静岡市周辺で徳川家康を学ぶ旅
モデルコース紹介&自由研究にも◎
JR東海道新幹線、東海道本線の「静岡駅」をスタートし、静岡市とその周辺で「徳川家康ゆかりの地」をめぐる1泊2日の学び旅。歴史への関心が高まる学びポイントとともに、静岡県ならではのグルメも紹介します。
週末の気軽な家族旅行や、夏休みの調べ学習&自由研究にもおすすめのモデルコースです。ぜひ参考にしてください♪
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
徳川家康を学ぶ旅なら駿府(静岡市)は外せない!
2023年はNHK大河ドラマ「どうする家康」の影響もあり、空前の徳川家康ブームが到来! 江戸幕府260年に渡る平和の礎を築き、江戸のインフラを整えるなど数々の偉業を成し遂げた家康公に、興味津々の親子も多いのではないでしょうか。
静岡県内にはゆかりの地が多数ありますが、なかでも駿河国(するがのくに/現在の静岡県中部)の中心として栄えた駿府(すんぷ/現在の静岡市葵区周辺)エリアは、家康公が幼少期と晩年を過ごした場所。
将軍を退いたのち大御所として暮らした「駿府城」(現在の駿府城公園)はもちろん、2023年にオープンした「静岡市歴史博物館」も欠かせないスポット。家康公が亡くなってすぐに埋葬されたという「久能山東照宮」も、ぜひ訪れたい場所です。
徳川家康が愛したまち・駿府から始める“学び旅”へ、さっそくでかけましょう!
徳川家康に関するキャンペーンやラッピング電車に注目!
徳川家康ブームにあわせ、親子旅がさらに楽しくなる企画も続々登場。
「新静岡駅」~「新清水駅」間を結ぶ静岡鉄道では、徳川家康の甲冑(かっちゅう)などがデザインされたラッピングトレインが走行中! 車両内には静岡にまつわる家康公の略年表が掲示され、学びたい気持ちを盛り上げます。
さらに、JR東海では「どこ行く家康」と題したキャンペーンを展開。静岡市にある「久能山(くのうざん)東照宮」の本殿拝観や、掛川市にある「掛川花鳥園(かちょうえん)」での鷹匠体験といった特別なプランが充実しています。プラン限定のノベルティも魅力的ですよ♪
<1日目>「静岡駅」周辺=駿府エリアから旅をスタート
旅のスタートは「静岡駅」から。1つ目の目的地「静岡市歴史博物館」までは徒歩で約15分です。家康によって整備された城下町を散策しながら向かいましょう。
1日目のモデルコース
JR静岡駅
▼(徒歩で約15分 )
静岡市歴史博物館
▼(徒歩で約2分)
駿府城公園
▼(徒歩で約15分)
静岡浅間神社
▼(徒歩0分)
どうする家康 静岡 大河ドラマ館
▼(バスで約15分/徒歩で約25分)
JR静岡駅近くのホテルに宿泊
「静岡市歴史博物館」へ“家康に会いにゆく”
2023年1月にオープンした「静岡市歴史博物館」のキャッチコピーは“家康に会いにゆく”。「駿府城」の目の前にある近代的な建物で、家康と駿府の歴史を楽しく学べます。
家康の時代にタイムトリップ!「戦国時代末期の道と石垣」
1階にある巨大な展示は、静岡市歴史博物館の建設に伴う発掘調査で見つかった、“戦国時代の道”です。周囲を歩きながらじっくり観察したり、2階へ続く階段から見下ろしたりと、さまざまな角度・高さから眺めて家康が生きた時代に思いをはせてみましょう。
「家康の一生」エリアで家康の“人となり”を感じる
家康(竹千代)が14歳の頃、武士の子供が初めて鎧(よろい)を着る儀式のときに今川義元から贈られた鎧(紅糸威腹巻)や、関ヶ原の戦いで身につけた鎧(歯朶具足/しだぐそく)の復元模造も展示されていました。
こちらはなんと、家康直筆の書状です! 羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)との戦いに備えて武士をスカウトした家康が、味方についた者に対し「領地を保障し、戦で功績があれば新たなほうびを与える」と書面で約束したものだそう。
さらに家康を身近に感じた展示がこちら。4月13日は、家康が41歳のときに織田信長をもてなした日なんですって!
ほかにも楽しく学べる工夫が随所に散りばめられ、大人も夢中になってしまう博物館でした。
■静岡市歴史博物館
所在地:静岡県静岡市葵区追手町4-16
開館時間:9:00〜18:00
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)
料金:一般600円、高校・大学生420円、小・中学生150円
「駿府城公園」で大御所・家康の居城(復元)を見学
続いて、歴史博物館の隣に広がる「駿府城公園」へ。
息子の秀忠(ひでただ)に将軍の座を譲ってからも、大御所として幕府の実権を握っていた家康。当時、大御所政治の拠点となったのが「駿府城」です。
今は公園として整備され、「東御門・巽櫓」「坤(ひつじさる)櫓」の館内では駿府城の歴史を学ぶことができ、出土品の展示や櫓の構造内部などを見学できます。
徳川家康像にごあいさつ
駿府城公園へ行ったら、家康像にもごあいさつを。趣味の鷹狩りをしているワンシーンなのか、腕には鷹を乗せています。
すぐ近くには、家康手植えのミカンの木(静岡県指定天然記念物)が植えられています。
富士山の絶景スポット&家康が作った天守台の発掘現場も!
さらに、公園内では天正期・慶長期の2つの時代の天守台が発掘調査で見つかり、家康が築いた天守台を無料で見学できます。
富士山のビュースポットや、趣のある「紅葉山庭園」、遊具を併設した児童広場もあり、学び旅中の気分転換にもぴったりのスポットです。
■駿府城公園
所在地:静岡市葵区駿府城公園1-1
開館時間:【東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園】9:00~16:30(最終入館16:00)
※「駿府城跡天守台発掘調査現場」も同様
※ほかのエリアは終日開園
休館日:月曜、年末年始
※「駿府城跡発掘調査現場」は年末年始のみ休館
※ほかのエリアは年中開園
料金:【東御門・巽櫓】高校生以上200円/【坤櫓】高校生以上100円/【紅葉山庭園】高校生以上150円
※小・中学生は各施設50円
※ほかのエリアは無料
【おすすめ静岡グルメ1】焼津のまぐろ「焼津港みなみ」
「焼津港みなみ」は、焼津港で水揚げされた天然南マグロをはじめ、熟練の目利きが選んだ極上のマグロがリーズナブルに食べられるお店。「静岡駅」から徒歩で約3分の場所にあります。
名物のマグロ丼(全7種)が食べられるランチタイムは、行列が絶えない人気ぶり。ただし昼の部は予約ができないため、親子でゆっくり食事を楽しむなら事前予約のうえ夜の部に訪れるのがおすすめです。
14歳頃の家康公が元服した「静岡浅間神社」
“おせんげんさま”と親しまれる「静岡浅間(せんげん)神社」は、幼い頃に今川氏の元で暮らしていた家康公(竹千代)が元服式を行ったとされる場所。大御所となってからも深く信仰し、徳川幕府の祈願所と定めました。
静岡浅間神社という名は「神部(かんべ)神社」「浅間(あさま)神社」「大歳御祖(おおとしみおや)神社」3社の総称ですが、境内にはほかにも4社が鎮座。合祀(あわせて祀られること)されている神社を含めると、約4万5千平方メートルの敷地に計40社、56の神々がいらっしゃるという、なんともスケールが大きい神社です。
「八千戈神社」には家康公をご祭神とする「東照宮」も祀られています。スポーツ・武道・開運・必勝の守護神なので、子供は部活や受験、大人は仕事などの勝負運を祈るとよさそうですね。
楼門そばの神厩舎(うまや)には、木彫りの白い神馬(しんめ)が佇んでいます。「叶え馬」(かなえうま)と呼ばれ、祈りを捧げると何でも願い事を叶えてくれるそうなので、忘れずにお参りしましょうね♪
■静岡浅間神社
所在地:静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
参拝時間:9:00~17:00頃/本殿参拝10:00~15:00
定休日:なし
拝観料:本殿参拝ガイド料1人500円(境内を歩いているボランティアガイドに声をかけると案内してもらえます)
「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」を見学
「静岡浅間神社」をお参りしたら、「どうする家康」の大河ドラマ館にも立ち寄りたいもの。境内にあった「文化財資料館」を改修し、2023年1月27日(金)〜2024年1月28日(日)の期間限定でオープンしています。
入館したらまずは2階へ。展示エリアの手前で主人公・徳川家康を演じる松本潤さんのメッセージ映像が迎えてくれました。
展示内容は、撮影の裏話や出演者からのコメント映像、小道具や衣装などさまざま。
ドラマの撮影で、松本潤さんと有村架純さんが実際に着用した婚礼衣装も展示されています。生成り地に菱文様(ひしもんよう/ひし形を基本とした幾何学模様)が浮き出た瀬名の装束は、控えめながら華やかさもあり、とても素敵です。
壁にはドラマや徳川家康についてのクイズが掲示されていて、展示をより楽しめる仕掛けになっています。親子で挑戦してみましょう♪
■どうする家康 静岡 大河ドラマ館
所在地:静岡市葵区宮ケ崎町102
開館時間:9:00~18:00(最終入館17:30)
休館日:なし
入館料:大人400円(静岡市民は200円)、小学生~高校生200円(静岡市民は無料)
【おすすめ静岡グルメ2】しずおか牛「三笑亭本店」
1895年(明治28年)創業の「三笑亭本店」は、静岡県産の黒毛和牛(しずおか牛)にこだわった老舗。静岡市の中心地にあり、「静岡浅間神社」から歩くと15分ほど、「静岡市歴史博物館」「駿府城公園」からは徒歩約8分です。
ステーキ、しゃぶしゃぶなど牛肉の美味しさが堪能できるメニューぞろいですが、なかでもおすすめなのが名物のすき焼きです。赤身とサシのバランスが絶妙な牛肉を、たっぷりのお野菜とともに召し上がれ♪
<2日目>久能山・日本平~掛川エリア
2日目のメインスポットは、家康公が祀られている「久能山東照宮」です。「静岡駅」からレンタカーで走ること約30分、まずは日本平(にほんだいら)の「日本平夢テラス」で富士山の眺望を満喫。
旅の最後は家康公が愛した鷹狩り気分を味わえる「掛川花鳥園」で、大人も子供も大はしゃぎ!
2日目のモデルコース
JR静岡駅
▼(車で約30分)
日本平夢テラス
▼(ロープウェイで約5分)
久能山東照宮
▼(ロープウェイで約5分+車で約60分)
掛川花鳥園
▼(車で約50分)
JR静岡駅
「日本平夢テラス」で家康が愛した絶景を眺める
日本平は静岡県が誇る景勝地。読売新聞主催の「新日本観光地100選」などにも選ばれ、国の名勝にも指定されています。
「日本平ロープウェイ駐車場」に車を止めたら、無料の展望スポット「日本平夢テラス」まで歩いて上りましょう。
【1階】展示エリア
数分で施設に到着。1階の「展示エリア」には、日本平の歴史がわかるパネルや、地形の成り立ちを紹介するプロジェクションマッピングなどがあります。
日本平という地名は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の伝説に由来するそうで、神話の時代から続く長い歴史と壮大なロマンを感じました。
【2階】ラウンジカフェ
2階のラウンジカフェ「茶房 夢テラス」では、景色を眺めながらスイーツ&ドリンクでひと休み。ちなみに階段は一方通行のため、3階から2階に下ることはできません。
【3階】展望フロア
いよいよ3階の「展望フロア」へ! 屋外の展望回廊へ出ると、富士山や駿河湾、三保松原(みほのまつばら)を望む壮大なパノラマ広がります。1周約200mを歩きながら、家康が愛したこのまちの景色を存分に楽しみましょう。
■日本平夢テラス
所在地:静岡県静岡市清水区草薙600-1
営業時間:日~金曜9:00~17:00、土曜9:00~19:00
※展望回廊は終日入場可能
定休日:毎月第2火曜(祝日の場合は翌平日が休館)、12月26日~12月31日
料金:入館無料
家康公が眠る「久能山東照宮」へ
日本平ロープウェイに乗り、約5分の空中散歩を楽しみながら「久能山東照宮」に到着。
家康公の墓所と伝わる寺社は全国にありますが、家康公自身の遺言により、1616年(元和2年)に「駿府城」で逝去したその日のうちに埋葬されたのが久能山です。
その後「東照大権現」として祀られ、久能山東照宮は家康公をご祭神とする全国初の神社となりました。
国宝の美、極まれり。権現造りの社殿
久能山東照宮の社殿は、本殿と拝殿を「石の間」でつないだ複合社殿です。この建築様式は、東照大権現という家康公の神号(神様としての名)から「権現造り」と呼ばれ、栃木県の「日光東照宮」をはじめ全国の東照宮に広がったのだそう。
今回は特別に、荘厳な本殿での「正式参拝の儀」に参加させていただきました。
太鼓の音がゆっくりと大きく鳴り響き、祓詞(はらえことば)の奏上、お祓いと続きます。玉串を奉り、2礼2拍手をして参拝をしました。
一連の参拝儀式のなかで、神職の方とともに家康公の御遺訓を唱えたのは、特に貴重な体験でした。その言葉に込められた人生訓は、簡単なようで実践するのは難しいことばかり。子供に伝えたい、大人である自分も意識して暮らしたいことがギュッと詰まっています。
なお本殿での正式参拝は、通常、地元の子供や修学旅行生などを対象にイレギュラーで行われています。
2023年6月まではJR東海の「どこ行く家康」キャンペーンで体験できるので、チェックしてみてください。
家康公のお墓「神廟」にお参りを
今も家康公の亡骸が眠ると伝わる神廟は、本殿から石段を上った、境内でもっとも高い位置にあります。
遺言により家康公は西を向いた姿勢で土葬されたとされ、神廟も西の方角を向いています。
その理由は「大阪に残る豊臣氏の残党ににらみをきかすため」ともいわれますが、西方には生誕地の「岡崎城」や、両親(松平広忠と於大の方)が子授け祈願をした「鳳来寺」(ほうらいじ)などもあり、諸説あるようです。
家康公が人生でやり残したこと、故郷への思い…。想像すると胸が熱くなりますね。
「久能山東照宮博物館」で家康公の愛用品を見学
境内にある「久能山東照宮博物館」も必見です。本物の甲冑や刀などがずらりと並ぶ様は見応え十分。
権禰宜(ごんねぎ)の齋藤曜さんによると、「家康公から15代将軍・慶喜(よしのぶ)公まで、すべての将軍の武器や武具をコンプリートしているのは、この博物館だけ」なのだそうですよ。
さらに「久能山東照宮博物館には、徳川家康が生前に使用した品が190点以上保管されています。家康公の趣味嗜好や人物像を感じられますよ」と齋藤さん。
「久能山東照宮には、世界に誇る国宝や重要文化財がたくさんあります。ぜひ親子で一緒に見にいらしてください」(齋藤さん)
■久能山東照宮
所在地:静岡県静岡市駿河区根古屋390
拝観時間:9:00~17:00
定休日:なし
拝観料:【社殿拝観料】高校生以上500円、小・中学生200円/【博物館】高校生以上400円、小・中学生150円/【共通券】高校生以上800円、小・中学生300円
【おすすめ静岡グルメ3】石垣いちご
「久能山東照宮」の周辺は、伝統的な「石垣いちご」の生産地。神社から1,159段の石段を下ると、通称“いちご海岸通り”と呼ばれる国道150号沿いに、いちご農園や直営ショップ、カフェなどがずらりと並びます。
いちご狩り体験やいちごの販売は例年1月末から5月末までですが、いちごスイーツは一年中、さまざまなお店で味わえますよ♪
「掛川花鳥園」で家康が愛した鷹に親しむ
静岡市の掛川市の「掛川花鳥園」にも足を伸ばしてみましょう! 日本平ロープウェイ駐車場からは車で約1時間。「静岡駅」から直接電車で行く場合は、JR東海道・山陽新幹線で約13分の「掛川駅」から歩いて15分ほどの場所にあります。
ここは約900羽の鳥が自由に飛び回る鳥の楽園。さまざまな鳥が特技を披露するバードショーや、カラフルなインコとのふれあい体験、ペンギンやフクロウとの記念撮影などのイベントを毎日開催していて、子供はもちろん、大人も童心に戻って大はしゃぎ!
例年、秋~冬にかけて行われる鷹匠(たかじょう)体験「ホークフライト」(500円)では、家康が趣味にしていた鷹狩りの気分を楽しめます。中学生以上が対象ですが、小学生以下でもママパパが体験する様子を間近で見られますよ。
2023年5月27日(土)までは、毎週土曜限定で「なりきり鷹匠体験 &記念撮影プラン」を実施中(要予約)。鷹が一直線に自分の腕へと羽ばたいてくるのはちょっと怖いけど、迫力満点でかっこいい! 家康が「ハマっていた」鷹狩りの魅力を体感できました。
※ハリスホークの体調により実施できないことがあります
■掛川花鳥園
所在地:静岡県掛川市南西郷 1517
営業時間:9:00~16:30(最終入園16:00)
定休日:第2・4木曜(祝日・繁忙期は営業)
料金:中学生以上1,500円、小学生700円
【おすすめ静岡グルメ4】うなぎの名店「うな助」
静岡県の代表的なグルメである、うなぎの名店「うな助」。「掛川花鳥園」からは車で約7分の場所にあり、創業70年以上の老舗ながら、気取らない雰囲気で地元客にも人気のお店です。
炭火でじっくり焼き上げたうなぎは、肉厚でふわふわ! 口に入れるとホロっと溶けるように柔らかくて絶品です♡
これまで教科書やドラマのなかの存在だった徳川家康が、グンと身近に感じられた今回の旅。静岡県内には、まだまだゆかりの地がたくさんあります。本記事を参考に、親子の学び旅を計画してみてください。
記事を書いた人
雨宮あかり
「いこーよとりっぷ」エディター/食べること・飲むこと・音楽が大好きなママ編集者。世界中の音楽フェスを体験すること&ベルギービールの醸造所めぐりが夢です♪ 特技はアロマセラピートリートメントです。
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