「からむし」の糸を使って<br/>コースターを織ってみよう!

「からむし」の糸を使って
コースターを織ってみよう!

道の駅 からむし織の里しょうわ
みちのえき からむしおりのさとしょうわ
体験する
ものづくり
福島県大沼郡昭和村

福島県大沼郡昭和村は「からむし」の生産地です。「からむし」とは、別名「苧麻」(ちょま)とも呼ばれるイラクサ科多年草の植物のこと。

昭和村にある道の駅「からむし織の里しょうわ」では、からむしの茎から作った糸で機織り体験が楽しめます。

今回は、小学3年生と6年生の娘2人が「からむし織」にチャレンジしてきました!

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道の駅で気軽にできる機織り体験

道の駅「からむし織の里しょうわ」
道の駅「からむし織の里しょうわ」

昭和村は、福島県西部に位置する山あいの長閑な村です。道の駅「からむし織の里しょうわ」では、地元の特産品を購入できるのはもちろん、併設する「織姫交流館」でからむし織体験ができます。

糸の原料となる「からむし」
糸の原料となる「からむし」

からむし織で使う糸は、茎から取り出した繊維を人の手で細く裂いて繋ぎ、糸車でよりをかけて作られています。

からむしで織った布は肌触りが良く、吸湿性や速乾性に優れているため、夏の衣類に最適なのだそう。江戸時代からこの地で代々受け継がれている「からむし織」は、2017年に国の伝統的工芸品に指定されました。

からむし織でコースターを作ろう!

こちらがからむし織体験ができる部屋です。大人の背丈ほどある機織り機がズラリと並んでいて圧巻ですね!

織り方を教えてくれる齋藤久美子さん(写真中央)
織り方を教えてくれる齋藤久美子さん(写真中央)

今回、からむし織を教えてくれるのは齋藤久美子さん。2019年度(令和元年度)に「からむし織体験生」としてこの地に越してきた齋藤さんは、体験生修了後も村に残ってからむし織の魅力を伝えているのだそう。

いよいよ織っていきます♪

まずは左足を踏んでスタート
まずは左足を踏んでスタート

からむし織体験で作るのは10cm×10cmのコースターです。

娘たちは機織り機なんて昔ばなしの絵本でしか見たことがないようで…。何本もの糸がびっしり張られて、見るからに難しそうな機織り機を前にやや緊張している様子です。

足元の「踏木(ふみぎ)」と呼ばれる部分を左、右と交互に踏むと、織り機に張られた縦糸が交差しながら上下します。その隙間に横糸を入れる動きを繰り返すことで布を織っていくという仕組みです。

緊張の第一投!
緊張の第一投!
左方向から右方向に1本横糸が通りました
左方向から右方向に1本横糸が通りました

まず片方の踏木を踏んで、できた隙間に横糸を通していきます。

 筬(おさ/左手で掴んでいる部分)をトン!
筬(おさ/左手で掴んでいる部分)をトン!

横糸を通したら筬(おさ)をトンと手前に押します。すると横糸が真っ直ぐになるので、今度は反対の足を踏んでから、2回トントンと押してさらに横糸をぎゅっと詰めます。

反対側(右方向から左方向)へ横糸を通して…
反対側(右方向から左方向)へ横糸を通して…

次は反対側へ横糸を通します。あまり強く引っ張ると縦糸が切れてしまうので、端を押さえてぎりぎりまで優しく引っ張るのがコツだそう。

筬をトンと押すと横糸がまっすぐに
筬をトンと押すと横糸がまっすぐに

そして再び筬をトン。足を踏み替えてトントン。あとはひたすら同じ動きを繰り返します。

両手両足を使ってリズミカルに織っていく

表情は真剣そのもの!
表情は真剣そのもの!

シンプルなようでなかなか複雑なその動き。「小学3年生の次女には難しいかな?」と思いきや、工程を覚えたらあとは黙々と織り出しました。

わかる…こういうのってどっぷり集中しちゃうよね。

からむし織体験に年齢制限はありません。保護者が踏木を踏んで子供が糸を通すなど分業すれば未就学児でも一緒になって取り組めます。

静かな館内に「トン、トントン♪」の音が心地よく響きます。両手両足を使い、リズミカルに織っていく様子は見ていて楽しいものですね。

たまにどこから糸を入れたらいいのかわからなくなっていましたが、横で齋藤先生がサポートしてくれるので安心です。

どんどん布が出来ていく!
どんどん布が出来ていく!

優しく筬を打ち込むと、横糸と横糸の隙間が開いて透け感のある夏らしい布に。一方、強めに打ち込むと横糸がぎゅっと詰まるので、帯などに向いた硬い布に仕上がります。

作りたい布によって力加減を変えるのがポイントなんですね。

オリジナルコースターが完成!

30分ほどで完成!
30分ほどで完成!

はい!世界に一つのからむしコースターができました!

長女は後半になるにつれて筬を強く打ち込んでいたため、布の目がだんだん詰まっていく仕上がりに。グラデーションみたいで良い味わいになりました。

次女は布の両端(みみ)がガタガタなのがちょっと気に食わなかった様子だけど、ここをまっすぐそろえるのはプロでもなかなか難しいのだそう。多少いびつでもそれもまた味わいということで!

後日自宅に届いた完成品
後日自宅に届いた完成品

作ったコースターは1週間ほどで自宅に郵送されます。端かがりを施してもらうとますますかわいい♪ 天然繊維のコースターは見た目にも涼しげで夏の食卓にぴったりです。

自分の手で織っただけに愛着が湧くようで、娘たちがドリンクを飲むときの定番になりました。

道の駅で気軽に体験できる伝統工芸「からむし織」。娘たちも大満足の貴重な体験となりました。

■からむし織体験コースター作り
体験時間:約20分
体験料:1,100円
開催日:金~日曜、祝日
予約:不要
※4名以上の場合は要事前予約

売店や博物館も要チェック!

昭和村の名産品がズラリ
昭和村の名産品がズラリ

「織姫交流館」には、帽子や帯、ランチョンマットにしおり、ストール、アクセサリーなど、たくさんのからむし製品が並んでいます。あらためて、からむしってすごい!

人気のお土産がいっぱい!
人気のお土産がいっぱい!

昭和村はかすみ草の産地としても有名で、夏から秋にかけては出荷量、栽培面積ともに日本一なのだそう。ちょうど収穫期だったので、店内にはカラフルな染めかすみ草が華やかに並んでいました。

食べ物のお土産でおすすめなのが、売り上げランキングで常に上位に入る「凍(し)み餅揚げ」。乾燥させたお餅を冬の寒さで凍らせて油で揚げたご当地保存食です。口の中でホロッと崩れるサクサク食感がたまりません。

からむし工芸博物館の展示品
からむし工芸博物館の展示品

ほかにも、からむしの歴史が学べる「からむし工芸博物館」や地元の十割蕎麦などが味わえる「郷土食伝承館 苧麻庵」、「ラッキー公園」が併設されているので、こちらの道の駅だけでも半日かけて楽しめます。

とりっぷノート♪取材こぼれ話を紹介

「からむし工芸博物館」では、からむし織の歴史や糸になるまでの工程を詳しく知ることができるので、からむし織体験の前に立ち寄って事前学習しておくとより一層楽しめます!(いこーよとりっぷライター・宇都宮薫)

記事を書いた人

宇都宮薫

多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍(ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪

スポット基本情報

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スポット名道の駅 からむし織の里しょうわ
ふりがなみちのえき からむしおりのさとしょうわ
住所福島県大沼郡昭和村大字佐倉字上ノ原1
電話番号0241-58-1655
営業時間9:00~17:00
定休日12月29日~1月3日
アクセス【車】磐越自動車道・会津坂下ICから車で約60分/【電車】JR只見線「会津川口駅」から「会津バス」に乗車(約50分)、バス停「下佐倉」で下車後、徒歩で約1分
駐車場駐車場あり
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公開日2022年08月09日/更新日2022年08月09日