雨の日の観光にもおすすめの博物館
新島の歴史や文化、伝統産業を学習
東京都心部から南に約160km、美しい自然が残る伊豆諸島の島、新島(にいじま)。この島を訪れたら、必ず足を運びたいのが「新島村博物館」です。
場所は新島港(黒根港)から車で約10分。ピラミッドのような白い屋根が目印です。
島の起源や伝統産業、文化や暮らしを深く知り、新島の親子旅をより充実したものにしましょう!
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
新島の歴史や文化などを総合的に学べるスポット
「新島村博物館」は、新島産のコーガ石(抗火石)をふんだんに使用したピラミッドのような形の博物館。
郷土史家の故・前田長八(まえだちょうはち)氏が設立した旧「新島郷土館」の資料を中心に、村民から寄贈された古文書、書画、民具などが展示されており、新島村(新島・式根島)の起源や伝統産業、文化や暮らしなどを総合的に学べます。
【1階】4つのエリアと映像コーナーがある常設展示フロア
1階は常設展示のフロア。「新島・式根島の自然」「新島・式根島の歴史」「島の文化」「島民の暮らし」の4つに分かれた展示エリアと「映像コーナー」があります。
新島博士になれちゃう!?「映像コーナー」
入口を入って右側の「映像コーナー」は必見です。郷土料理の「くさやづくり」、「島の成り立ち」、伝統工芸の「真田(さなだ)織り」や、東京都無形民俗文化財の「獅子木遣」(ししきやり)など10本の動画 を見ることができます。
見たい&知りたいテーマをタブレットで選んで視聴
モニターの横にあるタブレットで好きなテーマを選べるので、子供が能動的に学べます。動画は1本につき約10分間。10本すべて見れば、新島博士になれること間違いなし! なお、獅子木遣以外の動画は英語版もあります。
「新島・式根島の歴史」エリア
新島・式根島の歴史を紹介するエリアでは、新島村最古の縄文人の遺跡といえる「吹之江遺跡」で見つかった土器や、「渡浮根(とぶね)遺跡」から出土した縄文時代の石器などが並んでいます。
「島の文化」エリア
「島の文化エリア」には、東京都無形民俗文化財に指定されている「獅子木遣」の獅子が展示されています。
「獅子木遣」は、古くから新島にあった「獅子舞」と、流刑でこの地へやってきた江戸の火消しが伝えた「木遣り唄」が合体した伝統芸能。
毎年12月8日に行われる「十三社(じゅうさんしゃ)神社」の例祭では、島の男衆が演じる「獅子木遣」が奉納される年もあるそうです。
そのほか、伊豆諸島の玩具が展示されているコーナーも。昔懐かしい羽子板や竹のおもちゃなどが並び、親子の会話がはずみます。
「島民の暮らし」エリア
フロア中央には、江戸時代の棒受網漁の様子が展示されています。
棒受網漁とは、魚群の様子を確認する役目の漁師が合図をすることで、水面下に垂らしてあった網を引き上げ、魚群を一挙にすくいあげる漁法のこと。漁師たちの息がぴったり合ってこその漁法ですね。
新島にしかないといわれる頭上運搬用具の「ソリテンビン」の展示も。女性の嫁入り道具として重視されていたこともあったそうです。
【2階】貴重なボードが並ぶ「サーフボードミュージアム」のフロア
サーフィンの聖地として知られ、年間を通じて多くのサーファーたちが来島する新島。
アメリカンカルチャーとしてのサーフィンが息づく前から、新島では伝統遊技の「セツカシ」(波乗りのこと)が楽しまれていたそうです。
2階は、そんな新島ならではの「サーフボードミュージアム」。サーフィンの起源や、世界に名前を残すサーファー、新島の波乗りの歴史などを紹介するほか、日本やハワイのサーファーが手作りしたボードなども展示され、サーフ文化の歴史を体感できますよ。
伝説のプロサーファーが愛したボードに注目
第一次オイルショック時にサーフボードの素材が不足したため、従来とは異なる材料を使い製造方法も変えて生まれた「ホロウウェイブ」。
丈夫で乗りやすいと高評価で、サーフ史の転換期となったボードだそう。レジェンドサーファーであるマイク・パーパス氏は、このボードで波の上を360度回転したというから驚きです。
新島・式根島で見られる鳥のはく製コーナーも
「サーフボードミュージアム」のそばには、新島村で見られる鳥のはく製を展示するコーナーも。シロハラは「キョッ、キョッ、クワッ」と地鳴きをするそうですよ。まるで今にも飛び立ちそうな姿ですね。
【野外展示】タイムスリップしたみたい!「茅葺き古民家」
かつて島内に建っていた茅葺き古民家を、明治時代の新島の一般的な民家様式を伝える建物として移築、復元した展示。
建物の中に入って見学も可能です。中央にゆりい(囲炉裏のこと)がある空間には趣きがあり、タイムスリップしたような気分が味わえます。
【野外展示】新島ならでは「コーガ石造りの石倉」
コーガ石でできた石倉も展示されています。
新島産のコーガ石は、軽く熱に強いため加工しやすく、建物の外壁や塀、アート作品などに使用されます。今も島内には石造りの建物が数多く残っているので、ぜひチェックしてみてください。
新島村の歴史や文化にふれたあとは、島内の散策へでかけましょう。気づきも多く、ひと味違った旅の楽しみ方ができますよ。
とりっぷノート★おすすめポイントを紹介
江戸時代の新島には、追放刑「島流し」にされたたくさんの流人(るにん)が送られてきました。流人は、島民に読み書きやそろばんを教えるなど、文化向上に貢献したそうですよ。新島には流人墓地もあるので、あわせて観光するのもおすすめです。(いこーよとりっぷライター・岡本ハナ)
記事を書いた人
岡本ハナ
1983年フィリピン生まれ。4児(2男2女)の母。 大学在学中に読者モデルとして活動するかたわら、web制作会社でライターアシスタントとして勤務。現在は、映画や音楽などエンタメ情報、子供関連(不妊治療、発達障がい児など)をテーマに各メディアで執筆。料理下手だが、料理人の夫に感化されて料理&食育を勉強中! 多国籍料理が好き。
スポット基本情報
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スポット名 | 新島村博物館 |
ふりがな | にいじまむらはくぶつかん |
住所 | 東京都新島村本村2-36-3 |
電話番号 | 04992-5-7070 |
営業時間 | 9:00~17:00(最終入館は16:30) |
定休日 | 月曜 |
料金 | 18~69歳300円、6~17歳150円 ※未就学児、70歳以上は無料 |
アクセス | 【車】新島港(黒根港)から約10分 |
駐車場 | 駐車場あり |
公式URL | 公式URLはこちら |
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