日本三大七夕祭りとはどこ?<br/>七夕の歴史&由来&2025開催情報も
更新日2025年07月04日/公開日2025年07月03日

日本三大七夕祭りとはどこ?
七夕の歴史&由来&2025開催情報も

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神奈川県平塚市

7月7日は、織姫と彦星が年に一度、天の川を越えて再会する「七夕」(たなばた)の日。七夕の時期や、地域によっては旧暦の7月7日(現在の8月初旬)になると、日本各地で七夕まつりが開催されています。

そのなかでも、今回は「日本三大七夕祭り」と呼ばれる3つの七夕まつりの見どころをご紹介! 七夕の歴史や由来、華やかな七夕飾りの意味についても掲載しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
※トップ画像提供:ryuukikou / PIXTA

「日本三大七夕まつり」もチェック!

七夕の歴史や由来は?

カラフルな七夕飾りに子供も大喜び(画像提供:Seaside / PIXTA)
カラフルな七夕飾りに子供も大喜び(画像提供:Seaside / PIXTA)

七夕は、もともと季節の節目を祝う「五節句」(ごせっく)のひとつとして、江戸時代に広まりました。昔は旧暦の7月7日に行われており、今の暦では8月の初めごろ。ちょうど夏の夜空がいちばんきれいに見える時期でした。

そのルーツは、日本に古くからある「棚機」(たなばた)という神事と、中国から伝わった織姫と彦星の物語、技芸の上達を願う「乞巧奠」(きこうでん)という行事が合わさってできたものといわれています。

日本の神事「棚機」

手作りの飾りに願いを込めます(画像提供:masa / PIXTA)
手作りの飾りに願いを込めます(画像提供:masa / PIXTA)

昔の日本では、巫女(みこ)が着物を織り神さまにお供えする、「禊」(みそぎ)の行事が行われていました。秋の豊作や人々の幸せを祈って織られたこの布は、「棚機」と呼ばれる特別な織り機で作られたものです。

やがてこの風習は時代とともに仏教の影響を受け、お盆を迎えるための行事として、7月7日の夜に行われるようになりました。このことから「七夕(たなばた)」という漢字が当てられるようになったと言われています。

中国の行事「乞巧奠」

笹に揺れる短冊と七夕飾りの様子(画像提供:hideko / PIXTA)
笹に揺れる短冊と七夕飾りの様子(画像提供:hideko / PIXTA)

「乞」は願い求めること、「巧」は巧みさ、「奠」は祭りごとを意味する「乞巧奠」。旧暦の7月7日に、織女にあやかってはた織りの上達を願う、中国の行事として行われました。

やがてその願いは、芸事や書道など、さまざまな技芸の上達へと広がっていきました。こうして、七夕が“願いごとの日”として親しまれるようになったのです。

織姫と彦星の伝説

新道峠から見る富士山と天の川(画像提供:ライダー写真家はじめ / PIXTA)
新道峠から見る富士山と天の川(画像提供:ライダー写真家はじめ / PIXTA)

織姫と彦星の物語は、中国の神話「牛郎織女」(ぎゅうろうしゅくじょ)に由来すると伝えられています。

織姫にあたる「琴座のベガ」は裁縫の星、彦星にあたる「ワシ座のアルタイル」は農業の星とされており、この二つの星が旧暦の7月7日に天の川をはさんで最も輝いて見えることから、「一年に一度だけ、織姫と彦星が会える日」と考えられるようになりました。

七夕飾りの意味は?

短冊一つ一つに、たくさんの想いが詰まっています(画像提供:mio / PIXTA)
短冊一つ一つに、たくさんの想いが詰まっています(画像提供:mio / PIXTA)

七夕といえば、願いごとを書く「短冊」と、笹に吊るす色とりどりの「飾り」が定番です。これらは「七つ飾り」とも呼ばれ、ひとつひとつに暮らしに根ざした願いや意味が込められています。

たとえば、童謡「たなばたさま」にも登場する「五色の短冊」の五色とは、中国の陰陽五行説に基づいた色のこと。赤はご先祖への感謝、青は努力や成長を表すなど、それぞれの色にあわせて願いごとを書くと叶いやすいともいわれます。

七夕に飾られる代表的な飾りです(画像提供:ERI / PIXTA)
七夕に飾られる代表的な飾りです(画像提供:ERI / PIXTA)

また、「紙衣」(かみこ)は災いを遠ざけるお守りとして、「折り鶴」は健康や長寿を、「吹き流し」は織姫の織り糸に見立てて、裁縫や手芸の上達を願います。

そのほかにも、金運や節約の願いを込めた「巾着」や、無駄をなくす意味をもつ「くずかご」、豊作や大漁を願う「投網」(とあみ)などがあります。

どれも折り紙で手軽に作れるので、親子で楽しみながら七夕の準備をするのもおすすめですよ。

日本三大七夕祭りとは?

神奈川県の「湘南ひらつか七夕まつり」の様子(画像提供:t.sakai / PIXTA)
神奈川県の「湘南ひらつか七夕まつり」の様子(画像提供:t.sakai / PIXTA)

「日本三大七夕まつり」は、明確な公的認定があるわけではなく、歴史の長さ、規模の大きさ、知名度、集客力などから一般的にそう呼ばれています。

具体的には、仙台七夕まつり(宮城県)、湘南ひらつか七夕まつり(神奈川県)、一宮七夕まつり(愛知県)の3つを指し、いずれも戦後の復興期に、商店街の振興や地域の活性化を目的として大規模な飾り付けやイベントが企画され、その独自性や華やかな差から全国的にも注目を集めるようになりました

【宮城県仙台市】仙台七夕まつり(2025年8月6日〜8日)

2024年「おおまち商店街」の様子(画像提供:仙台七夕まつり協賛会)
2024年「おおまち商店街」の様子(画像提供:仙台七夕まつり協賛会)

「仙台七夕まつり」は、毎年8月6日〜8日に宮城県仙台市で開催される日本有数の七夕祭りです。

江戸時代、伊達政宗が文化振興の一環として奨励したことが起源とされ、400年以上の歴史を誇ります。

2024年「サンモール一番町商店街」の様子(画像提供:仙台七夕まつり協賛会)
2024年「サンモール一番町商店街」の様子(画像提供:仙台七夕まつり協賛会)

祭り期間中、仙台市中心部のアーケード商店街には、色とりどりの和紙でつくられた大きな吹き流しやくす玉が天井から吊り下げられ、訪れる人々を華やかに迎えます。七夕飾りは「七つ飾り」と呼ばれる小物たちに、商売繁盛、無常息災などさまざまな願いを込めて、商店街ごとに工夫を凝らした作品が並びます。

8月5日(火)には前夜祭として「第56回仙台七夕花火祭」も実施され、まちは祭りムード一色に。地元の人はもちろん、観光客にも人気で、風情あるまちなみを背景に、季節の風物詩を五感で楽しめます。

■第56回仙台七夕花火祭
開催日:2025年8月5日(火)
開催時間:19:15〜20:30
※雨天や強風の場合には中止となることがあります

■仙台七夕まつり
開催期間:2025年8月6日(水)〜8日(金)
開催場所:仙台市中心部および周辺の地域商店街
※笹飾りは、仙台駅前から中央通り、一番町通りのアーケード街にかけて七夕飾りが見られます
アクセス:【電車】JR各線または、仙台市地下鉄「仙台駅」から徒歩すぐ

【愛知県一宮市】一宮七夕まつり(2025年7月24日〜27日)

2025年は「昭和100年」をコンセプトに、恒例イベントのほか、いくつかの特別企画も開催!(画像提供:ryuukikou / PIXTA)
2025年は「昭和100年」をコンセプトに、恒例イベントのほか、いくつかの特別企画も開催!(画像提供:ryuukikou / PIXTA)

愛知県一宮市で開催される「一宮七夕まつり」は、1956年(昭和31年)に始まった伝統ある夏の祭典で、2025年には第70回を迎えます。

地元の特産である織物にちなんで、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)にまつわる七夕伝説を大切にしたお祭りです。そのため、祭りの名称もかつての名残で「おりもの感謝祭一宮七夕まつり」と呼ばれています。

毎年7月下旬に4日間にわたり行われ、2025年は7月24日(木)〜27日(日)に実施。会場となる本町商店街や一宮駅周辺には、色鮮やかな七夕飾りが軒を連ねます。

今年のテーマ「昭和100年」に沿って、「昭和アニメ」のコスプレをした参加者には、3つの特典が用意されます
今年のテーマ「昭和100年」に沿って、「昭和アニメ」のコスプレをした参加者には、3つの特典が用意されます

期間中は、御衣奉献大行列やワッショーいちのみや、コスプレパレードや、昭和歌謡のど自慢大会など多彩なイベントを展開します。一宮市のマスコットキャラクター「いちみん」の短冊に、願いごとを書いて飾る「いちみんのねがいごと短冊」も人気ですよ。

特設エリアではKONAMI ゲーム体験会もあり、小さな子供から大人まで家族みんなで楽しめるのが魅力。市内の繊維文化資料館で織物の歴史にふれるのもおすすめです。

■一宮七夕まつりコスプレパレード2025
開催日:2025年7月27日(日)
開催時間:17:00〜18:00
※パレード受付時間15:30~16:30
受付場所:一宮商工会議所
参加費:観覧・撮影・コスプレ参加無料
※更衣室有料

■一宮七夕まつり
開催期間:2025年7月24日(木)〜27日(日)
開催場所:一宮駅、銀座通り、本町商店街、真清田神社周辺
アクセス:【電車】JR東海道本線「尾張一宮」駅、または名鉄名古屋本線・尾西線「名鉄一宮」駅からすぐ

【神奈川県平塚市】湘南ひらつか七夕まつり(2025年7月4日〜6日)

中央商店街には、色鮮やかな七夕飾りが、100本以上飾られます
中央商店街には、色鮮やかな七夕飾りが、100本以上飾られます

関東最大級の規模を誇る「湘南ひらつか七夕まつり」は、神奈川県平塚市で毎年7月上旬に開催されます。

1951年(昭和26年)に戦後復興と繁栄の願いを込めて始まり、今では毎年150万人以上が訪れる一大イベントへと成長しました。JR平塚駅周辺を中心に、長さ10mを超える七夕飾りやキャラクターをかたどった巨大なオブジェが通りを彩り、来場者の目を楽しませます。

7月4日(金)には恒例の「七夕おどりパレード」を開催。湘南スターモールを舞台に、平塚市民1,000人が参加し、沿道の声援を受けながら華やかに踊り歩きます。

夜には七夕飾りをライトアップ♪ 平塚の夏の夜空を彩ります
夜には七夕飾りをライトアップ♪ 平塚の夏の夜空を彩ります

また、今年は6年ぶりに東海道本通りの路上に露店が復活。約100店の露店がずらりと並び、久しぶりのにぎわいが戻ってきます。

子供連れでも安心して楽しめるおむつ替えスペースや授乳室も整備されており、親子で夏の思い出をつくるにはぴったりのイベントですよ。

詳しい記事はこちら!

■湘南ひらつか七夕まつり
開催期間:2025年7月4日(金)〜6日(日)
開催時間:4日(金)10:00〜20:00、5日(土)11:00〜20:00、6日(日)11:00〜19:00
開催場所:湘南スターモール(メイン会場)、ほかJR東海道本線「平塚駅」北口商店街を中心とする市内全域
アクセス:【電車】JR東海道本線「平塚駅」北口から徒歩すぐ

華やかでワクワクする「日本三大七夕祭り」は、親子で楽しめる夏の思い出作りにぴったり。今年は色とりどりの飾りを楽しみながら、七夕の由来や願いごとの意味にもふれてみてください♪

記事を書いた人

いこーよとりっぷ編集部

「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。

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