千葉県香取市
伝統の祭りや文化も楽しめる観光地
香取市について
千葉県香取市は東京都から直線距離で約70km、成田国際空港から15km圏内に位置する自然・歴史・文化に彩られたまちです。東京駅から電車・高速バスでおよそ100分、車で90分程度とアクセスも良く、気軽におでかけできます。成田国際空港からも車で約30分、全国はもとより世界中からの快適なアクセスが自慢です。
市の北側は茨城県稲敷市、潮来市、神栖市と隣り合い、千葉県側は、東庄町、旭市、匝瑳市、多古町、成田市、神埼市と、多くの自治体に隣接しています。
北部を流れる利根川の流域は、その豊かな水と肥沃(ひよく)な土壌を利用した水田地帯となっています。一方、市の南部には北総台地の一角を占める山林と、畑を中心とした平坦な土地が広がります。
また、市内には東国三社の一つである「香取神宮」や、日本で初めて実測日本地図を作成した伊能忠敬の旧宅のほか、1996年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された「佐原の歴史的町並み」など多くの文化財が残されており、その風情あるまち並みから「北総の小江戸」と呼ばれています。年間を通して行われるさまざまなイベントとあわせて、毎年多くの観光客が訪れています。
歴史
現在の香取市北部と茨城県にまたがる地域には、かつて「香取の海」と呼ばれる大きな内海(うちうみ)が存在していました。その大きさは、霞ヶ浦や印旛沼、手賀沼に及ぶ広大な範囲です。内海との境であった北総台地の端のエリアには、多くの貝塚や古墳遺跡が残っていて、人々の暮らしがあったことがわかります。
その後、江戸時代初期に、利根川東遷事業(とねがわとうせんじぎょう)と呼ばれる河川改修が行われ、内海の大部分は陸地になり、現在の利根川流域になりました。
明治時代に入り、1875年には香取市域が千葉県に属しました。1889年に町村制の施行が行われ、香取市北東部の佐原地区に9つの町村、北西部の小見川地区に5つの町村、南西部の山田地区に3つの町村、南東部の栗源地区には栗源村が誕生しました。
その後、1951年から1955年にかけて多くの町村が合併して、佐原市、小見川町、山田町になりました。2006年には、佐原市、小見川町、山田町、栗源町の1市3町が合併して香取市が誕生し、現在に至っています。
主な産業
香取市は観光業のほか、農業がさかんなまちです。
マッシュルームの生産量は日本一。「かとりのマッシュルーム」は無農薬で、味と香りがいいと言われており、子供から大人まで誰もが安心して食べられます。
温暖な気候と肥沃な土壌が早場米の生産に適しており、米の生産量は県内一を誇ります。代表的な品種は「コシヒカリ」「ふさおとめ」「ふさこがね」です。
サツマイモの生産もさかんです。千葉県のサツマイモは首都圏に出荷されており、その生産量は鹿児島県、茨城県についで国内3位。なかでも香取市は、火山灰が堆積した土壌(関東ローム層)であることから、サツマイモの栽培にとても適した地域。人気のブランドは「佐原金時 さわらっこ」など。ほかにも、「ベニアズマ」「べにはるか」「べにこまち」など多彩な品種を栽培しています。
2017年からは、香取市の優れた地産品に関わる「人」「志」「こだわり」を、オリジナルブランド「ちば香取のすぐれもの」として選定。特産品のPRを積極的に行っています。
約300年の伝統を誇る「佐原の大祭」
「佐原の大祭(さわらのたいさい)」とは、毎年7月10日以降の金土日曜に行われる「八坂神社祇園祭」(通称、佐原の大祭夏祭り)と、10月第2土曜日を中日とする金土日曜に行われる「諏訪神社秋祭り」の総称。関東三大山車祭りの一つにも数えられている盛大なお祭りです。
祭りの中で行われる「佐原の山車行事」は2004年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録されています。
「佐原の山車行事」では、豪華な山車が各町内を曳き回されます。山車は、江戸時代や明治時代の名人人形師によって作られた高さ約4mの人形が飾られ、重厚な彫刻が施されています。
夏祭りには10台、秋祭りには14台の山車が登場。
日本三大囃子の「佐原囃子」の音に合わせ、家の軒先をかすめながら山車が曳かれていく様子は迫力満点です!
祭りの当日には地元の人だけでなく多くの観光客が訪れ、祭りを盛り上げます。
祭りの歴史は大変古く、1702年までに、八坂神社の前身の「牛頭天王社」から神輿(みこし)を出す神事が行われていたと言われています。その後、神輿が各町内を回されるようになり、1714年に山車が登場するようになりました。さらに、1819年から1829年に現在のような山車のお祭りになり、現在まで引き継がれています。
市の花、木、鳥
川辺に咲き、夏の訪れを告げる「アヤメ」
市内をたくさんの川が流れている香取市。その水辺でよく見られる「アヤメ」が市の花です。5~6月頃に紫や白などの花が咲き、夏の到来を感じさせてくれる花でもあります。見た目がよく似ている「ハナショウブ」や「カキツバタ」も市の花に含まれています。
「水郷佐原あやめパーク」は約400品種150万本のアヤメ類が植栽されていることで知られており、見頃の時期には多くの観光客が優雅な花々を見に訪れます。
市内の多くの公園で楽しめる「サクラ」
香取市民にとって親しみのある「サクラ」が市の木になっています。桜の名所として知られる「香取神宮」のほか、
「佐原公園」(通称、諏訪公園)「小見川城山公園」「橘ふれあい公園」など多くの公園で「サクラ」が植栽されています。
また今後も植樹を続け、「サクラ」の美しいまちとしてイメージアップにつなげたいという希望も込められています。
利根川沿いのヨシ原に飛来する夏の渡り鳥「ヨシキリ」
香取市の鳥はウグイス科の「ヨシキリ」。ツバメやカッコウなどと同じ夏の渡り鳥で、初夏に飛来し、秋に去っていきます。ヨシが生い茂るところに生息し、利根川沿いなどの水辺の多い香取市では親しみのある鳥です。