奈良市の「春日大社」で12月15日〜18日に開催!「春日若宮おん祭」見どころをご紹介
奈良県奈良市の「春日大社」では、2025年12月15日(月)から18日(木)まで、「春日若宮おん祭」が執り行われます。
1年に一度、「春日大社」(かすがたいしゃ)の摂社である「春日若宮(若宮神社)」の若宮神を御旅所(おたびしょ)(※)へお迎えし、「お渡り式」をはじめとする多くの神事が執り行われます。
今回は、「春日若宮おん祭」について、2025年の開催情報や見どころを「春日大社」の広報ご担当者様にお聞きしました!
(※)御旅所…神社の祭礼において、神様が巡行の途中で休憩または宿泊する場所、あるいは神幸の目的地のこと
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
「春日大社」ってどんな神社?

奈良県奈良市に鎮座する「春日大社」は、768年(神護景雲2年)に創建された、全国に約3000社ある春日神社の総本社です。
境内の広さは、春日山原始林を含む約32万坪。1998年(平成10年)には、春日大社と春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録されました。
古代から神域とされてきた御蓋山(みかさやま)のふもとに社殿が並びます。境内では、“神の使い”といわれる鹿の姿が見られるのも「春日大社」ならでは。
境内奥にある、末社である「夫婦大國社」(めおとだいこくしゃ)は、全国で唯一、ご夫婦の大國様をお祀りしていることから、夫婦円満と縁結びのご神徳があるといわれています。
「春日若宮おん祭」ってどんな祭り?
「春日若宮おん祭」は、春日大社の摂社である「春日若宮(若宮神社)」の祭礼です。
約900年にわたり途切れることなく続く行事で、五穀豊穣や人々の安寧を願って、大和一国を挙げて執り行われてきました。
現在は毎年7月から準備や関連行事が始まり、中心となる神事は12月15日から18日にかけて行われます。
なかでも、12月17日の「御旅所祭(おたびしょさい)」は特に重要な神事とされ、1日を通して神楽(かぐら)や田楽(でんがく)などのさまざまな芸能奉納が行われます。
さらに、その芸能者や祭礼に関わる人々が奈良市の中心部を進む「お渡り式」など、期間中にはさまざまな神事や儀式が続きます。
「春日若宮おん祭」の歴史を知ろう!
「春日若宮」の歴史は、長い雨や洪水が続き、飢饉や疫病が広がっていた長承年間にまでさかのぼります。
その当時、関白であった藤原忠通(ふじわらのただみち)は、人々の苦しみを救おうと、「春日若宮」の御本殿と同じ規模の立派な御仮殿(おかりでん)を建てました。
そして、1136年(保延2年)の旧暦9月17日に、若宮の御神霊(おみたま)を御旅所に迎えて手厚い祭礼を行ったことが、「おん祭」の始まりとされています。
大和一国を挙げて執り行われたこの祭りは、880年以上もの間、一度も途切れることなく続いてきました。
その長い歴史と伝統が評価され、1979年(昭和54年)には国の重要無形民俗文化財に指定されています。
2025年の開催情報は?いつやるの?
2025年の「春日若宮おん祭」は、2025年12月15日(月)から18日(木)までの期間で執り行われます。
主な神事が行われるのは、12月17日(水)。日付が変わった0時に、春日若宮神をお迎えする「遷幸(せんこう)の儀」が始まり、神霊を御旅所へお遷しします。
同日12時からは「お渡り式」が行われ、伝統衣装をまとった人々や馬が市内を進む大行列が続きます。
日中は「御旅所祭」が行われ、宮司や日使の奉幣(ほうべい)や祝詞奏上(のりとそうじょう)のあと、参道では競馬や稚児流鏑馬(ちごやぶさめ)、御旅所では社伝神楽や猿楽(さるがく)など、さまざまな神事が奉納されます。
18日の0時前には神霊が元の若宮本殿に戻る「還幸の儀」が行われ、祭りが締めくくられます。ここでは、特に見どころとなる「お渡り式」と「御旅所祭」の開催情報を紹介します。
お渡り式
「お渡り式」では、芸能集団や祭礼に加わる人々の行列が、ご祭神である若宮様が遷られた御旅所へと向かう光景が見られます。
明治以降に加わった先行の行列と、古い形を受け継ぐ伝統行列が連なり、奈良県庁前から近鉄奈良駅前、JR奈良駅前、三条通りを通り、御旅所まで進みます。
巫女(みこ)や稚児が馬に乗って進む姿や、華やかな時代衣装をまとった奉仕者の装いはまさに時代絵巻のよう。行列を見ることで、当時の文化にふれることができます。
■お渡り式
開催日:2025年12月17日(水)
開催時間:12:00~14:30頃
ルート:奈良県庁前~近鉄奈良駅前~JR奈良駅前~三条通り~御旅所
「お渡り式」は特別桟敷席も販売
「お渡り式」では、神事をゆっくりと座席から観覧できる3ヶ所の特別桟敷席が販売されます。予約は、2025年10月20日(月)からスタートしています。
特別桟敷席では、行列の様子だけではなく、能舞台の鏡板に描かれた松の原型とされる「影向の松」の前で田楽や猿楽などが奉納される「松の下式」、御旅所の芝舞台で神楽や田楽、舞楽が続けて披露される「御旅所祭」が観覧できます。
【登大路園地桟敷席】
・日時:12月17日(水)11:30~12:30
・場所:登大路園地(奈良県庁前)
・席数:220席(全席自由席)
・料金:2,000円
・予約受付開始:10:00~
・当日受付開始:10:30~
・行列通過時間:11:50頃~12:30頃
・備考::お渡り式の行列出発前に春日大社神職の祭礼を見る「試しの儀」を拝観。おん祭解説書販売1,000円
【松の下桟敷席(南席)】
・日時:12月17日(水)13:00~14:30
・場所:春日大社一之鳥居横
・席数:50席(当日先着順指定)
・料金:5,500円
・予約受付開始:12:00~
・当日受付開始:12:30~
・行列通過時間:13:00頃~14:30頃
・備考::影向の松の前で田楽や猿楽といった古い芸能を見る「松の下式」を拝観。おん祭解説書付き
【松の下桟敷席(北席)】
・日時:12月17日(水)13:00~14:30
・場所:春日大社一之鳥居付近
・席数:120席(当日先着順指定)
・料金:5,000円
・予約受付開始:12:00~
・当日受付開始:12:30~
・行列通過時間:13:00頃~14:30頃
・備考::南席と同じく「松の下式」を拝観。おん祭解説書付き
【御旅所前桟敷席】
・日時:12月17日(水)13:00~22:30
・場所:春日大社御旅所前
・席数:160席(当日先着順指定)
・料金:10,000円
・予約受付開始:10:30~
・当日受付開始:12:30~
・行列通過時間:13:00頃(御旅所祭は14:30頃~)
・備考::御旅所の舞台で多様な芸能が奉納される「御旅所祭」を拝観。おん祭解説書やオリジナルブランケット、音声ガイド無料貸し出しあり
※チケットの一部は完売している場合があります。詳細はチケット販売サイトでご確認ください。
御旅所祭
「御旅所祭」は、若宮様にお供えを捧げ、祝詞を奏上し、さまざまな芸能を奉納する神事です。
はじめに、お米を青・黄・赤・白に染め分けた「染御供」(そめごく)が若宮様に供えられ、宮司や日使が祝詞を奏上します。
その後、「芝居」の語源になったともいわれる御旅所の芝舞台で、巫女による神楽をはじめ、お渡り式に参加した人々による東遊(あずまあそび)や田楽、細男、神楽式、さらにシルクロードを通じて伝わったとされる12曲の舞楽など、多彩な芸能が次々と奉納されます。
奉納は22時30分頃まで続き、日が暮れた薄暗い境内で、古くから受け継がれてきた芸能が次々と舞われる光景は、静かな迫力と神秘性に満ちています。
■御旅所祭
開催日:2025年12月17日(水)
開催時間:14:30~22:30頃
場所:御旅所
荘厳な神事と多彩な芸能が織りなす「春日若宮おん祭」。ぜひ親子で訪れて、日本の伝統文化にふれてみてはいかがでしょうか。
とりっぷノート♪交通情報をチェック!
「お渡り式」が行われる2025年12月17日(水)は、周辺道路で交通規制が敷かれます。混雑を避けるためにも、来場の際は公共交通機関を利用しましょう。(いこーよとりっぷライター:杞山穂花)
記事を書いた人
杞山穂花(Clay)
編集プロダクションClay所属の編集・ライター。食べること・文章を書くことがとにかく大好きです。やんちゃな愛猫に日々癒され中。パパママ、そして子供たちのワクワクドキドキな思い出づくりのお手伝いができれば幸せです!
イベント基本情報
| |
|---|---|
| イベント名 | 春日若宮おん祭(2025) |
| ふりがな | かすがわかみやおんまつり |
| 主催者名 | 春日若宮おん祭保存会 |
| 開催期間 | 2025年12月15日 〜 2025年12月18日 |
| 開催時間 | 催しによって異なる |
| 開催スポット | 春日大社 |
| 住所 | 奈良県奈良市春日野町160 |
| 電話番号 | 0742-22-7788 ※電話窓口は「春日大社」です |
| 料金 | 無料 ※一部有料の桟敷席あり |
| アクセス | 【車】西名阪道・天理ICから約20分 【電車】JR「奈良駅」・近鉄「奈良駅」からバス(春日大社本殿行き)で約11~15分、バス停「春日大社本殿」で下車後、徒歩すぐ/または市内循環バス(外回り)で約9分~13分、バス停「春日大社表参道」で下車後、徒歩で約10分 |
| 駐車場 | 駐車場あり |
| 公式URL | 公式URLはこちら |
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