
約400騎の騎馬武者が疾走する
福島県の一大まつり「相馬野馬追」
福島県相馬(そうま)市にある「相馬中村神社」、南相馬市にある「相馬太田神社」、「相馬小高神社」では、2023年7月29日(土)~31日(月)の期間、「相馬野馬追」(そうまのまおい)が開催されます。
戦国時代の装いを身にまとった騎馬武者(きばむしゃ)が野原を疾走する勇壮な姿を間近で見ることができると、例年多くの人が訪れます。
3日間に渡る「相馬野馬追」の開催情報や、各神事の見どころをたっぷりとご紹介します。
※写真提供:相馬野馬追執行委員会
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
「相馬野馬追」とは

「相馬野馬追」は、相馬三社とよばれる「相馬中村神社」、「相馬太田神社」、「相馬小高神社」の神事です。
1978年(昭和53年)には、国の重要無形民俗文化財にも指定されました。
まつりは毎年、7月の最終週の土~月曜にかけて開催されます。1日目には「出陣式」と「宵(よい)乗り競馬」、2日目には最大の見どころである「本祭り」、3日には「野馬懸」(のまかけ)が行われます。
それぞれの日に行われる神事についてチェックしてみましょう。
1日目に行われる神事、見どころとは?
「相馬野馬追」の1日目には、厳かな雰囲気の中行われる「出陣式」(お繰り出し)と、当主の前で家臣が乗馬技術を披露したことに由来する「宵乗り競馬」が行われます。
それぞれの神事について、内容と開催情報をご紹介します。
出陣式

「相馬野馬追」では、参加している2市3町2村を、江戸時代の領地の区割りである“郷”にちなんで5つの郷に区分けしています。
各郷はそれぞれ「相馬中村神社」「相馬太田神社」「相馬小高神社」に神輿をお供えして野馬追に参加しますが、「出陣式」では、各神社に騎馬武者が集まり「出陣式」を行います。
神社に参拝して祝杯をあげ、やがて出陣の準備が整うと大将から出陣の命を受けて、騎馬武者たちは「雲雀ヶ原祭場地」(ひばりがはらさいじょうち)へと向かいます。
■出陣式
開催期間:2023年7月29日 (土)
開催時間:8:35~14:00
※各神社によって出陣時間が異なります
出発地:「相馬中村神社」、「相馬太田神社」、「相馬小高神社」
アクセス:
【相馬中村神社】JR常磐線「相馬駅」から徒歩20分、
【相馬太田神社】JR常磐線「原ノ町駅」から車で約20分
【相馬小高神社】JR常磐線「小高駅」から徒歩で約15分
宵乗り競馬

「出陣式」が終わり、南相馬市原町区の「雲雀ケ原祭場地」に騎馬武者たちが集結すると、「宵乗り競馬」が始まります。 陣羽織を身にまとった騎馬武者が1周約1,200mのコースを駆け抜け、馬の息づかいやひづめが地面を蹴る音を間近で聞くことができます。
■宵乗り競馬
開催期間:2023年7月29日 (土)
開催時間:14:00~16:00
会場:雲雀ヶ原祭場地
料金:無料
アクセス:【車】常磐道南相馬ICから約15分、【電車】JR常磐線「原ノ町駅」から徒歩で約30分
2日目の「本祭り」で行われる神事や見どころとは?

2日目の「本祭り」は、3日間の中で最も盛り上がります。
総勢400余騎の騎馬武者が列をなし、市内を闊歩(かっぽ)する「お行列」に始まり、人と馬が一体となってコースを疾走する「甲冑競馬」、騎馬武者たちが神旗(しんき)を奪い合う「神旗争奪戦」など、迫力満点の催しが続きます。
ただし、「甲冑競馬」「神旗争奪戦」の会場となる「雲雀ケ原祭場地」への入場、観覧にはチケット(有料)が必要です。観覧席は売り切れ次第終了となってしまうので、事前に用意しておくのがおすすめです。
購入方法は、公式サイトをチェックしてくださいね。
お行列

「相馬野馬追」の2日目は、9時30分に花火が打ち上げられると同時に「お行列」が始まり、約400人の騎馬武者が堂々と歩を進めます。
道中では、ほら貝や陣太鼓(じんだいこ)の音を合図に停止・前進を行い、隊列を整えながら約3km先の「雲雀ヶ原祭場地」へ向かいます。
■お行列
開催日:2023年7月30日(日)
開催時間:9:30~11:00
会場:小川橋付近~雲雀ヶ原祭場地
料金:観覧無料
※「雲雀ヶ原祭場地」への入場には、入場券もしくは観覧席券(ともに有料)が必要です
甲冑競馬

甲冑に身を固め、旗指物を背負った騎馬武者が、1周1,200mのコースを駆け抜ける「甲冑競馬」は、見ごたえ抜群!
全力で走る馬のひづめから鳴る重低音や、風を受けてはためく旗の音など、まるで戦国時代にタイムスリップしたかのような気分が味わえます。
■甲冑競馬
開催日:2023年7月30日(日)
開催時間:12:00~13:00
会場:雲雀ヶ原祭場地
アクセス:【車】常磐道南相馬ICから約15分、【電車】JR常磐線「原ノ町駅」から徒歩で約30分
※JR常磐線「原ノ町駅」からシャトルバスが運行予定
料金:入場券もしくは観覧席券(ともに有料)が必要です
神旗争奪戦

13時になると、陣螺(じんがい/ほらがい)が鳴り響き、その音を合図に花火が天高く打ち上げられます。
「神旗争奪戦」は、花火からゆっくりと舞い下りる御神旗を数百騎もの騎馬武者が奪い合う、迫力満点の神事です。御神旗は合計で40本が打ち上げられます。
会場である「雲雀ヶ原祭場地」は、まさに戦場といった喧騒に包まれ、まつりはハイライトを迎えます。
■神旗争奪戦
開催日:2023年7月30日(日)
開催時間:13:00~14:30
会場:雲雀ヶ原祭場地
アクセス:【車】常磐道南相馬ICから約15分、【電車】JR常磐線「原ノ町駅」から徒歩で約30分
※JR常磐線「原ノ町駅」からシャトルバスが運行予定
料金:入場券もしくは観覧席券(ともに有料)が必要です
3日目のフィナーレを飾る神事、見どころとは?
いよいよ「相馬野馬追」の最終日となる3日目には、「野馬懸」が行われます。
野馬懸

最終日に行われる「野馬懸」は、まつりのなかで最も重要な神事といわれており、「相馬野馬追」の古来の習わしを忠実に守って行われています。
放たれた野馬を「相馬小高神社」の境内に追い込み、白装束をまとった御小人(おこびと)が素手で馬を捕らえ、神前に奉納します。
古来の名残を残す唯一の神事とされており、国の重要無形民俗文化財に指定される重要な要因のひとつにもなりました。
■野馬懸
開催日:2023年7月31日(月)
開催時間:9:00~11:30
※野馬の追い込みは10:20~
会場:相馬小高神社
福島県の一大神事である「相馬野馬追」。見どころ満載の内容で、家族みんなの思い出に残ること間違いなしです。
騎馬武者たちの勇ましい姿をひと目見に、ぜひでかけてみてくださいね。
■相馬野馬追
開催期間:2023年7月29日(土)〜31日(月)
問い合わせ:0244-22-3064 (相馬野馬追執行委員会)
料金:「雲雀ケ原祭場地」入場料800円(前売り)、1,000円(当日)、行列観覧席3000円、指定観覧席1万2,000円(1マス/入場券5枚付き)
記事を書いた人
杞山穂花(Clay)
編集プロダクションClay所属の編集・ライター。食べること・文章を書くことがとにかく大好きです。やんちゃな愛猫に日々癒され中。パパママ、そして子供たちのワクワクドキドキな思い出づくりのお手伝いができれば幸せです!
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