
10月におすすめ「東京十社めぐり」とは?楽しみ方や十社の見どころ&門前町の立ち寄りスポットを紹介!
今回は、10月のおでかけにおすすめの「東京十社めぐり」と各社の見どころ&周辺スポットをご紹介します。
「東京十社」とは、明治天皇が万民の平安を祈り、東京を守るために選んだ12社のうち昭和天皇の御即位50年を記念して選ばれた10の神社のこと。江戸時代以前から栄え、地域の鎮守として愛されてきた格式ある神社ばかりなので、門前町を歩くのも楽しいですよ。
この秋は、東京の今と昔に思いをはせながら、親子で十社をめぐる旅にでかけませんか?
※内容は一部変更または中止になる可能性があります。最新情報および詳細は、公式サイトをご確認ください
「東京十社」とは?
「東京十社めぐり」とは、東京の鎮護と人々の平和を祈るために定められた、10の格式高い神社のことです。
その歴史は、1868年(明治元年)に、明治天皇が東京近郊の12社を皇居を守護する「准勅祭社」(じゅんちょくさいしゃ)と定めたことから始まります。
その後、1975年(昭和50年)に昭和天皇の御即位50年を記念して、都心から参拝しやすい10社が選ばれ、現在の「東京十社」となりました。
「准勅祭社」とは?
皇居が京都にあった頃から、国を守るために天皇陛下の使者が派遣される特別な神社のことを「勅祭社」(ちょくさいしゃ)と呼んでいました。
明治時代になり、都が京都から東京へ移った際に、明治天皇が「これまでの勅祭社に準ずる、都を守るための重要な神社」として新たに定めたのが12カ所の「准勅祭社」です。東京十社のルーツとなった、由緒ある神社の格式なんですよ。
現在、この制度はなくなったため「元准勅祭社」と呼ばれています。
10月10日は「東京十社の日」?

毎年10月10日は「東京十社の日」。しかし、「東京十社」の公式サイトによると、特に十社で制定したわけではなく参拝者の人たちの間で「10月10日は東京十社めぐりをしよう」と提唱されたものだそう。
10月10日にこだわる必要はありませんが、10月は気候もよく、神社をめぐるにはぴったりの時期。晴れた週末などにおでかけしてみてはいかがでしょうか。
東京十社めぐりの楽しみ方
「東京十社」を参拝する順番や季節、巡拝する期限などに決まりはなく、それぞれの都合でめぐってかまいません。参拝のお目当てや楽しみ方を見つけて、思い思いにめぐってみましょう。
楽しみ方の例:ミニ絵馬&御朱印を集める

親子で東京十社めぐりのミニ絵馬や御朱印を集めながらめぐるのも楽しいですよ。「東京十社めぐり御朱印帳」(1,500円)も頒布されています(扱っていないこともあるため、各社でご確認ください)。
また各神社の由緒が描かれた小さな絵馬をすべて集めると、「東京十社めぐり 大絵馬」が完成!(ミニ絵馬各500円、大絵馬2,000円)。まるでスタンプラリーのようで、子供も楽しく参拝できるはずです。
楽しみ方の例:ランニングをしながらめぐる

じつはランナーたちにも人気が高い「東京十社めぐり」。十社を一度にめぐると総距離は約40kmで、ちょうどフルマラソンと同じくらいの道のりです。
そのため、「東京十社めぐりラン42km」などのランニングイベントも開催され、SNS上には東京十社ランを愛する人たちのコミュニティも。
親子で走る際は、近い距離にある2社をめぐるといいかもしれません。交通に注意し、しっかり水分を補給しながら安全に走りましょう。
それではここから、「東京十社」をご紹介します。
【千代田区】神田明神(神田神社)

奈良時代に創建され、約1300年の歴史を持つ「神田明神(神田神社)」。江戸の総鎮守として、徳川将軍から庶民まで広く信仰を集めてきました。
「明神さま」と親しまれ、商売繁盛や縁結びの神様として知られています。境内には、社殿の横には神馬「明(あかり)ちゃん」の馬舎があり、タイミングが良ければ愛らしい姿に会えるかも。
また、「神田祭」のジオラマなどを展示する資料館や、お土産がそろう文化交流館「EDOCCO」も併設されており、親子で歴史を楽しく学べます。
周辺の立ち寄りスポット

参拝後は、鳥居のすぐ隣にある老舗「天野屋」で、麹だけで作った甘酒を味わうのが定番! 近代教育発祥の地「湯島聖堂」も徒歩圏内です。
また、旧万世橋駅の遺構をリノベーションした商業施設「マーチエキュート神田万世橋」も親子におすすめ。ガラス張りのデッキから中央線が行き交う様子を間近に見ることができ、電車好きの子供は大興奮間違いなしです。
■「神田明神」概要
所在地:東京都千代田区外神田2-16-2
アクセス:【電車】JR中央・総武線「御茶ノ水駅」から徒歩で約5分/東京メトロ「末広町駅」から徒歩で約5分
【江東区】亀戸天神社

下町の名所「亀戸天神社」は、菅原道真公を御祭神とする関東天神信仰の中心地です。美しい庭園や由緒ある建築物が魅力で、四季折々の花を楽しめることから"花の天神様"とも呼ばれています。
毎年開催される「梅まつり」、「藤まつり」、「菊まつり」は特に有名で、シーズン中は多くの参拝客でにぎわいます。
そのほか、子供の健やかな成長を願う行事や、書道上達を祈る「筆塚祭」など、親子で参加できるイベントが充実。歴史と伝統を肌で感じられる「亀戸天神社」は、家族そろっておでかけしたいスポットです。
周辺の立ち寄りスポット

「亀戸天神社」に訪れたら、すぐ近くにある老舗の甘味処「船橋屋 亀戸天神前本店」で名物のくず餅を味わうのが定番コース。
また、徒歩10分ほどの場所には、スポーツの神様として有名な「亀戸香取神社」もあります。“勝運”のご利益をいただきに、あわせて参拝するのもおすすめです。
■「亀戸天神社」概要
所在地:東京都江東区亀戸3-6-1
アクセス:【電車】JR総武線「亀戸駅」から徒歩で約15分/JR総武線・東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」から徒歩で約15分
【江東区】富岡八幡宮

東京メトロ東西線「門前仲町駅」から徒歩3分の場所にある「富岡八幡宮」は、“江戸最大の八幡様”として知られる由緒ある神社です。
江戸時代の「勧進相撲」発祥の地としても知られ、境内には歴代横綱の名が刻まれた「横綱力士碑」など、相撲関連の碑がたくさんあります。「こんなに大きかったんだ!」と驚く、巨人力士の身長碑と背比べするのも楽しいですよ。
また、神輿庫に展示されている、ダイヤモンドやルビーが輝く日本一の黄金神輿は必見の美しさ!
「深川七福神」のひとつでもあり、2月の「節分祭」 や7月の例大祭「深川八幡祭り」などの行事も見逃せません。
周辺の立ち寄りスポット
「富岡八幡宮」がある門前仲町の周辺は、下町情緒あふれるエリアです。参拝のあとは、深川名物「あさりめし」が味わえる「深川宿」や、香ばしい甘栗が人気の「イシイの甘栗」といったお店で食べ歩きを満喫してみませんか?
昔ながらの手焼きせんべいが100種類以上そろう「みなとや」で、お土産を探すのもおすすめです。
■「富岡八幡宮」概要
所在地:東京都江東区富岡1-20-3
アクセス:【電車】東京メトロ東西線「門前仲町駅」から徒歩で約3分/都営大江戸線「門前仲町駅」から徒歩で約6分
【港区】芝大神宮

平安時代に創建され、一千年以上の歴史を誇る「芝大神宮」。JR各線、東京モノレール「浜松町駅」や、都営浅草線・大江戸線の「大門駅」から徒歩数分という都心にあり、境内には静かで荘厳な空気が流れています。
三重県の「伊勢神宮」の御祭神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)・豊受大神(とようけのおおかみ)をお祀りしていることから、“関東のお伊勢様”として古くから庶民に親しまれてきました。
江戸時代には門前で相撲や芝居が興行され、大変なにぎわいを見せた場所として知られています。また、毎年9月11日から21日まで、11日間という長期間にわたって開催される例大祭「だらだら祭り」も有名です。
周辺の立ち寄りスポット

参拝後は、徳川将軍家ゆかりの「増上寺」まで足を延ばしてみませんか?いたるところから東京タワーが見え、11月下旬~12月には美しい紅葉でも知られています。
また、「浜松町駅」からすぐの「旧芝離宮恩賜庭園」は、高層ビル群に囲まれた美しい日本庭園。池の周りを散策しながら、すぐそばを行き交う新幹線やモノレールを眺めることができ、乗り物好きの子供も楽しめます。
■「芝大神宮」概要
所在地:東京都港区芝大門1-12-7
アクセス:【電車】JR「浜松町駅」から徒歩で約5分/都営地下鉄「大門駅」から徒歩で約1分
【品川区】品川神社

1187年に源頼朝が創建したと伝わる、北品川の鎮守様。「東京十社」の一社であり、東海七福神の大黒天もお祀りしています。
境内入口に立つ石の鳥居「双龍鳥居」は、柱に龍の彫刻が施された珍しいもので、“東京三鳥居”のひとつ。また、都内最大級の「富士塚」があり、山頂まで登れば富士山に登ったのと同じご利益があるといわれています。
金運アップで人気の「一粒萬倍の御神水」も見どころです。
6月の例大祭は、徳川家康ゆかりの御神面をつけた神輿の「城南担ぎ」と、53段の急な階段を勢いよく登る「宮入シーン」が迫力満点です。
周辺の立ち寄りスポット

「品川神社」を参拝したあとは、旧東海道第一の宿場として栄えた「品川宿」の面影が残る商店街へ。レトロな雰囲気のお店や、おいしいグルメがたくさんありますよ。
また、少し足を延せば、東京湾のクルージングや水上バスが楽しめる「船清」も。普段とは違う、船の上からの景色に子供も大喜び間違いなしです。
■「品川神社」概要
所在地:東京都品川区北品川3-7-15
アクセス:【電車】京浜急行「新馬場駅」から徒歩で約1分
【港区】赤坂氷川神社

江戸八代将軍・徳川吉宗公によって現在の地に建てられた、1,000年以上の歴史を持つ神社。厄除や縁結びのご利益で知られるパワースポットです。創建当時の姿を今に伝える貴重な御社殿は、東京都の有形文化財に指定されています。
境内は豊かな緑に囲まれ、ブランコと鉄棒のある遊び場も。都会の真ん中とは思えないほど静かで落ち着いた雰囲気のなか、親子でゆったりと過ごせます。
また毎年9月の「赤坂氷川祭」では、戦時中に焼失した神輿の後継や、江戸時代から伝わる貴重な山車が、さまざまな隊列とともにまちを巡行し、まちじゅうが熱気に包まれます。
周辺の立ち寄りスポット

「赤坂氷川神社」から10分ほどお散歩すると、近代的な商業施設と緑豊かな公園が融合した「東京ミッドタウン」に到着。おしゃれなカフェで休憩したり、芝生広場で遊んだりできますよ。
また、境内一面に奉納された赤い幟(のぼり)が圧巻の「豊川稲荷東京別院」も徒歩圏内。たくさんの狐の石像にも出会え、子供の探求心をくすぐります。
■「赤坂氷川神社」概要
所在地:東京都港区赤坂6-10-12
アクセス:【電車】東京メトロ千代田線「赤坂駅」から徒歩で約8分/東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木駅」から徒歩で約8分
【千代田区】日枝神社

江戸城の裏鬼門を守る「江戸郷の総氏神」として、徳川将軍家から篤い崇敬を受けた神社です。太田道灌(おおたどうかん)が江戸城内に「川越山王社」を勧請したのが始まりで、現在は永田町に鎮座しています。
“江戸三大祭”のひとつ「山王祭」でも知られ、毎年多くの人々が足を運んでいます。
境内には国宝や重要文化財の刀剣などを所蔵する「宝物殿」があり、無料で拝観できます。また、拝殿の天井に描かれた123枚の美しい天井絵や、稲荷参道に並ぶ千本鳥居も見どころです。
周辺の立ち寄りスポット

「日枝神社」から歩いて5~6分の場所に、日本の政治の中枢である「国会議事堂」があり、予約不要(10人以上は必要)で見学できます。見学日時や受付場所などは両院で異なるので、詳細は公式サイトをご確認くださいね。
また、江戸時代に紀伊徳川家、尾張徳川家、彦根井伊家が屋敷を構えた紀尾井町も徒歩15分ほど。「東京ガーデンテラス紀尾井町」や「ホテルニューオータニ」では特別感のある食事を親子で堪能できます。
■「日枝神社」概要
所在地:東京都千代田区永田町2-10-5
アクセス:【電車】東京メトロ千代田線「赤坂駅」から徒歩で約3分/東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王駅」から徒歩で約3分
【文京区】白山神社

東京都文京区の「白山神社」は、天暦年間(947〜957年)に創建されたと伝わる、歴史ある神社。
もともとは現在の「小石川植物園」内にありましたが、五代将軍・徳川綱吉の屋敷造営のため、現在の場所に移されました。そのため綱吉と、その母・桂昌院から厚い信仰を受けたといわれています。
境内には紫陽花(あじさい)が約3,000株も植えられており、6月には「文京あじさいまつり」が開催され、多くの人でにぎわいます。
周辺の立ち寄りスポット

「小石川植物園」は日本でもっとも古く、世界有数の歴史を持つ植物園です。
園内には約500種の植物が植えられた「植物分類標本園」や、約120種の薬用植物を栽培する「薬園保存園」などのエリア、万有引力を発見するきっかけとなった「ニュートンのリンゴ」など、見どころが満載!
すぐ近くには昔ながらの銭湯「白山浴場」があり、日替わり薬湯などでゆったりできますよ。
■「白山神社」概要
所在地:東京都文京区白山5-31-26
アクセス:【電車】都営三田線「白山駅」から徒歩で約3分/東京メトロ南北線「本駒込駅」から徒歩で約7分
【北区】王子神社

東京の北区にある王子神社は、創建700年以上の歴史を持つ有名な神社です。徳川家光の乳母・春日局が祈願し、家光の将軍就任が叶ったことから“子育大願”の神社として知られています。
お宮参りや七五三に参拝する家族も多く、子供と一緒に訪れるのにぴったりのスポット。境内には子育て狛犬や東京都の天然記念物に指定されている大イチョウがあり、親子で散策するのもおすすめです。
毎年8月には例大祭「槍祭」、12月には「熊手市」など、一年を通してさまざまな行事や神事が行われるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
周辺の立ち寄りスポット

「王子神社」の近くにある「飛鳥山公園」は、江戸時代から続く桜の名所。
ユニークな遊具がそろう児童エリアや、モノレール「アスカルゴ」があり、季節を問わず楽しく遊べます。園内には、王子で暮らした渋沢栄一ゆかりのスポットや、「紙の博物館」といった親子で学べる施設も充実。
また、全国的に見ても珍しいお札と切手の専門博物館「お札と切手の博物館」も徒歩圏内にあるので、足をのばしてみてはいかがでしょうか。
■「王子神社」概要
所在地:東京都北区王子本町1-1-12
アクセス:【電車】JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」から徒歩で約3分
【文京区】根津神社

文京区の「根津神社」は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が創祀したと伝わる古社です。現在の社殿は、江戸五代将軍・徳川綱吉によって建てられました。
本殿をはじめ、唐門や楼門など7棟が国の重要文化財に指定されており、江戸時代の神社建築の様式を今に伝える貴重な場所です。境内には約3,000株のつつじが植えられた「つつじ苑」もあり、春には見事な花景色が広がります。
また、例大祭やつつじ祭りなど、一年を通じて見どころあふれる行事が多数開催されています。
周辺の立ち寄りスポット

参拝のあとは、「谷根千(やねせん)エリア」のまち歩きがおすすめ。
神社から徒歩5分ほどの路地裏にある「ボンジュールモジョモジョ」は、ウサギやクマなど、かわいい動物パンが子供に大人気のパン屋さん。
また、ユニークなたわしがそろう「亀の子束子 谷中店」もすぐ近くにあります。ほかにも、オーストラリア・メルボルンスタイルの朝ごはんが評判のカフェ「CIBI Tokyo Store」や、まち歩きが楽しい「谷中銀座」などワクワクする場所がそろったエリアです。
■「根津神社」概要
所在地:東京都文京区根津1-28-9
アクセス:【電車】東京メトロ千代田線「根津駅」「千駄木駅」から徒歩で約5分
それぞれに強いご神徳があり、見どころにあふれた「東京十社」。親子で神社めぐりとともに周辺観光を満喫して、特別な思い出を作ってくださいね!
記事を書いた人

いこーよとりっぷ編集部
「いこーよとりっぷ」では、地域の伝統行事や季節毎のイベント情報など、地域の魅力を発信し、親子にとって「10年先も思い出す」おでかけ体験を提供していきます。
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