【関東】春の妖精・カタクリの群生地8選!開花時期&時間帯は?2025
更新日2025年03月18日/公開日2025年03月18日

【関東】春の妖精・カタクリの群生地8選!開花時期&時間帯は?2025

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関東にある、「カタクリ」の花の群生地を紹介します。

カタクリは春を代表する山野草のひとつ。開花期間はわずか1〜2週間と短く、「春の妖精」や「スプリングエフェメラル(春の儚い命)」とも呼ばれています。

かつては里山などでよく見かける身近な植物でしたが、森林伐採や都市開発などの影響で数が減り、地域によっては絶滅危惧種に指定されていることも。

今では貴重となった群生地に足を運び、かわいい花をじっくり観察するとともに、親子で自然保護について考えてみませんか?

※トップ画像提供:T west / PIXTA
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報は、公式サイトをご確認ください

カタクリってどんな花?

個性的でチャーミングな花
個性的でチャーミングな花

カタクリ(片栗/学名:Erythronium japonicum)は落葉樹林の斜面などに自生する多年草です。ユリ科の球根植物で、紫色の小さな花を咲かせます。

国内では本州を中心に北海道から九州まで広く分布し、古くから日本人に愛されてきました。昔は「堅香子」(かたかご)という名で親しまれ、万葉集にも登場しています。

ちなみに、料理に使う片栗粉の名前はカタクリが由来。現在は主にジャガイモが原料として利用されますが、かつてはカタクリの球根から採れるデンプンが片栗粉に使われました。

関東での見頃はいつ?

関東では例年3月から4月にかけて見頃を迎えます。

カタクリの花や葉の特徴は?

踏まないように要注意!(画像提供:zero / PIXTA)
踏まないように要注意!(画像提供:zero / PIXTA)

カタクリの花は、6枚の花びらが反り返るように咲くのが特徴。高さは10〜20cmほどで、うつむくように紫色の花を咲かせます。晴れた日中に花開き、曇りの日や夕方には閉じてしまう性質を持っています。

葉にはまだら模様があり、発芽から7~8年経つとようやく葉が2枚になり花が咲きます。

どんな場所に育つの?

東京都瑞穂町「さやま花多来里の郷」のカタクリ群生(画像提供:Catsu / PIXTA)
東京都瑞穂町「さやま花多来里の郷」のカタクリ群生(画像提供:Catsu / PIXTA)

標高の高い場所や落葉樹林の林床などに群生し、春に日がよく当たり、夏には木陰となる環境を好みます。

花が終わると地上部分が枯れて地下の球根だけが残るため、夏にはその姿を見つけることができません。

絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定される貴重な花

数万株に1株咲くといわれる、幻の白いカタクリ(画像提供:萩谷篤思 A.Hagitani / PIXTA )
数万株に1株咲くといわれる、幻の白いカタクリ(画像提供:萩谷篤思 A.Hagitani / PIXTA )

また近年では、踏み荒らしによる土壌の劣化や、森林伐採による日照条件の変化などで減少する傾向にあり、地域よっては絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。

カタクリは開花までに時間がかかるため、一度生育環境が乱れると再生までに長い時間が必要です。

観察の時間帯&注意点は?

花が咲くエリアに入らないよう注意して歩きましょう(画像提供:UI_forever / PIXTA)
花が咲くエリアに入らないよう注意して歩きましょう(画像提供:UI_forever / PIXTA)

カタクリは気温によって開き始める時間が変動しますが、気温が上がり日差しが差し込む時間帯が狙い目。曇りの日や夕方以降は閉じてしまうので、見に行くタイミングが難しい花でもあります。

群生地では環境に配慮し、マナーを守って観賞しましょう。

●指定されているエリア以外に立ち入らない
●開園期間以外の時期に勝手に入らない
●摘み取らない、さわらない
●ペットを連れて行かない
●ゴミを捨てない、など

公園や自然保護区では、立ち入りを制限し、生育環境を維持する取り組みが行われています。カタクリだけでなく、自生する花を観察する際には、踏み荒らさず静かに楽しむことが重要です。

美しい花を未来へ引き次ぐため、自然との共生を守りましょう。

東京都のおすすめカタクリ群生地

八王子市「片倉城跡公園」に咲くカタクリ(画像提供:jooko3 / PIXTA)
八王子市「片倉城跡公園」に咲くカタクリ(画像提供:jooko3 / PIXTA)

東京都では、練馬区の「清水山の森」や「稲荷山憩いの森」、あきる野市の切欠(きっかけ)地区、武蔵村山市の「野山北公園」などにカタクリが自生しています。

なかでも瑞穂町の「さやま花多来里の郷」は、約20万株が咲き誇る都内有数の群生地。

いずれも地域の人たちが手をかけ、大切に見守っている場所です。開花期間しか開園しないスポットもあるので、おでかけ前に必ず最新情報をチェックしましょう!

【神奈川県相模原市】城山かたくりの里

広大な敷地に咲き渡るカタクリの花
広大な敷地に咲き渡るカタクリの花
黄花カタクリが咲くエリアも(画像提供:城山かたくりの里)
黄花カタクリが咲くエリアも(画像提供:城山かたくりの里)

神奈川県相模原市にある「城山カタクリの里」は、 “神奈川の花の名所100選”のひとつ。個人が所有する里山で、毎年3月第2土曜~4月第3日曜の期間だけ一般公開されています。

特に例年3月半ばから4月にかけては、約30万株ものカタクリが一面に咲き誇り、訪れる人を魅了します。

ホウキモモの群生(画像提供:城山かたくりの里)
ホウキモモの群生(画像提供:城山かたくりの里)

ほかにも、ミツマタや雪割草(ゆきわりそう)など約100種類の野草を見られるのも魅力です。立派な淡墨桜やホウキモモの群生も見応えたっぷり!

写真をたくさん撮りたくなるような美しい光景が広がり、春のおでかけにぴったりのスポットです。園内には遊歩道が整備されていますが、歩きやすい靴ででかけてプチハイキングを満喫しましょう。

■スポット詳細&開花情報
場所:神奈川県相模原市緑区川尻4307
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
開園期間:2025年3月8日(土)~4月20日(日)
アクセス:【車】圏央道「相模原IC」から約10分
【電車】JR各線、京王電鉄相模原線「橋本駅」からバスに乗車(約15分)、​「城山総合事務所入口」バス停で下車後、徒歩で約20分

公式サイト

【千葉県千葉市】泉自然公園

「泉自然公園」のカタクリ(画像提供:オットさま / PIXTA)
「泉自然公園」のカタクリ(画像提供:オットさま / PIXTA)

千葉県千葉市にある「泉自然公園」は、豊かな自然が広がる広大な公園です。

四季折々の花や植物が楽しめ、例年3月下旬から4月上旬にはカタクリが可憐な花を咲かせます。都心からのアクセスもよく、子供と一緒に自然観察を楽しむのにぴったりのスポットです。

家族に人気のお花見スポット(画像提供:mmiz / PIXTA)
家族に人気のお花見スポット(画像提供:mmiz / PIXTA)

公園内には「フォレストアドベンチャー・千葉」を併設するほか、広い芝生広場や遊具もあり、体を動かして遊べます。

また“日本さくら名所100選”のひとつでもあり、カタクリと同時期に桜も見頃に。2025年3月8日(土)~4月13日(日) の期間には「さくらまつり」も開催されます。

イベント公式サイト

■スポット詳細&開花情報
場所:千葉県千葉市若葉区野呂町108
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:【車】千葉東金道路「高田IC」から約1km
【電車】JR各線、千葉都市モノレール「千葉駅」から東口バスターミナル10番のりばからバスに乗車(約45分)、「泉公園入口」バス停で下車後、徒歩で約10分

【埼玉県所沢市】トトロの森(13号地)

自然そのものの森を、いつでも自由に散策できます
自然そのものの森を、いつでも自由に散策できます

埼玉県所沢市にある「トトロの森」は、狭山丘陵に広がる自然豊かなエリア。

ナショナル・トラスト(寄付によって土地を取得して守ること)によって取得された雑木林であり、「トトロのふるさと基金」により保全活動が行われています。

13号地でカタクリが見られます
13号地でカタクリが見られます

カタクリの群生が見られるのは、所沢市堀之内にある13号地です。2019年に実施された調査によると、カタクリの数は1万5,600株ほど。

2025年3月20日(木・祝)には小学生以上を対象に、カタクリを見に行くガイドツアーが実施されます。前日13時までに予約フォームから申し込んでくださいね。

イベント詳細と申込み(公式サイト)

■スポット詳細&開花情報
場所:埼玉県所沢市堀之内(13号地) /埼玉県所沢市上山口雑魚入351(1号地)ほか
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:【電車】「小手指駅」から徒歩で約10分の「小手指駅南口」からバスに乗車、「台」バス停で下車後、徒歩で約4分(13号地)

【栃木県佐野市】万葉自然公園 かたくりの里

三毳山の斜面にカタクリが群生(画像提供:はすまん / PIXTA)
三毳山の斜面にカタクリが群生(画像提供:はすまん / PIXTA)

栃木県佐野市にある「万葉自然公園かたくりの里」は、万葉の昔から歌に詠まれた三毳山(みかもやま)の北斜面に位置し、関東有数のカタクリの群生地として知られています。

毎年3月中旬から4月初旬にかけて約150万株ものカタクリが開花し、紫色のじゅうたんのような美しい景色が広がります。木漏れ日の中で可憐に揺れるカタクリの花は、佐野市の春の風物詩です。

同じ時期に咲くアズマイチゲ(画像提供:はすまん / PIXTA)
同じ時期に咲くアズマイチゲ(画像提供:はすまん / PIXTA)

園内には散策路が整備されており、ゆっくり歩きながら花の観賞を楽しめます。

周辺には「みかも山公園」や「とちぎ花センター」、「佐野プレミアムアウトレット」などの観光スポットもあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

イベント情報:SANO SPRING FLOWER FESTIVAL 2025~かたくりの花まつり~(2025年3月7日~30日)

カタクリの開花にあわせて、「SANO SPRING FLOWER FESTIVAL 2025~かたくりの花まつり~」が開催されます。

イベント期間中は、佐野らーめんをはじめとした佐野市の特産品などを「管理センター」で販売。お土産選びも楽しめますね♪

■スポット詳細&開花情報
場所:栃木県佐野市町谷町112-1
カタクリの見頃:例年3月中旬~4月上旬
アクセス:【車】東北自動車道「佐野藤岡IC」から約10分
【電車】JR両毛線「岩舟駅」からタクシーで約10分
関連イベント:【SANO SPRING FLOWER FESTIVAL 2025~かたくりの花まつり~】2025年3月7日(金)~30日(日)

開花状況(佐野市観光協会)

【栃木県那珂川町】カタクリ山公園

カタクリ山公園(画像提供:公益社団法人栃木県観光物産協会)
カタクリ山公園(画像提供:公益社団法人栃木県観光物産協会)

栃木県那珂川町にある「カタクリ山公園」は、関東最大級のカタクリの群生地。 毎年3月下旬から4月上旬にかけて、約100万株のカタクリが咲く絶景を楽しめます。

斜面を埋め尽くすように広がる花のカーペットは心奪われる美しさ。

早めの時間に訪れて、日が差すとともに少しずつ花びらが開いていく様子を観察するのもおすすめです。子供と一緒に自然の神秘を感じられますよ。

カタクリのほかにも春の山野草やヤマツツジ、コブシ、桜などの花が園内を彩ります。

■スポット詳細&開花情報
場所:栃木県那須郡那珂川町三輪745-1
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:【車】東北自動車道「矢板IC」から約30分
【電車】JR「氏家駅」東口から「馬頭車庫」行きバスに乗車、「三輪」バス停で下車後、徒歩で約2分

公式サイト(とちぎ旅ネット)

【群馬県高崎市】小串カタクリの里

小串カタクリの里(画像提供:写らく / PIXTA)
小串カタクリの里(画像提供:写らく / PIXTA)

群馬県高崎市吉井町の国道沿いにある「小串カタクリの里」は、約5万株のカタクリが咲く群生地です。 国道沿いに広がるこの場所は、地元の小学生や住民による熱心な保護活動のおかげで守られてきました。

毎年3月下旬からカタクリの花が咲き始め、春ならではの美しい風景を楽しめます。

敷地内には、間伐材を利用した観察路が整備されており、野鳥についての説明板も設置。 カタクリの観賞と自然散策を楽しむのにぴったりのスポットです。

イベント情報:カタクリ咲いたまつり(2025年3月23日)

カタクリの開花シーズンには、毎年「カタクリ咲いたまつり」が開催されています。農産物の販売やドリンク無料配布が行われ、のどかな春の一日を満喫できますよ。

■スポット詳細&開花情報
場所:群馬県高崎市吉井町小串274-1
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:【車】上信越自動車道「吉井IC」から約10分
【電車】上信電鉄「吉井駅」からバスで約10分/上信電鉄「馬庭駅」から徒歩で約20分

【茨城県水戸市】かたくりの里公園

水辺の斜面に咲くカタクリ(画像提供:深澤保二 / PIXTA)
水辺の斜面に咲くカタクリ(画像提供:深澤保二 / PIXTA)

水戸市有賀町を流れる桜川沿いの斜面に広がる「かたくりの里公園」。

約2,000平方メートルの土地にカタクリの花が咲き、大切に保護されているスポットです。

「かたくりの里公園」のカタクリ(画像提供:深澤保二 / PIXTA)
「かたくりの里公園」のカタクリ(画像提供:深澤保二 / PIXTA)

例年3月下旬から4月にかけて、紅紫色のかわいい花が水辺の斜面いっぱいに咲き広がり、見応え抜群。

駐車場も完備され、遊歩道も歩きやすいと評判。春の柔らかな日差しを浴びて美しく輝く、カタクリの花を見に行ってみませんか?

イベント情報:かたくりまつり(2025年4月1日~9日)

例年4月上旬に「かたくりまつり」を開催。地元で作られた新鮮な農作物や加工品などの販売が行われます。

■スポット詳細&開花情報
場所:茨城県水戸市有賀町2053-2
カタクリの見頃:例年3月下旬~4月上旬
アクセス:【車】常磐自動車道「水戸IC」から約10分
【電車】JR常磐線「内原駅」からタクシーで約10分

地元の人に見守られ、想いに応えるように咲く可憐なカタクリ。春の短い間しか見られない花なので、見頃をこまめにチェックしておでかけしましょう。

記事を書いた人

雨宮あかり

「いこーよとりっぷ」エディター/食べること・飲むこと・音楽が大好きなママ編集者。世界中の音楽フェスを体験すること&ベルギービールの醸造所めぐりが夢です♪ 特技はアロマセラピートリートメントです。

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