【東京】伝統工芸体験スポット<br/>子供に伝えたい日本伝統の匠の技
更新日2024年05月31日/公開日2023年04月06日

【東京】伝統工芸体験スポット
子供に伝えたい日本伝統の匠の技

体験する
ものづくり
東京都江東区、東京都台東区、ほか

その美しさや繊細さで、世界からも評価されている日本の伝統工芸。職人に受け継がれてきたその高い技術は、日本が誇る匠の技です。

近年では、子供にもそんな工芸品の良さを知ってもらい、もっと身近なものに感じてほしいと、さまざまなジャンルの体験教室が行われています。

現役の職人に直接コツを教えてもらいながら自分だけの工芸品を作りあげる体験は、その歴史や魅力を肌で感じられる貴重なものです。

そこで今回は、東京都内で工芸品作りが体験できるスポットをご紹介。それぞれの工芸の歴史や特徴についても解説します。

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください

伝統工芸とは

日本を代表する伝統工芸品のひとつ「東京銀器(ぎんき)」(「日伸貴金属」にて撮影)
日本を代表する伝統工芸品のひとつ「東京銀器(ぎんき)」(「日伸貴金属」にて撮影)

日本の伝統工芸は、日本独自の技術や美意識に基づき、職人が身に付けた高い技術によるものです。

工芸品とひと口にいっても、その品目は多彩です。「織物」「陶磁器」「木工品」「和紙」「組紐」…。経済産業省が指定する「伝統的工芸品」をはじめ、さまざまな伝統ある工芸品が日本各地で作られています。

八丈島に伝わる「黄八丈」(きはちじょう)。機織り機は明治時代から使われているもの(「八丈民芸やました」にて撮影)
八丈島に伝わる「黄八丈」(きはちじょう)。機織り機は明治時代から使われているもの(「八丈民芸やました」にて撮影)

職人として技術の高みを目指すことはもちろん、最近では現代のライフスタイルにあわせた新しいものを作り出そうとする試みもさかんです。伝統や技を絶やさぬよう、職人たちの努力が今も続いています。

経済産業省指定「伝統的工芸品」とは?

日本の伝統工芸品のうち、独自の技法や美意識を持ち、地域の文化や産業に密接に関わるものについて、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて指定を受けたもののことです。

指定を受けるには、

  • 主に日常生活で使用する工芸品であること
  • 手作業が中心であること
  • 100年以上の歴史があり、今も伝統的な技術・技法によって作られていること
  • 主な原材料が100年以上使用されていること・地域産業として成立していること

などの要件を満たしていることが必要です。

東京都内には、そんな伝統工芸品作りを体験できる工房がいくつもあります。

ここからは、子供が体験を楽しめるスポットをご紹介していきます!

【江戸切子】江戸切子専門店 煌粋~きらめき~(江東区)

ショーウインドーに江戸切子が並ぶお店。キラキラとした輝きが目をひきます
ショーウインドーに江戸切子が並ぶお店。キラキラとした輝きが目をひきます

都営新宿線、東京メトロ半蔵門線「住吉駅」から徒歩4分ほどの場所にある、「江戸切子専門店 煌粋~きらめき~」。

グラスやアクセサリーなどが並ぶ店舗に併設した「キヨヒデガラス工房」では、現役の伝統工芸士による直接指導のもと、江戸切子の制作体験ができます。

高い技術を持った職人による伝統工芸のブランド「江戸切子」

色もさまざまな江戸切子。手作業で繊細に施されたカットにうっとり
色もさまざまな江戸切子。手作業で繊細に施されたカットにうっとり

「切子」(きりこ)とは、ガラスの表面をカットして模様を入れる技法のことで、1985年に「東京都指定伝統工芸品」に指定、また2002年には「経済産業大臣指定伝統的工芸品」として認定されています。

伝統工芸士に直接学ぶ!貴重な江戸切子体験

難しいけど楽しい! 体験時間はあっという間です
難しいけど楽しい! 体験時間はあっという間です

工房でできる体験メニューは3種類。伝統工芸士である店主の清秀(きよひで)さんによると、「まずは見えやすい透明ガラスでコツをつかみ、そのあとに色被(ぎ)せガラスに挑戦できるコースがおすすめ」とのこと。

江戸切子には代表的な模様もありますが、お手本を見ながら、グラスに刻むデザインを自由に決めることができます。

失敗しても大丈夫!自分だけの模様を削り出そう

回転する砥石(といし/刃物などを磨くための石)にガラスを押し当てて、慎重に模様を削っていきます
回転する砥石(といし/刃物などを磨くための石)にガラスを押し当てて、慎重に模様を削っていきます

難しそうに見える研磨機でのカット。でも、コツをアドバイスしてもらいながら作業をすすめるうちに、機械の扱いに慣れていきます。

「失敗しても大丈夫! 江戸切子は自分の模様を作ればいいんですよ」と清秀さん。

本格的な機械とじっくり切子に向き合える貴重な体験。完成したグラスは、大切な思い出の品になることでしょう。

■江戸切子専門店 煌粋~きらめき~
所在地:東京都江東区猿江2-13-14
営業時間:月~金曜11:00~20:00、土曜10:00~20:00、日曜10:00~18:00
定休日:木曜
電話番号:03-6659-5117

【制作体験】
対象:小学生以上
※小学校低学年は保護者のサポートが必要
所要時間:通常60分
※LINEクーポン使用で90分(来店時に登録可能)
開催日時:平日は12:00~/14:00~/18:00~、土・日曜は10:00~/12:00~/14:00~/16:00~(20:00~は要相談)
予約:完全予約制
予約方法:LINE公式アカウント
体験料金:<透明グラスのみ>3,300円、<色被せグラスのみ>6,600円、<透明グラス+色被せグラス>6,600円

【江戸切子】すみだ江戸切子館(墨田区)

江戸切子の歴史や制作工程もわかる工房兼ショップ(画像提供:すみだ江戸切子館)
江戸切子の歴史や制作工程もわかる工房兼ショップ(画像提供:すみだ江戸切子館)

JR総武線、地下鉄半蔵門線「錦糸町駅」北口から、スカイツリーの見える方へ徒歩で約6分。日本の伝統工芸「江戸切子」を紹介する、墨田区認定の工房ショップ「すみだ江戸切子館」では、江戸切子のカット体験で、オリジナルグラスを制作することができます。

職人の技を間近で!ショップ兼工房の「すみだ江戸切子館」

ショップでは、切子作家の逸品から日常使いの器などを常時展示販売しています。ギフトにもぴったり!(画像提供:すみだ江戸切子館)
ショップでは、切子作家の逸品から日常使いの器などを常時展示販売しています。ギフトにもぴったり!(画像提供:すみだ江戸切子館)

「すみだ江戸切子館」は、工房ショップとして江戸切子作品を販売しているほか、その制作工程や道具類などを展示しており、江戸切子の歴史をより深く学べるスポットです。

窓越しに制作中の職人の様子を見学できるため、つい時間を忘れて見事な手技とガラスの美しさに見入ってしまいます!

工房の機械を使って、ペーパーウェイト&グラスカットを体験

小学4年生以上が体験できる「ペーパーウェイトカット」(画像提供:すみだ江戸切子館)
小学4年生以上が体験できる「ペーパーウェイトカット」(画像提供:すみだ江戸切子館)

「すみだ江戸切子館」では小学4年生以上を対象に、工房の機械を使ってガラスを削り、伝統的な江戸切子模様を描く体験プランを用意しています。

体験プランのひとつ「ペーパーウェイト作り」では、透明なガラスのペーパーウェイトに、好きな模様を削り出していきます。

ちょっと難しそうに感じますが、機械の扱い方を丁寧に教えてもらえるのはもちろん、練習もできるので安心です。

オリジナルグラスのカット体験は中学生から(画像提供:すみだ江戸切子館)
オリジナルグラスのカット体験は中学生から(画像提供:すみだ江戸切子館)

中学生以上は、オリジナルグラス作りに挑戦できます。

好きなグラスを選び、伝統の江戸切子模様を削り出す作業は、少し緊張しそうですが、少しずつ自分の手でデザインが削り出され、思い通りに完成したときはとびきりうれしいもの! 

持ち帰った作品は、いつまでも大切に使うことができ、良い思い出になりそうです。

■すみだ江戸切子館
所在地:東京都墨田区太平2-10-9
営業時間:10:00~17:00
定休日:日・月曜、祝日、夏期休館、年末年始
電話番号:03-3623-4148

【制作体験】
<ペーパーウェイト>
対象:小学4年生以上
※小学生は保護者の付き添い必須(付き添いは体験不可)
所要時間:60分
開催日時:火~金曜(祝日は除く)10:30~/13:00~/15:00~
予約:完全予約制
予約方法:予約フォーム
※小学生の場合は電話にて相談
体験料金:材料費込み1,540円

<グラス>
対象:中学生以上
所要時間:90分
開催日時:火~土曜(祝日は除く)10:30~/13:00~/15:00~
予約:完全予約制
予約方法:公式サイトから
体験料金:材料費込み4,950円

公式サイトはこちら

【東京銀器】日伸貴金属(台東区)

工房から「カンカンカン」という金属を叩く音が聞こえてきます
工房から「カンカンカン」という金属を叩く音が聞こえてきます

都営浅草線、都営大江戸線「蔵前駅」から徒歩約10分。台東区にある「日伸(にっしん)貴金属」では、江戸時代から続く技を受け継ぐ「銀師」(しろがねし)から指導を受けられる、体験教室を実施しています。

「東京銀器」とは?

店内に並ぶ多彩な作品の数々(一部購入可)
店内に並ぶ多彩な作品の数々(一部購入可)

「東京銀器」は、台東区や文京区、荒川区を中心とした地域で作られている伝統工芸品。

その始まりは、江戸中期頃といわれており、東京都の伝統工芸品として、また「経済産業大臣指定伝統的工芸品」にも指定されています。

銀師12代目に学ぶ!東京銀器の歴史

伝統工芸品や東京銀器の歴史についても学べる貴重な体験
伝統工芸品や東京銀器の歴史についても学べる貴重な体験

体験教室の講師は、優しい笑顔で気さくにお話をしてくださる、平田派銀師12代目の上川宗伯(かみかわそうはく)さん。

最初に東京銀器の成り立ちや製法、道具の使い方などを教えてくださいます。

江戸時代と同じ製作スタイルだという畳敷きの小部屋で、使い込まれた道具にふれさせてもらっているうちに、なんだかタイムスリップした気分に!

日常生活で使えるオリジナル銀器作りにチャレンジ!

しおり作りに挑戦している様子。下書きに沿って、丁寧に模様を刻んでいきます
しおり作りに挑戦している様子。下書きに沿って、丁寧に模様を刻んでいきます

体験メニューは、初級向けの「銀のしおり」や上級向けの「ぐい呑み」など、数種類が用意されています。まずは初級向けメニューから体験するのがおすすめです。

体験で使用する銀は、純度97%のとても柔らかいもの。金鎚(かなづち)で「カンカンカン」とリズミカルに模様を刻んでいきます。

磨くとこんなにピカピカに!刻んだ模様が浮かびあがります
磨くとこんなにピカピカに!刻んだ模様が浮かびあがります

しおり作りでは、表の模様を叩き終えたら、仕上げ磨きをしてピカピカになったら完成です!

「東京銀器を知って、使ってほしい」という上川さんの願いが込められた体験教室。歴史にふれ、自分で作ったものを使うことで、伝統工芸の素晴らしさがあらためて体感できることでしょう。

■日伸貴金属
所在地:東京都台東区三筋1-3-13 伊藤ビル1階
定休日:土・日・祝日(体験教室は不定休)
営業時間:9:00~17:00
電話番号:03-5687-5585(担当直通は090-2212-7294)

【製作体験】
対象:誰でも体験可
※小学生以下は保護者のサポートが必要
開催日時:9:00~20:00の時間帯で、希望の時間を要相談
予約:完全予約制
※先約やイベント対応により開催できない場合があるため、希望日を2~3日あげて申し込むとスムーズ
予約方法:予約フォーム
体験料金:<初級コース ~オリジナルしおり~>一般:3,600円 / 学生:2,500円(約60~90分)、<中級コース ~オリジナル手打ち指輪~>一般:5,800円 / 学生:3,600円(約90~180分)ほか

【江戸手描提灯】泪橋大嶋屋提灯店(荒川区)

店先ではお店の名前入りの大きな提灯がお出迎え(画像提供:泪橋大嶋屋提灯店)
店先ではお店の名前入りの大きな提灯がお出迎え(画像提供:泪橋大嶋屋提灯店)

東京メトロ日比谷線「南千住駅」から徒歩で約6分。「泪橋大嶋屋提灯店」(なみだばしおおしまやちょうちんてん)では、日本の和の心や匠の技が感じられる、「ミニ江戸手描提灯」の制作体験をすることができます。

「江戸手描提灯」とは?

電灯が普及する以前に広く使われていた提灯は、明治時代以降、提灯製造と提灯に文字を描く職人の分業が進み、多くの職人が活躍しました。

家紋を掲げる調度品としても扱われた「江戸手描提灯」は、東京都指定伝統工芸品にも指定されています。

お祭りや行事の雰囲気を盛り上げるほか、お土産やインテリアとしても、国内外で人気です(画像提供:泪橋大嶋屋提灯店)
お祭りや行事の雰囲気を盛り上げるほか、お土産やインテリアとしても、国内外で人気です(画像提供:泪橋大嶋屋提灯店)

提灯の特徴ある文字は一般的に「江戸文字」といわれ、フリーハンドでのびやかに描きあげる技術はまさに職人技! 

「泪橋大嶋屋提灯店」は、1913年(大正2年)創業の老舗。現在は、3代目と4代目がその伝統の技を受け継ぎ、さまざまな提灯や歌舞伎小道具などの文字の描き入れを手がけています。

自由に文字を選んで、ミニ提灯作りに挑戦!

こんな粋なオリジナル提灯が作れます!(画像提供:泪橋大嶋屋提灯店)
こんな粋なオリジナル提灯が作れます!(画像提供:泪橋大嶋屋提灯店)

「ミニ江戸手描提灯」制作体験では、高さ25cmのミニ提灯に文字を描き入れることができます。

提灯は卵型と長型の2種類があり、どちらかを選びます。「提灯の型と描きたい文字の希望を予約の際に伝えていただければ、事前に準備しておきますので、スムーズに体験がスタートできますよ」と、4代目の村田健一郎(むらたけんいちろう)さん。

文字のお手本にそって鉛筆で下書きし、黒の筆で輪郭線を描き込んだら、好きな色を塗って完成です!

小学校高学年ぐらいであれば、1人で制作することができるそうですよ。また、親子で参加することもできるので、小さい年齢の子供でも自分だけのオリジナル提灯が作れます!

完成した提灯は折り畳んで、箱に入れて持ち帰ることができ、持ち運ぶ際も安心です。

■泪橋大嶋屋提灯店
所在地:東京都荒川区南千住2-29-6
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜、祝日
電話番号:03-3801-4757

【制作体験】
対象:小学校高学年以上推奨
※保護者同伴の場合は、対象年齢以下でも体験可能
所要時間:約60分
開催日時:定休日以外随時
※定休日についても応相談
予約:完全予約制
予約方法:電話または予約フォーム
体験料金:材料費込み3,000円

公式サイトはこちら

【江戸木目込人形】塚田工房(墨田区)

6代目・詠春(えいしゅん)さんの名が掲げられた工房(画像提供:塚田工房)
6代目・詠春(えいしゅん)さんの名が掲げられた工房(画像提供:塚田工房)

都営浅草線、東京メトロ半蔵門線「押上駅」から徒歩で約8分、東武伊勢崎線の「とうきょうスカイツリー駅」からは徒歩10分のところにある「塚田(つかだ)工房」では、「江戸木目込人形」の技を体験できます。

天保時代から受け継がれる「江戸木目込み人形」の技

工房ではオリジナルの江戸木目込み人形の販売も行っています(画像提供:塚田工房)
工房ではオリジナルの江戸木目込み人形の販売も行っています(画像提供:塚田工房)
力士ペーパーウエイト。中に鉄の重りが入っています(画像提供:塚田工房)
力士ペーパーウエイト。中に鉄の重りが入っています(画像提供:塚田工房)

「江戸木目込人形」は、人形の原型に細い溝を掘り、その溝に衣装となる布地を挟み込む(=木目込む)という技法で作られるもの。東京都指定の伝統工芸品であり、また経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」のひとつです。

現在、「塚田工房」では6代目詠春さんと7代目真弘(まさひろ)さんが江戸木目込み人形の製作を手がけており、1841年(天保12年)に創業した初代からの技術を今に伝えています。

原型はすべてオリジナルで、伝統的な材料や技法で作られた人形は、「衣裳一点仕上」の貴重なものです。

布を選んでコツコツと木目込む作業が楽しい!

体験時には、はさみ・接着剤・モデラー・竹ぐしを貸してもらえます(画像提供:塚田工房)
体験時には、はさみ・接着剤・モデラー・竹ぐしを貸してもらえます(画像提供:塚田工房)

塚田工房では、「木目込み」の作業が体験できるコースがいくつかあります。

なかでも1時間以内で完成する「小さなまりストラップ」は、子供や海外からの観光客にも人気! まりに木目込む布は、約25種類のなかから好きなものを組み合わせて選ぶことができます。どの布にするか決めるのも楽しそう♪

色や柄も自分好み♪かわいいストラップが完成です(画像提供:塚田工房)
色や柄も自分好み♪かわいいストラップが完成です(画像提供:塚田工房)

また、親子で一緒に体験できる「親子福来朗(ふくろう)」のコースもおすすめ。

親が「親ふくろう」を、子供が「子ふくろう」を作るもので、完成したかわいらしい親子ふくろうをならべて飾れば、きっと家族に福を呼んでくれることでしょう。

そのほかの体験コースもあり、対象はすべて小学3年生から。体験には予約が必要です。

■塚田工房
所在地:東京都墨田区向島2-11-7
営業時間:10:00~17:00
定休日:日曜、祝日
電話番号:03-3622-4579

【制作体験】
対象:<小さなまりストラップ>小学3年生以上、<親子で制作体験 親子福来朗(ふくろう)>小学4年生以上
開催日時:定休日以外で対応可能日を相談
予約:完全予約制
予約方法:電話またはメール
体験料金:<小さなまりストラップ>材料費込み1,980円(40~60分)、<親子で制作体験 親子福来朗(ふくろう)>材料費込み1組4,500円(90~120分)

公式サイトはこちら

【江戸木目込人形】真多呂人形会館(台東区)

さまざまな木目込み人形作り体験ができる「真多呂人形会館」(画像提供:真多呂人形)
さまざまな木目込み人形作り体験ができる「真多呂人形会館」(画像提供:真多呂人形)

東京メトロ日比谷線「仲御徒町駅」から徒歩すぐと、アクセス抜群の「真多呂(またろ)人形会館」。

木目(きめ)込みの雛人形や五月人形などで知られる「真多呂人形」のショールームでもあるこちらで、思い出の布を使った木目込み人形作り体験プログラム「またろっちゃ」に参加できます。

上賀茂神社が唯一認定!伝統の技を現代に受け継ぐ真多呂人形

平安朝の姫君や干支、伝統芸能などさまざまなモチーフから作られる真多呂人形。写真は源氏物語の明石の君を題材にした「松風」(画像提供:真多呂人形)
平安朝の姫君や干支、伝統芸能などさまざまなモチーフから作られる真多呂人形。写真は源氏物語の明石の君を題材にした「松風」(画像提供:真多呂人形)

江戸時代からおよそ280年受け継がれてきた伝統工芸品である「江戸木目込人形」。1919年(大正8年)に創業された真多呂人形は、木目込み人形発祥とされる京都の「上賀茂神社」から、唯一の伝承者として認定を受けています。

真多呂人形では、多くの熟練した職人が、伝統技法に忠実に一体ずつ丁寧に手作り。そのこだわりは人形の衣装にも! 時代考証もきちんと踏まえたうえで、トレンドも加えたコーディネートの美しさも見どころのひとつです。

思い出の布をリメイク!愛のこもった木目込み体験

Aコースのひょうたんストラップ。ころんとしたフォルムがかわいい!(画像提供:真多呂人形)
Aコースのひょうたんストラップ。ころんとしたフォルムがかわいい!(画像提供:真多呂人形)

「またろっちゃ」は、真多呂人形が「日本の伝統ある木目込み人形をもっと知ってほしい!」と始めた木目込み体験プログラム。用意された布を使って作品を作れるのはもちろん、思い出の布を持ち込んでリメイク作品を作れるのが特徴です。

90分のAコースでは、ストラップの「ひょうたん」か「まり」、または「マグネット」の3種類からひとつを作成します。

また、120分のBコースでは、お人形の「幼姫(赤)」「幼君(青)」、ストラップの「花」「鯛」の4種類からひとつが選べます。

Bコースでは、こんな本格的なお人形が作れます!(画像提供:真多呂人形)
Bコースでは、こんな本格的なお人形が作れます!(画像提供:真多呂人形)

木目込みの作業は難しそう…と思うかもしれませんが、小学校高学年ぐらいなら1人で、保護者が一緒なら低学年の子供でも体験OKとのこと。

幼い頃に着ていた服や、お気に入りだった手提げ袋など、思い出のある布地で作った木目込み作品はきっと特別なものになるはずです。

■真多呂人形会館
所在地:東京都台東区上野5-15-13
ショールーム営業時間:9:00~17:30
ショールーム定休日:7月~9月は土・日・祝日/そのほかの月は第2・4・5土・日・祝日
※12月1日~3月3日まで無休(12月28日~1月2日除く)
電話番号:03-3833-9662(ショールーム直通)

【制作体験】
対象:小学5年生以上
※保護者同伴の場合は、小学4年生以下でも体験可能(未就学児は不可)
所要時間:Aコース90分、Bコース120分
開催日:月~金曜
体験時間:10:00~/13:00~/15:00~
予約:完全予約制
予約方法:電話または予約フォーム(3日前の15:00まで)
体験料金:Aコース2,500円、Bコース5,000円
※布地の持ち込みの有無にかかわらず同料金

公式サイトはこちら

【黄八丈】八丈民芸やました(八丈島)

八丈島空港や東京からの船が発着する底土(そこど)港から車で5~6分ほど
八丈島空港や東京からの船が発着する底土(そこど)港から車で5~6分ほど

東京都心部から約300km離れた海に浮かぶ八丈島(はちじょうじま)。飛行機なら羽田空港から1時間足らずでアクセスできる、豊かな自然に囲まれた人気の離島です。

八丈島空港から車で5分ほどのところにある「八丈民芸やました」では、島の伝統的な絹織物「黄八丈」(きはちじょう)の機織り体験をすることができます。

「黄八丈」とは?

黄色・樺色・黒色の3色を基調として織る黄八丈(画像提供:八丈民芸やました)
黄色・樺色・黒色の3色を基調として織る黄八丈(画像提供:八丈民芸やました)

「黄八丈」は、島内に自生する植物で染めた糸を使って織られた絹織物です。現在も八丈島を代表する特産物のひとつで、東京都の伝統工芸品として、また経済産業大臣指定の伝統的工芸品にも認定されています。

職人さんと同じ機織り機で「トントン、カタン」

横糸を変えることで模様が生まれます。色の組み合わせを考えるのが楽しい!
横糸を変えることで模様が生まれます。色の組み合わせを考えるのが楽しい!

黄八丈の民芸品が並ぶ「八丈民芸やました」の店内の一角には、明治時代から変わらぬ機織り機が4台並んでいます。

体験では、店主で東京都黄八丈伝統工芸士でもある山下巧(やましたたくみ)さんが、機織り機の使い方から丁寧に教えてくださいます。

自分で織った黄八丈がカード入れに!
自分で織った黄八丈がカード入れに!

60分の体験では、12~13cmほどの黄八丈が織り上がります。希望すれば、カード入れなどに加工してから後日郵送していただくことも可能です(要相談)。

島の伝統の奥深さや温かさに、しっかりふれられる体験になることでしょう。

■八丈民芸やました
所在地:東京都八丈島八丈町三根1029-7
営業時間:9:00~17:00(体験は9:30~16:30)
定休日:不定休
電話番号:04996-2-3476

【制作体験】
<黄八丈手織り体験>
対象:小学3年生以上推奨
所要時間:60分
開催日時:営業時間内
予約:あらかじめ予約するとスムーズ
予約方法:電話
体験料金:郵送料込み3,300円~

【あめ細工】あめ細工吉原 千駄木アトリエ(文京区)

見ているだけでも楽しい、精巧な飴(あめ)細工がずらりと並ぶ店内。職人による実演も
見ているだけでも楽しい、精巧な飴(あめ)細工がずらりと並ぶ店内。職人による実演も

東京メトロ千代田線の「千駄木駅」から徒歩で約3分。下町風情あふれる人気観光スポット・谷根千エリアにある「あめ細工吉原 千駄木アトリエ」では、飴細工作り体験のワークショップを開催しています。

「飴細工」とは?

同店のオリジナルキャラクター「あめぴょん」の飴細工
同店のオリジナルキャラクター「あめぴょん」の飴細工

飴細工とは、日本で江戸時代から続く細工菓子や、それを作る製菓技術のこと。

熱されて柔らかく溶けた飴が冷えて固まる前に、手やはさみですばやく動物や植物などを形作りります。

その鮮やかで芸術性の高いパフォーマンスは、日本伝統の技としても高く評価されています。

はっぴ姿で職人気分を満喫♪

はっぴを羽織り、青のソーダ味、黄色のレモン味、ピンクのいちご味から好きなフレーバーを選んで飴細工を作ります
はっぴを羽織り、青のソーダ味、黄色のレモン味、ピンクのいちご味から好きなフレーバーを選んで飴細工を作ります

「あめ細工吉原 千駄木アトリエ」の体験クラスは、はっぴを着てかわいい飴職人に変身するところからスタート! 一気に気分も上がります♪

所要時間は約50分。基本の細工(ウサギ・イルカ・小鳥のうちいずれか)を習い、自分で3本完成させます。

難しいステップは親子で協力!

はさみを使うちょっと難しいところはママが手を添えてサポート
はさみを使うちょっと難しいところはママが手を添えてサポート

難しそうに思える飴細工ですが、まずは先生がお手本を見せつつレクチャーし、そのあと順を追って解説してくれるから大丈夫!

小・中学生は保護者とペアで体験できます(参加費3,300円/材料費込み)。大人用と子供用の道具が用意されており、子供にとって難しい作業を保護者がサポートできるので安心です。

伝統の技を楽しく体験できる飴細工作りに、ぜひ親子でチャレンジしてみませんか?

■あめ細工吉原 千駄木アトリエ
所在地:東京都文京区千駄木1-23-5巴ビル1F
営業時間:13:00~18:00(実演販売は17:00まで)
定休日:不定休
電話番号:03-6323-3319

【制作体験】
対象:小学生以上
開催日:土・日・祝日
開催時間:10:00~/11:30~(約50分間)
予約:完全予約制
予約方法:予約フォーム
体験料金:小・中学生は保護者と2人1組で3,300円、高校生以上1人3,300円(ともに材料費込み)

【皮革製品】大関鞄工房(墨田区)

シックでモダンな店構えの「大関鞄工房」
シックでモダンな店構えの「大関鞄工房」

JR総武線「両国駅」から徒歩10分、地下鉄大江戸線「両国駅」から徒歩5分ほどの場所にある「大関鞄(おおぜきかばん)工房」。

バッグや財布などの革製品を販売している店舗の奥にある体験スペースでは、革のショルダーバッグ作りを体験することができます。

江戸時代から皮革加工がさかん!「革のまち・墨田区」

カラフルでオシャレな革のアイテムが並べられた店内
カラフルでオシャレな革のアイテムが並べられた店内

古くから水運の要所であった隅田川周辺で行われていた産業のひとつに、皮革加工があります。江戸時代、このあたりには動物の原皮を柔らかくするなめし加工場が多くあり、現在でも豚革の国内生産量の9割は墨田区で作られています。

本革のショルダーバッグ作りに挑戦!

目を閉じて、自分が作りたいバッグのイメージを思い浮かべます
目を閉じて、自分が作りたいバッグのイメージを思い浮かべます

ショルダーバッグ作り体験では、バッグの本体やフタ、厚みとなる部分の革と、紐の各パーツを、用意された何十種類もの素材のなかから選んで作ることができます。

どの色を組み合わせるか迷いますが、「自分が作りたいバッグのイメージをしましょう。そのバッグを持って、どこに行って何をしたいですか? その思いをデザインしてください」と工房オーナーの大関敏幸(おおぜきとしゆき)さん。

どんどんバッグの形に仕上がっていきます!
どんどんバッグの形に仕上がっていきます!

革に穴を開けて留め具の「カシメ」を打ち込む作業は、難しそうに感じますが、最初に穴開けとハンマー操作を練習するので大丈夫。

カシメで革をつないで横マチを編みこみ、ショルダーを通す「Dカン」をつけたらできあがり! 難しいところはお店の方に手伝っていただきながら、本革のオリジナルショルダーバッグが完成です。

体験時に着用するのは、大関鞄工房オリジナルのキッズ用エプロン。帆布に革の加工がおしゃれ!
体験時に着用するのは、大関鞄工房オリジナルのキッズ用エプロン。帆布に革の加工がおしゃれ!

体験のあとは、革がどっさり積まれた工房の見学も。実際の革製品作りに使っている業務用ミシンを見せていただいたり、墨田区の革産業や革の特性についてお話を伺ったりすることができます。

■大関鞄工房
所在地:東京都墨田区緑2-13-5
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜、祝日
電話番号:03-5669-1408

【制作体験】
<ショルダーバッグ作り体験>
対象:4歳以上~中学生
※親子での体験も可
所要時間:90~120分
開催日時:公式サイトにて要確認
予約:完全予約制
予約方法:電話または公式サイト
体験料金:5,500円(革のストラップを付ける場合は+1,000円)

【皮革製品】アトリエ・アミーチ(墨田区)

オシャレな木の看板が目印。1階が事務所と工房、2階が体験スペースです
オシャレな木の看板が目印。1階が事務所と工房、2階が体験スペースです

JR総武線、地下鉄半蔵門線「錦糸町駅」から歩いて12分ほどの場所にある、「アトリエ・アミーチ」2階の体験スペースで行われている革クラフト教室で、革のポシェット作りを体験できます。

「ものづくりの街・すみだ」を体感!

優しく教えてくださる片野さん。こんなにかわいいポシェットが作れます
優しく教えてくださる片野さん。こんなにかわいいポシェットが作れます

体験の指導をしてくださるのは、片野一恵(かたのかずえ)さん。優しい口調で丁寧に、制作のコツはもちろん、墨田区と革の関わりの歴史や、革についての豆知識も教えてくださいます。子供たちにも、革がグッと身近に感じられるものに!

自分だけのデコレーションが楽しい♪

「どれにしよう…」迷いながらも楽しいひととき
「どれにしよう…」迷いながらも楽しいひととき

ポシェット作りに使うのは、厚みがあり柔らかな牛革。優しい手ざわりで、とても上質な革であることがわかります。落ち着いた色合いからパステルトーンのものまであり、どの色で作るか迷ってしまいますね!

マチになる部分を折り込んでカシメを打ち込みます
マチになる部分を折り込んでカシメを打ち込みます

基本的な作業は、印の場所に穴を開け、革をとめる「カシメ」という金具を打ち込むこと。この繰り返しで、ポシェットの形を作り上げていきます。

革を折りたたむようにギャザーを寄せ、そこにカシメを打ち込んでとめていくと、中が仕切られたポシェットが徐々にできあがってきました!

 好きなモチーフを選んで飾りつけをします
好きなモチーフを選んで飾りつけをします

ポシェットの形ができあがったら、いよいよデコレーションです。ハートや星、花などのモチーフから3つを選び、好きな位置にカシメでとめていきます。最後にオリジナルのタグを作って完成!

小さなかわいい革のポシェット。何を入れておでかけしようか、迷いますね♪

■アトリエ・アミーチ
所在地:東京都墨田区石原4-21-4
営業時間:11:00~19:00
定休日:日曜、祝日
電話番号:03-6279-8991

【制作体験】
<ポシェット作り体験>
対象:5歳以上
※未就学児は保護者のサポートが必要
所要時間:90分~
開催日時:土・日曜、祝日のみ 
※希望時間など、電話にて要相談
予約:完全予約制
予約方法:電話
体験料金:5,740円

本格的な匠の技にふれながら、自分だけの作品作りができる東京都内の体験スポットを紹介しました。伝統的な工芸品を間近に見たり、現役の職人さんからお話を聞いたりすることで、新たな発見があるはず。ぜひ親子で訪れてみましょう!

記事を書いた人

オヤマフミカ

すでに子育ては卒業した、旅好き&イベント好きライター/Webディレクター。趣味は舞台鑑賞とハイキング。最近は登山に行って「ヤマメシ」を作ることにハマっています。面白そうなイベントには積極的に参加し、人と話して輪を広げるのが楽しみ。

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