
【全国】2025カキツバタ名所8選
初夏の風に揺れる青紫の絶景
初夏の訪れとともに美しく咲き誇る「カキツバタ(杜若)」は、湿地や水辺に自生するアヤメ科の花。紫がかった気品ある花姿は、古くから和歌にも詠まれてきました。
今回は、全国でカキツバタを観賞できる名所を厳選してご紹介! 「日本三大カキツバタ自生地」として知られるスポットのほか、3万本ものカキツバタが植えられている「柏崎・夢の森公園」や、アヤメやハナショウブとの競演も楽しめる「多賀城跡あやめ園」など、どこも見応え抜群ですよ。
カキツバタの特徴のほか、見た目が似ているアヤメ、ハナショウブとの違いも掲載しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
※トップ画像:画像提供:金沢市
※開花時期は気温や気候などによって変化するため、見頃はあくまで目安です。開花時期は公式サイトなどでご確認ください。
カキツバタとは?見頃は?

カキツバタ(杜若)は、アヤメ科・アヤメ属の多年草で、湿地や池のほとりなど水辺に自生する日本固有の植物です。
例年5月初旬に開花し、5月中旬〜下旬に見頃を迎えます。紫色の美しい花を咲かせ、古くから和歌や日本画の題材として親しまれてきました。
見た目の優雅さと涼しげな佇まいから、初夏の風物詩としても人気。環境省の絶滅の危険度を示すレッドリストに載る地域もあり、保護活動も盛んです。
アヤメとハナショウブとの違いは?

カキツバタ、アヤメ、ハナショウブは、どれもアヤメ科・アヤメ属で見た目がよく似ていますが、生育環境や花の特徴に違いがあります。
カキツバタ:おもに湿地や水辺に自生し、例年5月中旬に開花。花びらの中央に白い筋模様があるのが特徴です。
アヤメ:山地の草原や斜面、比較的乾いた場所に生え、開花は例年5月上旬。花びらの中央に網目模様(網状の筋)があります。
ハナショウブ:例年6月に咲き、湿地や池の縁などでよく見られます。花びらの中央に黄色い筋模様があります。園芸品種が多く、色も豊富です。
見分けるポイントは、「花模様の色」と「咲く場所」。この違いを知ると、観賞の楽しみがぐっと広がりますよ。
一度は見たい日本三大カキツバタ自生地

全国各地にあるカキツバタの自生地のなかでも「日本三大カキツバタ自生地」として知られているのが、愛知県刈谷市の「小堤西池」、京都府京都市の「大田ノ沢」、鳥取県岩美町の「唐川湿原」。
これらの場所は、広大な範囲にわたりカキツバタの群落を形成し、カキツバタが生息するために必要な水辺や湿地帯の環境が比較的良好に保たれています。それぞれ国の天然記念物にも指定されているほど貴重なカキツバタの群生地。一度は訪れたい名所です。
【東京都調布市】神代植物公園

神代植物公園の「水生植物園」では、毎年5月中旬頃にカキツバタが見頃を迎えます。水辺に咲く青紫の花は風情があり、静かな木道を歩きながらゆったりと観賞できます。
特に、初夏の柔らかな日差しのなか、群生するカキツバタが水面に映る風景はとても美しく、写真映えするスポットとしても人気。
また、この水生植物園は本園と分かれていており、無料で入園できるのも魅力のひとつです。
同時期に咲く春バラも必見!

神代植物公園の「ばら園」では、約400種類・5,200株の多彩なバラが植樹されています。
例年5月上旬から6月初旬まで見頃を迎え、美しく咲き誇る春バラを堪能でき、最盛期にあわせて「春のバラフェスタ」を開催。ばらコンサートや、ばら園ガイドツアー、フォトスポットなど、バラ観賞とともに様々なイベントも楽しめます。
親子連れには、園内にある芝生広場や自由広場がおすすめ。お弁当を広げてピクニックを楽しんだり、遊具で思い切り体を動かして遊ぶこともできますよ。自然のなかでカキツバタを観賞しながら、のびのびとした時間を過ごしてみませんか。
■スポット概要
所在地:東京都調布市深大寺元町5-31-10
カキツバタの見頃:例年5月中旬~6月
アクセス:車:中央自動車道「調布IC」から約5分
電車:京王線「つつじヶ丘駅」から京王バス深大寺行きで「神代植物公園前」下車
駐車場:あり
【東京都練馬区】石神井公園

「石神井公園」にある三宝寺池周辺では、毎年5月初旬から中旬にかけてカキツバタが見頃を迎えます。青紫色の花が水辺に咲き誇り、新緑とのコントラストが美しい風景を作り出します。
特に、池のほとりに整備された木道からは、間近で花々を鑑賞でき、写真撮影にもおすすめ。三宝寺池の沼沢植物群落は、1935年に国の天然記念物に指定されており、カキツバタのほかにもコウホネやミツガシワなどの貴重な水生植物が自生しています。
歴史や自然にまつわる展示を楽しみながら学ぶ

石神井公園内にある文化施設「石神井公園ふるさと文化館」では、地域の歴史や自然に関する展示を楽しみながら学べます。春から初夏にかけては、旧内田家住宅の鯉のぼりや、野生のフジの花も見どころです。
自然とふれあいながら、親子でゆったりとした時間を過ごせますよ。
■スポット概要
所在地:東京都練馬区石神井台1-26-1
カキツバタの見頃:例年5月初旬〜中旬
アクセス:電車:西武池袋線「石神井公園駅」から徒歩約7分
駐車場:あり
【愛知県知立市】八橋かきつばた園

無量壽寺(むりょうじゅじ)境内に広がる「八橋かきつばた園」は、平安時代の歌人「在原業平」が詠んだ和歌で知られる、カキツバタの名勝地です。
約11,130平方メートルの回遊式庭園には16の池があり、毎年4月下旬から5月中旬にかけて約3万本のカキツバタが咲き誇ります。特に5月上旬頃が見頃で、青紫の花々が水面に映る風景は圧巻!
ぜひ、“愛知県の花“、“知立市の花“でもあるカキツバタを親子で観賞してみませんか。
見頃には「かきつばたまつり」も開催

2025年は4月25日(金)〜5月19日(月)に「史跡八橋かきつばたまつり」を開催。約70年前から行われているまつりには、全国から多くの観光客が訪れます。
期間中は、茶会や明清楽の演奏、短歌大会、フォトコンテストなど多彩なイベントが行われます。夜間にはライトアップも実施され、幻想的な雰囲気のなかで花を楽しめますよ。
■スポット概要
所在地:愛知県知立市八橋町寺内61-1
カキツバタの見頃:例年4月下旬〜5月中旬
アクセス:車:伊勢湾岸道「豊田南IC」から約10分
電車:名古屋鉄道三河線「三河八橋駅」から徒歩約8分
駐車場:あり
【石川県金沢市】兼六園

石川県金沢市にある「兼六園」は、日本三名園のひとつとして知られる大名庭園。
四季折々の美しい景観が楽しめる庭園では、例年5月中旬から下旬にかけて、園内の曲水沿いに咲くカキツバタが見頃を迎えます。青紫色の花々が新緑のなかで鮮やかに映える姿は、訪れる人々の目を楽しませてくれます。
おすすめは、千歳台と呼ばれる「宏大」な台地を曲がりくねり、ゆったりと流れる曲水にかかる「千歳橋」から「花見橋」までのエリア。カキツバタの名所として知られ、写真撮影をする人に人気のスポットです。
近隣には親子で楽しめる観光スポットも

園内の「時雨亭」では、抹茶と和菓子を楽しみながら庭園を眺めることができ、親子でのんびりとしたひとときを過ごせます。
また、徒歩圏内には「21世紀美術館」や「金沢城公園」などの観光スポットもあり、家族で1日中楽しめますよ。
■スポット概要
所在地:石川県金沢市兼六町1
カキツバタの見頃:例年5月中旬〜下旬
アクセス:車:北陸自動車道「金沢西IC」・「金沢東IC」から約30分、「金沢森本IC」から約20分
電車:JR「金沢駅」から北陸鉄道バスに乗車、「兼六園下」下車徒歩すぐ
駐車場:あり
【新潟県柏崎市】柏崎・夢の森公園

新潟県柏崎市の「柏崎・夢の森公園」にあるカキツバタ苑は、約3万本のカキツバタが咲き誇る名所として知られています。
園内の湿地帯には木道が整備されており、青紫色の花々を間近で観賞しながら散策を楽しめます。例年、5月中旬から6月上旬にかけてが見頃となり、青紫色の花風景は、訪れる人々の心を癒し、幸せな気持ちにさせてくれますよ。
園内はバリアフリー対応が進んでおり、ベビーカーでも安心して散策できるので、自然とふれあいながら、家族でゆったりとした時間を過ごすのにぴったりの場所です。
「カキツバタまつり」を開催
園内では、2025年5月11日(日)〜31日(土)の期間「カキツバタまつり2025」が開催されています。
期間中は、市民から寄付されたこいのぼりが空を泳ぎ、園内を彩ります。
また、アヤメ科の見分け方や園内の花について解説する「水辺ガイド」や、「カキツバタ俳句大会」、「カキツバタの生け花」など様々なコンテンツを楽しめます。
5月17日(土)には、キッチンカーも出店。市内の和菓子店とコラボした「カキツバタまんじゅう」やカキツバタのポストカードなども販売されるので、おでかけの思い出にもおすすめですよ。
■スポット概要
所在地:新潟県柏崎市大字軽井川4544-1
カキツバタの見頃:例年5月中旬〜6月上旬
アクセス:車:北陸自動車道「柏崎IC」から約15分
電車:「柏崎駅」から新潟産業大学行きバスに乗車、「柏崎・夢の森公園」下車徒歩すぐ
駐車場:あり
【山口県美祢市】二反田溜池

美祢市美東町にある「二反田溜池」には、湿地帯特有のカキツバタやジュンサイ、オオミズゴケなどが広がる貴重な植物群生地です。
特にカキツバタ群落は、野生種としては山口県内では最も大きく、例年5月中旬から6月上旬にかけて、紫や白の美しい花を咲かせます。カキツバタと共に、多くの湿地植物も見られるので、自然観察や写真撮影にもおすすめなスポット。
中国自動車道「美祢東JCT」経由の小郡萩道路「絵堂IC」から車で約10分とアクセスも良好ですよ。
ホワイトタイガー&ライオンに会える

「二反田溜池」から車で約10分の場所にある「秋吉台自然動物公園サファリランド」は、ホワイトタイガーやホワイトライオンなど珍しい動物に出会えるスポット。
サファリバスに乗って園内を見学でき、草食エリアやライオンエリアでのエサやり体験も楽しめます。
併設の遊園地や動物ふれあい広場、乗馬コーナーなども充実。カキツバタ観察の後に、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
■スポット概要
所在地:山口県美祢市美東町二反田
カキツバタの見頃:例年5月中旬〜6月上旬
アクセス:車:中国自動車道「美祢東JCT」経由、小郡萩道路「絵堂IC」から約10分
駐車場:あり
【岡山県笠岡市】菅原神社
江戸時代の干拓によってできた笠岡市吉浜地区の氏神として造営されたといわれてる「菅原神社」。
境内の御手洗池には約2,000株のカキツバタが群生し、毎年5月中旬ごろ、あざやかな青紫の花が訪れた人々の目を楽しませてくれます。池にかかる石造の眼鏡橋とのコントラストがとても美しい絶景スポット。
ぜひ、おでかけの思い出に、全国的にも珍しい全円アーチの石橋とカキツバタを背景に写真撮影をしてみましょう。
笠岡市の特産品がそろう道の駅
「菅原神社」から車で約15分の場所にある「道の駅 笠岡ベイファーム」は、広大な笠岡湾干拓地をバックに四季折々の花が楽しめる絶景スポット。
直売所には、地元の農産物や笠岡諸島の特産品をはじめ、笠岡ベイファームオリジナルブランド「笠の輪」ギフトも取り扱っているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
■スポット概要
所在地:岡山県笠岡市吉浜1661
カキツバタの見頃:例年5月中旬
アクセス:車:山陽自動車道「笠岡IC」から約15分
電車:JR「笠岡駅」から福山線バスで約15分「金浦中入口」下車後、徒歩約10分
駐車場:あり
【宮城県多賀城市】多賀城跡あやめ園

宮城県多賀城市の多賀城跡にある「多賀城跡あやめ園」。約21,000平方メートルの敷地には、約800種・300万本ものあやめ、花菖蒲、かきつばたが咲き誇る、県内屈指の名所です。
あやめは例年5月下旬、カキツバタは6月上旬から中旬、花菖蒲は6月中旬から下旬に見頃を迎え訪れる人々の目を楽しませてくれます。
初夏の訪れを告げるあやめまつり

2025年6月14日(土)〜20日(金)には「第35回多賀城跡あやめまつり」が開催されます。
期間中は、生け花展示や、あやめ俳句大会などのイベントを実施。6月18日(水)〜20日(金)には、19時〜21時まで、あやめ園をライトアップ! LEDライトの柔らかな光で演出する、幻想的な世界を堪能できますよ。
■スポット概要
所在地:宮城県多賀城市市川立石
カキツバタの見頃:例年6月上旬〜中旬
アクセス:車:北陸自動車道「柏崎IC」から約15分
電車:「柏崎駅」から新潟産業大学行きバスに乗車、「柏崎・夢の森公園」下車徒歩すぐ
駐車場:あり
カキツバタ群落は、自然の美しさを感じられるスポットであり、家族での散策におすすめな場所。開花情報を事前に確認し、歩きやすい靴でおでかけください。
記事を書いた人

いこーよとりっぷ編集部
「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。
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