羽村堰周辺おすすめ散策スポット
水を知る名所多数&自由研究にも
豊かな水源があり、水道水がおいしいことで知られる東京都羽村市。玉川上水の取水口となる「羽村取水堰(しゅすいせき)」や都指定史跡「まいまいず井戸」など、水にまつわる名所や施設がたくさんあります。
今回は、羽村堰周辺にある親子におすすめの散策スポットをご紹介! 親子で「水を知る旅」にでかけてみましょう。
※記事中の価格などの情報には、一部取材時の情報が含まれます。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認するか、店舗へご確認ください
羽村と水の深~い関係!まずは「玉川上水」の歴史から
羽村市といえば「玉川上水」のスタート地点です。緑豊かで美しい水が流れ、古くから地域の人々に愛され続けています。
そもそも「玉川上水」とは、江戸市中や武蔵野台地にある村々への飲料水や生活水を給水する目的で整備された全長約43kmの素掘り水路のこと。
1653年(承応2年)に幕府が玉川上水を掘ることを許可し、庄右衛門・清右衛門兄弟がこの工事を請け負いました。
羽村取水堰横の公園では玉川兄弟の銅像を見ることができますよ。
羽村取水堰を散策してみよう!
羽村取水堰は川をせき止める「固定堰」と「投渡堰(なげわたしぜき)」で構成される世界的にも珍しい堰です。
「投渡堰」とは、杉の丸太を組み合わせ、さらに隙間に砂利や枝を詰めて水流を止めている堰で、台風などの大雨のときは材木をそのまま流すことで水位の上昇を抑えるという仕組みです。
2014年には「土木学会選奨土木遺産」に認定されました。
河川の流れや堰の仕組みを間近で見ることができる貴重なスポット。ぜひ親子でお散歩してみてくださいね。
■羽村取水堰
所在地:東京都羽村市羽東3-8-32
厳選!水に親しむおでかけスポット7選
羽村市内には、水にまつわる名所や施設がたくさん! 親子で楽しめるおでかけスポットをピックアップしました。
羽村取水堰周辺
羽村取水堰のすぐ横は公園として整備されていて、堰の全景をじっくりと眺めることができます。
玉川上水沿いの奥多摩街道を渡ったところには、水の神をまつる「玉川水神社」や、玉川上水を管理するために江戸時代に設置された「羽村陣屋門」などの貴重な建物も。そのすぐ隣には「羽村取水管理事務所」があり、今も羽村取水堰の管理を行なっています。
また、羽村取水堰から玉川上水沿いの約1kmは桜の名所となっていて、毎年春には「さくらまつり」を開催。多くの花見客で賑わいます。
【羽村堰から車で約5分/徒歩で約20分】まいまいず井戸
JR青梅線「羽村駅」東口から徒歩1分ほどの「五ノ神社」境内にある都指定史跡「まいまいず井戸」。
地面を垂直に掘る技術が発達していなかった時代に、水を得られる深さまですり鉢状に掘られた井戸です。井戸へ向かって降りる通路がカタツムリのうずまきに似ているため「まいまいず」という名前が付けられました。
井戸が掘られた正確な年代は不明ですが、出土した板碑などから鎌倉時代頃の創建と推定されています。
■まいまいず井戸
所在地:東京都羽村市五ノ神1-2-1
料金:無料
【羽村堰から車で約5分/徒歩で約13分】羽村市郷土博物館
羽村取水堰のほど近くにある「羽村市郷土博物館」。羽村市の歴史や文化、玉川上水の仕組みなどがわかる貴重な品々が展示されています。
館内には、羽村堰にあった江戸時代の水門や現在の水門が実物大で再現されているコーナーも。羽村市や玉川上水のことを詳しく知りたい子供におすすめの施設です。
■羽村市郷土博物館
所在地:東京都羽村市羽741
料金:無料
【羽村堰から車で約3分/徒歩で約17分】根がらみ水田
羽村取水堰から多摩川沿いを上流に5分ほど歩いたところにある「根がらみ前水田」。約59,000平方メートル(東京ドームの1.26倍)もの広さを誇る羽村市内唯一の水田地帯です。
春には一面が広大なチューリップ畑に変身! 例年4月に「チューリップまつり」が開催され、多くの観光客で賑わいます。
夏には大賀ハスが大輪の花を咲かせ、「観蓮会(かんれんかい)」が開催されます。
春夏秋冬、訪れるたびに違った景色を見せてくれますよ。
根がらみ前水田を一望できる「雨乞坂」
根がらみ前水田のすぐ横には「雨乞坂(あまごいざか)」と名付けられた坂があり、坂の上からの水田風景が楽しめます。
昔、真夏の日照りが続くと、地域の人々が裸でこの街道を通り抜け、木製の龍頭を淵に沈めて雨乞いをしたと言い伝えられているそうです。
■根がらみ前水田
所在地:東京都羽村市羽加美4丁目・羽中4丁目
【羽村堰から車で約3分/徒歩で約16分】のんびりカフェ 中車水車小屋
根がらみ前水田の目の前にある「のんびりカフェ 中車水車(なかぐるますいしゃ)小屋」。お店の脇に水路が通っていて、大きな水車が設置されています。
昭和初期までこの地で田んぼに水を送っていた水車を復元したもので、2015年には4代目となる水車がクラウドファンディングで完成しました。回っている姿が見られたらラッキーかも!
親子連れに人気のメニューはワッフルクッキーが添えられたソフトクリーム。テイクアウトして水田地帯をお散歩したり、すぐ近くを流れる多摩川まで遊びに行くのもいいですね。
根がらみ前水田に遊びに来た際には、こちらのカフェにも立ち寄ってみましょう。
■のんびりカフェ中車水車小屋
所在地:東京都羽村市羽中4丁目17−6
【羽村堰から車で約4分】ホタル繁殖地
多摩川沿いにある「阿蘇神社」のほど近くには、ホタルの養殖地があります。例年6月下旬にホタル観賞会が開催されていて、美しく光るホタルが飛び交う様子をじっくり観察できる貴重な機会となっています。
ホタルを飼育できるのは、水がきれいな証拠ですね。
オリジナルミネラルウォーターも販売! 羽村の水がおいしい秘密
「蛇口をひねればミネラルウォーター」ともいわれるほどおいしい、羽村市の水道水。
その理由は、羽村市の水道水が深さ約7〜10mの水源から汲み上げる地下水を利用しているからなんです。自然の力で磨かれた水は、ミネラルが豊富でまろやかな味わいが特徴的です。
羽村市といえば玉川上水の起点の地ですが、意外にも玉川上水の水を水道水として利用しているわけではないんですね。
ちなみに東京都の水源は、ほとんどの地域で河川水を利用しており、羽村市は珍しいケースです。
【羽村堰から車で約6分】羽村市第1配水場配水塔
羽村市の水道水についてさらに詳しく学びたい場合は「羽村市第1配水場配水塔」へ!
羽村市水道事務所にある配水塔は、毎年6月1日〜7日の「水道週間」期間中に一般開放され、屋上の展望台に登ることができます。
コロナ禍以降は一時的に中止されていた一般開放ですが、見学の人数制限など縮小しながら、2022年は2年ぶりに開催されました。
今後、毎月1日(土日祝を除く)の見学会もタイミングを見て再開される可能性があるので、羽村市の市報や公式サイトをチェックしてみてくださいね。
■羽村市第1配水場配水塔
所在地:東京都羽村市緑ヶ丘2-18-5
水道水と同じ水が入っている「水はむら」
羽村の水のおいしさを手軽に実感できるのが、市内の公共施設などで購入できるオリジナルミネラルウォーター「水はむら」。羽村市の水道原水の魅力を知ってもらいたいとの願いを込めて商品化されたものです。
「水はむら」は熱処理、水道水は塩素処理を施しているため、味の違いはあるものの、水道水と同じ地下水100%の水が入っているのでとってもおいしい!
2007年の販売以降、ふるさと納税の返礼品にもなっています。まち歩きのおともにいかがでしょうか?
※ペットボトル水「水はむら」は2021年度(令和3年度)をもって製造を終了しました。在庫限りで販売終了のため、見つけたらぜひ飲んでみてくださいね。
玉川上水の起点があり、水道水のおいしい羽村市は、水について学ぶのにぴったりのまち。普段何気なく使っている「水」のことを詳しく知る親子旅。今年の自由研究にいかがですか?
記事を書いた人
宇都宮薫
多摩美術大学卒業。編プロ勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、書籍(ビジネス書・実用書・コミックエッセイ等)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは生活情報全般、出産育児、健康、おでかけ、グルメなど。趣味は地図を見ること、まち歩き、絵を描くこと♪
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