長野県飯山市
美しい日本のふるさと
飯山市について
飯山市は、長野県の最も北部に位置し、すぐ北側は新潟県の上越市と妙高市に隣接しているまち。長野県内では、中野市、信濃町、木島平村、野沢温泉村、栄村の5つの市町村に接しています。2015年には北陸新幹線の飯山駅が開業し、東京駅から最短1時間40分でアクセスできるようになりました。
飯山市は南北に長い地形になっています。中央にある飯山盆地を挟むように、西には関田(せきだ)山脈、東には三国山脈が走っており、多くの自然資源に恵まれています。
また、飯山市は日本でも有数の豪雪地帯で、1年の3分の1の期間が雪に覆われています。そのため、ウィンタースポーツを楽しみながら絶景が望めるゲレンデをはじめ、信濃平の「かまくらの里」では、例年1月下旬から2月下旬まで20基ほどかまくらが登場し、豪雪地帯ならではの楽しみ方ができます。
日本のふるさとの風景が広がる美しいまち、飯山
飯山市は、四季折々の自然の風景が大変美しく、景観の豊かさが自慢のまち。唱歌「ふるさと」や「朧月夜(おぼろづきよ)」に歌い継がれてきた、日本の原風景が今も広がっています。
なかでも、飯山に春の訪れを告げる菜の花の絨毯は美しい日本のふるさとを感じさせてくれる風景の1つ。平地より少し遅い例年4月下旬から5月上旬に見頃を迎える菜の花が市内各所で一斉に咲き誇ります。特に菜の花の名所として人気が高い「菜の花公園」からは、残雪の山並みと雄大な千曲川の流れが望めます。
さらに、なべくら高原のブナの森も美しいふるさとの風景を連想させます。市内には、ブナの森が広がる場所がいくつかありますが、なべくら高原のブナの森は、人が暮らすすぐ隣にブナの森が広がる貴重な場所です。
なべくら高原のブナの森では、4月中旬頃からブナの木の周りの雪が解け、直径2m~3mの穴ができる「ブナの根明け」と言われる豪雪地帯ならではの春の風景が見られます。また、5月を過ぎても雪が残る高原では、新緑と残雪が同時に楽しめます。
豪雪地帯ならではの景色
日本有数の豪雪地帯である飯山市には、斑尾高原スキー場と戸狩温泉スキー場の2つのスキー場があり、スキーやスノーボードをしながら絶景が楽しめるゲレンデを有します。
スキー場の他に豊富な雪を活かした冬の風物詩が「かまくら」。かまくらの里には、例年1月下旬~2月下旬に20基ほどのかまくらが登場します。夜のライトアップは幻想的。かまくらの中で地元で生産が盛んなきのこ類(シメジ、エノキなど)を使い、地元産野菜や肉をふんだんに入れた、信州味噌仕立ての名物「のろし鍋」を楽しめる予約制の「レストランかまくら村」もかまくらでの滞在を思う存分楽しむのにおすすめです。
郷土が育んだ独自の食文化
飯山市では、野菜や果物はもちろん、山菜、きのこなど豊かな自然が育んだ豊富な食材が採れます。また、厳しい冬の気候を乗り越えるため、先人たちが知恵を絞って、収穫した食材から料理を開発し、独特の食文化が育まれてきました。
さまざまな郷土食のなかでも、「謙信寿司」とも呼ばれる「笹ずし」は、2000年に「長野県選択無形民俗文化財」、2007年に「飯山市選択無形民俗文化財」に指定。2022には文化庁より「100年フード」に認定されました。
くるみや山菜などをご飯の上にトッピングして笹の葉の上にのせた素朴な寿司で、戦国時代に上杉謙信が川中島の合戦に出陣した際に富倉地区の村人が笹の葉の上にご飯とおかずを一緒にのせて差し出したのが始まりと言われています。
また、同じく富倉地区に伝わる郷土料理「富倉そば」も、作り手も少なくなっていることから「幻のそば」と言われています。以前、飯山では、そばのつなぎに使う小麦の栽培ができなかったことから、「富倉そば」には「オヤマボクチ(山ゴボウ)」という野生植物の葉から取り出した繊維がつなぎとして使用されています。そのため麺のコシが強く、つややかな色合いとともにツルツルとした食感が味わえる一品です。
歴史
飯山市は、1954年に当時の飯山町を中心とした1町6村が合併して誕生しました。2年後の1956年にはさらに2村が編入し、現在の飯山市となりました。
現在の飯山市がある場所は、古くから長野県内と日本海を結ぶ交通の要所として栄えてきました。大和朝廷時代には、越後や出羽の開拓の重要な街道が通っていたほか、戦国時代には、越後の上杉謙信と甲斐の武田信玄が戦った川中島の合戦の前線基地として飯山城が築かれた歴史があります。
市の花、木、鳥
雪深い飯山に春の訪れを告げる「ユキツバキ」
飯山市の花は「ユキツバキ」。日本原産のツバキのなかでも、「ユキツバキ」は、日本海側の豪雪地帯に適応している品種です。雪の重みにも耐えられるよう、枝が細くてしなやかで、雪解けとともに、花を咲かせます。雪深い飯山市の春を告げる花として親しまれています。
美しい里山の風景を作り出している「ブナ」
市内にいくつもの森がある「ブナ」が飯山市の木。飯山市の美しい風景を作り出している木として市民に親しまれています。なかでも、なべくら高原のブナの森は飯山市ならではの新緑と残雪が合わさった光景が見られる貴重な場所です。
寒い冬に美しい姿を見せる「オシドリ」
飯山市の鳥は「オシドリ」。森に囲まれた湖や池などに生息し、全国に分布しています。メスは年間通じて地味な色彩をしていますが、オスは、夏はメスと同じような色合いですが、冬になると色鮮やかな色彩の羽毛になります。
飯山市の森のなかの池や湖でバードウォッチングを楽しんでみるのもおすすめです。