【大地の芸術祭2022】<br/>子供も楽しめる注目作品23選
更新日2022年10月31日/公開日2022年07月22日

【大地の芸術祭2022】
子供も楽しめる注目作品23選

見る
新潟県十日町市、新潟県中魚沼郡津南町

「越後妻有 大地の芸術祭2022」は、日本有数の豪雪地帯である越後妻有(つまり)地域(新潟県十日町市・津南町)の広大な里山を舞台としたアートの祭典です。

第8回展は、2022年4月29日(金・祝)〜11月13日(日)の期間で開催します。

今回は、春から秋にかけての過去最長の開催で、夏休みや秋の連休のおでかけにピッタリ。親子で楽しめる作品や食事スポットなど、イベントの楽しみ方を紹介します。

目次

周辺観光にも便利!デジタルパンフレット(外部サイト)

作品は6エリアで展示!事前の“コース決め”がカギ

中里エリアにある作品マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnel of Light」Photo by Nakamura Osamu
中里エリアにある作品マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnel of Light」Photo by Nakamura Osamu

「越後妻有 大地の芸術祭2022」は、越後妻有地域の十日町(とおかまち)、川西、中里、松代(まつだい)、松之山、津南(つなん)の6エリアにわたり開催。各エリアに個性あふれる魅力的な作品が点在しています。

期間中の作品総数は、なんと333点。常設展示作品のほか、土日祝のみ展示される作品や、期間限定展示の作品もあるため、日帰りや1泊2日ですべての作品を巡りきるのは困難です。

おでかけ前に見たい作品を決めておき、各地を巡る“コース決め”が「越後妻有 大地の芸術祭2022」を楽しむカギとなります。

「越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)」併設の美術館カフェ「サロン MonET 喫茶」Photo by Nakamura Osamu
「越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)」併設の美術館カフェ「サロン MonET 喫茶」Photo by Nakamura Osamu

いつ・どこで・どんな作品が鑑賞できるかを簡単にチェックできる作品公開カレンダーが用意されています。活用してみてくださいね。

作品公開カレンダー(公式サイト)

おすすめは日帰りコース

公式サイトでは、日帰りや1泊2日で訪れるモデルコース、おすすめのバスツアーの情報を随時更新しています。

親子におすすめなのは、子供連れでも無理なく楽しめる「越後妻有 大地の芸術祭 2022」日帰りモデルコースです。

JR上越新幹線「越後湯沢駅」でレンタカー(要予約)を手配し、自然や風土をテーマにした体感型の作品が並ぶ美術館や越後妻有の美しい風景を巡ってみましょう。

モデルコース例(公式サイト)

それでは、全333作品の中から、夏休みから秋のおでかけシーズンに子供と一緒に楽しめる23作品をエリア別に紹介します。

チケット情報はこちら

【十日町エリア】親子向け作品5選

信濃川の東側に広がる十日町エリアは、織物と農業がさかんな地域です。

廃校となった小学校の校舎を活用した、絵本モチーフの空間絵本美術館「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」などがあります。

詳しいエリア情報(公式サイト)

鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館

田島征三「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」Photo by ISHIZUKA Gentaro
田島征三「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」Photo by ISHIZUKA Gentaro

「とべバッタ」(偕成社)や、「ガオ」(福音館書店)など数多くの絵本を手掛ける、絵本作家・田島征三氏の作品をモチーフにした体験型の空間絵本美術館。

会場は、新潟県十日町市にある旧「真田小学校」の校舎です。廃校になり空っぽになった小学校を舞台に、最後の在校生と学校にすみつくオバケたちとの物語が展開されています。

展示されているのは、伊豆半島や日本海の海辺で集めた流木などの自然物に、絵の具を塗ったカラフルなオブジェ。バッタの形をした動くオブジェなどもあります。

所在地:新潟県十日町市真田甲2310-1
展示期間:4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:絵本と木の実の美術館入館料800円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

かまぼこフェイス

 開発好明「かまぼこフェイス」Photo by T .Kuratan
開発好明「かまぼこフェイス」Photo by T .Kuratan

新潟などの豪雪地帯で見られる、積雪に強い形に作られた「かまぼこ型倉庫」を活用した楽しい作品です。

もともとそこにあったかまぼこ型倉庫の前面に、楽しい顔や、怒った顔、泣き顔などさまざまな表情を描いています。エリア内に複数の作品が点在しているので、親子で探してみましょう。

出会った時には、ぜひ作品に語りかけてみてくださいね!

所在地:新潟県十日町市中条戌859-1周辺(国道59号線沿い)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

Kiss & Goodbye (越後水沢駅)/Kiss & Goodbye (土市駅)

ジミー・リャオ「Kiss & Goodbye」(越後水沢駅)Photo by Yanagi Ayumi
ジミー・リャオ「Kiss & Goodbye」(越後水沢駅)Photo by Yanagi Ayumi

両親を亡くした少年と飼い犬が列車に乗って、田舎のおじいさんを訪ねる物語が描かれた、ジミー・リャオ氏(台湾)の新作絵本「幸せのきっぷ Kiss & Goodbye」をテーマにした作品。

作品展示がされているJR飯山線「土市駅」と「越後水沢駅」は、絵本の舞台になっている場所なんです。

 ジミー・リャオ「Kiss & GoodBye」(土市駅)Photo by Ishizuka Gentaro
ジミー・リャオ「Kiss & GoodBye」(土市駅)Photo by Ishizuka Gentaro

豪雪地帯である越後妻有地域で見られる通称「かまぼこ型倉庫」に着想を得てデザインされ、エリアの地域性が色濃く反映されています。

越後水沢駅にある倉庫内では、物語に登場する少年と犬をモチーフにしたカラフルで可愛いらしい作品を展示。一方、土市駅にある倉庫内では、インスタレーションや絵、動画や音楽など、絵本のメッセージを伝える展示が行われています。

所在地:JR飯山線「越後水沢駅」(十日町市馬場甲)/JR飯山線「土市駅」(十日町市新宮甲)
展示期間:【2作品共通】2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜7月29日(金)の土日祝、7月30日(土)〜9月4日(日)の火・水曜以外、9月5日(月)〜11月13日(日)の土日祝
料金:個別鑑賞券300円、または作品鑑賞パスポート利用可(個別鑑賞券1枚で2作品共通で観賞可能)

Kiss & Goodbye (越後水沢駅)公式サイト

Kiss & Goodbye (土市駅)公式サイト

モグラTV

開発好明「モグラTV」Photo by Nakamura Osamu
開発好明「モグラTV」Photo by Nakamura Osamu

大地の芸術祭の拠点「越後妻有里山現代美術館 MonET」正面の芝生広場に開設された地下スタジオ。

作者の開発好明氏が自らメインキャスターのモグラ君に扮して、地域住民やアーティスト、美術関係者など多様なゲストを招いたトーク番組を制作し、定期的に番組を発信。作家滞在日は、地上に顔を出してきます(天候によって、中止の場合もあり)。

また、芸術祭会期中は定期的に「エフエムとおかまち」で生放送を行うほか、Youtubeライブ配信もあるので要チェック! 

所在地:越後妻有里山現代美術館 MonET 周辺
展示期間(作家滞在日および放映日):2022年5月1日(日)、6月5日(日)、7月3日(日)、8月7日(日)、9月4日(日)、10月2日(日)、11月6日(日)
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

【松代エリア】親子向け作品6選

周囲を山々に囲まれた松代エリアは、棚田の景観が広がる日本の原風景が残る地域です。

大地の芸術祭の拠点となる建築作品まつだい「農舞台」や、自然を利用した作品が各地に展示されています。散策しながらの鑑賞もおすすめです。

詳しいエリア情報(公式サイト)

花咲ける妻有

草間彌生「花咲ける妻有」Photo by Nakmura Osamu
草間彌生「花咲ける妻有」Photo by Nakmura Osamu

世界的な芸術家・草間彌生氏の作品で、常設展示されている巨大な花の野外彫刻。世界中で野外彫刻を多く手掛けてきた本人自ら「お気に入りNo.1」と自賛しています。

越後妻有地域の空気を讃美し、天からそそがれる美しい陽光や、豊かな自然を讃えた作品です。

所在地:まつだい「農舞台」周辺(新潟県十日町市松代3743-1)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:まつだい「農舞台」フィールドミュージアム券1,200円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

イナゴハビタンボ

 塩澤宏信「イナゴハビタンボ」Photo by T .Kurat
塩澤宏信「イナゴハビタンボ」Photo by T .Kurat

田んぼの中に設置された、滑って遊べる陶製 のイナゴ型滑り台。

タイトルの「ハビタンボ」とは、「ハビタット=生物の棲む環境」と「タンボ=田圃」をあわせた造語で、人々やイナゴなどそこに暮らすさまざまな生きものが共生する世界への強い思いを込めた作品です。

所在地:そば屋「松芋」横(新潟県十日町市犬伏3228)
展示期間:2022年5月21日(土)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

リバース・シティー

パスカル・マルティン・タイユ―「リバース・シティー」Photo by Yanagi Ayumi
パスカル・マルティン・タイユ―「リバース・シティー」Photo by Yanagi Ayumi

長さが違う大きな鉛筆の群れが、太い柱に吊るされたユニークな作品。鉛筆一本一本に世界の国々の名前が書かれ、“鉛筆の街”を表現しています。

カラフルな鉛筆が地面から約2mの高さに浮かぶ様子を下から見上げると、迫力とともに世界の脅威を感じる、メッセージ性ある作品です。

所在地:まつだい「農舞台」周辺(新潟県十日町市松代3743-1)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:まつだい「農舞台」フィールドミュージアム券1,200円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

スペース・スリター・オーケストラ

チャールズ・ビラード「スペース・スリター・オーケストラ」Photo by Nakamura Osamu
チャールズ・ビラード「スペース・スリター・オーケストラ」Photo by Nakamura Osamu

森の中に、互いの音を聴き合うように向かいあって設置された3台の楽器「スリター」が、周囲の自然と共鳴しながら、つかの間の森のオーケストラ音楽を生み出します。

「スリター」とは、スライドギターとシタールを語源とする言葉。音程の変化が調整でき、インドの民族楽器のような神秘的な音色を出す楽器の特性を表しています。

所在地:まつだい「農舞台」周辺(新潟県十日町市松代3743-1)
展示期間:2022年5月21日(土)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:まつだい「農舞台」フィールドミュージアム券1,200円、または作品鑑賞パスポートを利用

公式サイト

はなしるべ

鞍掛純一「はなしるべ」Photo by Nakamura Osamu
鞍掛純一「はなしるべ」Photo by Nakamura Osamu

閉校した小学校の跡地を活用した「奴奈川(やながわ)キャンパス」のグラウンドに設置されたトロッコ列車。桜の木々の間を駆け抜ける姿が印象的なアート作品です。

「奴奈川の自然風景と作品が織りなす思い思いの印象風景を心に持ち帰ってほしい」との思いが込められた楽しい作品です。

所在地:奴奈川キャンパス(新潟県十日町市室野576)
展示期間:2022年6月2日(木)〜7月29日(金)の土日祝、7月30日(土)〜9月4日(日)の火・水曜以外、9月5日(月)〜11月13日(日)の土日祝
料金:奴奈川キャンパス入館料500円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

hi 8 way

ジョン・クルメリング「hi 8 way」Photo by Nakamura Osamu
ジョン・クルメリング「hi 8 way」Photo by Nakamura Osamu

「まつだい城山」に設置された、高さ4mの展望台。2つの螺旋階段がねじれるように組み合わさり、無限を意味する記号「∞」を表現しています。

上り下りを繰り返して遊びながら楽しめる作品で、見る角度によって、8の字に見えたり、大きな円に見えたりと、さまざまに形を変化させるデザインに注目です。

所在地:新潟県十日町市松代城山周辺
展示期間:2022年5月21日(土)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:まつだい「農舞台」フィールドミュージアム券1,200円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

【津南エリア】親子向け作品3選

新潟県の南端に位置し、長野県との県境にある津南エリア。

木造体育館を利用した巨大スゴロクや、廃材から生まれた魚の作品など子供が楽しめる作品がいっぱい! 

詳しいエリア情報(公式サイト)

妻有双六

原倫太郎+原游「妻有双六」Photo by Kioku Keizo
原倫太郎+原游「妻有双六」Photo by Kioku Keizo

小学校を改築した宿泊施設「かたくりの宿」内にオープンしたすごろく場。会場は、木造の体育館をそのまま利用しています。

地域の集落間を繋ぐ“くねくね道”などをモチーフに作られた巨大すごろくで遊んでみましょう。

所在地:かたくりの宿(新潟県中魚沼郡津南町郡津南町大字大字結東450-1)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~9月29日(木)・10月3日(月)~11月13日(日)の火・水曜以外
料金:かたくりの宿入館料300円または、作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

上郷バンドー四季の歌

ニコラ・ダロ「上郷バンドー四季の歌」 Photo by Kioku Keizo
ニコラ・ダロ「上郷バンドー四季の歌」 Photo by Kioku Keizo

閉校した中学校の教室を舞台に、動物の姿をした自動人形の「上郷バンド」が楽曲を演奏する劇場型作品。

演奏される楽曲は、地域の人々へのヒアリングをもとに制作したオリジナル作品。さらに、ステージ上には、古民家をモチーフに作られた情緒溢れるセットが組まれています。

地域の象徴である雪をイメージした布が天井からぶら下がり、上下に動く演出もあり、作品を通して地域の暮らしを感じられます。

所在地:越後妻有「上郷クローブ座」(旧上郷中校/新潟県中魚沼郡津南町上郷宮野原7-3)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~7月29日(金)の土日祝、 7月30日(土)~9月4日(日)の火・水曜以外、9月5日(月)~11月13日(日)の土日祝
料金:上郷クローブ座+香港ハウス入館料600円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

廃材水族館:竜ヶ窪

加治聖哉「廃材水族館竜ヶ窪」Photo by Kioku Keizo
加治聖哉「廃材水族館竜ヶ窪」Photo by Kioku Keizo

まちの地下ゲートボール場に、大量のイワシや巨大なホホジロザメが泳ぎ、タカアシガニが歩く水族館が出現! 廃材から生まれた数々の魚が地下空間を自由に泳ぎ回ります。

地域の工務店や製材所で不要となった木材を組み合わせ、等身大の動物を再現しています。廃材に新しい価値を与え、新たな命へと昇華させた作品です。

所在地:新潟県中魚沼郡津南町谷内7031
展示期間:2022年4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~11月13日(日)の火・水曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

【松之山エリア】親子向け作品4選

松之山エリアは、長野県の県境に位置する標高200mから600mの広陵地帯。日本三大薬湯に数えられる松之山温泉があります。

人間と同じ大きさまで拡大された昆虫の写真の展示作品など、子供心をくすぐる作品が点在します。

詳しいエリア情報(公式サイト)

超高解像度人間大昆虫写真 [life-size]/ZooMuSee

橋本典久 + scope「超高解像度人間大昆虫写真 [life-size]」Photo by Nakamura Osamu
橋本典久 + scope「超高解像度人間大昆虫写真 [life-size]」Photo by Nakamura Osamu

人間と同じ大きさまで拡大された昆虫の写真作品「超高解像度人間大昆虫写真 [life-size]」。

トンボの羽の細部や、チョウの鱗粉(りんぷん)など肉眼では見えない部分がリアルに浮かび上がり、造形の美しさや多様性に触れることができます。

作品制作のため、作家の橋本典久 + scope氏は1年にわたって同地域で昆虫採集を実施。「自然界に生きる生物と対等な立場で向かい合うことが、私たちをとりまく自然への新たな視点を生み出す」という思いが込められています。

橋本典久+scope「ZooMuSee」 Photo by Nakamura Osamu
橋本典久+scope「ZooMuSee」 Photo by Nakamura Osamu

また「ZooMuSee」は、昆虫の画像データをタッチパネル式巨大モニターで、極限まで拡大して見ることができる高精細画像のデータベース。約280点のデータを公開中です。

同会場で、2022年7月16日(土)〜10月16日(日)の期間に開催される夏の企画展「煌めきのチョウ展」に合わせて、「志賀夘助 チョウコレクション」の3,749点を新たに追加予定。昆虫をテーマにした自由研究に取り組みたい子供におすすめです。

※志賀夘助(しがうのすけ):日本の昆虫採集の父と称される人物

所在地:「森の学校」キョロロ(新潟県十日町市松之山松口1712-2)
展示期間:通年公開(祝日を除く火曜休み)
※2022年7月11日(月)〜15日(金)、10月19日(水)〜21 日(金)展示入れ替え休館
料金:「森の学校」キョロロ入館料500円、または作品鑑賞パスポート利用

「超高解像度人間大昆虫写真 [life-size]」公式サイト

「ZooMuSee」公式サイト

影の劇場 〜愉快なゆうれい達〜

クリスチャン・ボルタンスキー「影の劇場 〜愉快なゆうれい達〜」 Photo by Nakamura Osamu_021
クリスチャン・ボルタンスキー「影の劇場 〜愉快なゆうれい達〜」 Photo by Nakamura Osamu_021

暗闇に浮かび上がる教室の壁面に、ガイコツやコウモリ、天使など、生と死を連想させる生きものの影が映し出される大規模インスタレーション作品。

旧「東川小学校」の建物全体が、光と影と戯れながら踊る生きものが住む、幻想的でユーモラスな世界に変化しています。

所在地:旧東川小学校(新潟県十日町市松之山東川192)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)〜9月5日(月)・ 9月12日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:最後の教室入館料800円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

Lost Winter

レアンドロ・エルリッヒ「Lost Winter」Photo by Kioku Keizo
レアンドロ・エルリッヒ「Lost Winter」Photo by Kioku Keizo

窓を覗き込むと、覗き込んだ本人が窓の向こうからこちら側を覗き込む不思議な作品。世界的アーティストであるレアンドロ・エルリッヒ氏の作品です。

作品が設置されているのは、1955年に建てられた廃校の木造校舎で、芸術祭の拠点施設のひとつでもある宿泊施設「三省ハウス」。宿泊者限定の体験プログラムもあります。

所在地:三省ハウス(新潟県十日町市松之山小谷327)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:三省ハウス入館料300円、または作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

【中里エリア】親子向け作品2選

中里エリアは、信濃川と清津川の流れる水によってつくられた地形「河岸段丘」の美しい風景が魅力の地域です。

越後妻有を代表する名所のひとつ、清津峡渓谷トンネルを作品にした「Tunnel of Light」が鑑賞できるエリアです。

詳しいエリア情報(公式サイト)

Tunnel of Light

マ・ヤンソン MADアーキテクツ「Tunnel of Light」Photo by Nakamura Osamu
マ・ヤンソン MADアーキテクツ「Tunnel of Light」Photo by Nakamura Osamu

越後妻有を代表する名所のひとつである「清津峡渓谷トンネル」。2018年開催の同芸術祭で大規模アート作品「Tunnel of Light」として改修され、大きな話題になりました。

今回はエントランス施設が新設されています。

全長750mのトンネルを、外界から遮断された潜水艦に見立てています。新設されたエントランスから終点のパノラマステーションまで、自然を構成する「5大要素」(木・土・金属・火・水)を利用しながら、建築的な空間とアーティスティックな雰囲気を演出しています。

所在地:清津峡渓谷トンネル(新潟県十日町市小出癸2119-2)
展示期間:通年公開
※要予約期間:2022年4月29日(金・祝)~5月8日(日)、7月30日(土)~8月21日(日)、10月29日(土)~11月6日(日)
※冬季は積雪状況により休坑
料金:一般1,000円、小・中学生400円
※一般のみ作品鑑賞パスポート提示で500円割引
※作品鑑賞パスポートでは入坑不可

公式サイト

たくさんの失われた窓のために

 内海昭子「たくさんの失われた窓のために」Photo by T. Kuratani
内海昭子「たくさんの失われた窓のために」Photo by T. Kuratani

妻有の自然に圧倒されたという作家・内海昭子が、「部屋の窓から見える風景は『私の風景』となる。」というコンセプトのもと制作した作品。

人工物ながら、景観を損なうことなく慎ましく咲く花のような作品です。大きな窓の向こうに広がる雄大な妻有の風景を感じてみましょう

所在地:桔梗原うるおい公園(新潟県十日町市桔梗原キ1463- 1)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

【川西エリア】親子向け作品3選

信濃川の西側に位置する川西エリアは、川沿いの平野部分に田園風景が広がります。越後三山(八海山・越後駒ケ岳・中ノ岳)を望むことができる点も魅力です。

世界的な芸術家であるジェームズ・タレル氏の作品「光の館」や、住民が運営するアート果樹園「ベリースプーン」などを巡ることができます。

詳しいエリア情報(公式サイト)

ベリー・スプーン

 トゥー・ザ・ウッズ「ベリー・スプーン」Photo by Nakamura Osamu
トゥー・ザ・ウッズ「ベリー・スプーン」Photo by Nakamura Osamu

夢のアート果樹園「ベリースプーン」は、ベリーを育てることで人々が関わりあえる果樹園をつくるアートプロジェクトです。

世界各国のベリー30種以上が植えられ、季節によって色とりどりの花や果実を鑑賞できるほか、ベリーに関する情報や写真、図書も設置されています。

栽培から加工、生産にいたるまでの過程でワークショップやイベントを開催し、人と人とのコミュニケーションが生まれる場づくりをめざしています。

所在地:ナカゴグリーンパーク(新潟県十日町市上野甲2896)
展示期間:2022年7月30日(土)〜8月29日(月)の火〜木曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用
※ジャムづくりは500円

公式サイト

20 minute walk

作品が展示されている「仙田地区」を1/10のスケールで再現した作品。平地が少ない仙田地区特有の棚田や水田を再現した小さな地形のなかを、歩き回ったりよじ登ったりすることで、地域への理解を深められます。

作者の春日部幹氏によると、20分ほど散策して、近くを流れる渋海川の対岸から同作品を眺めてみるのもおすすめとのこと。間近で見たときとは違う感じ方ができます。

所在地:新潟県十日町市中仙田
展示期間:2022年5月21日(土)~11月13日(日)の火・水曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

レイチェル・カーソンに捧ぐ〜4つの小さな物語

藤原吉志子「レイチェル・カーソンに捧ぐ 〜 4つの小さな物語」Photo by Nakamura Osamu
藤原吉志子「レイチェル・カーソンに捧ぐ 〜 4つの小さな物語」Photo by Nakamura Osamu

1960年代に環境問題を告発した生物学者・レイチェル・カーソンの著書「沈黙の春」をモチーフにした作品。

広場に設置された神殿の周りには島男、ロバ、ウサギの像がたたずみ、童話の一場面のような世界が広がります。一見するとユーモラスな雰囲気ですが、痛烈な社会批判をはらんでいます。

著書を読むきっかけになりそうです。

所在地:ナカゴグリーンパーク(新潟県十日町市上野甲2924-28)
展示期間:2022年4月29日(金・祝)〜5月8日(日)、5月9日(月)〜11月13日(日)の火・水曜以外
料金:作品鑑賞パスポート利用

公式サイト

特別メニューも登場!地元ごはんを味わう

「越後妻有 大地の芸術祭2022」開催期間中は、美術館内のカフェやレストランなどが登場します。地元の食材を使った食事を味わってみましょう。

サロン MonET 喫茶(サロンモネキッサ)

Photo by Nakamura Osamu
Photo by Nakamura Osamu

越後妻有里山現代美術館 「MonET(モネ)」に併設された美術館カフェ。カフェの空間がまるごと作品になっており、壁には美術家・中谷ミチコ氏の作品「遠方の声」と蔵書を飾っています。

「パフェ (ノアール〜黒~)」1,350円
「パフェ (ノアール〜黒~)」1,350円

地元の素材を取り入れたスイーツや、新潟県の茶葉を使ったお茶など、地産地消のメニューがそろいます。美術鑑賞が終わってからゆっくりくつろぐのもいいですね。

所在地:越後妻有里山現代美術館「MonET」(新潟県十日町市本町6)
営業日:4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~7月29日(金)の土日祝、7月30日(土)~9月4日(日)の火・水曜以外、9月5日(月)~11月13日(日)の土日祝
営業時間:11:00〜17:00(ラストオーダー16:30)
予約:不可
設備:トイレ:あり/駐車場:あり/オムツ交換台:あり/授乳室:あり

公式サイト

TSUMARI BURGER(ツマリバーガー)

「妻有ポークとかぐら南蛮タルタルのダンプリングバーガー」1,350円(※写真はイメージです)
「妻有ポークとかぐら南蛮タルタルのダンプリングバーガー」1,350円(※写真はイメージです)

「越後妻有里山現在美術館MonET」1階にあるコミュニティスペースでは、米澤文雄シェフ監修のオリジナルバーガーが味わえます。

「妻有ポークとかぐら南蛮タルタルのダンプリングバーガー」は、南魚沼地域の伝統的な夏野菜「神楽南蛮(かぐらなんばん)」のピクルスを使ったタルタルソースと、照り焼きソースのWソースが決め手。地元食材のおいしいを凝縮したハンバーガーです。

所在地:越後妻有里山現代美術館 「MonET」1階(新潟県十日町市本町6 )
営業日:4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~11月13日(日)の火・水曜以外
営業時間:10:00〜16:00(ラストオーダー15:30)
※ハンバーガー販売は11:00から
予約:不可
設備:トイレ:あり/駐車場:あり/オムツ交換台:あり/授乳室:あり

公式サイト

Hachi Cafe(ハチカフェ)

「絵本と木の実の美術館」の一室にある「Hachi Cafe」は、美術館を囲む大自然の景色を楽しみながら、地元素材にこだわったスイーツやドリンクが味わえるカフェです。

白を基調とした空間に、造形作家・田島燃氏が手がけた木のぬくもりを感じるテーブルと椅子が置かれ、心地よいひとときを過ごすことができます。

所在地:絵本と木の実の美術館(新潟県十日町市真田甲2310-1)
営業日:4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~11月13日(日)の火・水曜以外
営業時間:10:00〜17:00
※10月、11月は10:00~16:00まで
予約:不可
設備:トイレ:あり/駐車場:あり/オムツ交換台:なし/授乳室:なし

公式サイト

越後まつだい里山食堂

越後まつだい里山食堂内観 Photo by Yanagi Ayum
越後まつだい里山食堂内観 Photo by Yanagi Ayum

芸術祭の拠点となる建築作品「農舞台」の中にある食堂。地元の旬の食材をふんだんに使った料理を、平日は日替わりランチ、土日祝日はビュッフェスタイルで楽しめます。

ガラス張りの店内から望む棚田と里山の景色がとても美しく、開放感も抜群です。

所在地:まつだい「農舞台」(新潟県十日町市松代3743-1)
営業日:【1】4月29日(金・祝)~5月8日(日)、5月9日(月)~7月29日(金)・9月5日(月)~11月13日(日)の火・水曜以外/【2】7月30日(土)~9月4日(日)の火・水曜以外
営業時間:【1】10:00〜17:00(ラストオーダー16:30/ランチは11:00〜14:00)/【2】10:00〜18:00(ラストオーダー17:00/ランチは11:00〜14:00)
予約:
設備:トイレ:あり/駐車場:あり/オムツ交換台:あり/授乳室:あり

公式サイト

上郷クローブ座レストラン

上郷クローブ座レストランPhoto by Nakamura Osam
上郷クローブ座レストランPhoto by Nakamura Osam

廃校になった「上郷中学校」をリノベーションした舞台芸術の拠点「越後妻有 上郷クローブ座」1階にあるレストラン。地元の女衆(おんなしょ)が演劇仕立てのおもてなしで、料理を提供するパフォーマンスが話題です。

毎年テーマを変えながら期間限定でオープンしており、2022年は、雪国の暮らしを描いた江戸時代のベストセラー「北越雪譜」をモチーフにした芝居で楽しませてくれます。

所在地:越後妻有「上郷クローブ座」1階(新潟県中魚沼郡津南町上郷宮野原7-3)
営業日:7月30日(土)〜9月4日(日)の火・水曜以外
営業時間:12:00〜12:45/13:30〜14:15
予約:要予約
設備:トイレ:あり/駐車場:あり/オムツ交換台:あり/授乳室:なし

公式サイト

Cafe Fragment by edition.nord+がふ(かふぇ ふらぐめんと ばい えでぃしょんのると+がふ)

旧「清津峡小学校」の体育館をリニューアルした施設「清津倉庫美術館」内にある期間限定のカフェ。

風通しのよい涼しい店内で、採れたて野菜を使ったカオマンガイや野草茶、自家焙煎コーヒーを提供するほか、テイクアウトも行っています。

また、鳥取県の古道具屋「がふ」を招き、集落から集めた品を展示販売するガラクタ市やワークショップなども開催予定です。

所在地:清津倉庫美術館(新潟県十日町市角間末1528-2)
営業日:7月30日(土)〜9月4日(日)の火・水曜以外
営業時間:11:00〜15:00
予約:不可
設備:トイレ:あり/駐車場:あり/オムツ交換台:なし/授乳室:なし

公式サイト

宿泊体験そのものがアートの一部に♪

「大地の芸術祭2022」では、古民家や廃校を改装した宿に宿泊ができます。建物自体がアート作品になっていて、泊まりながらアートを満喫できますよ。

うぶすなの家内観Photo by Yanagi Ayumi
うぶすなの家内観Photo by Yanagi Ayumi

十日町エリアにある「うぶすなの家」は、築90年を超える茅葺き屋根の古民家を改装した宿泊施設です。

日本を代表する陶芸家たちが手がけた囲炉裏、かまど、洗面台、風呂が備えられ、地元のお母さんたちがつくる家庭料理が堪能できます。

おすすめ宿泊施設を詳しくチェック(公式サイト)

【作品鑑賞パスポート】中学生以下は鑑賞無料!早期割も

各アート作品を鑑賞するには2通りの方法があります。

  1. 入館料などを都度支払う「個別鑑賞券」を利用
  2. 「作品鑑賞パスポート」を購入

「作品鑑賞チケット」は、会期中有効でお得です。通常料金は、一般4,500円/大学・高校・専門3,500円/中学生以下無料ですが、2022年7月29日(金)までは「早期割料金」が適用され、一般3,500円/大学・高校・専門2,500円/中学生以下無料になります。

「作品鑑賞パスポート」うれしい特典

2回目以降に作品を鑑賞する際、パスポートを提示すると半額になるうれしい特典付きです。

3回まで入館可能な施設や、4回目以降パスポートを提示すると半額になる施設や作品もあるので、公式サイトをチェックしてお得に楽しみましょう。

3回まで入場可能な施設/作品

  • 越後妻有里山現代美術館 MonET
  • 鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
  • まつだい「農舞台」
  • 奴奈川キャンパス
  • 越後松之山「森の学校」キョロロ
  • 越後妻有「上郷クローブ座」
  • 香港ハウス

そのほか、パスポートを提示すると、越後妻有地域のお店で利用できる割引サービスなどの特典を受けることができます。

詳しくはこちら(公式サイト)

購入方法&引換方法

越後妻有里山現代美術館MonET案内所(引換場)Photo by Nakamura Osamu
越後妻有里山現代美術館MonET案内所(引換場)Photo by Nakamura Osamu

チケットは現地購入も可能ですが、オンライン購入が便利です。

公式サイトやコンビニで引換券の購入したあと、下記の引換場所で紙のパスポート(本券)を発行します。

引換場所

  • 十日町市総合観光案内所(十日町駅西口)
  • 越後妻有里山現在美術館 MonET
  • 十日町市利雪親雪総合センター(期間限定)
  • 清津倉庫美術館(期間限定)
  • 清津峡渓谷トンネル
  • 松代・松之山温泉観光案内所
  • まつだい「農舞台」
  • 苗場酒造敷地内
  • 広域観光情報センター(越後湯沢駅内)
  • 道の駅 南魚沼 雪あかり(今泉記念館内)

なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各地域には「検温スポット」が設置されています。検温や体調確認、マスク着用確認後、作品鑑賞に必要なリストバンドが配布されます。

アート巡りを始める際は、必ず「検温スポット」に立ち寄りましょう。

詳しくはこちら(公式サイト)

「越後妻有 大地の芸術祭2022」は、自然を利用した野外彫刻作品や、廃校などをまるごと活用した大規模作品など、エリア全体がアートの舞台です。

越後妻有の自然や歴史、食なども楽しみながら、親子でアート巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人

飯田佐智(Clay)

小学生の娘と金魚2匹と暮らすママライター。旅行、おでかけ、グルメを中心に執筆。趣味はインスタで美味しそうなレシピ(おつまみ♪)を見つけて作ること。海外ドラマが大好きで今まで観た作品は数知れず。

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