山の自然を満喫しながら参拝
注目は見どころ満載の境内
埼玉県内でも有数の観光地、長瀞町(ながとろまち)の中で特に人気のスポット「宝登山(ほどさん)」に鎮座する神社。豊かな自然に抱かれ、四季折々の自然の移ろいを楽しみながら参拝できるのはもちろん、山頂にある奥宮にはロープウェイを使って参拝するというレジャー要素も合わさり、年間を通じて参拝者が絶えません。秩父鉄道・長瀞駅からも徒歩15分ほどなので、長瀞エリアのほかの観光とあわせて訪れやすいのもうれしいですね。
「宝登山神社」とは
「寳登山神社」は大変歴史が古く、西暦110年に第12代景行天皇(けいこうてんのう)の皇子である日本武尊(やまとたけるのみこと)が宝登山の山頂を目指した際に、山火事に遭遇したことが起源と言われています。そのとき、神のつかいの山犬が現れて火を消したことから「火止山(ほどさん)」と名付けられ、その後、ふもとの泉から宝珠が飛翔した神変から、「宝登山(ほどさん)」と現在の漢字になりました。
祀られている神様は初代の天皇と言われる「神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと)」(※)、山を司る神「大山祇神(おおやまづみのかみ)」、火を司る神「火産霊神(ほむすびのかみ)」です。
※「神武天皇(じんむてんのう)」のこと
山の自然が楽しめる贅沢な環境
山の麓には「本宮」、山頂には「奥宮」があり、どちらも宝登山の中にあります。山の中にあるので、境内はまるで森のよう。本宮の境内には池や散策路もあり、参拝しながら緑あふれる自然を満喫できます。
サクラ、新緑、紅葉と季節を追うごとに情景が変化するのも見どころの1つ。秋の紅葉の時期には、ライトアップも行われています。
本宮の参拝を疑似体験! 親子におすすめのコースを紹介
ここでは、「寳登山神社」を親子でめいっぱい楽しめるおすすめコースを紹介。本宮と奥宮は少し離れた場所にあるので、まずは本宮を参拝してから、ロープウェイに乗って奥宮へ行きましょう。
「寳登山神社」は秩父鉄道長瀞駅から徒歩15分ほどの場所にあります。駅を降りると、正面に見えるのが宝登山。駅前から神社までまっすぐ参道が続き、駅に降り立ったところから参拝の旅が始まります。
参道の両脇には食事処などがあり、旅のスタートを盛り上げてくれますよ。まずは長瀞の町を楽しみながら神社へ向かいましょう。
参道の途中には、白い大きな鳥居が。駅から3分ほど歩いた場所にあるこの鳥居は「一の鳥居」と呼ばれています。「一の鳥居」をくぐった先には桜並木があり、春はお花見を楽しみながら参拝できます。
参道を歩いていくと「二の鳥居」がある神社の入口に到着。木々が生い茂り、宝登山の自然を間近で感じられます。鳥居をくぐった先にある石段を登って、社殿へ向かいます。
境内はまるで森の中のような雰囲気で、マイナスイオンをたっぷり浴びながら清々しい気持ちで参拝できます。
石段を登りきると、社殿が見えてきます。江戸時代後期(1847年)から明治時代初期(1874年)に建て替えられた複合社殿は、近年、大改修が行われました。静かな森の中で力強い威厳が漂う拝殿にお参りしましょう。
しっかり見ておきたいのが、美しい彫刻が施された欄間(らんま)です。描かれているのは8つの「親孝行」の話。さらに、社殿の後ろ側には出世を表す彫刻が施されています。あざやかな色彩に子供たちも心を奪われて見入ってしまうはず。
社殿のすぐそばにはお守りやおみくじなどを購入できる授与所があるので、参拝が終わったら覗いてみるのもいいですね。
本殿以外の小さな神社も巡ってみよう
本宮の中には、社殿を囲むようにいろいろな神さまを祀った小さな神社があります。お参りすると失くしものが出てくる「寶玉稲荷神社(ほうぎょくいなりじんじゃ)」や水の神を祀った「水神社」、学問の神様の「天満天神社」がありますが、子供と一緒の参拝なら、「天満天神社」に参拝しておきたいところです。
神様が祀られている神社以外にも、本宮の境内には山の中の神社ならではの自然を満喫できる場所があります。社務所の向かいにある池には鯉や亀がいるので、観察してみては。キラキラ光る木漏れ日が清々しい「癒やしの小道」を歩くのもおすすめです。
境内をぐるりと巡って入口に戻ってくると「相生の松(あいおいのまつ)」があります。この松は昭和天皇のご成婚を祝して植えられたもので、町の天然記念物に指定されています。黒松と赤松が寄り添って植えられている様子から夫婦円満、良縁成就が叶うと言われています。
奥宮までロープウェイで空中散歩♪
奥宮は宝登山の山頂にあるため、山道を50分ほど歩いて登るか、ロープウェイに乗って行くことになります。子供と一緒ならもちろんロープウェイがおすすめ。山麓駅から山頂駅までを約5分で結ぶロープウェイからは、長瀞の自然が一望できます。子供と一緒に空中散歩を楽しんでみましょう。
もちろん、登山道は「関東ふれあいの道『長瀞の自然と歴史を学ぶみち』」として設定されている人気のハイキングコースなので、ゆっくり自然を観察しながらの登山もおすすめです。
奥宮はロープウェイの山頂駅から徒歩6分ほどの場所にあります。本宮の本殿のような華やかさはありませんが、穏やかな山頂の空気に溶け込み、鎮座しています。
奥宮を参拝したあとは、山頂からの景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。季節や条件があえば、雲海を見下ろせることも。開放感たっぷりの大パノラマを満喫して、リフレッシュしましょう。
奥宮では、毎年5月2日に「奥宮祭」が行われています。ツツジが咲く頃に行われているので、「ツツジ祭り」とも呼ばれています。この時期の山頂の風景も格別です。ゴールデンウィークの頃になるので、親子のおでかけにぴったりですね。
山の中の広大な敷地の中にある「寳登山神社」。子供がまだ小さく1日で周るのが難しい場合でも、季節ごとの情景が移り変わるので、何度訪れてもその時期ならではの魅力を感じられます。ハイキング気分で参拝できる「寳登山神社」にでかけてみませんか?
スポット基本情報
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スポット名 | 寳登山神社(宝登山神社) |
ふりがな | ほどさんじんじゃ |
住所 | 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828 |
電話番号 | 0494-66-0084 |
アクセス | 秩父鉄道長瀞駅より徒歩13分 |
駐車場 | 駐車場あり |