【東京】春の妖精・カタクリの群生地7選!開花時期&時間帯は?2025
更新日2025年03月17日/公開日2025年03月17日

【東京】春の妖精・カタクリの群生地7選!開花時期&時間帯は?2025

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東京都練馬区、東京都町田市、ほか

東京都内にある、「カタクリ」の花の群生地を紹介します。

カタクリは春を代表する山野草のひとつ。開花期間はわずか1〜2週間ほどしかなく、「春の妖精」や「スプリングエフェメラル(春の儚い命)」とも呼ばれています。

かつては東京近郊の里山でも多く自生していましたが、都市開発などの影響で数が減少。その後、各地で地元のボランティアなどが保護活動を続けたことで、再び花を見られる場所が増えてきました。

その美しさをじっくり観察するとともに、親子で自然保護について考えてみませんか?

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報は、公式サイトをご確認ください

【関東】カタクリの群生地をまとめてチェック!

カタクリとは?見頃はいつ?

栃木県栃木市「みかも山公園」のカタクリ(画像提供:genki / PIXTA)
栃木県栃木市「みかも山公園」のカタクリ(画像提供:genki / PIXTA)

カタクリ(片栗/学名: Erythronium japonicum)は山地や落葉樹林の斜面などに自生する、紫色の小さな花。ユリ科の球根植物で、例年3月から4月にかけて咲く多年草です。

国内では本州を中心に北海道から九州まで広く分布ししており、古くから日本人に愛されてきた花。万葉集でも「堅香子」(かたかご」という古称で詠われています。

ちなみに、料理に使う片栗粉の名前はカタクリが由来。現在は主にジャガイモが原料として使われていますが、かつてはカタクリの球根から採れるデンプンが片栗粉として利用されていました。

花や葉の特徴は?

まだら模様の葉っぱ。踏まないように要注意!(画像提供:zero / PIXTA)
まだら模様の葉っぱ。踏まないように要注意!(画像提供:zero / PIXTA)

カタクリの花は、高さ10〜20cmほどで、6枚の花びらが反り返るように咲くのが特徴。 紫色の花はうつむいた姿がかわいらしく、晴れた日中に開き、曇りや雨の日には閉じてしまう性質を持っています。

また、葉のまだら模様も特徴的。発芽から7~8年経つと、ようやく葉が2枚になり花が咲きます。

どんな場所に育つの?

稀に白や黄色の花が咲く場所も。写真は神奈川県相模原市「城山かたくりの里」(画像提供:i-flower / PIXTA)
稀に白や黄色の花が咲く場所も。写真は神奈川県相模原市「城山かたくりの里」(画像提供:i-flower / PIXTA)

カタクリは標高の高い場所や落葉樹林の林床などに群生します。 特に、春先に日当たりがよく、夏には木陰となる環境を好みます。

花が咲いた後は地上部分が枯れてしまい、地下の球根だけが残るため、夏にはその姿を探すことができません。

森林伐採や都市開発で数が減少

生育環境を守るため人の手入れも欠かせない里山の植物(画像提供:rishiya / PIXTA)
生育環境を守るため人の手入れも欠かせない里山の植物(画像提供:rishiya / PIXTA)

近年は森林伐採による日照条件の変化、踏み荒らしによる土壌の劣化などで減少する傾向にあるカタクリの花。都道府県によっては絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。

カタクリは開花までに時間がかかる花。一度生育環境が乱れると再生までに長い時間が必要です。

カタクリ観察の時間帯&注意点

群生しているエリアに入らないよう注意して歩きましょう(画像提供:UI_forever / PIXTA)
群生しているエリアに入らないよう注意して歩きましょう(画像提供:UI_forever / PIXTA)

カタクリの花を見に行くなら、日中、気温が上がり日差しが差し込む時間帯がベスト。曇りの日や夕方以降は閉じてしまうので、見に行くタイミングが難しい花でもあります。

公園や自然保護区では、立ち入りを制限し、生育環境を維持する取り組みが行われています。群生地では環境に配慮し、マナーを守って観賞しましょう。

●開園期間以外の時期に勝手に入らない
●指定されているエリア以外に立ち入らない
●摘み取らない、さわらない
●ペットを連れて行かない
●ゴミを捨てない、など

カタクリだけでなく、自生する花を観察する際には、踏み荒らさず静かに楽しむことがたいせつ。美しい花を未来へ引き次ぐため、自然との共生を守りましょう。

それでは、ここから、東京都内にあるカタクリの群生地をご紹介します。

【練馬区】清水山の森・稲荷山憩いの森

清水山の森(画像提供:ジャバ / PIXTA)
清水山の森(画像提供:ジャバ / PIXTA)

「清水山の森」は、東京23区で最大規模のカタクリ群生地。 園内には“東京の名湧水57選”に選ばれた湧水が流れています。

1974年(昭和49年)に区民から「白子川流域の斜面林にカタクリが自生している」との情報が寄せられ、翌年の春、カタクリの群生を区が確認。1976年に「清水山の憩いの森」(現在の清水山の森)が整備され、区民ボランティアによる保全活動も行われています。

カタクリ保護のため閉鎖期間が設けられており、カタクリの開花期のみ9時から17時まで一般公開されます。公開中はガイドが常駐しているので、カタクリについていろいろ質問してみては。

また、隣接する「稲荷山憩いの森」でもカタクリの姿を見ることができます。

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都練馬区大泉町1-6
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
開園期間:2025年3月14日(金)~4月21日(月)
アクセス:西武池袋線「石神井公園駅」「光が丘駅」からバスに乗車、「土支田二丁目」バス停で下車

【あきる野市】切欠地区

切欠地区に咲くカタクリ(画像提供:T west / PIXTA)
切欠地区に咲くカタクリ(画像提供:T west / PIXTA)

あきる野市切欠(きっかけ)地区では、紫色のカタクリが例年3月下旬から4月上旬にかけて花を咲かせます。場所は秋川沿いにある「秋川グリーンスポーツ公園」運動広場から徒歩5分ほどの林の中です。

群生地は私有地で、土地所有者の協力により市の保存緑地として指定されており、市民ボランティアによる保全活動が行われています。

とても美しい自然が残る切欠地区では、夏になるとホタルが見られることでも知られています。

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都あきる野市切欠1849−2
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:JR武蔵五日市線「東秋留駅」から徒歩で約30分/JR青梅線「拝島駅」から「杏林大学」行きバスに乗車、「南雨間」バス停で下車後、徒歩で約10分

【清瀬市】清瀬中里緑地保全地域

(画像提供:kenji / PIXTA)
(画像提供:kenji / PIXTA)

清瀬市の「清瀬中里緑地保全地域」は、2万4,717平方メートルの広大な雑木林が広がる自然豊かな場所です。空堀川に面した河岸段丘の斜面に位置し、貴重な自然が保たれています。

この地域の斜面は北向きで湿度が保たれやすく、春にはカタクリをはじめヒロハノアマナ(広葉甘菜)などの植物が花を咲かせます。

自然豊かな「清瀬せせらぎ公園」(画像提供:blue7rain / PIXTA)
自然豊かな「清瀬せせらぎ公園」(画像提供:blue7rain / PIXTA)

空掘川や新柳瀬川の水辺を散策するのもおすすめ。近くには「清瀬せせらぎ公園」もあり、ホタルのほか多彩な蝶や野鳥も生息しています。

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都清瀬市中里2
カタクリの見頃:例年3月中旬~4月初旬
アクセス:西武池袋線「清瀬駅」北口から「台田団地」行きアバスに乗車、「下田」バス停で下車後、徒歩で約5分

【町田市】町田かたかごの森

「町田かたかごの森」のカタクリ(画像提供:YellowBox / PIXTA)
「町田かたかごの森」のカタクリ(画像提供:YellowBox / PIXTA)

「町田かたかごの森」は、町田市山崎町に広がるふるさとの森。地域のボランティア団体によって保全されており、カタクリをはじめさまざまな野草や生き物の環境が守られています。

通常は閉鎖されていますが、例年カタクリの開花シーズンに10日間ほど、無料で開園。ほかにもイチリンソウ、ヒトリシズカ、タマノカンアオイなどの野草が自生しているので、タイミングよく同時に見られたらラッキー♪

春限定の幻想的な風景を見に、親子で足を運んでみてはいかがでしょうか。

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都町田市山崎町1706-1
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
開園期間:2025年3月23日(日)~30日(日)10:00~15:00
アクセス:JR横浜線、小田急小田原線「町田駅」そばの町田バスセンターからバスに乗車、「山崎団地センター」下車後、徒歩で約3分

【瑞穂町】さやま花多来里の郷

さやま花多来里の郷(画像提供:Catsu / PIXTA)
さやま花多来里の郷(画像提供:Catsu / PIXTA)

瑞穂町にある「さやま花多来里(かたくり)の郷」は、約20万株のカタクリが咲き誇る都内有数の群生地です。毎年3月下旬から4月上旬にかけて、約3,000平方メートルの斜面いっぱいに紫色のチャーミングな花が咲き渡ります。

幻の白いカタクリ(画像提供:萩谷篤思 A.Hagitani / PIXTA )
幻の白いカタクリ(画像提供:萩谷篤思 A.Hagitani / PIXTA )

数万株に1株といわれる「幻の白いカタクリ」が花を咲かせることも! 親子で白い“春の妖精”を探すのも楽しそうですね。

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都西多摩郡瑞穂町駒形富士山243-1
カタクリの見頃:例年3月中旬~4月上旬
アクセス:【車】圏央道「青梅IC」から約3.5km
【電車】JR八高線「箱根ケ崎駅」から徒歩で約15分

カタクリ開花状況(瑞穂町)

【武蔵村山市】野山北公園(野山北・六道山公園内)

「野山北公園」に咲くカタクリの花(画像提供:sayamamine / PIXTA)
「野山北公園」に咲くカタクリの花(画像提供:sayamamine / PIXTA)

「野山北・六道山公園」は、狭山丘陵の麓に広がる雑木林と谷戸(やと:丘陵に切り込んだ谷間のこと)の豊かな自然に恵まれた、都立最大級の都市公園。

その一角にある武蔵村山市立の「野山北公園」は約1万8千平方メートルの広さを誇り、里山の風景が広がる憩いのスポットです。

約700平方メートルのエリアに約2万株のカタクリが群生していて、例年3月下旬から4月上旬にかけて薄紫色の花を咲かせます。

「野山北公園」のカタクリ園(画像提供:ジョー / PIXTA)
「野山北公園」のカタクリ園(画像提供:ジョー / PIXTA)

園内には遊歩道が整備されているので、のんびり歩きながらカタクリを観察しましょう。
 
ほかにも、思いっきり遊べる「あそびの森」や「冒険の森」のほか、里山文化の学習や体験ができる民家も。隣接する「かたくりの湯」で温泉を楽しむのもいいですね♪

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都武蔵村山市本町5-31-1
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:①JR「立川駅」または西武線「東大和市駅」からバスに乗車、「横田」バス停で下車後、徒歩で約15分 ②多摩都市モノレール「上北台駅」または西武拝島線、多摩都市モノレール「玉川上水駅」から市内循環バス(MMシャトル)で「村山温泉かたくりの湯」バス停で下車後、徒歩で約5分

【八王子市】片倉城跡公園

「片倉城跡公園」に咲くカタクリの花(画像提供:jooko3 / PIXTA)
「片倉城跡公園」に咲くカタクリの花(画像提供:jooko3 / PIXTA)

八王子市にある「片倉城跡公園」は、室町時代に築城されたとされる「片倉城」の城跡を整備した公園です。武蔵野の雑木林が広がり、桜や花菖蒲(はなしょうぶ)といった季節の花や、野鳥、昆虫を楽しめるスポットとして親しまれています。

公園内にはカタクリの花が群生するエリアがあり、例年3月下旬から4月上旬まで紫色のかわいい花が開花します。

同じ時期には桜も開花(画像提供:jfarmer / PIXTA)
同じ時期には桜も開花(画像提供:jfarmer / PIXTA)

カタクリと同時期には桜(例年3月下旬~4月初旬)、その後4月中旬にはヤマブキが見頃になります。

さらに、初夏にはホタルが見られる貴重な場所。一年中、何度でもおでかけしたくなる素敵なスポットです。

■スポット詳細&開花情報
場所:東京都八王子市片倉町2475
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:JR横浜線「片倉駅」から徒歩で約5分/京王高尾線「京王片倉駅」から徒歩で約6分

規模感は異なりますが、杉並区「三泉淵緑地」や、港区「国立科学博物館附属自然教育園」、調布市「神代植物公園」でもカタクリの花を見ることができますよ。春の短い間しか咲かないので、見頃をこまめにチェックしておでかけしましょう。

記事を書いた人

雨宮あかり

「いこーよとりっぷ」エディター/食べること・飲むこと・音楽が大好きなママ編集者。世界中の音楽フェスを体験すること&ベルギービールの醸造所めぐりが夢です♪ 特技はアロマセラピートリートメントです。

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