東京都利島村
椿とサクユリが咲く小さな島
利島村について
東京都利島村は東京から南に約140kmに位置する、周囲約8km、面積4.12平方キロメートルの小さな島です。
利島は、伊豆諸島の1つで、伊豆大島に続いて2番目に本土から近い離島ですが、冬場は偏西風によって船の就航率が低く、「近くて遠い離島」とも呼ばれています。また、島の周囲には砂浜はなく、断崖絶壁に囲まれた島です。
島全体は椿林に覆われ、その本数は約20万本と言われています。冬になると島中で咲き誇る椿の花を見ることができます。
自然美が豊かな本島は、夜空もまた美しく、天気の良い日には、多くの星座や天の川を肉眼で見ることができます。また、利島港周辺に約20頭のイルカが棲みつき、船上から見学するイルカウォッチングや一緒に泳ぐこともできるドルフィンスイムも評判です。
小さな島で日本一の生産量を誇る椿
利島の人口はたったの300人ですが、島全体の80%を占める面積に約20万本もの椿の木が植えられています。そんな小さな島の椿の生産量はなんと日本一。椿油への加工もさかんに行われ、世界でも類を見ない「椿の島」として知られています。
利島が「椿の島」になるまでにはさまざまな試行錯誤の末にたどり着いたと言われています。
元々小さな島の中では、水資源も乏しく稲作をはじめ、農業には不向きでした。そんな時代にも、海に囲まれて強い季節風が吹く利島には防風林として椿がたくさん植えられていました。
その椿から椿油を作り、江戸時代には年貢の代わりとして納めていたそう。250年以上続く伝統の椿油の生産が今でも行われています。
伊勢海老やサザエなど、漁業もさかんなまち
利島では、椿産業のほかに、海に囲まれた立地を生かした漁業もさかんに行われています。利島の近海は荒波が多いことでも知られていますが、その波が魚介類を育てます。豊富な魚介類のなかでも、伊勢海老やサザエが利島の特産品として知られています。
歴史
利島と同じ伊豆諸島にある神津島で採れる黒曜石を得るために、人々が海を渡るようになり、本土と神津島の間にある利島へは約6,000年前に人が渡ってきたと言われています。
約4,000年前になると住居を構えて暮らす人々がいたことがわかっており、縄文時代や弥生時代の土器が出土しています。
その後独自の文化を育みながら、現在まで島の暮らしが営み続けられています。そのため、島独自の方言や村民同士の名前の呼び方があるなど、興味深い文化が根付いています。正月には独特の年明け行事が行われます。
村の花、木、鳥
伊豆諸島に自生する独自の品種「サクユリ」
利島村の花は「サクユリ」。「サクユリ」は伊豆諸島の固有種で「ヤマユリ」の変種とも言われています。「世界最大のゆり」とも言われ、大きいもので草丈は2m以上、約30cmの花径の豪華で大きな花が咲きます。利島では、6月中旬から7月上旬にかけて咲きます。
利島とは切っても切り離せない「ツバキ」
全国でも有数の椿油の生産量を誇る「ツバキ」が利島村の木。島全体がツバキの木で覆われているなど、ツバキは利島を語るうえで、切っても切り離せない存在です。
毎年冬になると真っ赤なツバキの花が島中で咲き誇りますが、冬は船の欠航率が高いため、なかなかその絶景に出会える人が少ないとも言われています。
「サクユリ」が咲く季節に島を飛び回る「メジロ」
日本全国の平地や山で見かけることができる「メジロ」が利島村の鳥。利島村ではちょうど「サクユリ」が咲く季節に「メジロ」が島中を飛び回っている姿が見られます。
「メジロ」は「ウグイス」と似ていますが、名前の通り目の周りに白いふちどりがあるのが特徴です。
まち基本情報
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市区町村名 | 東京都利島村 (とうきょうととしまむら) |
電話番号 | 04992-9-0046 電話番号の受付は、利島村役場産業観光課になります。 |
アクセス | ▼船便 大型船さるびあ丸 竹芝港 → 9時間30分 → 利島港 高速船 竹芝港 → 2時間20分 → 利島港 客船 下田港 → 2時間35分 → 利島港 ▼空便(夏ダイヤ) 調布空港(新中央航空) → 25分 → 大島空港(東邦航空) → 10分 → 利島ヘリポート ダイヤは季節により変更となりますので、詳しくは各交通機関にお問い合わせください。 東海汽船 電話 03-5472-9999 https://www.tokaikisen.co.jp/ 神新汽船 電話 0558-22-2626 http://shinshin-kisen.jp/ 東邦航空 電話 04996-2-5222 http://www.tohoair.co.jp/ 新中央航空 電話 042-231-4191 https://www.central-air.co.jp/ |
備考 | ・島内には、タクシーやバスなど交通機関はありません ・宿泊を希望される方は、必ず事前に民宿に空き状況を確認してください。その日に急に泊まろうとしても泊まれない可能性があります。また村役場では宿の斡旋は行っていません ・12月中旬~3月下旬は季節風が強いため、船便が長期に渡り欠航する場合があります |
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