泥まみれの若衆が神輿を転がす
埼玉県上尾市の伝統的な奇祭
埼玉県上尾(あげお)市の「八枝(やえだ)神社」と周辺地域では、2024年7月14日(日)に、豊年満作(ほうねんまんさく)や悪疫退散(あくえきたいさん)を願うお祭り「平方のどろいんきょ」が開催されます。
若衆(わかしゅう)たちが神輿(みこし)を泥の上で転がす、全国的にも珍しい祭りで、埼玉県の指定無形民俗文化財に指定されています。
人々の熱気がまちを包む「平方のどろいんきょ」の見どころや、歴史について八枝神社の宮司・福田さんにお話を伺いました。
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式SNSなどをご確認ください
「平方のどろいんきょ」とは
「平方のどろいんきょ」は、「素戔嗚尊」(すさのおのみこと/厄除招福・疫病退散の神様)を御祭神とする「八枝神社」周辺で開催される祇園祭です。毎年7月中旬の日曜に行われています。
祭りでは、一般的な神輿のほか、「いんきょ神輿」とよばれる装飾のない白木の神輿が、神酒所(みきしょ/神輿が休憩する場所のこと)を回りながら町内を練り歩きます。
神酒所のうち、4カ所にはあらかじめ水がまかれており、濡れた土の上でいんきょ神輿を転がす行事のことを「どろいんきょ」といいます。
土、人、神様が一体となったお祭りで、飛び散る泥を浴びれば、家内安全・無病息災・悪病退散のご利益があると伝えられています。
ほかにも祭りの見どころがたくさん!
例年の「どろいんきょ」では、いんきょ神輿を泥の上で転がすだけでなく荒川に投げ入れ、神輿を追って若衆が川に飛び込む「川入り」など、さまざまな行事が行われます。
いんきょ神輿を逆さまにし、山車(だし)に見立てて担ぎ、旧開平橋の付近から「橘(たちばな)神社」まで運ぶ「山車行事」も見どころのひとつです。
逆さにしたいんきょ神輿の上に、歴史上の人物や有名芝居の作中人物に扮した若衆を乗せ、練り歩く光景は迫力満点!
※2024年も昨年に引き続き、荒川の堤防工事の関係で規模縮小での開催となり、「川入り」と若衆による扮装は行われません
2024年の開催情報
2024年の「平方のどろいんきょ」は、7月14日(日)に、規模を縮小して開催されます。
ダイナミックな「川入り」や、いんきょ神輿に乗る若衆の扮装は行われないので、訪れる際は注意してください。
観覧中は、泥や水しぶきが飛んでくるので、汚れても構わない服装で訪れましょう。大地に心身を清めてもらうことで災いが払われるとされているので、恐れずに泥を浴びてください。
上尾市の伝統的な祭りである「平方のどろいんきょ」に親子で参加して、家内安全や無病息災を祈ってみてはいかがでしょうか。
とりっぷノート♪「八枝神社」の祭事を知ろう
「平方のどろいんきょ」の中心となる「八枝神社」では、その年の稲の豊作を神様にお祈りする「祈年祭」など、年間を通してさまざまな祭事が行われています。
毎年3月の第1日曜に行われる「ふせぎ」は、古来から集落に疫病(えきびょう)や飢饉(きが)が入ってこないよう、防ぐために行われている行事。現在も疫病退散・災厄消除(さいやくしょうじょ)を願う行事として行われています。
「ふせぎ」が行われる日は、「平方のどろいんきょ」準備の始まりの日ともいわれており、「平方のどろいんきょ」の当番と若衆のリーダーとなる若衆頭(わかいしゅがしら)がお披露目されます。(いこーよとりっぷライター:杞山穂花)
記事を書いた人
杞山穂花(Clay)
編集プロダクションClay所属の編集・ライター。食べること・文章を書くことがとにかく大好きです。やんちゃな愛猫に日々癒され中。パパママ、そして子供たちのワクワクドキドキな思い出づくりのお手伝いができれば幸せです!
イベント基本情報
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イベント名 | 平方のどろいんきょ(2024年) |
ふりがな | ひらかたのどろいんきょ |
主催者名 | 上宿祭礼実行委員会 |
開催期間 | 2024年7月14日 |
開催時間 | 12:00~ |
開催スポット | 八枝神社、ほか |
住所 | 埼玉県上尾市平方488 |
電話番号 | 048-775-5917 ※電話窓口は「上尾市観光協会」です |
料金 | 無料 |
アクセス | 【車】首都高速道路埼玉大宮線・与野出入口から約30分 【電車】JR高崎線「上尾駅」からバス(川越駅行き)に乗車、バス停「平方」下車後、徒歩で約3分/または「上尾駅」から徒歩で約70分 |
駐車場 | 駐車場あり |
備考 | 【駐車場情報】「八枝神社」近隣の「上尾橘高校」に臨時駐車場が設けられます |
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