【2025関東】飛梅伝説って知ってる?菅原道真ゆかりの梅の名所7選
更新日2025年02月09日/公開日2025年02月06日

【2025関東】飛梅伝説って知ってる?菅原道真ゆかりの梅の名所7選

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今回は、学問の神様・菅原道真公ゆかりの梅の花が美しい関東の名所をご紹介します。

菅原道真公を祀る多くの神社では、例年2月に梅の花が見頃を迎え、「梅まつり」や「梅花祭」などの行事が行われます。学業成就や合格祈願、お礼参りなどを兼ねて、親子で梅の花を眺めてみませんか?

※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報は、公式サイトをご確認ください

菅原道真公を祀る「天満宮」に梅の木があるのはなぜ?

日本全国には約1万2,000社の天満宮があります、その多くが梅の花をモチーフとした社紋を用い、境内には梅の木が植えられています。それはなぜでしょうか。

菅原道真公が残した梅の和歌と「飛梅伝説」

東京都江東区の「亀戸天神社」にある歌碑には、道真公が5歳のときに梅を詠んだ和歌が刻まれています
東京都江東区の「亀戸天神社」にある歌碑には、道真公が5歳のときに梅を詠んだ和歌が刻まれています

学問の神様として有名な菅原道真公(天神様)は、生涯を通じて梅の花をこよなく愛したことで知られ、5歳のときに詠んだ歌にも梅が登場しています。

うつくしや 紅の色なる梅の花 あこが顔にも つけたくぞある
(美しいなぁ、紅色の梅の花は。私の顔にもつけて飾りたいものです)

「小野照崎(おのてるさき)神社」の期間限定「飛梅」御朱印にも菅公の和歌が書かれています
「小野照崎(おのてるさき)神社」の期間限定「飛梅」御朱印にも菅公の和歌が書かれています

貴族であり役人であった道真公は、901年(昌泰4年)に、無実の罪で京都の宮中から九州の大宰府に左遷されることになりました。

九州へ旅立つ際、「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」(梅の花よ、東から風が吹いたら香りを送っておくれ。主がいなくても春を忘れてはいけないよ)と詠み、自宅の庭の梅の木に別れを告げたといいます。

庭の梅の木は道真公を慕い、一夜にして太宰府まで飛んで行きました。これが有名な「飛梅(とびうめ)伝説」です。

太宰府名物「梅ヶ枝餅」。道真公の暮らしぶりを見かねた浄明尼が、梅の枝に粟餅を巻き付けて差し入れたという故事があるそうです(画像提供:福岡県観光連盟)
太宰府名物「梅ヶ枝餅」。道真公の暮らしぶりを見かねた浄明尼が、梅の枝に粟餅を巻き付けて差し入れたという故事があるそうです(画像提供:福岡県観光連盟)

福岡県太宰府市にある全国天満宮総本宮「太宰府天満宮」では、この「飛梅伝説」ゆかりの「飛梅」が御神木とされ、梅守(うめもり)と呼ばれる人々が約200品種6,000本もの梅の木をおせわしています。

全国各地の天満宮はもちろん、道真公を合祀する神社などにも道真公を偲ぶ梅の花が植えられているので、参拝の際には御祭神に思いをはせながら花を愛でてみてはいかがでしょうか。

それではここから、関東にある「菅原道真公ゆかりの梅の名所」をご紹介していきます!

小野照崎神社(東京都台東区)

二度の火難を逃れた「小野照崎神社」の本殿(画像提供:小野照崎神社)
二度の火難を逃れた「小野照崎神社」の本殿(画像提供:小野照崎神社)

東京の下町・台東区下谷にある「小野照崎(おのてるさき)神社」は、学問や芸能、仕事運などにご利益があるとされる神社。

御祭神は、平安時代に政治や和歌、漢詩をはじめ、さまざまなジャンルで豊かな才能を発揮した“マルチアーティスト”、小野篁(おののたかむら)卿です。

江戸後期には、学問の神様である菅原道真公が回向院から御配神として遷され、境内にある末社を含めると、15柱もの神様がお祀りされています。

太宰府天満宮から贈られた「道ひらきの梅」

春はさまざまな花々が境内に彩りを添えます
春はさまざまな花々が境内に彩りを添えます

本殿前には、「太宰府天満宮」から贈られた「道ひらきの梅」と呼ばれる紅白の一対の梅があります。例年2月初旬に見頃を迎え、一年の始まりを寿ぐ(ことほぐ)かのように可憐な花が咲き誇ります。

参拝に訪れた際は、ぜひその鮮やかな彩りとふくよかな梅の香りを楽しんでくださいね。

「飛梅」の御朱印は2月限定。お見逃しなく!
「飛梅」の御朱印は2月限定。お見逃しなく!

ほかにも、この時期の境内では椿の花が見頃を迎え、2月の中旬を過ぎた頃からは、早咲きの河津桜をはじめ、季節の花々が次々に春の訪れを伝えます。

境内には早咲きの河津桜も
境内には早咲きの河津桜も

さまざまな花が見頃を迎える春、家族でゆったりと季節の移ろいを感じながら、参拝のひとときを過ごしましょう。

【こちらもおすすめ】小野照崎神社 下谷坂本富士 お山開き

「小野照崎神社」権禰宜・小田嶋華麟さんおすすめの周辺スポットは?

当社周辺には、古民家や銭湯をリノベーションしたカフェ「入谷プラスカフェ」「レボン快哉湯」のほか、鰻の「のだや」さん、サウナがある銭湯「萩の湯」さんなど、親子連れに人気のスポットがいくつもあります。

徒歩10~15分ほどで上野公園や浅草へのアクセスも可能ですよ(権禰宜・小田嶋華麟さん)。

■スポット概要&開花情報
所在地:東京都台東区下谷2-13-14
梅の見頃:例年2月上旬〜3月上旬
アクセス:電車:東京メトロ日比谷線「入谷駅」から徒歩で約3分、またはJR山手線、京浜東北線「鶯谷駅」から徒歩で約7分
駐車場:なし

公式サイト

亀戸天神社(東京都江東区)

紅白の梅で彩られる境内(画像提供:koro / PIXTA)
紅白の梅で彩られる境内(画像提供:koro / PIXTA)

「亀戸天神社」は、1646年(正保3年)、九州「太宰府天満宮」の神官・菅原大鳥居信祐公(道真公の後裔)が創祀した神社。“亀戸の天神さま”“亀戸天満宮”とも呼ばれ、親しまれています。

神のお告げにより「飛梅」の枝で天神像を刻み、諸国を巡っていたところ亀戸にたどり着き、太宰府にならって社殿、回廊、心字(しんじ)池、太鼓橋などを造影したのが起源です。

 太鼓橋と梅の花
太鼓橋と梅の花

“花の天神様”として広く親しまれ、例年2月上旬から3月上旬にかけて300本を越す紅白の梅が美しく咲き誇ります。特に赤い太鼓橋と紅・白梅の共演は見事。

本殿の前には、道真公が5歳のときに詠んだ和歌の歌碑があり、そのすぐそばには1本の木に紅梅と白梅の花が咲く「五賢の梅」があるので、ぜひ探してみてください。

イベント情報:梅まつり(2025年2月2日~3月2日)

太宰府の梅
太宰府の梅

「亀戸天神社」では、梅の見頃にあわせて毎年「梅まつり」が開催されています。

毎年、「飛梅伝説」にちなんだ恒例行事として福岡県の「太宰府天満宮」から“梅の使節”が訪れ、「亀戸天神社」の神職に紅白の梅を手渡します。

「亀戸天神社 梅まつり」を詳しくチェック!

■スポット概要&開花情報
所在地:東京都江東区亀戸3-6-1
梅の見頃:例年2月上旬〜3月上旬
アクセス:電車:①JR総武線「亀戸駅」北口から徒歩で約15分 ②JR総武線、地下鉄半蔵門線「錦糸町駅」北口から徒歩で約15分
駐車場:あり
関連イベント:【梅まつり】2025年2月2日(日)~3月2日(日)

谷保天満宮(東京都国立市)

谷保天満宮
谷保天満宮

学業成就・交通安全祈願の神社として親しまれる「谷保(やぼ)天満宮」は、東日本最古の天満宮であり、「亀戸天神社」「湯島天満宮」とともに“関東三大天神”と呼ばれています。

その歴史は、903年(延喜3年)菅原道真公が亡くなった際、第3子・道武公が父を祀る廟を建てたことに始まると伝わります。

「谷保天満宮」の梅林に咲く梅(画像提供:mandegan / PIXTA)
「谷保天満宮」の梅林に咲く梅(画像提供:mandegan / PIXTA)

境内の梅林には約350本以上の紅・白梅があり、例年1月中旬〜3月上旬には見事な花を咲かせます。

イベント情報:梅まつり(2025年2月22日/雨天の場合23日)

境内に咲く白梅(画像提供:すずろ / PIXTA)
境内に咲く白梅(画像提供:すずろ / PIXTA)

学業成就・交通安全祈願の神社として親しまれる同社では、梅の見頃にあわせて「梅まつり」を開催。

例年は和菓子屋などの屋台が並び、和楽器演奏や「紅わらべの舞」など多彩な催しが行われます。2025年は2月22日(土)に予定されていますが、詳細は確認中です。

JR南武線「谷保駅」から徒歩3分とアクセスも抜群。親子で梅の花を愛でながら穏やかな時間を過ごしてみませんか?

■スポット概要&開花情報
所在地:東京都国立市谷保5209
梅の見頃:例年1月中旬〜3月上旬
アクセス:車:中央高速道・国立府中ICから約3分
電車:JR南武線「谷保駅」から徒歩で約3分
駐車場:あり
関連イベント:梅まつり:2025年2月22日(土) ※雨天の場合2月23日(日)

布多天神社(東京都調布市)

「布多天神社」にある調布市指定有形文化財の狛犬
「布多天神社」にある調布市指定有形文化財の狛犬

京王線「調布駅」から天神通り商店街を抜けた先にある、緑に囲まれた神社「布多天神社」(ふだてんじんじゃ)。927年に制定された「延喜式神名帳」に名を連ねている、多摩エリア有数の古社です。

もともと多摩川沿いに鎮座していましたが、洪水を避けるために現在の場所に遷座され、その際に“学問の神様”として有名な菅原道真公が祀られました。

そのため合格・学業成就、厄除け、家内安全などのご利益があるといわれ、特に初詣から受験シーズンにかけて多くの参拝者が訪れます。

イベント情報:梅まつりコンサート(例年2月中有/2025年は確認中)

(画像提供:mandegan / PIXTA)
(画像提供:mandegan / PIXTA)

例年2月の中旬から境内の梅が見頃を迎え、「梅まつりチャリティコンサート」が開催されています(2025年は未定)。

また、期間限定で「梅まつり限定朱印」も頒布されます。詳細は同社の公式サイト、公式ISNSをご確認ください。

■スポット概要&開花情報
所在地:東京都調布市調布ケ丘1-8-1
梅の見頃:例年2月中旬~下旬
アクセス:電車:京王線「調布駅」中央改札口から徒歩で約5分
駐車場:あり
関連イベント:梅まつりチャリティコンサート(2025年の開催は確認中)

湯島天満宮/湯島天神(東京都文京区)

境内にほのかな梅の香りが広がります
境内にほのかな梅の香りが広がります

「湯島天満宮」(湯島天神)は458年(雄略天皇2年)創建の古社。もともとは天之手力雄命(あめのたぢからおのみこと)を祀る神社として創建されました。

菅原道真公をお祀りしており、学業成就を願う受験生にとっても大切な場所。境内の梅園には約20種類・300本もの梅の木が植えられていて、江戸時代から「梅の名所」として親しまれてきました。

白梅を中心に、紅梅や一部の珍しい品種も見ることができ、色とりどりの梅の花で境内が鮮やかに彩られます。

イベント情報:文京梅まつり (2025年 2月8日~ 3月9日)

色とりどりの梅の花が咲き誇ります
色とりどりの梅の花が咲き誇ります

例年2月上旬から3月上旬の期間に、「文京梅まつり」が開催されます。神輿の渡御(とぎょ)やカラオケコンクール、尺八とお琴の演奏、物産展といった楽しい催しが、早春の華やかな雰囲気を盛り上げます。

「文京梅まつり 」を詳しくチェック!

■スポット概要&開花情報
所在地:東京都文京区湯島3-30-1
梅の見頃:例年2月上旬〜3月上旬
アクセス:電車:①東京メトロ千代田線「湯島駅」から徒歩で約2分 ②東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目駅」から徒歩で約10分、ほか
駐車場:なし(周辺に有料駐車場あり)
関連イベント:文京梅まつり:2025年2月8日(土)~3月8日(土)

【番外編】皇居東御苑 梅林坂(東京都千代田)

大手門のひとつ「高麗門」。江戸時代と現代を行き来できそう!(画像提供:yama1221 / PIXTA)
大手門のひとつ「高麗門」。江戸時代と現代を行き来できそう!(画像提供:yama1221 / PIXTA)

千代田区にある「皇居東御苑」では、旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を一般に公開しています。

江戸城の名残りが残る数々の史跡にふれ、江戸時代の歴史を感じられるだけでなく、都心部では珍しい自然豊かな場所として、散策や休憩場所としても人気です。

「梅林坂」(画像提供:denkei / PIXTA)
「梅林坂」(画像提供:denkei / PIXTA)

冬から春にかけての梅見シーズンには、東御苑の梅の名所、「梅林坂」がおすすめ。見頃は例年1月中旬〜3月上旬ですが、12月から咲き始める早咲きの梅もあります。

太田道灌が菅原道真を祀り、梅樹数百株を植えたことから「梅林坂」と名付けられたのだとか。

本丸と二の丸を結ぶこの坂には、現在50本ほど紅白の梅が植えられています。

■スポット概要&開花情報
所在地:東京都千代田区千代田1−1 宮内庁
アクセス:電車:①東京メトロ各線、都営三田線「大手町駅」から徒歩で約5分。東京メトロ東西線「竹橋駅」から徒歩で約5分 ②東京メトロ千代田線「二重橋前駅」から徒歩で約10分
駐車場:あり(北の丸第一駐車場/出入り口の大手門・平川門・北桔橋門にはなし)

【番外編】越生梅林(埼玉県越生町)

鮮やかに咲き誇る「越生梅林(おごせばいりん)」の梅(画像提供:denkei / PIXTA)
鮮やかに咲き誇る「越生梅林(おごせばいりん)」の梅(画像提供:denkei / PIXTA)

“関東三大梅林”に数えられる「越生梅林」は、南北朝時代に「太宰府天満宮」から「小杉天満宮」(現・梅園神社)を分祀した際、梅を植えたのが起源といわれています。

その後、越辺川左岸が梅の生育に適していたことから梅を多く植え、収穫した梅で梅干しなどを作るようになり、梅の里として知られるようになりました。

梅林には樹齢約670年を超える古木「魁雪」(かいせつ)、四方に伸びる枝に白い花をつける「白加賀」など約1,000本の梅の木があり、越生町全体で合計約2万5,000本もの梅を栽培。

見頃の時期にはまち全体が梅の甘い香りに包まれます。

イベント情報:梅まつり(2025年2月15日~3月16日)

ミニSLに乗って梅のお花見♪(momo / PIXTA)
ミニSLに乗って梅のお花見♪(momo / PIXTA)

「越生梅林」では、例年2月中旬から3月中旬まで「梅まつり」が盛大に催されます。梅林をミニSLが走行し、お囃子や獅子舞などのイベントも開催。家族みんなで楽しい一日を過ごせますよ。

2025年2月15日(土)~3月16日(日)の会期中、2月22日(土)、3月1日(土)には梅の花のライトアップが行われます。

「梅まつり」の詳細をチェック!

■スポット概要&開花情報
所在地:埼玉県入間郡越生町堂山118
梅の見頃:例年2月中旬〜3月下旬
アクセス:電車:東武鉄道、JR八高線「越生駅」からバスで約10分、「梅林入口」バス停で下車
駐車場:あり
関連イベント:梅まつり:2025年2月15日(土)~3月16日(日)

天神信仰において、災厄を払い、福を招く「神の木」でもある梅の木。情緒豊かな花の景色と香りにふれ、心穏やかな春を迎えてくださいね。

記事を書いた人

いこーよとりっぷ編集部

「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。

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