もっちりなめらかな久寿餅が絶品！
明治20年創業の老舗「石鍋商店」

JR京浜東北線、東京メトロ南北線の「王子駅」から歩くこと約3分。大晦日の恒例行事「狐の行列」で有名な「王子稲荷神社」の参道にある「石鍋商店」は、創業当時から変わらない味わいの久寿餅（くずもち）や、国産天草の寒天を使ったあんみつなどが楽しめる甘味処です。

王子稲荷神社を参拝した際にぜひ立ち寄りたいお店です。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

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地元愛に溢れる甘味処「石鍋商店」

赤い久寿餅の旗が目印の石鍋商店

創業1887年（明治20年）、130年以上の歴史を持つ「石鍋商店」。かつては久寿餅・寒天・こんにゃくの卸業を営んでいましたが、現在では、久寿餅やあんみつ類、酒まんじゅうなどを販売する甘味処となっています。

「体に安心な食品を届けたい」という思いから、添加物や保存料を一切使用しておらず、創業当時から変わらない製法を守っています。

王子の歴史を物語る浮世絵や絵地図などをディスプレイ

現店主の母、石鍋秀子（いしなべひでこ）さん作の絵地図

店内の喫茶スペースには、昔の王子周辺を描いた浮世絵や王子稲荷神社の恒例行事「狐の行列」で着用するお面、昭和初期の絵地図などがずらりと飾られています。

王子の歴史とともに地域に根ざして歩んできたお店の地元愛が感じられますね（イートインは、2023年3月現在お休み中です）。

まちの魅力を発信し地域活動にも取り組む4代目

4代目店主の石鍋和夫（いしなべかずお）さん

地域の子供たちのための活動やお祭りなどの運営に熱心に取り組む4代目店主の石鍋和夫（いしなべかずお）さんは、まるで王子の生き字引のようなお人。朗らかな話ぶりで、王子のことなら何でも教えてくださいます。

「最近では長年お付き合いがあった原料屋さんがどんどん廃業してしまって、質の良い原料を集めるのにひと苦労ですが、いいものを作るには一切妥協しないのが私の信条です。お客様にはただ品物を買っていただくだけじゃなく、まちの魅力を発信していきたいと思っています」（石鍋和夫さん）

手間暇かけて作られた発酵食品「久寿餅」

「久寿餅」1枚入り700円

お店の看板商品は、伝統的な製法で作られた久寿餅です。2年もの長い年月をかけて乳酸発酵させた小麦でんぷんを蒸して作ったもので、ほのかな酸味と強い弾力が特徴的。黒蜜ときな粉をたっぷり絡ませていただきます。

国産天草から煮出した寒天スイーツ

店頭に置かれた神津島（こうづしま）の天草

あんみつやところてんに使う寒天は、産地や種類の違う4種類の天草をブレンドすることで、ほどよい弾力を出しています。お店の入り口には、寒天の原料である天草の実物が置かれているのでぜひ注目してみてください。

水をかけながら天日に晒して裏返すことを1週間〜10日ほど繰り返し、赤茶色が青緑色になるように調整しているのだそう。昔ながらの寒天の作り方がよくわかる貴重な機会になりますね。

天然の着色料で求肥を色付け

「あんみつカップ」490円

お土産用の「あんみつカップ」は、寒天、あんこ、フルーツなどがセットになっています。国産天草から煮出して作った寒天はほどよい弾力があり、プルンプルンの食感が楽しめます。

求肥（ぎゅうひ）に使う着色料も天然のものにこだわっていて、ピンク色はトマト、緑色はほうれん草の天然色素で色付けしているのだそう。

親子でシェアするなら3人前セットがお得♪

「3人前あんみつセット」1,300円

家族みんなであんみつを楽しみたいときは、「あんみつセット」がおすすめです。寒天を好きな形にカットしたり、フルーツやアイスを乗せてデコレーションしたりと、“子供と一緒に作る楽しみ”が味わえます。

寒天単品でも購入できるので、自宅でオリジナルアレンジに挑戦してみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人

宇都宮薫

多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍（ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等）の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪