新島名物!珍味くさやの名店<br/>代々受け継がれてきた唯一無二の味

新島名物!珍味くさやの名店
代々受け継がれてきた唯一無二の味

池太商店
いけたしょうてん
買う
東京都新島村

白い砂浜と青い海が美しい伊豆諸島の島・新島(にいじま)。

新島港(黒根港)から車で約5分、本村(ほんそん)中央通りのほど近くに位置する「池太商店」は、新島の特産物である「くさや」の製造販売を手掛けるお店です。

くさやは、強烈なにおいと濃厚な旨味を持つ嗜好品。昨今では健康食品としても注目される発酵食品です。

本記事では、新島でくさやが作られるようになった歴史や、「池太商店」の詳しい情報、くさやの製造方法などを紹介します。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

「くさやの里」でくさやの製造加工を見学 

新島の伝統食「くさや」とは?

干している途中のくさや
干している途中のくさや

くさやとは、伊豆諸島の島々に伝わる伝統的な発酵食品のこと。起源については諸説あり、新島が発祥の地という説が有力です。

特有の香りが話題になりがちですが、数ある発酵食品のなかでも圧倒的に旨味成分を多く含む珍味で、健康食としても注目されています。

離島の厳しい暮らしから生まれた“知恵の結晶”

くさやの代名詞的存在、青ムロアジ
くさやの代名詞的存在、青ムロアジ

くさやの材料は、昔から伊豆諸島でとられていた青ムロアジやトビウオなどの魚です。

江戸時代中期の新島では、貴重な食料である魚を長く保存するため、塩水に漬け込んで干物にしていました。しかし、米がとれない新島では塩を年貢として幕府に納めていたので、塩を大量に消費するわけにはいきません。

そこで一度使った塩水に塩をつぎ足しながら繰り返し漬け込んでいくと、だんだんと塩水が発酵。独特な香りと味をもった「くさや汁」が生まれたのです。

この発酵液を使った「くさや」の一部は江戸に運ばれ、粋な江戸っ子たちにも珍味として愛されたといいます。

定番から時代のニーズに応える新商品まで多彩なくさやが並ぶ「池太商店」

メインストリートからすぐの場所にある「池太商店」
メインストリートからすぐの場所にある「池太商店」

新島では、くさやの製造元を「いさばや」と呼びます。本村中央通りのそばに店を構える「池太商店」もそのひとつで、江戸時代からくさやを作り、大正時代から商いを続けてきた老舗です。

青ムロアジ、小アジといった定番のくさやをはじめ、トビウオ、サメ、サンマなどのくさやも期間限定で製造・販売しています。

店内にディスプレイされていた食品サンプル。本物そっくり!
店内にディスプレイされていた食品サンプル。本物そっくり!

焼かずにそのまま食べられる「焼きくさや」から、魚を一週間干した昔ながらの「上干・堅干し」(じょうかん・かたぼし)まで、バリエーション豊富にそろいます。

なお「池太商店」の商品は公式サイトで注文することもでき、全国発送が可能。本場・新島のくさやを気軽に楽しめます。

伝統の味を守る若き3代目・池村遼太さん

3代目店主・池村遼太(いけむらりょうた)さん
3代目店主・池村遼太(いけむらりょうた)さん

“若き3代目”として、店を切り盛りするのが池村遼太さん。新島のいさばやのなかで最も若い店主であり、水産加工組合の副組合長として島のくさや作りを支えています。

「毎日おやつ代わりにくさやを食べて育ち、子供の頃からくさやが大好きだった」という池村さんにとって、父の後を継ぐことは自然なことだったそう。

大学では海について学び、「どんな魚でもさばけるようになりたい」と神奈川県横浜市の鮮魚店に就職。2年間みっちり腕を磨き、20代で家業を継ぎました。

「うちの食卓にはいつもちぎったくさやが置いてあったんです。それをラップでくるんで、おやつ代わりに持ち歩いていました」(池村さん)
「うちの食卓にはいつもちぎったくさやが置いてあったんです。それをラップでくるんで、おやつ代わりに持ち歩いていました」(池村さん)

「くさやは漬け方、干し方、魚の種類、季節によって味わいが変わります。昔ながらのカチカチの上干仕上げにしようとすると、新島でとれる魚でしかおいしくできないんです。不思議ですよね」(池村さん)

しかし、最近は近海で魚があまりとれなくなり、遠方から取り寄せることも多くなってきたそう。海の環境の変化にも柔軟に対応しながら、代々続く味をしっかり守り続けています。

「池太商店」の商品の一部をご紹介♪

店頭に並ぶ多彩な商品のなかから、おすすめ&人気を紹介します。

素焼きにして食べよう!定番の「開き」

(手前)「本場新島くさや 小あじ」(540円)、(奥)「本場新島くさや 地元青 中干し」(1,080円)
(手前)「本場新島くさや 小あじ」(540円)、(奥)「本場新島くさや 地元青 中干し」(1,080円)

くさやは、開きを素焼きにして食べるのが一般的です。

開きタイプは、身、皮、尾びれなど、部位によって異なる味の濃淡を楽しめるため、くさやの愛好者向き。新島の地元民はこの開きタイプを買うことが多いそうです。

手軽な「焼きくさや」は初心者におすすめ

「焼きくさや 青むろ(箱入)」(540円)
「焼きくさや 青むろ(箱入)」(540円)

くさやは焼くと強烈な香りがするため、初めて食べる人には、あらかじめ焼いてあり、そのまま食べられるタイプがお手軽。細くちぎって真空パックにしたものや、瓶詰などがあります。

みりん醤油やキムチ味などの味が付いているタイプもあるので、食べ比べてみるのもいいですね♪

そのほか、じっくり漬け込んで濃厚な味わいに仕上げた青ムロアジの2日漬けや、魚をしっかり乾燥させて極限まで水分を抜いた「幻のくさや」など、新商品も続々と登場しています。

くさや以外の人気商品も

「塩の干し物 たかべ」(1,480円)
「塩の干し物 たかべ」(1,480円)

本州ではめったに見ることができない、スズキ目の小さな高級魚・たかべの干物や、青ムロアジを使った名物たたきも人気です。

新島沖で釣れる高級魚のキンメダイや赤イカの干物が登場することもあるので、お見逃しなく!

ゲストハウス「IKETA」に泊まり、親子でくさやクッキングはいかが?

店舗の隣にあるゲストハウス「IKETA」の看板
店舗の隣にあるゲストハウス「IKETA」の看板

「池太商店」には素泊まり専用のゲストハウス「IKETA」(イケタ)が隣接しています。キッチンや洗濯機、お風呂などが自由に使えるので子連れファミリーにぴったり。

親子で、くさやを使った料理にチャレンジするのも楽しそうですね。

ぜひ、親子で新島伝統の味と香りを体験してみてください。

とりっぷノート★くさやはアレンジ豊富♪

くさやの食べ方はいろいろ。そのまま食べても良し、一味唐辛子をかけたマヨネーズにディップするのも良し。新島の子供にとって、土曜の放課後ランチは甘口カレーとくさやの組み合わせが定番だったそうですよ。

ぜひ池村さんにおすすめの食べ方を聞いてみてくださいね。(いこーよとりっぷライター・岡本ハナ)

記事を書いた人

岡本ハナ

1983年フィリピン生まれ。4児(2男2女)の母。 大学在学中に読者モデルとして活動するかたわら、web制作会社でライターアシスタントとして勤務。現在は、映画や音楽などエンタメ情報、子供関連(不妊治療、発達障がい児など)をテーマに各メディアで執筆。料理下手だが、料理人の夫に感化されて料理&食育を勉強中! 多国籍料理が好き。

スポット基本情報

  • ページの内容は、掲載時のものであり最新の情報ではない場合もあります。
    お出かけされる際は、最新の公式情報を必ずご確認下さい。
スポット名池太商店
ふりがないけたしょうてん
住所東京都新島村本村6-3-3
電話番号04992-5-0118
ゲストハウス「IKETA」の予約受付も同じ電話番号です
営業時間8:30~18:30
定休日日曜
料金青ムロアジ 中干1枚(432円)、焼きくさや3本入り(3,600円)など
アクセス【車】新島港(黒根港)から約5分
【徒歩】新島港(黒根港)から約17分
駐車場駐車場あり
公式SNS
公開日2023年03月20日/更新日2023年03月20日