママ。結婚後、子育てに専念するため10年以上の専業主婦経験を経て、ひょんなことから社会復帰を果たす。今は様々な自治体とのやり取りをしながら、まちの魅力を伝える仕事に情熱を燃やしています。人と話すことが好き。

  • ページの内容は、掲載時のものであり最新の情報ではない場合もあります。
    お出かけされる際は、最新の公式情報を必ずご確認下さい。