江戸時代の伊勢参りと生姜市が由来<br/>東京都心で11日間も続く秋祭り
2025年9月11日 〜 2025年9月21日

江戸時代の伊勢参りと生姜市が由来
東京都心で11日間も続く秋祭り

芝大神宮例大祭 だらだら祭り(2025年)
しばだいじんぐうれいたいさいらだらまつり
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東京都港区

東京都港区の「芝大神宮」では、2025年9月11日(木)から21日(日)までの11日間、「芝神宮例大祭 だらだら(太良太良)祭り」が開催されます。

別名「生姜(しょうが)祭り」「生姜市」とも呼ばれ、江戸庶民にも愛された歴史あるお祭りです。2025年の開催情報と祭りの見どころを「芝大神宮」神職の岡田寛(おかだひろし)さんに教えていただきました!

※2025年は陰祭(かげまつり)にあたり、「宮大神輿渡御」や「各町神輿渡御」は行われません
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報は、公式サイトをご確認ください

東京十社のひとつ「芝大神宮」とは?

芝大神宮(画像提供:Caito / PIXTA)
芝大神宮(画像提供:Caito / PIXTA)

平安時代に創建され、一千年以上の歴史を誇る「芝大神宮」。JR各線、東京モノレール「浜松町駅」や、都営浅草線・大江戸線の「大門駅」から徒歩数分という都心にあり、境内には静かで荘厳な空気が流れています。

三重県の「伊勢神宮」の御祭神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)・豊受大神(とようけのおおかみ)をお祀りしていることから、“関東のお伊勢様”として古くから庶民に親しまれてきました。

江戸時代には門前で相撲や芝居が興行され、大変なにぎわいを見せた場所として知られています。

「だらだら祭り」とは?

「だらだら祭り」開催時の「芝大神宮」の様子(画像提供:nijimi / PIXTA)
「だらだら祭り」開催時の「芝大神宮」の様子(画像提供:nijimi / PIXTA)

「だらだら祭り」は「芝大神宮」の例大祭で、毎年9月11日から21日まで、11日間という長期間にわたって開催されることから、その名がついたお祭りです。

期間中は、境内やその周辺で名物の生姜や、縁起物の「千木筥(ちぎばこ)」などが頒布(はんぷ)され、江戸時代から続く下町の祭りの雰囲気を楽しむことができます。

五穀豊穣(ごこくほうじょう)に感謝する、東京を代表する秋祭りです。

浮世絵にも描かれた「だらだら祭り」の歴史と由来

江戸時代の「芝大神宮 生姜市」の様子(出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」  https://www.ndl.go.jp/landmarks/)
江戸時代の「芝大神宮 生姜市」の様子(出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 https://www.ndl.go.jp/landmarks/)

江戸時代、庶民の間で「お伊勢参り」が大流行しましたが、遠くて誰もが行けるわけではありませんでした。そこで、“関東のお伊勢様”である「芝大神宮」への参拝が盛んになり、秋の収穫期には特に多くの人々が訪れました。

神社側ができるだけ多くの参拝者を受け入れようと祭りの期間を少しずつ伸ばした結果、11日間という「だらだら」と長いお祭りになったと伝えられています。

別名「生姜祭り」「生姜市」と呼ばれる理由

御前生姜(画像提供:芝大神宮)
御前生姜(画像提供:芝大神宮)

神社の創建当時、周辺一帯が生姜畑だったことから、秋祭りでは神前に生姜がお供えされ、境内や参道で盛んに売られるようになりました。

生姜は病災を除き、長寿を願う縁起物として大変な人気を博し、江戸のまちを描いた浮世絵にもそのにぎわいが残されています。現在も祭り期間中、境内では「御前(ごぜん)生姜」が授与されます。

「だらだら祭り」の見どころ

親子ででかけたい伝統行事「だらだら祭り」の、例年の見どころをまとめて紹介します!

生姜、甘酒の販売

「だらだら祭り」の名物といえば、何といっても「生姜」。神前に「御前生姜」が供えられ、境内や門前には生姜市が並びます。

ピリッとした辛さは、江戸っ子の気性を思わせます。同神宮で作られた甘い味噌と一緒に味わい、江戸情緒を体感してくださいね。

また、祭り期間中は、糀(こうじ)だけで作った昔ながらの甘酒も販売され、子供から大人まで楽しめます。

宮大神輿渡御(不定期開催)

過去に行われた「宮大神輿渡御」の様子(画像提供:芝大神宮)
過去に行われた「宮大神輿渡御」の様子(画像提供:芝大神宮)

皇室の慶事や節目の年など、不定期ではありますが、芝大神宮の宮神輿が氏子地域を一日かけて渡御することがあります。

前回は2023年(令和5年)に行われ、多くの人々でにぎわいました。次回は未定ですが、運良く渡御の年に巡り会えたら、その荘厳な姿は必見です。

各町神輿渡御(不定期開催)

過去に行われた「氏子各町神輿連合渡御」の様子(画像提供:芝大神宮)
過去に行われた「氏子各町神輿連合渡御」の様子(画像提供:芝大神宮)

氏子(うじこ)である各町のお神輿、十数基が連合で渡御(とぎょ)する様子は圧巻です。

「だらだら祭り」のなかでも特ににぎわうハイライトのひとつですが、こちらは数年に1度の開催。残念ながら2025年は開催されず、次回は未定です。

2025年の開催情報

2025年の「だらだら祭り」は、9月11日(木)から21日(日)まで開催されます。神輿渡御がない陰祭(かげまつり)の年にあたりますが、期間中、神社の周辺には露店も並び、お祭り気分を盛り上げます。

また、一般の人は参列・見学できませんが、15日(月・祝)には「敬老祭」、16日(火)には「例祭」が執り行われます。

とりっぷノート:授与品の千木筥(箱)、千木筥おまもり(土鈴)に注目!

藤の花が描かれた3段重ねの箱「千木筥」(画像提供:芝大神宮)
藤の花が描かれた3段重ねの箱「千木筥」(画像提供:芝大神宮)

芝大神宮だけの縁起物として有名なのが、かわいらしい小判型の檜の籠「千木筥(ちぎばこ)」。千木が「千着」に通じることから、タンスに入れておくと着物が増え、良縁に恵まれるといわれる女性のお守りです。

祭り期間中しか手に入らない貴重なものでしたが、現在は通年で授与されています。

千木筥守(画像提供:芝大神宮)
千木筥守(画像提供:芝大神宮)

また、土鈴になった「千木筥おまもり」も人気ですよ。(いこーよとりっぷ編集部)

記事を書いた人

雨宮あかり

「いこーよとりっぷ」エディター/食べること・飲むこと・音楽が大好きなママ編集者。世界中の音楽フェスを体験すること&ベルギービールの醸造所めぐりが夢です♪ 特技はアロマセラピートリートメントです。

イベント基本情報

  • ページの内容は、掲載時のものであり最新の情報ではない場合もあります。
    お出かけされる際は、最新の公式情報を必ずご確認下さい。
イベント名芝大神宮例大祭 だらだら祭り(2025年)
ふりがなしばだいじんぐうれいたいさいらだらまつり
主催者名芝大神宮
開催期間2025年9月11日 〜 2025年9月21日
開催スポット芝大神宮および周辺
住所東京都港区芝大門1-12-7、ほか
電話番号03-3431-4802
料金観覧無料
アクセス【電車】JR各線「浜松町駅」北口から徒歩で約5分/都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」 A6出口から徒歩で約1分/都営地下鉄三田線「御成門駅」A2出口から徒歩で約5分
駐車場周辺にコインパーキングあり
備考【交通情報】祭り期間中は公共交通機関での来場がおすすめです
公式URL公式URLはこちら
公開日2025年08月26日/更新日2025年08月28日