里沼&製粉博物館&スイーツで学ぶ<br/>「群馬県館林市」の小麦文化と歴史
公開日2022年04月14日/更新日2022年05月16日

里沼&製粉博物館&スイーツで学ぶ
「群馬県館林市」の小麦文化と歴史

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群馬県館林市、ほか

パンやケーキに、うどん、パスタなど、わたしたちの生活の中で小麦粉を使った食べ物を口にする機会が年々増えてきています。

実際、お米の1人あたりの年間消費量は減少傾向にあるのに対して、小麦の1人あたりの年間消費量は、1974年(昭和49年)以降、31~33kgと安定的に推移しています(農林水産省)。

日本で消費される小麦のうち、国産小麦は約14%と少なく、残りの86%は輸入小麦が占めていますが、最近は地産地消の観点から国産小麦のニーズが増加。全国各地で新しい品種の開発も進んでいます。

群馬県は本州・関東圏での小麦生産量1位を誇り、県内にある館林(たてばやし)市も100年以上前から小麦文化が根付いているエリア。江戸時代には館林藩から将軍家へ小麦粉が献上された歴史があり、かつては「麦都(ばくと)」と呼ばれていたほどです。

そんな館林市には、小麦文化について楽しく学べる観光スポットや、小麦を使ったグルメ&スイーツが味わえるお店が点在しています。国産小麦についての理解を深め、食育にもつながる親子旅にでかけましょう!

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日本遺産に認定!小麦文化を支えてきた「里沼」の魅力

館林市には、「里沼(SATO-NUMA)」とよばれる大小さまざまな沼があります。里沼とは、人里に隣接し、人々が自然と協調することで歴史文化が育まれてきた沼のことです。

人間の影響を受けた生態系が存在する“里山”をヒントにした概念で、2019年には、「多々良沼」「城沼」「茂林寺沼」の3つの沼とその周辺文化が「里沼(SATO-NUMA)」として日本遺産に認定。観光スポットとしても人気を高めつつあります。

それぞれの沼にそれぞれの歴史背景があるのも、里沼の見どころの1つ。各沼の個性や特徴を学ぶことで、周辺の土地に残る文化などを知ることができます。

「里沼(SATO-NUMA)」を構成する代表的な3つの沼から、館林市の魅力を感じてみましょう。

白鳥飛来地としても有名「多々良沼(たたらぬま)」

周囲が約7kmある「多々良沼」は、里沼の中で最も大きい沼です。

沼の水を農業用水に利用したことで穀物栽培が盛んになったことや、沼の恵みが人々の暮らしを支えてきた歴史的な背景から、別名“実りの沼”と呼ばれています。

この沼は白鳥飛来地としても知られ、沼の北側にある「ガバ沼エリア」では、毎年11月頃に約200匹ものハクチョウが飛来してきます。ハクチョウ以外にも、カモやカエルなど、湿地を好む生き物や植物などが数多く生息して、親子での自然観察におすすめです。

一方、沼の西側にある「いこいと花のエリア」には、遊具が設置されています。小さな子供でも安心して楽しめる小型の複合遊具や、ブランコ、滑り台などがありますよ。

さらに、沼の東側から「群馬県立館林美術館」の付近まで続く遊歩道「彫刻の小径」では、さまざまな彫刻作品を鑑賞しながらお散歩が楽しめます。

小麦の栽培は「多々良沼」から始まった!

「多々良沼」は、館林市の小麦栽培の始まりの地といわれています。

戦国時代に活躍した農政家の大谷休泊(おおやきゅうはく)は、1570年に渡良瀬川と多々良沼から用水をとる水路を開きました。用水路を引いたことで、周辺の田畑が潤った結果、沼の周辺は小麦栽培に適した肥沃な土地に成長し、館林市に小麦文化が根付くきっかけを作ったのです。

多々良沼の東側には、大谷休泊の功績を称える石碑風のお墓があります。あわせて訪れましょう。

蓮の花×遊覧船で話題「城沼(じょうぬま)」

周囲約8kmで、東西に伸びる細長い形が特徴の「城沼」。1590年に築かれた「館林城」を取り囲むように沼が広がっていたことから、別名“守りの沼”といわれています。

夏になると沼一面を覆うようにハスの花が咲きます。見頃の時期である例年7月上旬~8月上旬には、ハスをかき分けるように沼を巡る「花ハス遊覧船」が運行します。水辺の涼しい風を受けて、船の上からハスを眺める優雅な時間が過ごせますよ。

また、沼のほとりにある「つつじが岡公園」では、毎年春になると約100品種約1万株のツツジが園内に咲き誇る「つつじまつり」を開催。2022年は4月10日(日)~5月15日(日)に開催されます。親子で訪れて美しいツツジを満喫しましょう。

ほかにも、沼の周辺には5つのウォーキングコースが用意されていて、家族でのんびり散策ができます。

昔話「分福茶釜」の舞台になった「茂林寺沼(もりんじぬま)」

周囲1kmほどのコンパクトなサイズの「茂林寺沼」。2021年1月には、沼を1周できる遊歩道も完成し、子供と一緒のお散歩にちょうど良いスポットになりました。

茂林寺沼は、沼のほとりに曹洞宗の拠点である「茂林寺」があることから、別名“祈りの沼”といわれています。

画像提供:「ググっとぐんま写真館」(http://gunma-dc.net/)
画像提供:「ググっとぐんま写真館」(http://gunma-dc.net/)

この「茂林寺」というお寺。実は、昔話「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」の舞台となったお寺なんです! 境内には、21体ものたぬき像が置かれていて、ひな祭りにはお雛様の衣装、夏休みの時期にはフラダンスの衣装を着るなど、ユニークなイベントも行われます。

かわいらしい衣装を着たたぬきと一緒に、ぜひ記念写真を撮ってみてくださいね。

食文化の理解を深める!「製粉ミュージアム」で小麦文化を楽しく学ぼう

小麦文化が栄えた館林市には、小麦や大麦に関連する企業が数多く存在します。1900年(明治33年)創業の「日清製粉株式会社」をはじめ、創業から100年以上の歴史がある企業も少なくありません。

製粉ミュージアム
製粉ミュージアム

日本を代表する製粉企業「日清製粉グループ」が創業の地に開設した「製粉ミュージアム」は、製粉(小麦・小麦粉)をテーマにした世界的に見ても珍しいミュージアムとして、国内外から注目を集めています。

家族みんなで小麦について学ぶことで、食文化への理解につながることはもちろん、毎日口にしている食べ物への感謝の気持ちを深められますよ。

新館に展示されている製粉機械。間近で見ることで、最新の製粉技術を学べます
新館に展示されている製粉機械。間近で見ることで、最新の製粉技術を学べます

建物は、「日清製粉グループ」の歴史や伝統を学べる本館と、小麦から小麦粉ができる過程などを学べる新館に分かれています。

新館は、工場で実際に使用されている機械の展示や、子供向けのクイズコーナー、動画での紹介などがあり、どの世代でも楽しく学習できる仕組みになっています。

■製粉ミュージアム
所在地:群馬県館林市栄町6-1
営業時間:10:00~12:00(入館は11:30まで)、13:00~16:30(入館は16:00まで)
アクセス:
【電車】東武鉄道各線「館林駅」西口から徒歩すぐ
【車】東北自動車道「館林IC」から車で約15分

館林市のブランド小麦粉「百年小麦」&うどんブランド「百年饂飩(うどん)」

館林市では、地元創業の企業である「日清製粉株式会社」の協力のもと、2017年にブランド小麦粉「百年小麦」を商品化しました。

館林市周辺の地域「邑楽館林(おうらたてばやし)」産小麦を100%使用し、「日清製粉株式会社」が持つ高度な技術で製粉された小麦粉は、パンやうどんにしたときに、一般的な小麦粉よりも、もちもちとした強い粘りを生むのが特徴です。

館林市内の飲食店では、「百年小麦」を使った料理が食べられます。さらに、「お食事処 うどん本丸」「エミール」「城町食堂」の3店舗では購入も可能。自宅で「百年小麦」を使った料理やお菓子作りに挑戦してみましょう!

「百年小麦」公式サイト(外部リンク)

また、「百年小麦」を30%以上使用したうどんを「百年饂飩(うどん)」と名付けています。老舗「お食事処 うどん本丸」など、市内の加盟店で食べることができます。

「百年饂飩」は、市内の小学校給食に採用されるなど、子供でも食べやすく、コシがある食感が人気です。小麦粉の配合や麺の太さなどは各店によって変わるので、お店巡りをして食べ比べてみてください。

手軽に堪能♪「百年小麦」を使った注目おやつ&スイーツ

館林市は、かつて城下町として栄えた土地ということもあり、今でも和菓子店がたくさん! 最近は、「百年小麦」を使った独自の和洋菓子&スイーツを提供するお店が増え、話題になっています。

素朴な味わいのどら焼きからフォトジェニックなパンケーキまで、人気商品をご紹介します。

三桝屋總本店(みますやそうほんてん)

館林市の銘菓・麦落雁(むぎらくがん)を江戸時代から作り続けている老舗和菓子店。館林市のおみやげとして、こちらの和菓子を購入する人も多い有名店です。

「百年小麦」を使用した「どら焼き」は、もっちりとした生地と上品な甘さのあんこが絶妙にマッチした人気商品です。

あんこは、菓子職人が選び抜いた国産小豆と上質な砂糖を使用することで、奥深い味わいに。栗が丸ごと一個入ったぜいたくな「栗どら焼き」も販売しています。

店内奥には、ベビーベッドが設置されているフリースペースを併設。お買い物のあと、ちょっとした休憩ができて、赤ちゃん連れにやさしい空間です。

■三桝屋總本店
所在地:群馬県館林市本町1-3-12
営業時間:9:00~17:00
アクセス:
【電車】東武鉄道各線「館林駅」から徒歩で約12分

田月堂(たげつどう)

1907年(明治40年)創業の和菓子店。まんじゅうなどの和菓子はもちろん、カステラなどの洋菓子も製造・販売しており、好みにあわせて商品を選ぶことができます。

お菓子のほとんどが自家製で、「百年小麦」をはじめ、北海道十勝産の「えりも小豆」など、こだわり抜いた素材を使っています。

「里沼(抹茶・小倉・バター)」 各150円
「里沼(抹茶・小倉・バター)」 各150円

なかでもおすすめは、館林市の里沼をモチーフにしたあんこ入りマドレーヌ「里沼」。

「百年小麦」の魅力を最大限に引き出すために試作を重ねてようやく完成したお菓子で、芳醇なバターの香りとあんこのやさしい甘さがあわさった、リッチな味わいが特徴です。

子供でも食べやすいカップ型でおやつにぴったり! スプーンでひと口ずつじっくりと味わうことで、素材本来の味を感じることができますよ。

■田月堂
所在地:群馬県館林市仲町12-32
営業時間:9:00~18:30
アクセス:
【電車】東武鉄道各線「館林駅」から徒歩で約9分
【車】東北自動車道「館林IC」から車で約13分

城町食堂

「百年パンケーキ」トリプル1,480円(シングル680円、ダブル1,080円)
「百年パンケーキ」トリプル1,480円(シングル680円、ダブル1,080円)

「館林市役所」敷地内の南西側にある、地元住民から愛されている洋食屋さん。

カフェタイム限定で提供されている「百年パンケーキ」は、子供からも人気が高いメニュー。独特の弾力がある「百年小麦」を使うことで、ふんわりしているのに、もっちりとした噛み応えもある不思議な食感に仕上がっています。

1枚のシングルから、親子でシェアするのにぴったりな3枚重ねのトリプルまで注文が可能。時間が経っても縮みにくい生地で、最後まで美味しくいただけます。

広々とした店内は、全面ガラス張りになっており開放感満点です。座席はテーブル席とカウンター席のほか、ファミリーが利用しやすい座敷席もあります。

座敷席の畳は、虫がわきにくい衛生的な和紙折を使用していて、ハイハイする赤ちゃんがいても安心して過ごせます。

■城町食堂
所在地:群馬県館林市城町1-1(館林市役所敷地内 南西側)
営業時間:11:00~22:00(土曜、祝日は~17:00)
アクセス:
【電車・バス】東武鉄道各線「館林駅」から徒歩で約17分/「館林駅」東口からつつじ観光バスで板倉線「板倉東洋大前駅西口」行き乗車(約6分)、バス停「館林市役所前」下車徒歩で約4分
【車】東北自動車道「館林IC」から車で約11分

emile(エミール)

「バナナキャラメルナッツ」1,080円
「バナナキャラメルナッツ」1,080円

「館林美術館」の敷地内にある自家製ワッフルレストラン。“芸術を食べる”をテーマにした、見た目にも美しく、美味しいワッフルを味わえます。

「百年小麦」を使ったワッフルは、外はザクッとしたほどよい硬さがあり、中は噛むともちもちの食感に仕上がっています。

おすすめは、特製のキャラメルソースがたっぷりかかった「バナナキャラメルナッツ」。バナナをふんだんに使い、さらに子供も大好きなバニラアイスが添えられている大満足の一皿です。アートを感じさせる華やかな見た目も同店ならでは。

ほかにも、1日分の野菜が補える食事系ワッフルや、旬の果物を盛り込んだ期間限定ワッフルなどもあります。

爽やかなイエローでまとめられているおしゃれな店内には、アート作品が飾られていて、お絵かきが好きな子供と訪れるとより一層楽しめます。

■emile
所在地:群馬県館林市日向町2003(群馬県立館林美術館1F)
営業時間:10:00~17:00(ラストオーダー16:00)
アクセス:
【電車・バス】東武伊勢崎「多々良駅」より徒歩で約17分/または東武鉄道各線「館林駅」西口1番のりばから多々良巡回線バスで約15分、「県立館林美術館前」下車徒歩すぐ
【車】東北自動車道「館林IC」から車で約20分

東京都心から車で約1時間半、電車で約2時間程度とアクセスも良く、プチトリップ&日帰り旅行にもぴったりの館林市。小麦文化を育んだ自然環境「里沼(SATO-NUMA)」や、歴史や文化、食育を学べる施設、ご当地ならではの食事が楽しめる飲食店など、魅力あふれるスポットがたくさんあります!

「小麦文化」をキーワードに、館林で親子旅をしてみましょう♪

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