
【2025】関東の灯籠流し11選
子供に伝えたい日本伝統の光の行事
日本各地で古くから行われてきた夏の風物詩「灯籠(とうろう)流し」。
水面を流れる美しい光に癒されながら、「自分が今ここにいるのは先祖のおかげ」と感謝する気持ちを子供に伝えられる貴重な体験です。
そこで今回は、関東地方で開催される灯籠流しイベントをご紹介。灯籠流しが持つ意味もあわせて解説します。
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
送り火の意味もある「灯籠(とうろう)流し」とは?
灯籠流しは、お盆の時期にお迎えしたご先祖様を再び送る“送り火”として、昔から受け継がれてきた日本の伝統行事です。
日本各地で行われており、とくに京都の「嵐山灯籠流し」(2025年8月16日(土)開催)、広島の「ピースメッセージとうろう流し」(2025年8月6日(水)開催)などが有名です。
お盆の最終日である「送り盆」に、火を灯した灯籠を河川や海へ流すのが一般的ですが、そのまちの立地や風習、文化に基づき、さまざまな特色があります。

日本各地で踊られる盆踊りや、夏を彩る打ち上げ花火も、もとをたどれば亡くなった人々を供養する行事でした。そのため、灯籠流しとあわせて行う地域もあります。
お盆の時期は地域により異なる?
多くの地域では、新暦の8月15日を中心とし、先祖の霊を迎える8月13日の「迎え盆」から、16日に再び送りだす「送り盆」までの4日間をお盆とするのが一般的。
一方、東京をはじめとした一部地域では、7月13日から7月16日にお盆の行事を行うことが多くなっています。
そのため、送り火のひとつである灯籠流しも多くの地域では8月中旬に実施されますが、東京などでは7月中旬に行われることもあります。
それでは、親子で行きたい関東地方の灯籠流し行事をご紹介します。
【栃木県足利市】渡良瀬川 灯ろう流し(2025年8月17日)
1950年(昭和25年)より毎年8月17日に渡良瀬川の岸辺で営まれている、栃木県足利(あしかが)市の伝統行事。市内17の寺院からなる「足利仏教和合会」が主催しています。
灯籠流しは、夕暮れとともに17時30分からスタート。夕日の美しさで知られる渡良瀬川で、感謝の心を添えて流しましょう。
灯籠は「足利仏教和合会」の寺院で事前購入すると1挺1,000円(例年7月末頃から販売開始)。当日、現地でも1,200円で販売されます。
■渡良瀬川 灯ろう流し
開催日:2025年8月17日(日)
開催時間:17:30~20:30
料金:観覧無料、灯籠1,200円
開催場所:渡良瀬川 中橋と田中橋の間北岸
アクセス:【車】北関東自動車道・足利ICから約15分、【電車】JR両毛線「足利駅」から徒歩で約7分/東武伊勢崎線「足利市駅」から徒歩で約10分
【群馬県高崎市】新町ふるさと祭り 花火大会・灯籠流し(2025年8月16日)

2025年に32回目を迎える、群馬県高崎市新町の「新町ふるさと祭り」。祖先を追悼し、地域の振興を図ることを目的に、高崎市新町商工会が主催しています。

灯籠流しは、18時30分から19時30分頃まで、温井(ぬくい)川の河畔「虚空蔵尊」(こくぞうそん)付近で実施。当日、誰でも灯籠流しに参加できます。

流れゆく灯籠に祈りを捧げたあと、夜空には大輪の花火が打ちあがります。

打ち上げ場所は、灯籠流しの会場から土手を超えた先に広がる新町烏川グラウンドです。
「数は1,800発ほどですが、ここまで間近で打ち上がる花火はなかなかありません。おなかに響くドーンという音も、迫力満点です」(高崎市新町商工会スタッフ・山田さん/取材時)
■新町ふるさと祭り 花火大会・灯籠流し
開催日:2025年8月16日(土)
開催時間:灯籠流し18:30~19:30、花火大会19:40~21:00
料金:観覧無料
開催場所:
【灯籠流し】温井川の河畔「虚空蔵尊」付近(群馬県高崎市新町34)
【花火大会】新町烏川グラウンド(群馬県高崎市新町2871)
アクセス:【電車】JR高崎線「新町駅」から徒歩で約15分
【埼玉県杉戸町】古利根川流灯まつり(2025年8月2日~3日)
埼玉県杉戸町と隣の宮代町との境を流れる古利根川に、畳1畳分もの大きな灯籠が250挺も連なるお祭りです。
昭和初期に、両町の商店会が協力して「流燈會」(とうろうかい)として開始。1990年に「古利根川流灯まつり」として生まれ変わりました。
灯籠は、釘(くぎ)を使わずに組み立て細工の要領で地元の人たちが手作り。約1kmもの距離を光が連なる景色は、まるで地上に降りた天の川のようです。
大型灯籠の係留と飾り灯籠のほか、船の遊覧、人力車、踊り・ダンス・バンド・民謡・歌謡ショーなどのステージイベントが開催されます。
東武スカイツリーライン「東武動物公園駅」から歩いて3分ほどのエリアで開催されるので「東武動物公園」とあわせておでかけするのもいいですね。
■古利根川流灯まつり
開催期間:2025年8月2日(土)~3日(日)
料金:観覧無料
開催場所:古利根川河畔
アクセス:【電車】東武スカイツリーライン「東武動物公園駅」東口から徒歩で約3分
【埼玉県長瀞町】長瀞船玉まつり(2025年8月15日)

埼玉県長瀞町で毎年8月15日に開催される夏の風物詩「長瀞船玉まつり」。国指定の名勝である長瀞渓谷を舞台に、幻想的な灯籠流しと荒川に浮かぶ万灯船、そして夜空を彩る迫力満点の花火が楽しめます。
川下りの船頭による水上安全の祈願と御霊供養の儀式を観光と結びつけたことが起源とされ、さまざまな願いを込めた灯籠が川を下り、昼とは異なる幻想的な雰囲気を醸し出します。
アニメとのコラボ企画も実施され、花火の打ち上げ数は例年3,000発以上。長瀞町の伝統と風物詩を家族で体験してみてはいかがでしょうか。
■長瀞船玉まつり
開催日: 2025年8月15日(金)※小雨決行、荒天の場合は花火大会のみ8月30日(土)に延期
開催時間:17:10~20:45/灯籠流し18:20~
料金:観覧無料
※特別観覧場所は有料(8月1日振込締め切り、8月8日窓口締め切り)、灯籠流し1基1,000円(7月25日締め切り)
開催場所:長瀞岩畳周辺
アクセス:【電車】秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩で約5分
【千葉県鴨川市】海施餓鬼流灯会(2025年8月10日)

千葉県鴨川市の「誕生寺」が、2025年8月10日(日)に「小湊漁港」で行う夏の風物詩のひとつ。
1703年(元禄16年)の元禄地震による津波で亡くなった人々を弔うために始まり、第二次世界大戦後には戦没者の慰霊を兼ねて灯籠を流すようになりました。

当日は、例年18時50分頃に大小の灯籠を持った「灯籠行列」が「誕生寺」祖師堂を出発。その後、灯籠は小型船に載せられ、火を灯したのち次々と海上へ流されていきます。
終盤になると花火が打ち上げられ、海面には灯籠と花火の光が重なり合い、あまりの美しさに涙を流す人の姿も。
現在では、関東エリアだけでなく関西などからの参加も増えています。
■海施餓鬼流灯会
開催日時:2025年8月10日(日)
開催時間:19:00~
料金:観覧無料
開催場所:小湊漁港 ※灯籠行列は誕生寺(千葉県鴨川市小湊183)
アクセス:【車】館山自動車道・君津ICから約1時間 【電車】JR外房線「安房小湊駅」から徒歩で約20分
【千葉県八千代市】八千代ふるさと親子祭(2025年8月23日)

千葉県八千代市の夏の風物詩「八千代ふるさと親子祭」が、2025年8月23日(土)に開催されます。
夕方から始まる露店や灯籠流し、そして夜のフィナーレを飾る5,000発の花火と、家族で楽しめるイベントが盛りだくさん。3世代でおでかけして、夏の思い出づくりをしてみてはいかがでしょうか。
荒天時は中止の可能性もあるので、天気予報のチェックをお忘れなく。
■八千代ふるさと親子祭
開催日: 2025年8月23日(土)
開催時間:
料金:無料観覧場所あり(総合運動公園野球場)
※有料観覧席1席2,000円~6人30,000円など(全国のセブンイレブンとwebサイト「セブンチケットサービス」で販売)
開催場所:県立八千代広域公園および八千代総合運動公園多目的広場周辺
アクセス:東葉高速鉄道「八千代中央駅」「村上駅」から徒歩で約15分
【東京都台東区】下谷仏教会 流灯会(2025年7月17日)

いつも多くの人でにぎわう「上野恩賜公園」の不忍池が、穏やかな光に包まれる夏の恒例行事「流灯会(りゅうとうえ)」。
下谷仏教会が主催し、毎年7月17日に「不忍池辨天堂」にて執り行われます。
例年、灯籠の申し込みは当日の17時頃から。「不忍池辨天堂」の前と、「不忍池ボート場」で受け付けます(1挺1,000円)。

日が沈む19時頃になると、僧侶が読経を行うなか、ボートに乗ったスタッフが火を灯した灯籠を不忍池(ボート池)に流していきます。

また、「不忍池辨天堂」内の祭壇(施餓鬼壇/せがきだん)で19時から法要が行われ、誰でもお焼香に参列できます。
「『花びらは散っても花は散らない。 形は滅びても人は死なぬ』という言葉があります。人の命は、悼む心がなくならない限り続くもの。
亡き人を想い悼む灯籠流しは『先祖がいたからこそ自分がいる』ということを親子で感じる良い機会になりますよ」(下谷仏教会・金嶺寺住職 末廣正栄さん/取材時)
■下谷仏教会 流灯会
開催日:2025年7月17日(木)
開催時間:19:00~
※灯籠申込は17:00~
料金:観覧無料
※灯籠申込は1挺1,000円
開催場所:不忍池辨天堂
アクセス:【電車】JR、東京メトロ「上野駅」から徒歩で約8分/京成本線、成田スカイアクセス線「京成上野駅」から徒歩すぐ
【東京都台東区・墨田区】隅田川とうろう流し(2025年8月16日)

浅草エリアの夏の風物詩、「隅田川とうろう流し」。例年、国内外から多くの観光客が集まります。
関東大震災や東京大空襲などで亡くなった人々を偲び、1946年(昭和21年)の「浅草復興祭」のときに始まりました。

その後、隅田川の護岸工事による休止期間を経て、2005年に復活。2019年からは隅田川を挟む墨田区と台東区の連携事業となり、吾妻(あづま)橋の両岸で同時開催されています。

浅草のまちやスカイツリーの夜景をバックに、ゆっくりと灯籠が流れていく光景は、眺めているだけで心が洗われるよう。
「それぞれの想いをのせた灯籠による幻想的な風景と隅田川沿いの水辺空間をお楽しみください」(墨田区観光協会・佐々木匠さん/取材時)

なお、灯籠の事前購入方法や当日の受付場所などは、台東区と墨田区とで異なりますのでご注意ください。
■隅田川とうろう流し
開催日:2025年8月16日(土)
開催時間:【式典・流し初め 】18:30~、【灯籠流し】18:45~
料金(灯籠1挺):事前購入1,700円、当日購入2,000円
開催場所:隅田川(吾妻橋付近両岸)
【台東区浅草側】隅田川 吾妻橋親水テラス
【墨田区側】 隅田川親水テラス、墨田区役所前うるおい広場
アクセス:【電車】都営浅草線、東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩で約5~9分
当日販売:【台東区浅草側】吾妻橋西詰の墨田公園入口付近特設テント(14:00~)/【墨田区側】墨田区役所前うるおい広場(14:00~19:00)
【東京都千代田区】皇居千鳥ヶ淵 灯ろう流し(2025年7月30日 〜31日)

東京都千代田区の「千鳥ヶ淵」で、2025年7月30日(水)、31日(木)に開催される灯籠流し。
第二次世界大戦後の人々の心を癒やそうと、1958年(昭和33年)に始まったこのイベントは、千代田区の夏の風物詩。
皇居の北西側にあるお濠「千鳥ヶ淵」に、平和への祈りと大切な人への想いを込めた「希望の灯ろう」を流します。
約2,000挺の灯籠が用意され、優しい光が水面に揺らめきます。
参加方法は「船上灯ろう」(抽選)、「灯ろう」(事前購入制)の2種類です。
船上灯ろう(抽選)

当日会場でボートに乗船し、水面に浮かぶ灯ろうを眺めながら、直接灯ろうを流すことができます。
■船上贈り灯
対象:1日60組(抽選/1組3名まで)
参加費:1艘10,000円(灯籠3灯、ボート使用料込)
※申込は2025年6月17日(火)で終了
灯ろう(事前購入)

事前に公式サイトで予約購入し、願いごとやメッセージを記入した灯籠をスタッフに託し、水上に流してもらいます。
今年からは、遠方の方でもウェブサイト上で灯ろうへのメッセージを記入できるように。現地に行けなくても、ライブカメラを通して自分の灯ろうが流れていく様子を楽しめます。
■灯ろう(事前購入)
参加費:1挺2,000円
【WEB記入】
申込方法:公式サイトより申し込み
申込期間:2025年6月5日(木)~(数量限定/売り切れ次第終了)
【直接記入】
申込期間:2025年6月5日(木)~7月28日(月)
申込場所:千鳥ヶ淵ボート場付近 灯ろう販売所(千代田区三番町2先)
受付期間・時間:2025年7月30日(水)・31日(木)16:30~19:00
平和について考えるよい機会になりそうですね。ぜひ親子で足を運んでみてください。
■皇居千鳥ヶ淵 灯ろう流し
開催日:2025年7月30日(水)、31日(木)
※雨天・荒天中止
開催時間:16:30~20:00
※灯ろう流しの観覧は19:00~20:00
料金:観覧無料
※灯籠流しの参加費が別途必要
開催場所:千鳥ヶ淵ボート場 (千代田区三番町2先)、千鳥ヶ淵緑道、九段坂公園(千代田区九段南2-2-18)
アクセス:【電車】東京メトロ、都営地下鉄「九段下駅」2番出口から徒歩で約10分/東京メトロ半蔵門線 「半蔵門駅」5番出口から徒歩で約10分
【神奈川県川崎市】二ヶ領用水 灯籠流し(2025年8月17日)

江戸時代から続く農業用水路で、国の登録記念物でもある「二ヶ領用水」。川崎市民に親しまれるこの用水路を舞台に、地元町会と子供会が共催する、温かい雰囲気の灯籠流しです。
当日は16時から灯籠の製作・購入ができ(数に限りあり)、18時からの放流に参加できます。地元の子供たちが作った竹灯籠も飾られ、無数の優しい光が水路を流れていく様子は心に残る幻想的な光景です。

日中は、同じ多摩区内にある大人気の「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」へでかけるのもおすすめ。
ミュージアムで夢の世界にひたったあと、夜は風情ある灯籠流しへ。親子にとって忘れられない、特別な夏の一日になりますよ。
■二ヶ領用水 灯籠流し
開催日: 2025年8月17日(日)
開催時間: 【灯籠販売・製作】16:00~ 【灯籠流し】18:00~19:00
料金: 観覧無料(販売・制作料金は非公表)
開催場所: 二ヶ領用水 宿河原橋~仲乃橋周辺(神奈川県川崎市多摩区宿河原)
アクセス: 【電車】JR南武線「宿河原駅」から徒歩で約2分
【神奈川県相模原市】小倉橋灯ろう流し(2025年8月16日)
神奈川県相模原(さがみはら)市の相模川では、2025年8月16日(土)に、毎年恒例の「小倉橋灯ろう流し」が行われます。
会場は、美しいアーチ形で「かながわの橋100選」にも選出されている小倉橋の周辺。ライトアップされた橋と、灯籠の明かりの共演により美しい光景が広がります。
「小倉橋灯ろう流し」では、約700個の灯籠が流されます。ゆらゆらと川を渡っていく灯籠を親子で眺めましょう。
また、灯籠を購入して、灯籠流しに参加することもできます。例年、開催日前の一定期間に相模原市内の販売協力店で事前購入できるほか、当日、会場でも購入できますよ。
当日は、灯籠流し以外にも、軽飲食や地域の特産物の販売、篠笛(しのぶえ)の生演奏が行われます。
情景の美しさと雅楽の音色、日本の夏の美しさを親子で堪能するひとときを過ごしにでかけませんか。
■小倉橋灯ろう流し
開催日:2025年8月16日(土)
開催時間:18:00~、灯籠流し19:00~
料金:観覧無料、灯籠は事前購入1,200円、当日1,500円(ともに1挺の価格)
開催場所:相模川 小倉橋下
アクセス:【電車】JR各線、京王相模原線「橋本駅」からバス(橋03系統)に乗車、バス停「宮原」下車後、徒歩で約3分
日本人が大切に受け継いできた灯籠流し。この夏、親子で体験してみてはいかがでしょうか。
記事を書いた人

いこーよとりっぷ編集部
「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。
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