【2025】高原の避暑地で今が見頃<br/>甲信越のニッコウキスゲ群生地5選
更新日2025年07月18日/公開日2025年06月26日

【2025】高原の避暑地で今が見頃
甲信越のニッコウキスゲ群生地5選

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ニッコウキスゲは、主に山地の湿原や高原に咲く黄色い可憐な花。鹿の食害などにより数が減り、群生地は貴重になってきています。

今回はそんなニッコウキスゲの名所を甲信越エリアからご紹介! 例年7月上旬から下旬にかけて見頃になるスポットが多く、早いところでは6月中旬から咲き始めます。

また、避暑地と呼ばれるような標高の高い場所に咲くため、夏のおでかけにもぴったり。車やゴンドラリフトで登れるスポットもありますよ。歩きやすい靴や下準備をしっかりして、安全に楽しくおでかけしましょう♪

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
※画像は過去の様子であり、現状とは異なる場合があります。また見頃はその年の気候により変動しますのでご注意ください

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「ニッコウキスゲ」ってどんな花?

青空に映える黄色い花(画像提供:プカプカプー / PIXTA)
青空に映える黄色い花(画像提供:プカプカプー / PIXTA)

別名ゼンテイカとも呼ばれるニッコウキスゲ(日光黄菅)は、初夏から盛夏にかけての代表的な高山植物です。黄色いラッパ状の花は、夏の登山者にとても人気があります。

朝になると太陽に向かって開花し、夜にはしぼんでしまうのが特徴のひとつ。一輪の花の寿命は一日限りですが、ひと株に5~7輪ほどの蕾をつけ、一日一輪ずつ順番に咲いていきます。群生地では、開花のピークを迎えると、黄色い絨毯のような景色が広がります。

また見頃のタイミングをはかるのが難しい花でもあります。当たり年と外れ年がはっきりしているともいわれ、ある年は一面に咲き誇り、翌年は数えるほどしか咲かないこともあります。

鹿の大好物!?

ニッコウキスゲは、ニホンジカの大好物で、群生地では鹿による食害が深刻化しています。そのため多くの群生地では、鹿の侵入を防ぐための柵が設置されるなどの保護活動が行われています。

成長が遅く、傷つくと回復に時間がかかる

ニッコウキスゲは種をまいてから咲くまでに約7年かかります。そのため、獣害や気候変動などで数が減ると簡単に増やすことができません。

美しい群生地を守るため、保護活動に理解を深め、おでかけした際も花を傷つけないよう注意しましょう。

おでかけ前にチェック!

高峰高原に咲くニッコウキスゲ(画像提供:萩谷篤思 A.Hagitani / PIXTA)
高峰高原に咲くニッコウキスゲ(画像提供:萩谷篤思 A.Hagitani / PIXTA)

ニッコウキスゲの群生地は大自然の中にあるので、事前準備やリサーチをしておくと安心です。

●服装&持ち物をしっかり準備!
ニッコウキスゲが咲くのは、高原や湿原など自然豊かな場所。山の天気は変わりやすく、平地より気温が低いことも多いので、体温調節ができる服装とレインウェア(雨具)は必須です。

飲み物はもちろん、日差し対策の帽子や日焼け止めも忘れずに、足元は滑りづらいスニーカーか、登山道を歩くような場所ではトレッキングシューズがベストです。虫よけもあると安心ですよ。

●トイレ情報を知っておく
多くの群生地では、トイレは駐車場や登山口のビジターセンターなどにしかありません。広大な湿原の中にはないことがほとんどです。おでかけ前に場所を確認し、散策を始める前に済ませておくと安心です。

●マイカー規制やバスの運行状況に注意
見頃の時期は、自然保護や交通渋滞緩和のため、自家用車の乗り入れが規制される場所もあります。その場合は、麓の駐車場に車を停め、シャトルバスに乗り換えます。

路線バスも季節運行だったり本数が少なかったりするので、必ず公式サイトで最新の交通情報を確認してくださいね。

●開花状況の確認を
鹿による食害や気候変動で、開花状況が大きく変動します。事前に地元の観光協会などで確認してからでかけましょう。

【石川県白山市】白山高山植物園オープンガーデン

期間限定の高山植物園
期間限定の高山植物園

富士山・立山と並ぶ“日本三霊山”のひとつ・白山(はくさん)を望む、「白山高山植物園」。標高約800mの斜面に広がり、白山の植生を再現している植物園で、花畑が見頃になる例年6月上旬から7月上旬の1カ月間だけ開園します。

白山より雪解けが早いためひと足早く高山植物が咲き始め、例年6月中旬からはニッコウキスゲが見頃に。

ハゲ山だった西山の山腹に種から高山植物を育て、2025年現在は約50種類が次々と花を咲かせます
ハゲ山だった西山の山腹に種から高山植物を育て、2025年現在は約50種類が次々と花を咲かせます

ほかにも、シモツケソウ、ハナチダケサシ、タカネマツムシソウなど約50種類・10万株の可憐な花々が、白山の雄大な景色を背景に咲き誇ります。

入園には保全協力金300円が必要ですが、高校生以下は無料なのがうれしいポイント。

大汝峰(おおなんじがみね)、御前峰(ごぜんがみね)、別山(べっさん)を一望できる景色も必見です。

■スポット概要&開花情報
所在地:石川県白山市白峰
例年の見頃:6月中旬~7月上旬 
開園期間:2025年6月9日(月)~7月8日(火)
アクセス:【車】北陸自動車道「白山IC」から約70分
【電車】JR「金沢駅」から日帰りバスツアー利用が便利(2025年は全8回、6月の毎週日・木曜)
駐車場:2025年は利用不可(指定場所からの無料シャトル送迎を利用)

開花状況(公式サイト)

関連サイト(白山市公式観光サイト)

【長野県小諸市】高峰高原

高峰高原に咲く見頃の時期のニッコウキスゲ(画像提供:一般社団法人こもろ観光局)
高峰高原に咲く見頃の時期のニッコウキスゲ(画像提供:一般社団法人こもろ観光局)

標高2,000mの雲の上のお花畑へおでかけしてみませんか?長野県小諸市の「高峰高原」は市街地から車で約45分、東京・新宿から直行バスで約3時間と、アクセスしやすい絶景スポットです。

例年7月になると一帯がニッコウキスゲの鮮やかな黄色で埋め尽くされ、高原に夏が訪れます。青い空とどこまでも続く緑の山々、そして黄色い花のコントラストは絵画のような美しさ!

例年7月下旬から8月上旬に咲くヤナギランの群生も人気(画像提供:いつか / PIXTA)
例年7月下旬から8月上旬に咲くヤナギランの群生も人気(画像提供:いつか / PIXTA)

「高峰高原ビジターセンター」に車を停めて、すぐに散策を始められるのもうれしいポイント。同じ時期にはハクサンシャクナゲやハクサンフウロなど、さまざまな高山植物が可憐な花を咲かせます。

散策のあとにカフェでソフトクリームを食べるのも、子供にとっては最高の時間ですよ♪

■スポット概要&開花情報
所在地:長野県小諸市高峰高原
例年の見頃:7月中旬~8月上旬
アクセス:【車】上信越自動車道「小諸IC」から約45分
【電車】JR北陸新幹線「佐久平駅」からバスで約50分/「新宿バスタ」から直行バスで約3時間
駐車場:あり(高峰高原ビジターセンター駐車場など)

公式サイト

【長野県諏訪市】霧ヶ峰高原 霧ヶ峰自然保護センター・車山肩・富士見台

車山肩に咲くニッコクキスゲ(画像提供:オフィスK / PIXTA)
車山肩に咲くニッコクキスゲ(画像提供:オフィスK / PIXTA)

長野県の霧ヶ峰高原にはニッコウキスゲの群生地が点在し、かつては一面が橙色に囲まれていた場所。近年ニホンジカの食害に対して、保護活動が続けられています。

現在、霧ヶ峰でニッコウキスゲの群生が見られるのは、食害を防ぐ網フェンスや電気柵などに囲まれたエリアの中。「ビーナスライン」のドライブを楽しみながらアクセスできる「霧ヶ峰自然保護センター園地」「車山肩」「富士見台」付近です。

車山高原の展望リフト(画像提供:オフィスK / PIXTA)
車山高原の展望リフト(画像提供:オフィスK / PIXTA)

ニッコウキスゲを観察したあとは、「車山高原」にも立ち寄るのもおすすめ。2本のリフトを乗り継ぎ、空中散歩を楽しみながら標高1,925mの車山山頂を目指しましょう。

山頂からの360度の大パノラマは、まさに圧巻のひとこと! 八ヶ岳や南アルプス、富士山までも見渡せる壮大な景色に、きっと親子で感動するはずです。

なだらかな遊歩道が整備されているので、体力に自信がない子供でも、高原の爽やかな空気を感じながらのんびりハイキングを楽しめますよ。

■スポット概要&開花情報
所在地:長野県諏訪市四賀霧ヶ峰7718
例年の見頃:7月上旬~下旬
アクセス:【車】中央自動車道「諏訪IC」から40~50分
駐車場:あり

公式サイト

【長野県下諏訪町】霧ヶ峰高原 八島ヶ原湿原

初夏の「八島ヶ原湿原」(画像提供:tenjou / PIXTA)
初夏の「八島ヶ原湿原」(画像提供:tenjou / PIXTA)

霧ヶ峰高原の中でも、国の天然記念物に指定されている貴重な高層湿原が「八島ヶ原湿原」です。約1万2,000年という、遥かな時間をかけて育まれた大自然の宝物なんですよ。

湿原には1周約3.7km、90分ほどで歩ける木道が整備されており、まるで空に浮かぶ庭園を散策しているような気分に♪

「八島ヶ原湿原」に咲くニッコウキスゲ(画像提供:ライダー写真家はじめ / PIXTA)
「八島ヶ原湿原」に咲くニッコウキスゲ(画像提供:ライダー写真家はじめ / PIXTA)

「八島ヶ原湿原」は、例年7月中旬から8月上旬にかけてニッコウキスゲが咲くスポットとしても有名です。

アップダウンが少なく平坦な木道なので、子供も自分の足で歩ききれるのがうれしいポイント。親子の会話も弾むハイキングタイムは、忘れられない夏の思い出になることでしょう。

■スポット概要&開花情報
所在地:長野県諏訪郡下諏訪町八島高原
例年の見頃:7月中旬~下旬
アクセス:【車】中央自動車道「諏訪IC」から約35分/関越道・上信越道「佐久南IC」から約1時間10分
【電車】JR中央本線「茅野駅」または「上諏訪駅」から「八島湿原」行きバスに乗車(夏季限定、本数に注意)
駐車場:あり

公式サイト

【長野県山ノ内町】志賀高原 東館山高山植物園

「東館山高山植物園」のニッコウキスゲ
「東館山高山植物園」のニッコウキスゲ

長野県の志賀高原にある「東館山高山植物園」は、夏でも涼しく、たくさんの高山植物に出会える“天空の花畑”です。

標高2,000mの位置にありますが、ゴンドラで手軽にアクセスできるのが魅力。麓の発哺(ほっぽ)温泉から「東館山ゴンドラリフト」に乗り、山頂まで約5分間の空中散歩が楽しめます。

満開の時期には山の斜面を黄色く染めるニッコウキスゲの大群落が眼下に広がり、まるで黄色い絨毯の上を進んでいるかのよう。子供もきっと釘付けになるはずです。

7月に咲くコバイケイソウ
7月に咲くコバイケイソウ

山頂の植物園では、ニッコウキスゲはもちろん、コバイケイソウ、シガアヤメなど、貴重な高山植物たちが迎えてくれます。整備された遊歩道を歩きながら、親子でゆっくり自然観察を楽しみましょう!

■スポット概要&開花情報
所在地:長野県下高井郡山ノ内町志賀高原東館山
例年の見頃:7月下旬~8月上旬
アクセス:【車】上信越自動車道「信州中野IC」から約50分
【電車】長野電鉄「湯田中駅」からバスで約40分
駐車場:あり

青空に映える黄色いニッコウキスゲ。夏休み期間と見頃が重なるスポットもあるので、ぜひ親子旅の候補に加えてみてくださいね。

記事を書いた人

いこーよとりっぷ編集部

「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。

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