
2025今が見頃も!関東の「キツネノカミソリ」名所9選!注意点も解説
「キツネノカミソリ」をご存知ですか? そのミステリアスな名前は、一度聞くと忘れられない人も多いはず。じつはキツネノカミソリは、夏の森の奥で鮮やかに咲く、美しい花なんです。
この記事では、そんな神秘的なキツネノカミソリが見られるスポットをご紹介! 今年の夏は、暑さを忘れて親子で自然の美しさにふれる冒険におでかけしてみませんか?
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
※画像は過去の様子であり、現状とは異なる場合があります。また見頃や生育状況はその年の気候により変動しますのでご注意ください
「キツネノカミソリ」ってどんな花?

キツネノカミソリは、湿った森や斜面などに咲く、ヒガンバナ科の多年草です。春になると葉を伸ばしますが、夏が近づく頃にはその葉はすっかり枯れてしまいます。
そしてお盆の時期になると、葉のない地面からまっすぐに伸びた茎の先に、ユリのような形をした鮮やかなオレンジ色の花を咲かせます。
葉と花が同時に存在しないという、ちょっと変わったサイクルを持っているのも、キツネノカミソリの大きな特徴です。

名前の由来には、春に伸びる細く鋭い葉の形が「カミソリ」を思わせることや、花の色が「きつね色」に似ていること、突然ぱっと咲く姿が「狐火」のように見えることなど、いくつかの説があります。
名前の響きだけでもミステリアスな印象を受けますが、実際にこの花には有毒成分を含む球根があり、昔から“見て楽しむ花”として知られています。子供と一緒に観察するときは、さわったり摘んだりしないよう、ひと声かけておくと安心です。
キツネノカミソリを見に行く前に!持ち物・服装・注意点まとめ
キツネノカミソリが咲く時期は、日差しが強く残暑も厳しいことがあります。こまめに水分や塩分を補給し、適度に休憩をとって、体調管理に気をつけましょう。
また、場所によってはマムシなどの野生動物がいることもあるので、草むらには入らず、必ず指定された散策路を歩いてくださいね。
安心して楽しむための服装は?

キツネノカミソリの群生地は、森のなかや斜面など、自然に囲まれた場所がほとんどです。動きやすく、肌を守れる服装でおでかけしましょう。
【長袖・長ズボン】
虫刺されや日焼けの対策に。動きやすく、通気性の良い薄手の素材がおすすめです。秋口は朝晩冷える日もあるので、脱ぎ着しやすい上着を1枚持っておくと安心です。
【帽子】
強い日差しから頭や顔を守るためにも、帽子は必ずかぶりましょう。風で飛ばされにくい、あごひもつきの帽子だと安心です。
【歩きやすい靴】
道がぬかるんでいたり、足場が悪いところもあるので、サンダルやヒールのある靴はNG。スニーカーやトレッキングシューズなど底がしっかりしていて滑りにくい靴がおすすめです。
あると便利な持ち物は?

自然の中を歩くおでかけには、ちょっとした準備が大切です。以下のアイテムを参考に、持ち物をチェックしてみてくださいね。
【飲み物(多めに)】
熱中症対策として、水筒やペットボトルを多めに持っていきましょう。子供は遊びに夢中になると水分補給を忘れがちなので、声かけも忘れずに。
【軽食・おやつ】
疲れたときのエネルギー補給や気分転換に。個包装で手が汚れにくいおやつがあると便利です。
【タオル・汗拭きシート】
汗をかいたときや、手を拭くのに重宝します。冷感タイプのシートがあると、暑さ対策にもなって一石二鳥です。
【ウェットティッシュ・除菌シート】
お弁当やおやつの前後に。手や口まわりを拭く用として1パック持っておくと安心です。
【虫よけ・常備薬】
自然豊かな群生地では、蚊やアブなどの虫が出ることも。虫よけスプレーや虫刺され薬を用意しておくと安心です。あわせて、ちょっとした擦り傷に備えて絆創膏や常備薬も持っていくと、いざというときに役立ちます。
【ビニール袋】
ゴミを持ち帰るときや、濡れた服・タオルなどを入れるのに便利。複数枚用意しておくと使い分けができます。
【雨具】
キツネノカミソリが咲く時期は、天気が急変しやすい季節。念のため、折りたたみ傘やレインコートをバッグにしのばせておくと安心です。
それではここから、関東にあるキツネノカミソリの名所をご紹介します!
【東京都国立市】城山(じょうやま)公園

東京都国立市にある「城山公園」は、鎌倉時代初期にこの地を治めていた中世の豪族の館跡を整備した公園です。
約1万5,000平方メートルに広がる城館跡と周囲の豊かな緑は、「東京都歴史環境保全地域」に指定されており、城館跡そのものも「東京都指定旧跡」として大切に守られています。

例年8〜9月になると、園内の東側や北側の崖線にかけて、キツネノカミソリが鮮やかに咲き誇ります。
国立市によると、8月19日(火)現在ちょうど見頃を迎えており「2025年は今週いっぱいまで楽しめる」とのこと。さらに、「園内の東側にある細い水路を東に進むと、ひらけた場所に群生して咲いている姿が見られる」と教えてくれました。
このほか、季節ごとにさまざまな草花を楽しめるのも魅力。農業体験ができる「城山さとのいえ」や、江戸時代後期の暮らしを伝える茅ぶき屋根の古民家もあり、自然と歴史の両方にふれることができます。
■城山公園
所在地:東京都国立市泉5-21-20
キツネノカミソリの見頃:例年8月~9月 ※2025年8月5日現在、国立市によると数輪開花しているそうです
アクセス:【電車】JR南武線「矢川駅」または「谷保駅」から徒歩で約15分
駐車場:あり
【埼玉県滑川町・熊谷市】国営武蔵丘陵森林公園

「国営武蔵丘陵森林公園」は、埼玉県滑川町と熊谷市にまたがる国営公園。1974年に開園し、面積はなんと東京ドーム約65個分もあります。
園内には雑木林や湿地、池や草地など、いろいろな自然が広がっていて、季節ごとに違った風景を楽しめるのが魅力です。

例年、8月上旬にはキツネノカミソリが見頃を迎えます。
観賞スポットは、中央口から徒歩で約20分の「てべ沼」と、南口・中央口から徒歩で約20分の「野草コース」。2024年は野草コースで数十株、てべ沼では数百株が開花し、2025年も美しい花が咲くことが期待されています。
■国営武蔵丘陵森林公園
所在地:埼玉県比企郡滑川町山田1920
キツネノカミソリの見頃:例年8月上旬
アクセス:【車】関越自動車道「東松山IC」から約10分
駐車場:あり(有料)
【埼玉県新座市】市場坂キツネノカミソリの里

埼玉県新座市にある「新座市営墓園」の西側に広がる斜面林には、「市場坂キツネノカミソリの里」と呼ばれる群生地があります。
例年8月上旬から中旬にかけて見頃を迎え、斜面一面に咲き誇る光景はまさに圧巻。市内はもちろん、県外からも多くの人が、この時期ならではの美しい風景を楽しみに訪れます。

この美しい自然を守ろうと、地元の人たちが「新座キツネノカミソリ保存会」を結成し、長年手入れを続けてきました。現在は管理方法が変わり、墓園管理の一部として、自生しているものを観賞できるよう整備されています。
地域の人たちに大切にされてきたキツネノカミソリを見に、ぜひ親子でおでかけしてみてくださいね。なお、自生している植物のため、生育状態はその年の気温や降水量などに左右されますのでご注意ください。
■市場坂キツネノカミソリの里
所在地:埼玉県新座市新塚1-5-1
キツネノカミソリの見頃:例年8月上旬~中旬
アクセス:【電車】東武東上線「朝霞駅」から西武バスに乗車、「新座総合技術高校」バス停で下車後、徒歩で約8分/西武池袋線「大泉学園駅」から西武バスに乗車、「栄公民館前」バス停で下車後、徒歩で約1分/にいバス(東コース)に乗車、「新座市営墓園」下車後すぐ
駐車場:なし(墓参り及び葬儀参列者用の駐車場のみ)
【埼玉県日高市】ひだか巾着田(巾着田曼珠沙華公園)

埼玉県日高市にある「ひだか巾着田」は、日本最大級の「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)=彼岸花」の群生地として知られ、秋にはあたり一面が真紅に染まる壮観な景色が広がります。

例年8月になると、彼岸花よりひと足早く、キツネノカミソリが群生地内に点在して咲き始めます。
園内を巡るなら、まずは高麗(こま)川に架かる「あいあい橋」へ。全長91.2mの木製トラス構造の歩行者専用橋で、このタイプの橋としては国内有数の長さを誇ります。自然の景観に美しく溶け込み、散策のスタート地点としても人気です。
■巾着田
所在地:埼玉県日高市大字高麗本郷125-2
キツネノカミソリの見頃:例年8月
アクセス:【電車】西武池袋線「高麗(こま)駅」から徒歩で約15分
駐車場:あり(有料)
【千葉県柏市】あけぼの山農業公園

千葉県柏市北部にある「あけぼの山農業公園」は、ヨーロッパの雰囲気がただよう花の名所。春の梅や桜、ツツジにはじまり、梅雨の花菖蒲や紫陽花、夏の蓮や向日葵、秋の秋桜や彼岸花、紅葉まで、季節ごとの花を楽しめます。
なかでも、約16万球のチューリップが風車前を彩る例年4月上旬の景色は圧巻。県内有数のフォトスポットとしても人気です。

例年8月中旬には、園内のあちこちでキツネノカミソリが見頃を迎えます。
このほか園内には、オリジナルスイーツが味わえる売店や、軽食・バーベキューを楽しめるカフェもあり、歩き疲れたときの休憩にも最適。親子で自然に親しみながら、のんびりとしたひとときを過ごせます。
■あけぼの山農業公園
所在地:千葉県柏市布施2005-2
キツネノカミソリの見頃:例年8月中旬
アクセス:【車】常磐自動車道「柏IC」から約15分
駐車場:あり(春と秋のイベント時のみ有料)
【栃木県さくら市】お丸山公園

栃木県さくら市にある「お丸山公園」は、中世時代に武家・喜連川塩谷氏が治めていた「大蔵ヶ崎城」の跡地にあります。1590年に廃城となりましたが、現在も深い堀切や大小の平場が残っており、散策路を巡ることができます。

例年8月には、キツネノカミソリが見頃を迎え、静かな山に彩りを添えます。
このほか、散策路周辺は豊かな植生に恵まれ、春には桜や山ツツジ、ヤマブキ草の群生など、季節ごとにさまざまな花を楽しめます。なお、2025年8月現在、天頂部の一部では立ち入りが制限されているのでご注意ください。
■お丸山公園
所在地:栃木県さくら市喜連川5481-1
キツネノカミソリの見頃:例年8月前後
アクセス:【電車】JR東北本線「氏家駅」からタクシーで約17分
駐車場:あり(さくら市役所喜連川庁舎)
【栃木県栃木市・佐野市】みかも山公園(特に大田和群生地)

栃木県内最大級の広さを誇る「みかも山公園」は、万葉集にも詠まれた「三毳(みかも)山」を活かした都市公園です。
園内には、「わんぱく広場」や「冒険の森」、「みかも万葉庭園」、園内を走るフラワートレイン(有料)など、自然と遊びを楽しめる施設が充実。四季折々の景色とともに、新しい発見が待っています。

三毳山中岳へ向かうハイキング道の中腹には、キツネノカミソリの群生地があり、鮮やかな花が登山道を彩ります。
このほかコナラやクヌギの広葉樹林に囲まれた園内では、春の桜やヤマツツジ、夏の深緑、秋の紅葉など、季節ごとに美しい風景が広がります。カタクリや二輪草などの山野草も豊富で、“花の百名山”に選ばれているのも納得です。
■みかも山公園
所在地:栃木県栃木市岩舟町下津原1747-1
キツネノカミソリの見頃:例年8月前後
アクセス:【車】東北自動車道「佐野藤岡IC」から約3分
駐車場:あり
【栃木県栃木市】四季の森星野

栃木県栃木市にある「四季の森 星野」は、「三峰山」(みつみねさん)のふもとに広がる自然豊かなスポット。古代遺跡や豊かな植生に恵まれ、山野草の宝庫として知られています。
春には、全国でも珍しい節分草(セツブンソウ)が見頃に。群生の規模は日本最大級ともいわれ、このあたりより北では自然に見られることが少ない、貴重な花です。

例年8月頃になると、山肌にはキツネノカミソリが咲き始め、緑の中にオレンジ色が映える美しい風景が広がります。また、同じ時期に見頃を迎える、ピンク色の夏水仙との共演も見どころです。
園内は、地元のボランティアの人々によって丁寧に整備されているため、親子で安心して散策を楽しめますよ。
周辺には「星野遺跡」をはじめ、「星野遺跡地層たんけん館」「出流山 満願寺」など、歴史を体感できる観光スポットも。ぜひ親子でおでかけしてみてください。
■四季の森星野
所在地:栃木県栃木市星野町
キツネノカミソリの見頃:例年8月上旬
アクセス:【バス】JR両毛線・東武日光線「栃木駅」から関東自動車バスに乗車、「星野遺跡公園入口」バス停で下車後、徒歩で約5分
駐車場:あり
【栃木県日光市】日光植物園

栃木県日光市にある「日光植物園」は、「東京大学大学院理学系研究科附属植物園(通称・小石川植物園)」の分園です。
春には桜が咲き誇り、秋には色鮮やかな紅葉が楽しめる自然豊かな環境で、多くの親子が散策やピクニックに訪れます。ただし研究施設のため、植物の採集や持ち込みなどは禁止されています。

2025年8月10日(日)には、日光植物園で「夏のガイドツアー 2025」を開催。キツネノカミソリをはじめ、夏にしか見られない植物の見どころや特徴を、スタッフがやさしく解説してくれます。
ツアーは午前中に実施されるため、「日光東照宮」や「日光山輪王寺」、「二荒山神社」といった世界遺産エリアへも立ち寄りやすく、観光コースのひとつとして組み込むのもおすすめです。
詳細は下記「日光植物園 夏のガイドツアー 2025」のページをチェックしてみてください。
「日光植物園 夏のガイドツアー 2025」を詳しくチェック!
■日光植物園
所在地:栃木県日光市花石町1842
キツネノカミソリの見頃:例年8月上旬
アクセス:【車】日光宇都宮道路「日光IC」または「清滝IC」から約5~10分
駐車場:あり
普段の生活ではなかなか出会えない「キツネノカミソリ」。だからこそ、親子で「どこに咲いているかな?」と探しながら森を歩くのは、夏ならではの楽しい自然体験になります。
この夏は、ぜひ親子でキツネノカミソリを探しにおでかけしてみてくださいね♪
記事を書いた人

わかめ
ライター・占い師・音楽家。 朝は原稿、夜はタロット、週末はヘブンアーティスト「わかめとミュゼット」でアコーディオンを演奏する子育て主婦です。
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