美しい踊りが見る人を非日常へ誘う
「日本三大盆踊り」2025開催情報

秋田県羽後町の「西馬音内本町通り」では、2025年8月16日（土）から18日（月）まで、「西馬音内盆踊り」が開催されます。

当日は、編み笠や彦三頭巾（ひこさずきん）で顔を隠した踊り手たちが、お囃子に合わせてしなやかに踊る風情あふれる盆踊りを見ることができます。

今回は、「西馬音内盆踊り実行委員会」に「西馬音内盆踊り」の見どころや開催情報を教えていただきました。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

「西馬音内盆踊り」とは

「日本三大盆踊り」のひとつともいわれています

「西馬音内盆踊り」は毎年8月16日から18日までの3日間、先祖の供養や豊作祈願などの思いを込めて行われます。

「西馬音内本町通り」には篝火（かがりび）が点され、その灯りに照らされながら、踊り手たちがお囃子にあわせて、静かに踊りを披露します。

踊りは、優雅で静かな抑揚のある「音頭」と、ややテンポの速い「がんけ」の2種類で構成されています。勇ましいお囃子と流れるような美しい踊りが「不調和の美」を織りなし、見る人を非日常へ誘います。

この盆踊りは、国指定の重要無形民俗文化財、そしてユネスコ無形文化遺産「風流踊」にも指定されています。

踊り手の衣装について知ろう

「端縫い衣装」は、「踊りが上手になった」と家族や周囲から認められることで着用できる格式高い衣装です

独特の美しさを放つ衣装も、「西馬音内盆踊り」の魅力のひとつです。

踊り手たちは、色柄の異なる絹布を縫い合わせた「端縫い（はぬい）衣装」、または秋田県南部の伝統的な染技法を用いて手絞りで作られる「藍染め（あいぞめ）浴衣」のどちらかを身にまとい、踊りを披露します。

また、踊りに欠かせないのが顔を覆う被り物も、「編み笠」と「彦三頭巾」の2種類があります。

端が大きく反った半月型の「編笠」は、笠をすっぽりと深くかぶるのが特徴です。もうひとつの被り物「彦三頭巾」は、目元に穴を開けた袋状の黒布を頭から被ることで、亡者踊りと称される独特の雰囲気を醸し出します。

「西馬音内盆踊り」の起源を知ろう

踊りの場所が現在の「西馬音内本町通り」に移ったのは1781～1789年（天明年間）の頃だと伝えられています

「西馬音内盆踊り」の起源や沿革については、記録された書物などが全く残っておらず、すべて言い伝えによるもの。

最も古い起源としては、鎌倉時代の1288～1293年（正応年間）に、「源親」という修行僧が蔵王権現（ざおうごんげん：現在の西馬音内御嶽神社）を勧請し、境内で豊作を祈願して踊りを奉納したという説があります。

また、関ヶ原の戦いで敗れ、1601年（慶長6年）に滅んだ西馬音内城主小野寺一族を偲び、土着した臣下たちが宝泉寺（西馬音内寺町）の境内で行った盆供養の踊りも由来のひとつといわれています。

2025年の開催情報

通りの脇には囃子櫓（はやしやぐら）が組まれ、笛や三味線、太鼓、鼓（つづみ）、鉦（かね）などからなる囃子方がこの上で演奏します

2025年の「西馬音内盆踊り」は、2025年8月16日（土）から18日（月）までの期間で開催されます。

各日の16時からは、「西馬音内盆踊り会館」奥にある特設販売所で、有料観覧席が販売されます。料金などの詳細は公式サイトをご確認ください。

盆踊りは19時30分から開始されます。前半は子供が中心の踊りが披露され、大人の踊り手は21時以降にそろいます。

祖先を弔うとともに、豊作を祈願する「西馬音内盆踊り」。ぜひ親子で訪れて、伝統的な踊りを観賞してみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人

杞山穂花（Clay）

編集プロダクションClay所属の編集・ライター。食べること・文章を書くことがとにかく大好きです。やんちゃな愛猫に日々癒され中。パパママ、そして子供たちのワクワクドキドキな思い出づくりのお手伝いができれば幸せです！