
なぜ!?飯田焼肉大使・ニッチローに聞く飯田の焼肉文化と人気の理由
日本人の国民食といっても過言ではない焼肉。日本でもっとも焼肉店舗数が多いのは、長野県飯田(いいだ)市だと知っていますか?
独自の焼肉文化を育む同市で、2018年から「飯田焼肉大使」として活躍する、ものまね芸人のニッチローさんに飯田市の焼肉文化や飯田焼肉の魅力、楽しみ方を聞きました。
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
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うわさは本当だった!? 飯田市独自の焼肉文化

今や、焼肉のまちといわれている長野県飯田市。ですが、なぜ飯田市で焼肉文化が育まれたのでしょうか。その始まりは昭和20年代ごろだったそう。
「当時、ダムや発電所を建設するために朝鮮半島からも労働者が集まっていました。彼らが仕事が終わったあとに一斗缶に炭を入れて肉を焼いて食べていたのが広まって、徐々に焼肉店ができていったようです」(ニッチローさん)
その後、平成初期になると焼肉店が開業ラッシュを迎え、2015年(平成27年)に「南信州牛ブランド推進協議会」の調査で人口1万人あたりの焼肉店舗数が日本一ということが判明しました。
人口1万人あたりでみると、飯田市はコンビニやガソリンスタンドよりも焼肉店のほうが多いそう。
「たしかに焼肉店の数は多く、おいしい店も多いですが、飯田では焼肉は店で食べる特別な食事というわけではなくて、子供のころから家でもどこでも食べる身近なものでした」(ニッチローさん)
【飯田焼肉】4つの“ここがすごい!”
さらに詳しくお話を聞いてみると、焼肉店の数だけではなく、ほかの地域にはないさまざまな焼肉文化が根づいていることが分かりました。
【ここがスゴイ1】“マイ鉄板”“マイたれ”が当たり前

飯田市に限らず、自宅で家族や友人と焼肉をすることは珍しくありません。ただ、飯田市の場合は、アイテムが一味違います。
「家庭ごとに、好みの厚さや大きさで作られた“マイ鉄板”があります。あと、焼肉のタレの味も家ごとに違います。使用する調味料は、りんご、しょうゆ、みりん、にんにく、とうがらしなどを使うことが多いですが、家ごとにたれのレシピが違いますね」(ニッチローさん)
さらに、マイ鉄板で焼くときは炭やガスバーナーを使うため、家庭用グリルなどで焼くよりも煙がモクモクします。そのため焼肉をする場所は、家の中よりも自宅の駐車場などが多いとのこと。都心のように、近所から焼肉の煙にクレームがくることもありません。
【ここがスゴイ2】マトンや黒モツ、ジビエなど何でもあり!?

飯田焼肉は家で食べる場合でもいろんな種類のお肉を楽しむものなのだそう。
「飯田焼肉で食べる部位は、牛カルビやロースなどの定番のお肉だけではありません。家でよく食べるのは、マトンやラム、豚肉ですね。ほかにも、東京ではあまり見かけない黒モツ、豚のカシラ(こめかみ)も定番。鹿肉や熊肉などジビエも食べますね。
食べる順番も東京の焼肉のように、『牛タンから始めて…』というようなお作法はなく、いろんなお肉をまとめて焼いちゃう豪快な感じです」(ニッチローさん)
【ここがスゴイ3】「出前焼肉」サービスは当たり前

飯田市では、肉を買うのは、スーパーではなく精肉店なのが当たり前。家ごとに行きつけの精肉店があるそうです。しかも、飯田市内の精肉店で入手できるのは肉だけではありません。
「飯田市内の精肉店のなかには『出前焼肉』を行っている店があります」(ニッチローさん)
「出前焼肉」とは、肉を頼むと無料で鉄板、バーナー、タレ、お皿、割りばしなどが貸してもらえるサービスのこと。昭和50年代に始まったサービスで、飯田市では当たり前の文化なのだそう。
【ここがスゴイ4】同窓会、お花見…人が集まるときは焼肉

飯田市では、同窓会やお花見でも焼肉というのが当たり前なのだそう。
「ほかにも、学校で子供会のあとに校庭で焼肉をすることもありますし、人が集まるときは焼肉をするのが自然なこと。飯田市の人にとって焼肉は、コミュニケーションツールのひとつであり、みんなで鉄板を囲んで楽しく話して、笑って、人と仲良くなるためのものなんだと思います」(ニッチローさん)
飯田の焼肉文化を楽しめる店3選
飯田焼肉を楽しめるお店は多数ありますが、そのなかから飯田焼肉らしさを感じるお店をピックアップしてご紹介します。
丸三精肉店/炭火焼肉 丸三(長野県飯田市)

1948年(昭和23年)創業の「丸三精肉店」。南信州牛の良質なお肉を低価格で提供してくれる人気店で、飯田市で最初に出前焼肉を始めた店といわれています。
隣接する焼肉店「炭火焼肉 丸三」では、黒モツをはじめとした飯田焼肉ならではの肉を楽しめます。
■丸三精肉店/炭火焼肉 丸三
営業時間:丸三精肉店9:00~19:00/炭火焼肉 丸三17:00~22:00(21:30LO)
定休日:水曜
住所:長野県飯田市白山町2-1-2
肉のスズキヤ(長野県飯田市)

飯田市内の遠山郷エリアは、昔から山肉(やまにく/野生の鹿、猪、熊、うさぎなどの肉のこと)が食べられてきた地域です。同地域の精肉店「肉のスズキヤ」は、マトンや山肉を秘伝のジンギスだれで味付けした「遠山ジンギス」を販売しており、飯田市内で広く親しまれています。
通信販売も行っていて、全国で飯田焼肉のジビエを楽しめます!
■肉のスズキヤ
営業時間:8:00~17:00
定休日:日曜
住所:長野県飯田市南信濃和田1348
SUZURO(東京都世田谷区)

ニッチローさんが“監督”を務める「SUZURO」(スズロー)は、黒モツや豚のカシラもメニューに並ぶ、東京にいながら飯田焼肉を食べられるお店です。
特注で作られたすずりのような形状の鉄板は、タレの部分に肉汁や油が流れていき、食べ進めるほどにタレがおいしくなっていきます。飯田市の焼肉シーンのように、みんなで一緒にタレを育てる一体感で仲間との絆を深めながら焼肉を楽しみましょう!
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■SUZURO
営業時間:17:00~23:30
定休日:不定休
アクセス:小田急小田原線、京王井の頭線「下北沢駅」中央口から徒歩3分
知るほどに奥深くて食べたくなる飯田焼肉。現地へ食べに行くのはもちろん、自宅でもぜひ飯田焼肉で家族や友人との絆を深めてくださいね。
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プロフィール

1978年生まれ、長野県飯田市出身。イチロー選手のものまねを得意とする芸人として活躍するかたわら、自称“プロ焼肉選手”として下北沢の焼肉店「SUZURO」で監督を務める。さらに、自身監修の焼肉タレの発売するほか、2018年から「飯田焼肉大使」として飯田の食文化や地域の魅力を全国に発信中。
記事を書いた人

浜田彩
いこーよとりっぷ編集部員/好奇心の赴くままに生きる娘2人のママ。大人も子供も楽しめて、おトク感があるおでかけ場所の情報収集中! 郷土料理や地酒、二次元が好き。限定ものにとことん弱い。
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