日本三大薬湯松之山温泉に伝わる
豪快な小正月行事
新潟県十日町市にある「松之山温泉」で、2024年1月15日(月)に「むこ投げ・すみ塗り」が行われます。この行事は、毎年1月15日に行われる松之山温泉の小正月行事です。松之山温泉に伝わる新年の伝統行事をご紹介します。
日本の原風景が広がる雪国の温泉、松之山温泉
「むこ投げ・すみ塗り」が行われる「松之山温泉」は、新潟県南部にある十日町市にあります。市中を日本一の長さの信濃川が流れ、周囲の山々や棚田など美しい里山の風景が今も残っています。
そんな「松之山温泉」は700年もの歴史を持つ温泉。兵庫県の有馬温泉と群馬県の草津温泉とともに日本三大薬湯のひとつとして数えられ、良質な泉質が自慢です。また、雪国にあるため、冬は一面銀世界の風景を楽しみながら温泉を満喫できます。
松之山温泉に伝わるむこ投げ・すみ塗り
元々は「むこ投げ」と「すみ塗り」はそれぞれの歴史があり、「むこ投げ」は約300年前に始められたと言われ、「すみ塗り」はさらに古い約600年前から行われていると言われています。
現在は「むこ投げ」と「すみ塗り」は組み合わされ、1つの小正月行事として行われるようになりました。
嫉妬から始まった?むこ投げの歴史
「むこ投げ」は、前の年に結婚したばかりの婿を、5mもの高さがある「松之山温泉薬師堂」の境内から、雪の斜面へ投げ落とす豪快な行事。
今では結婚の祝福と夫婦の絆を願い、毎年出場カップルを一般募集して行われている「むこ投げ」ですが、その昔は、よその集落の男に娘を盗られたことへの嫉妬ややっかみから行われていたと言われています。
当時は、小正月に嫁の実家に泊まりに来ていた婿を担ぎ出して神社から投げ落としていたそう。
昔は現在の温泉街ではなく、隣の天水越集落で行われていた小正月の行事でしたが、戦後になると冬の間出稼ぎに出る男たちが増え、一時途絶えてしまいました。
そんななか、冬の松之山温泉に人を呼ぼうと「むこ投げ」が引き継がれました。
真っ黒な顔で笑顔に!無病息災・家業繁栄を願う、すみ塗り
「すみ塗り」は、松之山温泉薬師堂のひろばで行われる「賽の神(さいのかみ)」と言われる神事、いわゆるどんと焼きで出る灰と雪を混ぜて、顔に塗りあう行事。
一年間の無病息災・家業繁栄を願い、「おめでとう」と言いながら互いの顔に灰を塗りあいます。参加者の顔はみんな真っ黒になっていきますが、自然と笑顔がこぼれる温かな行事です。
真っ黒になった顔は、温泉に入って洗い流せるというのも、この行事が根付いた理由のひとつなのかもしれませんね。
2024年のむこ投げ・すみ塗りの開催内容
2024年の「むこ投げ」は、1月15日(月)14時頃から、「すみ塗り」は、同日1月15日(月)15時頃に開始される予定です。「すみ塗り」では、例年「宝みかん撒き」なども行われますよ。
「すみ塗り」は、一般参加者も灰を塗り合いますので、汚れても良い格好でおでかけください。また、雪国の新年行事になりますので、防寒対策をしっかりしてでかけましょう。
毎年テレビの取材なども集まる松之山温泉の奇祭。冬の松之山温泉へおでかけしてみてはいかがでしょうか。
記事を書いた人
大縄典子
いこーよとりっぷ編集部/転勤族の夫を持ち様々な土地に縁がある、大学生の息子、高校生の娘がいるママ。結婚後、子育てに専念するため10年以上の専業主婦経験を経て、ひょんなことから社会復帰を果たす。今は様々な自治体とのやり取りをしながら、まちの魅力を伝える仕事に情熱を燃やしています。人と話すことが好き。
イベント基本情報
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イベント名 | むこ投げ・すみ塗り(2024年) |
ふりがな | むこなげ・すみぬり |
開催期間 | 2024年1月15日 |
開催時間 | (むこ投げ)14:00頃 (すみ塗り)15:00頃 |
開催スポット | 松之山温泉薬師堂 |
住所 | 新潟県十日町市松之山湯本 |
アクセス | 【車】関越自動車・道塩沢石打ICから約40分 【電車】ほくほく線「まつだい駅」からタクシーで約20分、もしくは路線バスで約25分 |
駐車場 | 駐車場あり |
公式URL | 公式URLはこちら |