2025大河ドラマ「べらぼう」で注目<br/>東京都内の浮世絵展&イベント11選
更新日2025年01月06日/公開日2024年12月26日

2025大河ドラマ「べらぼう」で注目
東京都内の浮世絵展&イベント11選

体験する
芸術を楽しむ
東京都品川区、東京都渋谷区、ほか

2025年1月5日(日)から放送が始まるNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の影響もあり、日本は空前の浮世絵ブームに突入! 趣向を凝らした浮世絵展や関連イベントが多数企画されています。

そこで今回は、2025年に東京都内で開催される、親子におすすめの浮世絵イベント&展覧会をご紹介。

浮世絵の魅力にハマること間違いなしのイベントぞろいなので、ぜひ足を運んでみてください。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

目次

【2025】全国の浮世絵イベント&展覧会

浮世絵とは?簡単におさらい!

神奈川県大磯町の「延台寺」に祀られている虎子石(虎御石/とらこいし)から生まれたキャラクターがチャーミング!「東海道五十三次内  大磯  をだハらへ四り」 歌川国芳 太田美術館蔵 ※常設展示ではありません
神奈川県大磯町の「延台寺」に祀られている虎子石(虎御石/とらこいし)から生まれたキャラクターがチャーミング!「東海道五十三次内 大磯 をだハらへ四り」 歌川国芳 太田美術館蔵 ※常設展示ではありません

「浮世絵」は江戸時代に成立・発展した絵画様式のひとつ。その歴史は、16世紀の京都で庶民の暮らしを描いた絵として始まったといわれています。

江戸時代になると大衆向けの読み物が流行し、挿絵を描いていた浮世絵師たちが人気に。さらに版画技術の進歩でカラーの絵を大量に作ることが可能になり、浮世絵は大衆文化として花開きました。

「浮世」の語源は「憂世」?“江戸の今”を描いた浮世絵

現在も賑わう観光名所の江戸時代の様子がわかります。「神田明神」歌川広重画/出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」(https://www.ndl.go.jp/landmarks/) 
現在も賑わう観光名所の江戸時代の様子がわかります。「神田明神」歌川広重画/出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」(https://www.ndl.go.jp/landmarks/) 

「浮世」とは「現世」を表す言葉。一説によると「憂世」が語源だといわれ、“はかなくつらいこの世をいっそ楽しく生きよう”という意味があると考えられています。

江戸の浮世絵師たちは、人気役者や美しい女性、時代の流行や関心ごと、社会情勢などを題材にし、「今のこの世」を表現しました。

江戸を代表する浮世絵師&名プロデューサーをチェック!

今回の浮世絵ブームを牽引する蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう/通称・蔦重)と、国内外で評価が高い浮世絵師たちをご紹介。お気に入りの絵師を見つけたら、ぜひ浮世絵展に足を運んでみましょう!

菱川師宣:「見返り美人図」で有名な“浮世絵の祖”

「見返り美人図」菱川師宣筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
「見返り美人図」菱川師宣筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

菱川師宣(ひしかわもろのぶ)は江戸時代初期に活躍した浮世絵師。繊細な色使いとしなやかな曲線で描かれた肉筆画「見返り美人図」などが有名で、“師宣の美女こそ江戸女”と称賛されました。

師宣は、それまで古典や物語などの挿絵で使われていた版画を1枚の絵画として魅力ある作品へ進化させ、木版画で大量生産し大衆化させることに成功。

庶民が絵を所有する喜びを味わえるようになると、絵の題材も彼らが生きる「今のこの世」へと変化していきます。師宣はさまざまな階層の人々が生きる姿を鮮やかに描き、“浮世絵の祖”と呼ばれています。

葛飾北斎:自ら“画狂老人”と名乗った浮世絵界の巨匠

「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 葛飾北斎 1826–1836年 シカゴ美術館所蔵(www.artic.edu)
「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 葛飾北斎 1826–1836年 シカゴ美術館所蔵(www.artic.edu)

葛飾北斎(かつしかほくさい)は「冨嶽三十六景」などで知られる天才絵師。その大胆で斬新な作風は、国内はもちろん海外でも広く愛されています。

老いてもなお勢力的に、90歳で人生の幕を閉じるまで絵を描き続け、自ら“画狂老人”と名乗った浮世絵界の巨匠です。

喜多川歌麿:「美人画」の第一人者

美人画を得意とした歌麿が全盛期に吉原の遊女を描いたシリーズより。「當時全盛美人揃い・玉屋内小紫、こてふ、はる次」喜多川歌麿筆 1794年(寛政6年) 東京国立博物館蔵東京国立博物館蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
美人画を得意とした歌麿が全盛期に吉原の遊女を描いたシリーズより。「當時全盛美人揃い・玉屋内小紫、こてふ、はる次」喜多川歌麿筆 1794年(寛政6年) 東京国立博物館蔵東京国立博物館蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

江戸の名だたる美女たちを描いた「美人画」の第一人者として名高い喜多川歌麿(きたがわうたまろ)。

その繊細で美しい画風は多くの人々を魅了し、蔦屋重三郎との出会いにより不動の人気を得ました。

東洲斎写楽:「大首絵」で華々しくデビューした謎の絵師

重要文化財「市川鰕蔵の竹村定之進」東洲斎写楽 1794年(寛政6年) 東京国立博物館蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)
重要文化財「市川鰕蔵の竹村定之進」東洲斎写楽 1794年(寛政6年) 東京国立博物館蔵/出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

蔦屋重三郎のプロデュースにより、彗星のように現れ一世を風靡した東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)。

歌舞伎役者の半身像を描いた「大首絵」28図を一挙に出版したのち、140数点におよぶ浮世絵を世に送り出して姿を消しました。その正体は今も謎に包まれています。

歌川広重(初代):モネやゴッホにも愛された風景画の巨匠

「東海道五十三次 赤坂」歌川広重 1832–1847年 シカゴ美術館所蔵(www.artic.edu)
「東海道五十三次 赤坂」歌川広重 1832–1847年 シカゴ美術館所蔵(www.artic.edu)

歌川広重(うたがわひろしげ)は江戸時代後期を代表する浮世絵師です。

代表作は、江戸から京都までの宿場町の風景を描いた作品群「東海道五十三次」( とうかいどうごじゅうさんつぎ )。その画風は、日本国内だけでなく西洋芸術にも影響を与えてきました。

初期の頃は美人画、武者絵、おもちゃ絵、役者絵や挿絵などを手掛け、天保年間(1830~44年)に風景画で人気になりました。広重の風景画には海や湖、川などが頻繁に描かれ、その青色の美しさは“広重ブルー”と称されています。

歌川国芳:奇想天外なアイディアで大活躍!

歌川国芳の描いた妖怪は化け猫、海坊主、骸骨とどれも迫力満点「東海道五十三対 桑名」/出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」
歌川国芳の描いた妖怪は化け猫、海坊主、骸骨とどれも迫力満点「東海道五十三対 桑名」/出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

歌川国芳(うたがわくによし)は江戸時代末期を代表する浮世絵師で、武者絵や風景画、戯画など幅広い分野で活躍しました。

奇抜なアイデアと圧倒的な画力で浮世絵の可能性を広げ、風刺のきいた戯画で笑いを誘いました。奇想天外な作風で人々をあっと驚かせた国芳は、江戸文化を象徴するアーティストとして高く評価されています。

蔦屋重三郎:浮世絵界を牽引した“江戸のメディア王”

口上を述べる蔦屋重三郎が描かれた「箱入娘面屋人魚 3巻」京傳 作 1791年(寛政3年) 出典:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9892706
口上を述べる蔦屋重三郎が描かれた「箱入娘面屋人魚 3巻」京傳 作 1791年(寛政3年) 出典:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9892706

2025年NHK大河ドラマの主人公でもある蔦屋重三郎は、才能あふれる多くの浮世絵師を発掘して浮世絵文化の発展に大きく貢献。“江戸のメディア王”ともいえる人物です。

黄表紙や洒落本といった文芸ジャンルでも多数のヒット作を生み出した敏腕編集者であり、時流を巧みにつかんだ稀代のマーケターでもありました。

「吉原細見」(個人蔵)。 「豊橋市中央図書館」で2024年2月2日(日)まで開催中の「蔦屋重三郎と東三河の読書熱」に展示
「吉原細見」(個人蔵)。 「豊橋市中央図書館」で2024年2月2日(日)まで開催中の「蔦屋重三郎と東三河の読書熱」に展示

重三郎は1750年(寛永3年)に江戸・新吉原(現在の台東区千束付近)で誕生しました。

20代の頃、吉原大門近くに小さな本屋「耕書堂」を作り、「吉原細見」という遊郭のガイドブックがヒット。その後、同書の編集者に抜擢され、次々と話題作を打ち出すヒットメーカーになっていきます。

ちなみに、音楽・映像コンテンツのレンタルなどを行う「TSUTAYA」の名は、創業者の祖父が営んでいた家業の屋号が「蔦屋」だったことに加え、蔦屋重三郎にあやかり「現代のプロデューサーになれるように」との思いが込められているそうです。

浮世絵がもっと楽しくなる!おすすめの本

2024年後半から2025年にかけて、浮世絵関連の書籍も多数出版されています。浮世絵展におでかけしたくなる&浮世絵を見るのがもっと楽しくなる、親子におすすめの新刊をご紹介!

蔦屋重三郎~本と浮世絵で出版文化を粋に咲かせた江戸っ子~(おすすめ:小学4年生~)

「蔦屋重三郎~本と浮世絵で出版文化を粋に咲かせた江戸っ子~」まんが:ちさかあや/監修:大石学( Gakken)定価:1,320円
「蔦屋重三郎~本と浮世絵で出版文化を粋に咲かせた江戸っ子~」まんが:ちさかあや/監修:大石学( Gakken)定価:1,320円

学研まんが 日本と世界の伝記シリーズの新刊。困難に負けず、人と人との繋がりを大切にして夢を追い求めた江戸の敏腕プロデューサー・蔦屋重三郎の一生をドラマチックなまんがで紹介。

東洲斎写楽、喜多川歌麿、葛飾北斎、滝沢(曲亭)馬琴など、重三郎が見出した浮世絵師・作家たちも、個性豊かなキャラクターとして描かれています。

NHKテキスト「3か月でマスターする 江戸時代」(おすすめ:中学生~)

NHKテキスト「3か月でマスターする 江戸時代」(NHK出版)定価:1,760円
NHKテキスト「3か月でマスターする 江戸時代」(NHK出版)定価:1,760円

2024年4月にEテレで始まった教育番組「3か月でマスターする」シリーズの第4弾は「江戸時代」。テキスト+番組の両面から、最新研究による新説を交え、江戸時代の通史をわかりやすく解説してくれます。

もちろん江戸が舞台の「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に関する特別企画も掲載され、浮世絵の黄金時代について理解が深まります。

大人の学び直しはもちろん、中学生以上の日本史学習にも役立つはず。大人向けのテキストですが、多くの漢字に読み仮名がふられていて構成もわかりやすいので、小学生の子供もママパパと一緒なら楽しく学べそうです。

「大江戸花形絵師競 おもしろすぎる!浮世絵案内」(おすすめ:中学生~)

「大江戸花形絵師競 おもしろすぎる!浮世絵案内」著者:堀口茉純(山川出版社)定価:2,200円
「大江戸花形絵師競 おもしろすぎる!浮世絵案内」著者:堀口茉純(山川出版社)定価:2,200円

天才浮世絵師たちの知られざる素顔を、江戸風俗研究家の堀口茉純さんが文章とイラストで楽しく解説。

絵師の元祖・菱川師宣から、“最後の浮世絵師”月岡芳年(つきおかよしとし)まで、個性豊かな16人の浮世絵師たちと、出版プロデューサー・蔦屋重三郎の熱き人生を紐解きます。

彼らの生い立ち、師匠との出会い、ライバルとの闘い、そして成功と挫折…。浮世絵師たちの波乱万丈な人生は、まさにドラマそのものです。

2025年のおすすめ浮世絵展&関連イベント11選

ここからは、2025年注目の浮世絵展&関連イベントをご紹介します!

1.【品川区】動き出す浮世絵展/寺田倉庫 G1ビル(2024年12月21日~2025年 3月31日)

葛飾北斎の作品の中に迷い込んだ気分!
葛飾北斎の作品の中に迷い込んだ気分!

2024年12月21日(土)から、東京・天王洲の「寺田倉庫 G1ビル」で開催されている「動き出す浮世絵展 TOKYO」は、浮世絵の世界に没入できる話題の体感型デジタルアートミュージアム。

葛飾北斎や東洲斎写楽など世界的な浮世絵師の作品300点以上をもとに、3DCGアニメーションやプロジェクションマッピングを駆使したデジタルアートが躍動する、イマーシブ(没入感のある)展覧会です。

北斎、国芳、歌麿、写楽らの人気作が最新技術で動き出す!

世界から「ジャパン・ブルー」と称賛される藍色の世界に没入
世界から「ジャパン・ブルー」と称賛される藍色の世界に没入

約10のエリアに分かれた立体映像空間では、葛飾北斎や喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川国芳といった江戸を代表する浮世絵師たちの作品が最新技術で動き出します。

すべての展示が撮影OKなのもポイント。幻想的な浮世絵の世界で、フォトジェニックな写真や動画撮影を楽しみましょう♪

浮世絵の歴史や江戸の文化も学べる

小さな子供が楽しめる仕掛けも
小さな子供が楽しめる仕掛けも

デジタル展示だけでなく、江戸時代に刷られた貴重な浮世絵や復刻版も展示され、浮世絵の歴史や江戸の文化についても学べる注目のイベント。

これまでに名古屋、イタリア・ミラノ、鹿児島で開催され、累計15万人以上を魅了した必見のアート展を、親子で体験してみませんか?

■イベント概要
会場:寺田倉庫 G1ビル (東京都品川区東品川2-6-4)
開催期間:2024年12月21日(土)~2025年 3月31日(月)
開館時間:9:30〜20:00(最終入場19:30)
休館日:年末年始(12月31日、1月1 日)
料金(当日券):一般2,700円、高校~大学・専門学校生1,900円、4歳~中学生1,200円

2.【渋谷区】江戸メシ/太田記念美術館(2025 年1月5日~ 26日)

「縞揃女弁慶 松の鮨」歌川国芳 太田記念美術館蔵
「縞揃女弁慶 松の鮨」歌川国芳 太田記念美術館蔵

日本の食文化が大きく発展した江戸時代。味噌や醤油、酢といった調味料が広く流通し、寿司や蕎麦、天ぷらなどが人気に。人々は自宅で気ままに食事を楽しむだけでなく、料亭や屋台にでかけて舌鼓を打つようになりました。

庶民たちの暮らしを題材とする浮世絵には、さまざまな食材や料理、食事の様子などが数多く描かれています。

本展では、葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳といった人気絵師たちの作品など約 90 点の浮世絵を通して、現代の食文化にもつながる「江戸メシ」の魅力を知ることができます。

江戸の三大ファストフードは「寿司」「蕎麦」「天ぷら」

お客さんが猫なのが面白いですね♪「志ん板猫のそばや」四代歌川国政 太田記念美術館蔵
お客さんが猫なのが面白いですね♪「志ん板猫のそばや」四代歌川国政 太田記念美術館蔵

浮世絵には、さまざまな料理や食材、調味料など多彩な江戸メシが描かれています。

江戸時代がルーツといわれる寿司、蕎麦、天ぷらは、庶民たちが手軽に味わえる“ファストフード”のような存在でした。

北斎、広重、国芳~人気絵師たちが描いた江戸メシに注目!

「鯛 鯉 鰹」歌川広重  太田記念美術館蔵
「鯛 鯉 鰹」歌川広重  太田記念美術館蔵

歌川広重や葛飾北斎は風景画、歌川国芳は戯画や武者絵で有名ですが、じつは江戸っ子たちの暮らしを描くことも得意でした。

人気浮世絵師による江戸メシの描き方は、彼らの代表作とは異なる魅力があります。ぜひじっくり鑑賞してみてくださいね。

■イベント概要
会場:太田記念美術館(東京都渋谷区神宮前1-10-10)
開催期間:2025年1月5日(日)~26日(日)
開館時間:10:30~17:30(最終入館は17:00)
休館日:公式サイトのカレンダー参照
料金:一般1,000円、高校・大学生700円、中学生以下無料

3.【渋谷区】生誕190年記念 豊原国周/太田記念美術館(2025年2月1日~3月26日)

同じく「太田記念美術館」では、2025年2月1日(土)から3月26日(水)まで、幕末から明治時代にかけて活躍した浮世絵師・豊原国周(とよはらくにちか)の生誕190年を記念した展覧会が開催されます。

大迫力の役者絵と繊細で優美な美人画で人気を博した国周。その作品を、前・後期に分けて約210点も展示する過去最大級の回顧展です。

「きられ与三郎 薪水」豊原国周 太田記念美術館蔵 ※前期展示
「きられ与三郎 薪水」豊原国周 太田記念美術館蔵 ※前期展示

代表作の役者絵「具足屋版役者大首絵」シリーズや、晩年の逸品「墨堤観花図」、初公開の肉筆美人画「遊女とほととぎす」 など、ジャンルや時代に偏りなくセレクトされており、国周の多彩な作品を堪能できます。

波乱に満ちた国周のエピソードにも注目!

「歌舞伎座中満久 皿屋鋪化粧姿鏡」豊原国周 太田記念美術館蔵 ※後期展示
「歌舞伎座中満久 皿屋鋪化粧姿鏡」豊原国周 太田記念美術館蔵 ※後期展示

国周の人間味あふれるエピソードもパネル等で紹介。豪快な性格で知られる国周は、酒の席での大喧嘩をしたり、破産宣告を受けたりと波乱万丈な人生を歩みました。

また、葛飾北斎を引き合いに出して「引っ越しでは負けない」と豪語したほどの転居好きで、一説によると117回も引っ越しをしたのだとか。個性あふれる人物像にも注目してみてくださいね。

■イベント概要
会場:太田記念美術館(東京都渋谷区神宮前1-10-10)
開催期間:2025年2月1日(土)~3月26日(水)
【前期】2025年2月1日(土)~24日(月・祝)
【後期】2025年3月1日(土)~26日(水)※前後期で全点展示替え
開館時間:10:30~17:30(最終入館は17:00)
休館日:公式サイトのカレンダー参照
料金:一般1,200円、高校・大学生800円、中学生以下無料

4.【渋谷区】HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO/東急プラザ渋谷(2025年2月1日~6月1日)

2025年2月1日(土)~6月1日(日)まで、渋谷区の東急プラザで開催される「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」は、葛飾北斎が描いた世界観を次世代技術で再現する、没入感たっぷりの体験型展覧会。

日本が誇る文化資源を最新技術で再構築し、世界中の人たちに体験してもらう「ANOTHER STORY」シリーズの第1弾です。

最先端アートを親子で体験!

同展では、「山梨県立博物館」の所蔵作品を特許技術DTIPによりデジタル化した、超高精細なイメージデータを使用。

新千円札の参考元絵として採用された「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をはじめ、浮世絵が描かれた和紙の繊維まで再現されたリアルな質感が見どころです。

江戸の浮世を全身で感じる新感覚のアート

会場では、誰もが一度は見たことがある北斎の作品が、ソニーの高精細LEDディスプレイ「Crystal LED」に映像として映し出されます。臨場感たっぷりのリアルな映像に、圧倒されますよ。

水たまりや砂浜を歩く感覚が新鮮!
水たまりや砂浜を歩く感覚が新鮮!

また、振動で”触覚”を人工的に作り出す技術「ハプティクス」によって床が水たまりや砂浜に感じられ、北斎が見た江戸の景色を全身で感じられます。

未知の体験が盛りだくさんの未来型アート展を、ぜひ親子で楽しんでくださいね。

■イベント概要
会場:東急プラザ渋谷3階(東京都渋谷区道玄坂1-2-3)
開催期間:2025年2月1日(土)~2025年6月1日(日)
開館時間:11:00〜20:00(最終入館19:10)
休館日:東急プラザ渋谷の営業日に準じる。臨時休あり
料金:一般3,500円、高校・大学・専門生2,200円、小・中学生1,500円、未就学児無料

公式サイト

5.【墨田区】読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー/すみだ北斎美術館(2024年12月18日〜2025年3月2日)

「すみだ北斎美術館」では、2024年12月18日(水)~2025年3月2日(日)まで、「北斎も描いた江戸のカレンダー」を開催中!

現在の暦とは異なり、江戸時代に使用していた太陰太陽暦では一カ月の日数が30日(大の月)か29日(小の月)で、同じ月でも毎年日数が変わりました。

そのため、生活するうえでその年の何月が大の月か?小の月か?を知ることが重要でした。

江戸時代に大流行した「絵暦」

そこで、小さな摺物(非売品の私的な版画)に描かれた絵の中に大小の月をしのばせて、ユーモアやウィットに富んだデザインの暦が制作されるように。

これらは「絵暦」(えごよみ)と呼ばれ、江戸時代に大流行しました。

絵暦に隠された大小の月を探そう!

本展では「すみだ北斎美術館」が所蔵する絵暦を展示し、江戸時代に栄えた暦の文化の一側面を紹介。

アイデアと技法をこらした作品をじっくり鑑賞し、どこに大小の月が隠されているのか、親子で読み解いてみてください♪

■イベント概要
会場:すみだ北斎美術館 3階企画展示室(東京都墨田区亀沢 2-7-2)
開催期間:2024年12月18日(水)~3月2日(日)
【前期】2024年12月18日(水)~2025年1月26日(日) 【後期】2025年1月28日(火)~3月2日(日)
※前・後期で一部展示替えを実施
開館時間:9:30~17:30(最終入館17:00)
休館日:月曜(1月13日、2月24日は開館)、年末年始(12月29日~1月2日)、1月7・14日、2月25日
料金:一般1,000円、高校・大学生700円、中学生300円、小学生以下無料

6.【墨田区】北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで/すみだ北斎美術館(2025年3月18日~5月25日)

「冨嶽三十六景 凱風快晴」葛飾北斎 すみだ北斎美術館蔵 ※「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」で展示予定
「冨嶽三十六景 凱風快晴」葛飾北斎 すみだ北斎美術館蔵 ※「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」で展示予定

同じく「すみだ北斎美術館」では、2025年3月18日(火)~5月25日(日)まで、「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」が開催されます。

本展がフォーカスするのは、葛飾北斎を支えた「板元」たち。浮世絵の企画立案や販売を行い、絵師の起用から彫師・摺師の指揮までの重要な役割を担った、総合プロデューサーにあたる存在です。

板元の活躍&浮世絵制作の背景を紹介

「画本狂歌 山満多山」上 葛飾北斎 すみだ北斎美術館蔵 ※後期に展示
「画本狂歌 山満多山」上 葛飾北斎 すみだ北斎美術館蔵 ※後期に展示

会場では江戸時代から現代までの浮世絵の制作背景を紹介。北斎の才能を見出した蔦屋重三郎や「冨嶽三十六景」の西村屋与八、「北斎漫画」を出版した永楽屋東四郎などの活躍を知ることができます。

葛飾北斎の作品&現代アーティストによるインスパイア作品も展示

「桜に鷹」葛飾北斎 すみだ北斎美術館蔵 ※前期に展示
「桜に鷹」葛飾北斎 すみだ北斎美術館蔵 ※前期に展示

葛飾北斎の作品はもちろん、現代アーティストによる北斎インスパイア作品も展示されています。

小学生の子供にもわかりやすい内容で、伝統的な木版画がどのように受け継がれてきたかを学べる貴重な展覧会です。

展示替えも予定されているので、親子で何度も訪れて、江戸の文化を体感してみてはいかがでしょうか。

■イベント概要
会場:すみだ北斎美術館(東京都墨田区亀沢 2-7-2)
開催期間:2025年3月18日(火)~5月25日(日)
【前期】2025年3月18日(火)~4月20日(日) 【後期】4月22日(火)~5月25日(日)
※前・後期で一部展示替えを予定
開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜(祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日〜1月2日)
料金:一般1,000円、高校・大学生700円、中学生 300 円、小学生以下無料

7.【台東区】特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」/東京国立博物館(2025年4月22日~6月15日)

東京・上野の「東京国立博物館 平成館」では、2025年4月22日(火)~6月15日(日)の期間、特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を開催します。

「婦女人相十品・ポッピンを吹く娘」喜多川歌麿筆 1792~93年(寛政4~5年)頃 東京国立博物館蔵
「婦女人相十品・ポッピンを吹く娘」喜多川歌麿筆 1792~93年(寛政4~5年)頃 東京国立博物館蔵

蔦屋重三郎は遊郭や歌舞伎を背景に、狂歌師や絵師、役者、町人と縦横無尽なネットワークで娯楽や文化を融合させ、新しい価値観でコンテンツビジネスを革新し続けた人物。

本展では、江戸の風雲児・蔦屋重三郎の活動や功績をたどり、天明・寛政期(1781~1801年)を中心とした江戸の多彩な文化を紹介します。

蔦重がプロデユースした歌麿、写楽などの名作がずらり!

重要文化財「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」東洲斎写楽筆 1794年(寛政6年) 東京国立博物館蔵
重要文化財「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」東洲斎写楽筆 1794年(寛政6年) 東京国立博物館蔵

蔦屋重三郎によってその才能が開花した喜多川歌麿、東洲斎写楽といった絵師たちの作品も一挙公開。会場には“浮世絵黄金期”と呼ばれる18世紀末を代表する名品が一堂にそろいます。

大河ドラマと連携した注目のコンテンツも

2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)とタイアップし、ドラマの世界を再現した空間も出現! 江戸のまちにタイムトリップしたような空間を楽しめます。

江戸のまちや人々の暮らし、蔦屋重三郎が創り出した価値観や芸術性を体感できる注目のイベントです。

■イベント概要
会場: 東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
開催期間:2025年4月22日(火)~6月15日(日)※会期中、一部展示作品の展示替えを行います
開館時間:2024年12月現在未定
休館日:2024年12月現在未定
料金:2024年12月現在未定

8.【東京都台東区】浮世絵現代/東京国立博物館(2025年4月22日~6月15日)

「新東都名所 芝の大塔」2014山口晃(C) YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery
「新東都名所 芝の大塔」2014山口晃(C) YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery

同じく「東京国立博物館 表慶館」では、2025年4月22日(火)~6月15日(日)の期間、「浮世絵現代」を同時開催します。

職人技と現代アーティストが生み出した「現代の浮世絵」

「Chrysanthemum」 2021 James Jean
「Chrysanthemum」 2021 James Jean

本展では、木版画技術を継承する「アダチ版画研究所」が現代アーティストとコラボレーション。

江戸時代に発展した木版画技術を用い、現代のアーティストたちが「今=浮世」を表現します。世界的なトップクリエーターたちによる“現代の浮世絵”は見応え抜群です。

有名漫画家と浮世絵の技術がコラボレーション

「妖怪道五十三次 京都」 2003 水木しげる(C)水木プロダクション
「妖怪道五十三次 京都」 2003 水木しげる(C)水木プロダクション

日本の漫画・アニメの原点ともいわれる浮世絵。漫画やアニメ、浮世絵はいずれも商業作品であり、「無駄のない線や厳選された色彩で表現・印刷される」という点が共通の特徴です。

会場では、「アダチ版画研究所」が木版画として制作した、水木しげるや楳図かずお、石ノ森章太朗などの作品も展示されています。

伝統と革新によって生み出された時代を超越するアートを、ぜひ親子で楽しんでくださいね。

■イベント概要
会場: 東京国立博物館 表慶館(東京都台東区上野公園13-9)
開催期間:2025年4月22日(火)~6月15日(日)
開館時間:2024年12月現在未定
休館日:2024年12月現在未定
料金:2024年12月現在未定

9.【台東区】館外展示「出張!江戸東京博物館」/東京都美術館(2025年2月22~26日) 

「東京日本橋風景」(バナー展示)歌川芳虎 明治時代前期
「東京日本橋風景」(バナー展示)歌川芳虎 明治時代前期

2026年春(予定)まで大規模改修工事のため休館している「江戸東京博物館」(通称・江戸博)の常設展示品が、上野の「東京都美術館」で一部公開されます。

期間は2025年2月22日(土)から26日(水)まで。

「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」に分かれ全20エリアから構成される江戸博の常設展示を、コンパクトにまとめた出張展覧会で、浮世絵や写真パネルほか多彩な展示で江戸東京の歴史と文化をふりかえります。

常設展でおなじみの体験模型を展示

人力車(複製)明治時代
人力車(複製)明治時代

人力車をはじめ、千両箱や三輪車などの体験模型も展示されます。浮世絵にも描かれているモチーフを、よりリアルな姿で見ることができ、江戸の暮らしにますます興味が高まります。

特集展示「移りゆく上野の風景」

「上野山王台西郷隆盛銅像」楊斎延一 1899年(明治32年)
「上野山王台西郷隆盛銅像」楊斎延一 1899年(明治32年)

江戸時代に、徳川将軍家が信仰する「寛永寺」を中心に数多くの子院が建立された上野のまち。本展では、時代の変化とともに移り変わってきた上野の風景を、錦絵や絵葉書などから知ることができます。

歌舞伎などの伝統芸能を支える和楽器のワークショップ「歌舞伎の音 鳴り物体験」も予定されているので、ぜひチェックしてくださいね♪

■イベント概要
会場:東京都美術館 第4公募展示室/ロビー階・1階・2階(東京都台東区上野公園8-36)
開催期間:2025年2月22日(土)~26日(水)
開室時間:9:30~17:30(最新入室17:00)
休室日:なし
料金:無料
ワークショップ:2025年2月23日(日・祝)11:00~12:00/14:00~15:00
※各開始時間の30分前に、1階第4公募展示室で整理券配布

公式サイト

10.【台東区】べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館(2025年2月1日~ 2026年1月12日)

台東区民会館外観(イメージ)
台東区民会館外観(イメージ)

大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」の主人公・蔦屋重三郎ゆかりの地である台東区に、2025年2月1日(土)~ 2026年1月12日(月・祝)の期間、「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」がオープンします。

館内はドラマの概要紹介や登場人物の衣装、小道具の展示など見どころが満載です。

浮世絵関連グッズが並ぶかも!?「たいとう江戸もの市」(イメージ)
浮世絵関連グッズが並ぶかも!?「たいとう江戸もの市」(イメージ)

江戸の「市」を体感できるお土産館「たいとう江戸もの市」も併設。台東区で受け継がれてきた伝統的な産品「江戸もの」ほか、蔦重が暮らした江戸に関連する商品が並びます。

入館者が無料で乗れる循環バスも運行予定です。蔦重ゆかりの地を周遊しながら、蔦屋重三郎が暮らしたまちの文化や歴史を体感しましょう。

なお、大河ドラマ館運営事務局によると、展示・販売品の内容や周遊コースの詳細は1月31日以降に発表されるとのこと。続報をお楽しみに!

蔦重の本屋を模した「江戸新吉原耕書堂」も期間限定オープン(2025年1月18日~2026年1月12日)

「江戸新吉原耕書堂」外観(イメージ)
「江戸新吉原耕書堂」外観(イメージ)

NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の舞台である台東区・吉原エリアには、蔦屋重三郎が20代で始めた書店「耕書堂」をイメージした「江戸新吉原耕書堂」が期間限定で開店。 

吉原に特化した観光案内や、お土産品の販売を行います。

夜になるとシャッターに描かれた浮世絵が照らされ、昼間とは違う雰囲気が楽しめますよ。

■所在地:台東区千束4-24-12

■イベント概要
会場:台東区民会館9階(東京都台東区花川戸2-6-5)
開催期間:2025年2月1日(土)~ 2026年1月12日(月・祝)
開館時間:9:30~17:00(最新入室16:30)
休館日:毎月第2月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始など
料金:中学生以上800円、小学生400円、未就学児無料

公式サイト

11.【港区】オープニング企画「はじまりの美学」3期 初化粧/ポーラ文化研究所 化粧文化ギャラリー(2024年12月19日~2025年3月28日)

「江戸名所百人美女 芝神明前」三代歌川豊国、歌川国久(こま絵)1858年(安政5年)※後期に展示
「江戸名所百人美女 芝神明前」三代歌川豊国、歌川国久(こま絵)1858年(安政5年)※後期に展示

ポーラ文化研究所の「化粧文化ギャラリー」で、2025年3月28日(金)まで開催中の「初化粧」展は、江戸時代の通過儀礼としての化粧に焦点を当てた展示会。

未婚から既婚へ、成人や出産といったライフステージの変化に続いて行われた「初化粧」をテーマに、特に「剃り眉」と「丸髷」(まるまげ)といった、既婚女性の象徴的なよそおいに注目します。

結髪雛形「丸髷」江戸時代末-明治時代
結髪雛形「丸髷」江戸時代末-明治時代

会場では、三代歌川豊国(別称・歌川国貞、五渡亭国貞)などの浮世絵を前・後期に分けて3点ずつ展示。さらに、江戸時代後期の眉づくり道具や、再現した「結髪雛形」(けっぱつひながた)も公開します。

「当勢三十二想 あたたまり相」国周 1869年 ※後期に展示
「当勢三十二想 あたたまり相」国周 1869年 ※後期に展示

「結婚したら眉を剃る」という化粧のしきたりを通じて江戸女性たちの揺れる心情を想像し、化粧が持つ社会的な意味を感じられる展覧会。

メイクに興味を持ち始めた子供と一緒に、おでかけしてみませんか?

■イベント概要
会場:ポーラ文化研究所 化粧文化ギャラリー(東京都港区南青山2-5-17 ポーラ青山ビルディング1F)
開催期間:2024年12月19日(木)~2025年3月28日(金)
【前期】2024年12月19日(木)~2025年2月7日(金) 【後期】2月13日(木)~3月28日(金)
※浮世絵は前後期で全点入れ替え
開室日時:木・金曜11:00~17:00(最終入室16:30)
休室日:2025年1月2日、1月3日、3月20日
料金:無料

公式サイト

江戸の庶民に愛された浮世絵は、アート初心者でも親しみやすい作品がいっぱい。2025年は、親子でたくさんの浮世絵展&関連イベントにおでかけしてみてください♪

記事を書いた人

雨宮あかり

「いこーよとりっぷ」エディター/食べること・飲むこと・音楽が大好きなママ編集者。世界中の音楽フェスを体験すること&ベルギービールの醸造所めぐりが夢です♪ 特技はアロマセラピートリートメントです。

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