色とりどりの沼のほとりを歩く<br/>自然豊かなトレッキングコース

色とりどりの沼のほとりを歩く
自然豊かなトレッキングコース

五色沼自然探勝路
ごしきぬましぜんたんしょうろ
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自然とふれあう
福島県耶麻郡北塩原村

福島県北塩原村にある「五色沼湖沼群(ごしきぬまこしょうぐん)」。諸説ありますが、沼ごとにさまざまな色彩が見られることから「五色沼」と呼ばれています。

大自然の中に約4kmの探勝路が整備されていて、親子でトレッキングを楽しむことができます。

今回は、小学3年生と6年生の娘2人と一緒に「五色沼自然探勝路」を歩いてみました。

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五色沼湖沼群とは

五色沼で1番大きい「毘沙門沼」
五色沼で1番大きい「毘沙門沼」

1888年(明治21年)に磐梯山(ばんだいさん)で水蒸気噴火が起き、岩石や泥流によってせき止められた川が大小あわせて数百にもなる湖沼群を形成しました。

そのなかでも、毘沙門(びしゃもん)沼、赤沼、みどろ沼、竜沼、弁天沼、るり沼、青沼、柳沼などの湖沼を総称して「五色沼湖沼群」といいます。

五色沼で2番目に大きい「弁天沼」
五色沼で2番目に大きい「弁天沼」

気象条件や時間帯、水中に含まれる火山性物質などによって色彩が美しく変化することから「神秘の湖沼」と呼ばれて人気を博し、2016年には「ミシュラン・グリーンガイド」1つ星に認定されました。

国立公園に指定されていて、自然環境が大切に守られています。

裏磐梯ビジターセンターからスタート!

裏磐梯ビジターセンター
裏磐梯ビジターセンター

スタート地点の「裏磐梯ビジターセンター」は、裏磐梯の自然や歴史文化、登山道の状況など、さまざまな情報が得られる施設です。館内には自然解説員が常駐していて、五色沼の自然や動植物についてお話を聞くことができます。

散策前にこちらで予習しておくと、より楽しくなりますね。

ゲンゴロウが棲む沼もあるらしい
ゲンゴロウが棲む沼もあるらしい

水槽の中でぴょこぴょこと泳ぐゲンゴロウを初めてみた小3の娘。解説員さんが図鑑を持ってきてその生態を詳しく教えてくださいました。

自然探勝路内にはトイレがないので、必ずこちらで準備を済ませてから出発を。しっかり歩ける靴や長袖の上着、雨具を用意していきましょう。

手こぎボートが楽しめる毘沙門沼

毘沙門沼
毘沙門沼

初めに見えてくるのは五色沼で最も大きい「毘沙門沼」。こちらでは手こぎボートが楽しめます(冬季休業)。

毘沙門沼の錦鯉
毘沙門沼の錦鯉

毘沙門沼には大きな錦鯉がゆったりと泳いでいました。ハート型の模様をもつ鯉を見つけると幸せになれるなんて言い伝えもあるそうですよ。時間があったらぜひ探してみてくださいね。

毘沙門沼脇の木道
毘沙門沼脇の木道

アップダウンが少なく緩やかな道が続くので、小学生の娘たちは余裕の表情でぐんぐん歩いていきます。木道が敷かれている場所もあり、足元に不安が少なく歩きやすい♪

しばらく進むと「熊注意」の看板を発見! じつは裏磐梯、ツキノワグマの生息地なんです。

クマに人間の存在をアピールするために、クマ鈴を持って散策すると良いでしょう。スタート地点の「裏磐梯ビジターセンター」とその近くにある「五色沼入口観光プラザ」、ゴール地点の「裏磐梯物産館」の3施設共通で、どこでも貸し出し・返却が可能。

100円でレンタルできるので、クマよけにも迷子防止にもおすすめです。

次々に現れるカラフルな沼を堪能♪

岸辺の草木が赤褐色に染まる赤沼
岸辺の草木が赤褐色に染まる赤沼

続いて「赤沼」に到着しました。赤沼と呼ばれるわりには、とてもきれいなエメラルドグリーン色をしています。

酸性度が高く鉄分を多く含んだ沼で、周囲の草木やコケが赤褐色に染まることから「赤沼」といわれているのだそう。

3色違う色に見えるみどろ沼
3色違う色に見えるみどろ沼

赤沼からほんの少し歩くと見えてくるのは「みどろ沼」。

1つの沼で青・緑・赤茶色と、さまざまな色彩を見せてくれます。場所によって水質や水深、生えている水草が違うことから、このような変わった見え方になるそうです。

1つの沼でこれだけ色が違って見えるなんて、なんとも不思議ですよね!

探勝路に生い茂る植物にも注目!

シダの葉をじっくりと観察
シダの葉をじっくりと観察

探勝路沿いにはたくさんの種類の植物が生い茂っています。娘はあちこちに群生しているシダの葉の裏に小さな粒がびっしりと並んでいるのが気になった様子。

「これ、なんかの卵!?」

スマホで調べてみると、どうやらこれはシダの胞子が詰まった「胞子のう」という袋の集まりらしい。

ほかにも道すがら変わった形の葉っぱやキノコを発見。自分で見つけた植物の生態を調べながら歩くのも楽しみ方のひとつですね。

ちなみに五色沼湖沼群は国立公園特別保護地区に指定されているため、動植物や土石の採集は禁じられています。採ったりせずに鑑賞して楽しみましょう。

弁天沼の展望デッキは最高の眺め!

大きく開けた弁天沼
大きく開けた弁天沼

こちらは毘沙門沼に次いで大きな「弁天沼」。広大な水面がまるで鏡のように青空と白い雲を映し出します。次から次へとフォトジェニックな光景が現れて、シャッターを押す手が止まりません!

弁天沼の展望デッキ
弁天沼の展望デッキ

弁天沼には展望デッキが設置されていて、天気が良いと弁天沼の先に吾妻山系の稜線を見ることができます。

取材の日は、次の沼に向かう途中で小雨が降ってきましたが、歩道は木々で覆われているためさほど濡れずに歩くことができました。

約2時間かけて裏磐梯の自然を満喫♪

驚きの青さの青沼
驚きの青さの青沼

歩いていると木々の奥に見えてきたのが、五色沼の中で最も青いと言われる「青沼」です。娘たちは「水に絵の具を溶かしたみたい」と言って不思議がっており、その鮮やかな青さに驚きを隠せない様子です。

ゴールの裏磐梯物産館
ゴールの裏磐梯物産館

続いて、五色沼の中でも透明度が高いと言われる「柳沼」を通り過ぎると、ゴール地点の「裏磐梯物産館」に到着です。子供と一緒にのんびり歩いて約2時間の行程でした。

なお、ゴール地点からバスを利用すれば、10分ほどでスタート地点の「裏磐梯ビジターセンター」に戻ることができますよ。

訪れた日の天気や時間、季節によっても沼の色が変わって見えるので、何度訪れても感動すること間違いなし。気軽に歩くのにほどよい距離感で親子一緒に楽しめる五色沼自然探勝路をぜひ歩いてみてくださいね。

とりっぷノート♪取材こぼれ話を紹介

コースを歩きながら、娘に「あと何色沼?」と聞かれました(笑)。五色沼というのは沼の数だと思っていたみたい。いろんな色に見えるから五色沼と呼ばれているんだよと説明しました。(いこーよとりっぷライター・宇都宮薫)

記事を書いた人

宇都宮薫

多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍(ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪

スポット基本情報

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スポット名五色沼自然探勝路
ふりがなごしきぬましぜんたんしょうろ
住所福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093-697(裏磐梯ビジターセンター)
料金散策無料
アクセス【車】磐越自動車道「猪苗代・磐梯高原IC」から国道115号線→国道459号線→裏磐梯方面へ(所要時間約25分)/【電車】JR磐越西線「猪苗代駅」下車後、路線バス乗車(約35分)、バス停「五色沼入口」下車で徒歩約2分
駐車場駐車場あり
備考駐車場は「裏磐梯ビジターセンター」と「裏磐梯物産館」にあり
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公開日2022年08月15日/更新日2022年08月31日