東博・特別展「はにわ」は12/8まで<br/>全国の“ハニ活”体験スポット15選
更新日2024年11月27日/公開日2024年11月27日

東博・特別展「はにわ」は12/8まで
全国の“ハニ活”体験スポット15選

体験する
学びにつながる

2024~2025年は、東京・上野の「東京国立博物館」をはじめ、全国各地で埴輪に関する展覧会が目白押し。展示をきっかけに埴輪への関心が高まった親子も多いのではないでしょうか。

そこで今回おすすめしたいのが、埴輪に関するスポットを巡る“ハニ活”(埴輪活動)です。

埴輪作り体験や、埴輪が立ち並ぶ古墳などに足を運び、周辺観光とあわせて親子旅を満喫してくださいね!

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報は、公式サイトをご確認ください
※トップ画像:FUTAYAKU Camera Works / PIXTA

「埴輪」をあらためておさらい!作られた時代・目的は?

「埴輪 童女」栃木県足利市 熊野古墳群出土 東京国立博物館所蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
「埴輪 童女」栃木県足利市 熊野古墳群出土 東京国立博物館所蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

歴史の教科書にも登場し、誰もが子供の頃に親しんだ埴輪。王の墓である古墳に立てて並べられた素焼きの焼き物で、死者の魂を守り鎮めるためのものと考えられています。

3世紀後半から7世紀の古墳時代には、全国各地に古墳が築かれ、埴輪が数多く作られました。

動物・家・人物を象った形象埴輪と、円筒型の埴輪の2種類に大きく分類され、形象埴輪はその服装や髪型、持ち物、建築様式などを通じて古代人の生活を現代に伝えてくれます。

2024年は「ハニ活」が密かなブームに

「東京国立博物館」から「九州国立博物館」の特別展「はにわ」で見られる「埴輪 挂甲の武人」の5兄弟(左から)国宝「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵/重要文化財「埴輪 挂甲の武人(部分)」群馬県太田市成塚町出土 古墳時代・6世紀 群馬・公財団法人 相川考古館蔵/「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市出土 古墳時代・6世紀 アメリカ・シアトル美術館蔵/「埴輪 挂甲の武人」群馬県伊勢崎市安堀町出土 古墳時代・6世紀 千葉・国立歴史民俗博物館蔵/重要文化財「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市世良田町出土 古墳時代・6世紀 奈良・天理大学附属天理参考館蔵
「東京国立博物館」から「九州国立博物館」の特別展「はにわ」で見られる「埴輪 挂甲の武人」の5兄弟(左から)国宝「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵/重要文化財「埴輪 挂甲の武人(部分)」群馬県太田市成塚町出土 古墳時代・6世紀 群馬・公財団法人 相川考古館蔵/「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市出土 古墳時代・6世紀 アメリカ・シアトル美術館蔵/「埴輪 挂甲の武人」群馬県伊勢崎市安堀町出土 古墳時代・6世紀 千葉・国立歴史民俗博物館蔵/重要文化財「埴輪 挂甲の武人」群馬県太田市世良田町出土 古墳時代・6世紀 奈良・天理大学附属天理参考館蔵

2024年から2025年にかけて、“はにわ界隈”はお祝いムードたっぷり。

群馬県太田市から出土した「埴輪 挂甲の武人(けいこうのぶじん)」(東京国立博物館 所蔵)が国宝指定50周年を迎え、千葉県市原市の「市原歴史博物館」では、メイン展示資料である「山倉1号墳出土埴輪」の発掘調査報告書刊行から20年になりました。

なかには、貴重な埴輪と出会える展覧会をきっかけに“推し埴輪”ができたという人も。埴輪作り体験スポットや古墳、展示施設などを巡る“ハニ活”(埴輪活動)を始める親子も増えています。

ここからはそんな親子のために、埴輪愛がさらに深まるハニ活の楽しみ方とスポットご紹介していきます。

【ハニ活1】期間限定の展覧会で埴輪の魅力を発見!

「市原歴史博物館」の特別展「旅するはにわ-房総の埴輪にみる地域間交流-」より
「市原歴史博物館」の特別展「旅するはにわ-房総の埴輪にみる地域間交流-」より

まずは日本全国で開催される展覧会へ足を運んでみましょう! 

教科書でおなじみのスター埴輪や、地元で出土した貴重な埴輪を実際に見ることで、学校の授業とは異なる気づきを得られるはず。

以下の博物館などで開催されているので、ぜひチェックしてください。

●東京国立博物館(平成館 特別展示室)
所在地:東京都台東区上野公園13-9
展覧会名:挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
開催期間:2024年10月16日(水)~12月8日(日)

●東京国立近代美術館
所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
展覧会名:ハニワと土偶の近代
開催期間:2024年10月1日(火)~12月22日(日)

●埼玉県立さきたま史跡の博物館(企画展示室)
所在地:埼玉県行田市大字埼玉4834
展覧会名:企画展「古墳時代の装い-おしゃれな古代人-」
開催期間:2024年10月5日(土)~12月1日(日)

●市原歴史博物館
所在地:千葉県市原市能満1489
展覧会名:特別展「旅するはにわ-房総の埴輪にみる地域間交流-」
開催期間:2024年10月12日(土)~12月15日(日)

●群馬県立歴史博物館
所在地:群馬県高崎市綿貫町992-1 群馬の森公園内
展覧会名:古墳時代ぐんまの国宝埴輪と東博埴輪
開催期間:2024年10月22日(火)~2025年5月25日(日)※2025年2月中旬~3月末日は休館予定

●浜松市地域遺産センター
所在地:浜名湖 北岸の古墳時代
展覧会名:静岡県浜松市浜名区引佐町井伊谷616-5
開催期間:2024年10月16日(水)~2025年5月11日(日)

●松阪市文化財センター
所在地:三重県松阪市外五曲町1
展覧会名:特別展「王権と首長墓の埴輪」
開催期間:2024年10月26日(土)~12月8日(日)

●九州国立博物館
所在地:福岡県太宰府市石坂4-7-2
展覧会名:特別展「はにわ」
開催期間:2025年1月21日(火)~5月11日(日)

各イベントの詳細は下記のリンク先を参照してくださいね。

【ハニ活2】「埴輪がいる古墳」で古代にタイムスリップ!

日本全国にある古墳に足を運んでみるのもおすすめ。約16万基もの古墳のなかには、公園として整備されたスポットや古墳時代を再現した場所もあり、親子旅にぴったりです。

権力者の墓である古墳に埴輪の現物やレプリカが並び、当時の様子を体感できますよ。想像の翼を広げて、古代へのタイムトリップを楽しんでみてください♪

保渡田古墳群(群馬県高崎市)

開放的な空間でのんびり歴史探訪(画像提供:notch510 / PIXTA)
開放的な空間でのんびり歴史探訪(画像提供:notch510 / PIXTA)

群馬県高崎市保渡田~井出地区の田園地帯に点在する「八幡塚古墳」「二子山古墳」「薬師塚古墳」は、総称して「保渡田古墳群」と呼ばれています。

いずれも約1,500年前の豪族が葬られた墓で、全長100mほどの前方後円墳です。広大な二重の堀が周りを囲み、たくさんの埴輪が並べられていたことがわかっています。

古墳に並ぶ埴輪たち(画像提供:notch510 / PIXTA)
古墳に並ぶ埴輪たち(画像提供:notch510 / PIXTA)

3つの古墳のうち八幡塚古墳と二子山古墳は復元されていて、古墳に登ったり石室を見学したりしながら、体験的に学ぶことができます。

八幡塚古墳では、復元された人物・動物型の埴輪群像はもちろん、王の棺(舟形石棺)の実物を見学できるドーム施設も必見です。

■スポット概要:
所在地:群馬県高崎市保渡田町
アクセス:車:関越自動車道・前橋ICから約15分
電車:JR高崎線「高崎駅」からバスで約30分

くれふしの里 古墳公園(茨城県水戸市)

「はに丸タワー」の展望台から園内の古墳を眺めるのも貴重な体験!
「はに丸タワー」の展望台から園内の古墳を眺めるのも貴重な体験!

茨城県水戸市内原地区の北部に広がる丘陵地帯は、前方後円墳6基、帆立貝形前方後円墳1基、円墳9基が集まる県内有数の古墳密集地です。

正式名称を「牛伏(うしぶし)古墳群」といい、全16基の古墳が集まるこのエリアは「くれふしの里 古墳公園」として整備されています。

たくさんの古墳が並んでいるわけではありませんが、園のシンボル「はに丸タワー」は存在感抜群。日本一巨大な埴輪ともいわれ、屋上は展望台から園内の古墳や朝房山、筑波山などを一望できます。

■スポット概要:
所在地: 茨城県水戸市牛伏町201-2
アクセス:車:常磐自動車道・水戸ICから約10分
電車:JR常磐線「内原駅」からタクシーで約10分

恵解山古墳公園(京都府長岡京市)

円筒埴輪がずらり(画像提供:一球 / PIXTA)
円筒埴輪がずらり(画像提供:一球 / PIXTA)

京都府長岡京市にある国指定史跡「恵解山古墳」は全長130mの前方後円墳。周辺は公園として整備され、古墳が造られた5世紀前半の姿が復元されており、約650点の埴輪が並べられています。

阪急京都本線「西山天王山駅」からは徒歩で約14分、JR東海道本線「長岡京駅」からも徒歩約17分でアクセスでき、休園日はなく無料で見学できるので、気軽におでかけしてみてください。

■スポット概要:
所在地:京都府長岡京市勝竜寺30
アクセス:電車:①阪急京都本線「西山天王山駅」から徒歩で約14分 ②JR東海道本線「長岡京駅」から徒歩で約17分

今城塚古墳公園(大阪府高槻市)

「今城塚古墳」の埴輪(レプリカ)(画像提供:teraken / PIXTA)
「今城塚古墳」の埴輪(レプリカ)(画像提供:teraken / PIXTA)

大阪府高槻市の「今城塚古墳」に整備された公園。この古墳は淀川流域で最大級の大きさを誇る前方後円墳です。

「今城塚古墳」の埴輪(レプリカ)(画像提供:FUTAYAKU Camera Works / PIXTA)
「今城塚古墳」の埴輪(レプリカ)(画像提供:FUTAYAKU Camera Works / PIXTA)

一番の見どころは、200体以上の埴輪が並ぶ「埴輪祭祀場」。人物、動物、家などの形象埴輪が整然と並び、まるで大王を称えるお祭りのようです。

広々とした芝生広場もあり、親子で歴史にふれながらのんびり過ごせます。

■スポット概要:
所在地:大阪府高槻市郡家新町48-8
アクセス:電車:JR東海道本線「摂津富田駅」から市営バス「南平経由奈佐原」行きに乗車、「今城塚古墳前」バス停で下車

【ハニ活3】自分で埴輪を作ってみよう!

埴輪を手作りできる体験施設もおすすめ。小さな子供も、工作気分で楽しめます。実際に自分で作ってみると、古墳時代の人々をグンと身近に感じられますよ。

行田市はにわの館(埼玉県行田市)

どんな埴輪ができるかな?
どんな埴輪ができるかな?

「さきたま古墳公園」の中にあり、「埼玉(さきたま)古墳群」に囲まれた「はにわの館」は、自分だけの埴輪を作れるスポットです。

指導スタッフがアドバイスしてくれるので、子供も安心して挑戦できますよ。所要時間は1時間30分から2時間ほど。約1カ月乾燥させてから、館内の窯で焼き上げれば完成です。

料金は粘土の重さによって異なります。混雑状況によっては当日受付できない場合がありますので、事前の電話予約がおすすめです。

■スポット概要:
所在地:埼玉県行田市埼玉5239-2
アクセス:車:東北自動車道・羽生ICから約28分

上毛野はにわの里公園 はにわ工房(群馬県高崎市)

古墳に並べる円筒埴輪を作ります(画像提供:mr.アルプ / PIXTA)
古墳に並べる円筒埴輪を作ります(画像提供:mr.アルプ / PIXTA)

前出の「保渡田古墳群」を含むエリア一帯は、「上毛野はにわの里公園」として整備され、「かみつけの里博物館」や「土屋文明記念文学館」といった多彩な施設を併設しています。

なかでも「はにわ工房」では、年に2回ほど八幡塚古墳に設置する円筒埴輪作りを実施。自分の作った埴輪が古墳に並ぶなんて、なんだかロマンを感じますね♪

次回は2025年2月を予定しているそうですが、詳細は未定です。「かみつけの里博物館」や市の広報サイト等で募集の告知が行われるので、チェックしてみてください。

■スポット概要:
所在地:群馬県高崎市井出町
アクセス:電車:JR「高崎駅」西口からぐるりんバス「大八木線北高先回り」に乗車(約35分)、「かみつけの里博物館」バス停で下車

体感!しだみ古墳群ミュージアム SHIDAMU(愛知県名古屋市)

施設外観(画像提供:Rise / PIXTA)
施設外観(画像提供:Rise / PIXTA)

「体感!しだみ古墳群ミュージアム SHIDAMU(シダミュー)」は、「志段味(しだみ)古墳群」を3種類のコースに分けて巡る古墳ガイドツアーと、古代体験ができる体験活動室、出土品などの展示室からなる体験型の博物館。

古墳時代を総合的に体感できるスポットです。

古墳ガイドツアーもおすすめ(画像提供:T-Urasima / PIXTA)
古墳ガイドツアーもおすすめ(画像提供:T-Urasima / PIXTA)


体験活動室は日替わりの体験プログラムが魅力。毎週火・水曜、第2・4土曜、日曜・祝日に埴輪作り体験が行われています。

扱いやすい粘土を使用し、「志段味古墳群」の埴輪を模した手乗りサイズの円筒埴輪・巫女型埴輪などを作ります。

■スポット概要:
所在地:愛知県名古屋市守山区上志段味字前山1367
アクセス:車:東名高速道路・守山スマートICから約10分
電車:JR中央本線、愛知環状鉄道「高蔵寺駅」から徒歩で約24分

古墳時代の歴史や文化を体感できる埴輪スポットをご紹介しました。古代人のたくましさや可愛らしさを身近に感じながら、親子のおでかけを満喫してくださいね。

記事を書いた人

雨宮あかり

「いこーよとりっぷ」エディター/食べること・飲むこと・音楽が大好きなママ編集者。世界中の音楽フェスを体験すること&ベルギービールの醸造所めぐりが夢です♪ 特技はアロマセラピートリートメントです。

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