名産のあめりか芋を掘って食べよう
新島大冒険体験【イベントレポ】
「いこーよとりっぷ」の姉妹サイト「未来へいこーよ」では現在、あめりか芋(新島)や黄八丈(八丈島)や江戸切子(江東区)といった「東京のものづくり」をテーマにした子供向け職業体験プログラムを開発しています。
今回は東京から約160km離れた伊豆諸島のひとつ「新島」(にいじま)で、特産の「あめりか芋」の収穫&調理して食べることに加え、レンタサイクルを使って島を冒険しながら楽しめるイベントをモニター親子に体験してもらいました。
「『あめりか芋』とはどんな芋なのか?」という素朴な疑問をはじめ、名前の由来、新島で作られるようになった歴史を学び、さらに島に住む人たちとも仲良くなっていく様子を密着取材!
体験終了後に「また新島に遊びに行きたい!」と参加者が感じたイベントの模様をお届けします。
新島や「あめりか芋」の魅力を紙芝居で学ぼう!
新島に船で到着した参加者を出迎えてくれたのは、東京諸島でさまざまな事業を手掛ける株式会社TIAM(ティアム)の「いと~まん」さん。今回のイベントでは「新島冒険隊」として、参加者は冒険隊のメンバーとして新島の魅力を肌で感じてもらいます。
冒険隊にはモニターとして参加した家族に加えて、新島に住む地元の親子も参加しています。これには「新島に住む同世代の子供たちと接点を持つことで、より新島を身近に感じられるようになってもらい、新島に住んでいる人にまた会いたいと思ってもらいたい」という狙いがあります。
新島について紙芝居で知ろう!
まずは新島の成り立ちや特徴についてクイズ形式で紹介していきます。
島内から縄文土器が発掘され、新島には縄文時代から人が住んでいたということを知る歴史クイズや、海岸の砂の色が白い理由、新島の広さ、東京からの距離といった地理クイズなどを楽しく学んでいきます。
「あめりか芋」とは?
続いては、「あめりか芋」の歴史や食べ方について。
もともと東京都に属する島々は平坦な土地が少なく、稲作には向いていませんでした。江戸時代にたびたび飢饉(ききん)に見舞われたとき、新島の住民の主食となったのが、痩せた土地でも栽培でき、日持ちする「サツマイモ」です。
なかでも、あめりか芋は痩せた土地でも育ち、保存が利くことから新島で重宝されてきました。
現在ではほとんど販売されることのない希少なサツマイモとして知られています。
収穫したばかりのあめりか芋は、肉質が粉質で、甘味が少ないことから料理や加工品などに使われています。
貯蔵することで糖度が増すと肉質が粘質に変わり、ねっとりとした甘い「密芋」に変わります。
新島にはこんな特産品も!
新島の特産品としては「コーガ石」や「新島ガラス」も有名です。新島にはコーガ石でできたオブジェや建物が多く、島を散策しているとあちこちで見つけられます。
【収穫体験:ステップ1】あめりか芋を収穫しよう!
新島とあめりか芋のことがわかったところで、冒険隊に「あめりか芋を収穫して食べよう」という最初の指令が! 早速、近くにある農園で収穫を行います。
農園に到着すると、まずは畑の前で、あめりか芋がどのように育てられているのかについて学びます。これから収穫するのは、時間をかけて育てられたもの。大事に収穫しようという気持ちが高まります。
あめりか芋の収穫は、一般的なサツマイモと同様、芋の根がどこに伸びているかを手探りで掘り進めていきます。
あめりか芋の大きさや形は、個体によってさまざまで、どこまで根が伸びているのか、どのくらいの大きさの芋なのかは掘ってみないとわかりません。大事な芋が途中で切れないように慎重に掘っていきます。
土を掘っていると、中からいろいろな生きものが現れるのも、子供たちには良い体験になりました。
一般的なサツマイモとは違う、独特な形にあちこちの参加者から驚きの声が上がります。とくに子供たちはどんな味がするのか興味津々です。
【収穫体験:ステップ2】採れたばかりのあめりか芋を天ぷらにしよう!
次は、採れたあめりか芋の一部を天ぷらにして食べます。採ってきたあめりか芋のなかから好きなものを選び、芋を洗って地元の人たちと一緒に芋を切っていきます(残りのあめりか芋は、後日自宅へ配送)。
ここでも新島に住む人たちと一緒に体験をしたり、お話したりすることで、単なる観光客としての体験を超えた思い出を作ることができます。
参加者に配られたあめりか芋の天ぷらのレシピ。作り方は「みんな知っている天ぷらだから省略」しており、知らない参加者は農家さんに教えてもらいながら作ります。
切り方を教わりながら「あめりか芋はいつから食べていたんですか?」などの会話も自然に生まれます。まるで島に住んでいるかのようなゆったりした穏やかな時間が流れていました。
今回は、新島で採れる明日葉(あしたば)などの野菜も一緒に天ぷらにしました。多くの参加者が、その日に採れたものをすぐに調理して食べられる点に魅力を感じていました。
島で人気のお弁当と天ぷらでお昼ごはん♪
天ぷらができあがるとお昼ごはんの時間に。参加者は、島で人気のお弁当屋さん「もやいずキッチン」のお弁当と一緒に、採れたて&揚げたてのあめりか芋の天ぷらを堪能しました。
初めて食べたあめりか芋の天ぷらに参加者は「ほくほくしていて美味しい」や「甘さは控えめだけど、おかずにはちょうどいい」と高評価。
農家さんからは「大学芋などにしても美味しいし、貯蔵しておくと密芋になって甘くなる」という話もしていただきました。
食事のあとは、中庭でしばし食休み。木に登ったり、落ちている大きな木の実を拾ったり、と参加者と新島の子供たちが一緒に遊び、歓声が響きます。
自転車で島内を大冒険!
次の指令は、「レンタサイクルに乗って、島内のいろいろな場所をめぐってみること」。
島の道路は平らなところが多く、自転車で回るにはもってこいです。体験では地元の子供も同行するので、子供目線のおすすめなどが聞けるのもポイントです。
コーガ石のモニュメントで記念撮影!
海岸や周辺には、「コーガ石」で作られたモニュメントが点在しています。写真のモニュメントでは、四角く切り抜かれた部分を額縁やフォトフレームに見立てた楽しい写真が撮れます。
白い砂浜が広がる海岸でひと遊び!
今回のイベントは10月に行われましたが、海岸付近は比較的暖かく、子供たちは元気に砂浜を駆けまわりながら遊んでいました。
モヤイ像を発見!
散策をしていると、渋谷にあるようなモヤイ像も見つかります。いろいろなモヤイ像を探してみるのも楽しい過ごし方です。
新島にあるモヤイ像は「協力する・助け合う」という意味の「もやい」が語源です。今回のイベントも単なる収穫体験にとどまらず、島で暮らす人たちと一緒に協力しながら、新島の魅力を知ることができる内容になりました。
参加者の多くが「また新島に行きたい」と感じた本イベントは、2023年夏の本格稼働に向けて、現在鋭意ブラッシュアップ中です。大人も子供も楽しくて学びのあるイベントにしていきますので、開催時はぜひご参加ください。
記事を書いた人
いこーよとりっぷ編集部
「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。
- ページの内容は、掲載時のものであり最新の情報ではない場合もあります。
お出かけされる際は、最新の公式情報を必ずご確認下さい。