会津の伝統工芸品「会津漆器」の
蒔絵体験にチャレンジ!
福島県会津地域の伝統工芸品「会津漆器」の蒔絵(まきえ)が体験できる「会津塗伝承館 鈴善」(福島県会津若松市)。
蒔絵とは、漆器に漆(うるし)で絵を描き、上から金や銀などの蒔絵粉を蒔いて表面に付着させる漆工芸の技法です。
今回は、小学3年生と6年生の娘2人が会津漆器の蒔絵にチャレンジしてきました!
親子の会津旅がもっと楽しくなる!秘密にしたい絶景&伝統工芸体験
会津漆器とは
安土桃山時代、豊臣秀吉の命を受け会津の領主となった蒲生氏郷公(がもううじさとこう)が、近江の国(現在の滋賀県)から木地師(きじし/漆を塗る前の木の器類を作る職人)や塗師を呼び寄せ、漆工芸を奨励したのが会津塗りの始まりと言われています。
以来、約430年にわたって会津地方の代表的産業として発展してきました。会津漆器は縁起の良い意匠や多種多様な装飾技法があることが特徴です。
会津漆器の魅力を伝える「会津塗伝承館 鈴善」
「会津塗伝承館 鈴善」は、会津漆器を後世に伝えていくため、2019年にオープンした複合体験スポット。
1832年(天保3年)から漆器問屋として会津漆器産業を支えてきた「鈴善漆器店」の蔵建造物群を活用した施設です。
敷地内は会津漆器の歴史や技法が学べる「会津塗伝承蔵」、漆器問屋に伝わる図案集や資料、貴重な作品などが並ぶ「美術蔵」、漆器購入ができる「漆器蔵」など6つのエリアにわかれています。
まずは絵付けするアイテムを選ぼう
さっそく蒔絵体験ができる「体験蔵」へ。蒔絵を教えてくれたのは、伝統工芸士で蒔絵師の中村光彩(こうさい)先生です。
まずは絵付けをするアイテム選び。お椀やお皿、コップ、手鏡などから好きなものを選びます。店内で購入した商品に絵付けすることもできますよ。
娘たちは「おみそ汁を飲むときに使いたいから!」との理由でお椀をチョイス。お椀は表面がカーブしている分、やや難易度高めらしいです。
モミジに塗料を塗ってお椀にペタリ
アイテムが決まったら絵付けをしていきます。自由に好きな絵を描いてもいいですし、本物のモミジをスタンプのように使って絵付けすることもできます。
せっかくなので両方トライしてみることに。
まずはモミジに白い塗料をまんべんなく塗っていきます。こちらの塗料は触ってもかぶれない「代用うるし」なので子供や肌の弱い人でも安心です。
塗料を塗ったモミジをお椀に置いて、紙の上から指でギュッと押さえつけます。
そーっとモミジを剥がすと、きれいな葉っぱの形が! 葉脈までくっきりと浮かび上がりました。
キラキラ光る蒔絵粉で色付けを
続いて色付けの工程です。用意されている七色の粉は自由に使ってOK。描いた絵の上に粉を蒔くようにして色をのせていきます。
塗料の上に粉を蒔くとその部分だけきれいに粉が張り付きます。粉を蒔いて絵にすることから「蒔絵」と呼ばれているんですね。なるほど!
一度粉を蒔いたところには、ほかの色の粉を混ぜないのがポイントです。色を混ぜてしまうと仕上がりが鈍い色になってしまうのだそう。
「たくさん色があるから迷う〜!」
娘たちはどの色を組み合わせたら映えそうかじっくり考えながら進めている様子です。
絵の具と違い、この時点では仕上がりの色合いがどう出るのか想像できないのが面白いところですね。
葉っぱを3色に塗り分けて鮮やかな色合いになりました。色を付け終えたら余分な粉を布で優しく拭き取ります。まだ生乾きなので、できたところは擦らないように注意!
自由に絵や文字を描いてみよう!
次は、お椀の空いているスペースに筆で好きな絵を描いていきます。
筆に塗料を付けたら筆先を細く整えてからゆっくり描くのがコツ。焦って筆を走らせようとする次女に「鉛筆で描くような速さで描くと失敗するよ」と中村先生からのアドバイスが。
「モミジに合う和風な柄にしたい!」とのことで、中村先生の見本を見ながらトンボの絵を描く次女。
一方、長女は細かい模様や日付を入れていました。日付や文字を入れると記念になって良いですね。
最後に筆で描いた部分にも色付けしていきます。黒光りするお椀にカラフルな絵柄がよく映えますね。
1時間ほどで蒔絵が完成!
余分な粉を布で拭き取ったら、できました! どちらもきらびやかでとってもいい感じ。
まだ完全に乾いていない状態なので、家に帰ったら丸1日は箱から出して乾燥させておきましょう。完全に乾けば粉はしっかり貼り付いているので食器用洗剤で洗っても大丈夫(食洗機や電子レンジは使用NG)です。
中村先生によると、修学旅行の一環で蒔絵体験に来る小学校も多いのだそう。子供が持ち帰ってきた作品を見た親御さんが「私もやってみたい!」と後日家族で訪れるパターンもよくあるのだとか。
未就学児でも保護者のサポートがあれば体験できるので、家族旅行で訪れれば親子みんなで楽しめますね。
■蒔絵体験
時間:10時~16時(最終受付15時)
料金:大人2,400円〜/小学生以下1,400円〜
予約:要予約(2名より予約可)
※空きがあれば当日受付も可
会津漆器の歴史を学んでおみやげも♪
体験の後は「会津塗伝承蔵」にも寄ってみました。貴重な漆器コレクションや職人の使う道具などが展示されていて、会津漆器の歴史や技法が子供にも理解しやすく紹介されていました。
2階には大正時代に建てられた当時のままの内装が残っている会議室や来賓室もあって見どころが満載です。
「漆器蔵」では会津漆器を購入できます。食器やグラス、小物入れなど日常使いできるアイテムがいっぱい!
人気のおみやげは、お箸や箸置き、アクセサリーなど。おしゃれでカラフルな絵柄が豊富にあって、おみやげを選ぶ時間も楽しいひとときでした。
会津漆器の魅力をたっぷり味わえる「会津塗伝承館 鈴善」で、大人も子供も楽しめる蒔絵をぜひ体験してみてください!
とりっぷノート♪取材こぼれ話を紹介
会津グルメが楽しめる「蔵の茶や」では、会津塗りの器で食事を提供してくれます。会津のソウルフード、天ぷらまんじゅうが美味しかった〜!(いこーよとりっぷライター・宇都宮薫)
記事を書いた人
宇都宮薫
多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍(ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪
スポット基本情報
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スポット名 | 会津塗伝承館 鈴善 |
ふりがな | あいづぬりでんしょうかん すずぜん |
住所 | 福島県会津若松市中央1-3-28 |
電話番号 | 0242-22-0680 |
営業時間 | 10:00〜16:00(蔵の茶屋は11:00〜14:00) |
定休日 | 不定休(蔵の茶屋は毎週火曜定休) |
アクセス | 【車】磐越自動車道・会津若松ICより車で約10分/【電車】JR磐越西線「会津若松駅」より徒歩で約10分 |
駐車場 | 駐車場あり |
公式URL | 公式URLはこちら |