豊かなそばの実りを神様に感謝
日本三大そば「戸隠そば」に舌鼓

長野県長野市の「戸隠神社」とその周辺のそば店で、2024年10月31日（木）から11月22日（金）まで「第55回戸隠そば祭り」が開催されます。

日本三大そばのひとつ「戸隠そば」のお祭りで、新そばを戸隠神社に奉納する神事のほか、秋の新そばを味わえる企画が実施されます。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

歴史と伝統を受け継ぐ戸隠そば

「戸隠そば」は、島根県の「出雲そば」、岩手県の「わんこそば」とならび、日本三大そばのひとつに数えられる長野県長野市の戸隠に伝わる郷土料理です。

提供：戸隠そば祭り実行委員会

戸隠そばの始まりは、平安時代といわれています。当時、山岳修行者が持つ携帯食として、そば粉を水で溶いていたようなものが珍重（ちんちょう）されていたそう。

その後、江戸時代になると、現在のそばの形である“そばきり”が定着し、来客などに振る舞う料理として広まりました。

ぼっち盛りで盛り付けられた戸隠そば

戸隠そばの特徴のひとつが独特な盛り方です。そばをそろえて一口大の大きさにまとめ、ざるの中にそばを折るように並べる“ぼっち盛り”と呼ばれる盛り方で提供されます。通常1つのざるに5〜6束の「ぼっち」が並べられています。

「戸隠そば祭り」とは

提供：戸隠そば祭り実行委員会

「戸隠そば祭り」では、前夜祭で行われるそば道具のお炊き上げに始まり、新そばを「戸隠神社」に供えて感謝の報告を行う神事、半ざるそばの食べ歩きなどが開催されます。それぞれの内容を詳しく紹介していきましょう。

そば道具 お焚き上げ　（10月31日）

秋の新そばが入荷した目印で各店舗に飾られる「そば玉」

「新そば献納祭」の前日には、不要になったそば作りの道具やざるを焚き上げる「お焚き上げ」が行われます。

お焚き上げされるものの中には、「そば玉」と呼ばれる新そばの入荷を知らせる目印も。「そば玉」は、戸隠特産の根曲がり竹を使った竹細工で作られたもので、戸隠地域のそば店の風物詩です。

新そば献納祭（11月1日）

提供：戸隠そば祭り実行委員会

2024年の「新そば献納祭」は11月1日（金）の9時から「戸隠神社　宝光社」で行われます。

「新そば献納祭」では、「こね」、「のし」、「切り」役の三役の手によって作られたそばが、豊かな実りへの感謝と来年への祈願をこめて戸隠神社の神様へ献納されます。

提供：戸隠そば祭り実行委員会

「新そば献納祭」で献納されるそばの栽培は、例年7月中旬に白装束を身にまとったそば職人たちによって種まきが行われ、10月上旬の収穫時期に、手で刈り取られます。

また、献納されたそば粉で打つ「献納そば」は、数量限定で実施店及び提携宿泊施設で各店限定15食の販売が行われます。

戸隠そば祭り半ざる食べ歩き（11月5～22日）

提供：戸隠そば祭り実行委員会

「戸隠そば祭り」では、秋の新そばを気軽に食べ比べができる「新そば半ざる食べ歩き」が平日のみ、数量限定で行われます。

1人前の半分の量を、数ある店舗のうちのお好きな3店舗で食べ歩きできるチケットブックを購入。各店舗でそばを食べてスタンプを3店舗分集めると、抽選で年越しそばが当たりますよ。

それぞれの店舗のそば職人の技を食べ比べできる贅沢なイベント。各店舗を巡りながら戸隠の観光名所にも立ち寄ってみるのもおすすめです。

昔から多くの人々が信仰や修行で訪れたといわれる戸隠地域。伝統ある食文化に触れられる貴重なお祭りに参加して、実りの秋への感謝の気持ちを育んでみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人

大縄典子

いこーよとりっぷ編集部／転勤族の夫を持ち様々な土地に縁がある、大学生の息子、高校生の娘がいるママ。結婚後、子育てに専念するため10年以上の専業主婦経験を経て、ひょんなことから社会復帰を果たす。今は様々な自治体とのやり取りをしながら、まちの魅力を伝える仕事に情熱を燃やしています。人と話すことが好き。