世界的にも珍しい「投渡堰」に注目
登山もできる羽村取水堰付近を散策
東京都羽村市にある羽村取水堰。多摩川の河口から上流約54kmに位置し、川をせき止める「固定堰」と「投渡堰(なげわたしぜき)」で構成される世界的にも珍しい堰です。
今回は、羽村堰周辺を小学3年生と6年生の娘2人と一緒にお散歩してみました。
丸太や砂利で組まれた「投渡堰」がすごい!
まず訪れたのは羽村取水堰が一望できる敷地内の公園です。
ぜひじっくり見てほしいのが、世界的にも大変珍しい「投渡堰」。杉の丸太を立てかけ、横に差込丸太を設置し、さらに隙間に砂利や枝を詰めて水流を止めている堰で、2014年には土木学会選奨土木遺産に認定されました。
川が増水した際には桁(けた:写真内の水色の鉄製部分のこと)をつり上げ、材木を川に流すことで水位の上昇を抑える仕組みなんだとか。
これが全部人の手で組まれているなんて、途方もない作業ですよね。
こちらが第一水門。
江戸のまちへ水を供給するために開削(かいさく:切り開くこと)された「玉川上水」の取水口です。
「ここからお水が2つに分かれて流れていくんだね」と、小学生の娘たちも理解している様子です。
公園内に展示されている「牛枠(川倉水制)」。水の勢いを弱め、堤防が崩れるのを防ぐためのもので、現在ではほとんど使われていないのだそう。
玉川上水を開削した玉川兄弟の銅像もこちらで見ることができます。
羽村堰や玉川上水についてより詳しく知りたい人は、川を渡ったところにある「羽村市郷土博物館」にまで足を延ばしてみるといいでしょう。
川のせせらぎを聞きながら土手沿いを散歩
桜の名所でもある羽村取水堰付近は、川沿いに自然豊かな土手があり、のんびりウォーキングするのにぴったりです。
歩行者と自転車専用の「羽村堰下橋」を渡って川の反対側まで歩いてみましょう。
橋の上からは羽村堰の全貌がよく見えますよ。
橋を渡って土手沿いを上流方向に進むと、左手に羽村市郷土博物館が見えてきます。
ここからさらに先へ進むと、草木が生い茂った登山道へと続きます。ちょっと登ってみましょうか。
浅間岳の見晴台から羽村市を一望!
登る山は標高235mの浅間岳(せんげんだけ)です。
意外と険しいハイキングコースですが、小学3年生の娘は全く疲れた素振りも見せずスイスイと登っていきます。
綺麗に整備されていますが、山は山。しっかり歩ける靴で登りましょう。
爽やかな新緑の中、砂防ダムを越え小さな橋を渡り、20分ほどかけて登っていくと見えてきたのは「羽村神社」です。
羽村神社には木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、火産霊神(ほむすびのかみ)、大国主命(おおくにぬしのみこと)、崇徳天皇(すとくてんのう)が祭られています。
浅間岳にあるので「浅間さま」と呼ばれて親しまれているそうです。
境内の奥まで行ってみると、開けた場所に見晴台がありました。
見てください。この大パノラマ!
「ここまで頑張って登ってきてよかった〜!」と心から思える壮観な景色が広がっていました。多摩川や羽村の水田地帯、そして市街地の方まで一望することができます。これには娘2人も大喜び。
羽村堰や玉川上水について学び、山を登って羽村の景色を眺めることができるこちらのルート。見どころがたくさんあるので一緒に行った娘たちも飽きることなく歩いてくれました。
晴れた日に家族でお散歩してみてはいかがでしょうか。
とりっぷノート♪取材こぼれ話を紹介
川から山まで一度に楽しめて最高に気持ちのいいお散歩コースでした。
登山道も10〜20分ほどで登れる程度なので、子供と一緒に気負うことなく挑めると思います。見晴台からの景色は一見の価値ありですよ!(いこーよとりっぷライター・宇都宮薫)
記事を書いた人
宇都宮薫
多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍(ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪
スポット基本情報
| |
---|---|
スポット名 | 羽村取水堰 |
ふりがな | はむらしゅすいせき |
住所 | 東京都羽村市羽東3-8-32 |
アクセス | JR青梅線「羽村駅」西口から徒歩で約10分 |
駐車場 | 駐車場あり |
公式URL | 公式URLはこちら |