東京から1時間!逗子・小坪漁港へ
親子で初めての「釣り船」体験レポ
神奈川県逗子市にある「小坪漁港」は都内から車で約1時間、公共交通機関で約80分とアクセスしやすく、波も比較的穏やかで釣りデビューにぴったりのスポットです。
今回は釣り初心者の私、いこーよとりっぷライターの宇都宮薫と子供たちが、釣り好きなお友だち親子と一緒に、船釣りにチャレンジした様子をレポートします。
※撮影時のみマスクをはずしています
【撮影】根津理恵子、いこーよとりっぷ編集部
船釣りに挑戦したのは
船釣り初体験の小学3年生と6年生の姉妹。そして小学5年生の釣り好きなお友だち親子も一緒に、釣り船「たつ丸」に乗って逗子の海に繰り出します!
初めての船釣りにやる気満々の子供たち。「今夜の夕飯はお刺身だね!」と目を輝かせて張り切っていました。
「小坪漁港」とは?
京急逗子線「逗子・葉山駅」からバスで約20分の場所にある小坪漁港。鎌倉時代から続く歴史ある漁港で、引き網によるシラス漁や刺し網漁などが盛んです。
漁港敷地内にある小坪漁業恊同組合の事務所にはトイレや更衣室も備わっており、乗船前の準備はこちらで済ませることができます。
当日の持ち物&服装は?
釣りに必要な道具すらわからない初心者の私。
小坪漁港で漁業を営み、貸し切りの船釣り体験を提供している「たつ丸」さんでは、釣具類をすべてレンタルでき、手ぶらでもOKなのが助かります。ただし釣れた魚を持ち帰るためのクーラーボックスだけはお忘れなく。
服装は、水しぶきで濡れることを考慮して撥水性のある素材の長袖がおすすめです。レインコートを着ておくのもいいでしょう。取材時は1月下旬の寒い季節だったので、インナーを何枚も重ね着してしっかり防寒対策をしていきました。
■持ち物&服装
クーラーボックス、濡れても良い服装(夏でも長袖)、スニーカーや長靴(ヒールや滑りやすい靴はNG)、雨具、帽子、着替え、酔い止め薬など
※料金に含まれるもの(「たつ丸」の場合)
釣竿、釣りエサ、仕掛け、ライフジャケット
ライフジャケットを着用して体験スタート
子供と一緒に船に乗るにあたって、特に気になるのが安全面ですよね。
船釣りの際のライフジャケット着用は法律で義務化されており、小坪漁協の釣り船には安全基準への適合を確認したライフジャケットが用意されています。乗船前に必ずライフジャケットを着用しましょう。
いざ、「たつ丸」に乗船!
「たつ丸」の船長で漁師の一柳道男さんと、そのお弟子さん・市川潤弥さんにご挨拶していざ乗船。
釣りが楽しみなのはもちろん、子供たちにとっては船に乗って海に出る体験そのものが大冒険! 船に足を踏み入れた瞬間からパァーッと笑顔が溢れ出し、ワクワクする気持ちが隠しきれないようでした。
釣り竿の使い方を教わろう!
基本的な釣りの手順は船長の一柳さんが丁寧に教えてくれました。
「まずは仕掛けについている2つの針にオキアミを刺して海に投げ入れてね。そこから少し離れた場所にオモリを投げ入れて、リールが止まるまで糸を降ろし続けるよ。海の底に届いたらリールが止まるから、少しだけ糸を巻き上げて、あとは魚がかかるのを待つだけ!」
シンプルかつ明確なレクチャーで、子供たちもすぐに流れを理解することができたようです。
レンタルの釣り竿は大人も子供も同じサイズのものですが、持ってみると意外と重たくはありません。これなら子供の力でも無理なく扱えそう!
大海原へ出発♪青空と海風が気持ちいい!
レクチャーを受けたらいよいよ出航! 船は水しぶきをあげながら、どこまでも続く大海原を颯爽と突っ切っていきます。
遠くに見えていた江ノ島がどんどん近づき、はるか前方には伊豆諸島・大島の姿も。相模湾の地形をダイナミックに感じ取ることができました。
晴れていれば富士山もよく見える最高のロケーションなのだそうですよ。
釣りポイントに到着。さっそく投げてみよう!
出発から約20分、水深50~60mの沖合いで船が止まりました。船長さんの合図で皆一斉に釣りを開始します。
糸を垂らせばすぐに釣れるものではないのですが、「引き」の感覚がわからない次女は「かかったかも!」と言ってはリールを巻き上げてしまいます。
「もっとグイッと強く引っ張られるまで我慢だよ」と声をかけても、なかなかはやる気持ちを抑えきれないようです。
仕掛けを付けたり、リールを巻いたりする動作を何度も繰り返すうちに、手際がだんだん良くなっていきます。
魚がかかった!引きがすごい!
「あっ! 今度こそ本当にかかった!」
1時間ほど奮闘していた次女ですが、今までとは明らかに違う強い引きを感じた様子。「手がしびれる〜」と泣き言を言いながらも、一心不乱にリールを巻き上げます。すると海面に見えてきたのは全長30cmほどのアマダイ!
「やったー! 釣れたよー!」
初めての釣果に大はしゃぎ! 何度も空振りした分、釣り上げたときの喜びもひとしおです。
釣った魚は鮮度を保つために、エラの付け根にナイフを突き刺して血抜きをします。
初めは「怖い」と言っていた次女ですが、漁師さんからやり方を教わると「やってみる!」と、自ら釣った魚にナイフを入れていました。日頃いただいている命のありがたみを知るいい機会になりますね。
続々釣れる!相模湾の海の恵み
お友だち親子は釣りに慣れている分、動きに無駄がなく、早いペースで続々と魚を釣り上げていきます。ハナダイやホウボウなど、いろいろな種類の魚が釣れていて楽しそう!
一方、なかなか釣れずに焦っていた長女。漁師の市川さんが釣りのコツを教えてくれました。
「餌のオキアミをいかに生きているかのように動かせるかがポイントだよ。水の中でオキアミがどう動いているのかを想像しながら竿を動かしてみてごらん。不自然な動きをしていたら魚は警戒しちゃうからね」
教えてもらった通り「オキアミの気持ちになって」竿をゆっくりと上下させます。
何度もチャレンジするのですが、一向に釣れないまま迫り来るタイムアップ。何せここは入れ食い状態の釣り堀ではなく自然の海。1匹も釣れなくてかわいそうだけど、そんなこともあるよね…と諦めムードが漂うなか…。
き…来たー!!!
本日最大、全長40cmを超えるアマダイ!
タイムアップ寸前、最後の最後にとんでもない大物を釣り上げちゃいました。これには船長も「数十年漁師をしているけど、網にかかったことがない、初めて見る大きさのアマダイだよ。滅多に釣れるサイズじゃない!」と驚いていました。
途中で諦めずに最後まで粘った甲斐があったね。大きなアマダイを誇らしげに掲げる長女の姿にジーンと感動してしまいました。
小坪漁港に帰港。初の船釣りは大成功♪
アマダイ、ハナダイ、ホウボウ、オジサンなど、2家族あわせて10匹の魚を釣ることができました。初心者の私も小ぶりのハナダイを1匹ゲットしましたよ!
相模湾の豊かな恵みを体感しつつ、約3時間の船釣り体験は終了。季節によって釣れる魚の種類が異なるそうなので、今度は春か夏にチャレンジしたいなぁ…。
■小坪漁港で釣れる主な魚
通年:アジ、タイ五目
春:オニカサゴ、カツオ
夏:イセエビ、イナダ、キス
秋冬:カマス、ヒラメ、アンコウ、カワハギ、サバ
無事、漁港へ帰ってきました。船釣りってもっと難しいものかと思いきや、初挑戦の子供でも問題なく楽しめました。取材当日は波が穏やかで、心配していた船酔いもありませんでした。
参加者全員、魚を釣り上げることができて大満足の結果です。子供たちは「今夜はお刺身食べ放題だね!」と嬉しそう。自分で釣った魚はきっと美味しいよね♪
■「たつ丸」船釣り体験
実施日:応相談
開催時間:応相談
最少催行人数:5人
集合場所:小坪漁港
駐車場:あり
料金:1人9,500円〜(大人・子供共通)
※釣るポイントや狙いたい魚、体験時間などの希望により異なる
電話番号:0467-24-7650/080-5182-1048
※前日までに要予約
「小坪漁港」の個性豊かな釣り船をご紹介!
小坪漁港から運航している釣り船は、「たつ丸」のほかにも数隻あります。
料金やプランは釣り船によって異なるので、公式サイトなどを確認して親子向けや初心者向けの釣り船を探してみましょう。
小坪漁港では、親子でワカメの収穫や刺し網漁にチャレンジできる「海のおしごと体験」イベントも開催されています。
また、周辺には地元でとれた新鮮な海鮮料理の店やおしゃれなカフェもあるので、釣りやイベントのあとに立ち寄るのもおすすめ。逗子のまち歩きもぜひ楽しんでみてくださいね!
記事を書いた人
宇都宮薫
多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍(ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪
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